[Scene: Central Perk, Chandler, Monica, and Joey are there.]
セントラルパーク。チャンドラー、モニカ、ジョーイがそこにいる。
出張中のピートから、"We need to talk." と言われたので、ピートに振られそうだと思っているモニカ。
モニカ: (starting to get up) I gotta go water Pete's plants. (stops) Y'know what? If he's gonna break up with me, maybe I won't water his plants. ([立ち上がろうとする] ピートの(観葉)植物に水をやりに行かなくちゃ。[動きを止めて] ねぇ、もしピートが私と別れるつもりなら、多分、私は彼の植物に水やりしないわ[するつもりはないわ]。)
チャンドラー: Well, if he's gonna break up with you, maybe Joey and I should water his plants. If you know what I mean. (そうだな。もしピートがモニカと別れるつもりなら、多分、ジョーイと俺が彼の植物に水やりをすべきだな。俺の言っている意味がわかるかな。)
ジョーイ: Or, ha-ha, we could go over there and pee on them. (それとも、ハハハ。俺たちがそこに行って、植物におしっこかけることもできるぞ。)
ピートが家にいない間、彼の部屋に置いてある植物に水やり(水遣り)をすることになっているようですが、ピートに振られると思っているモニカは、振られるなら水やりなんかしてあげる必要ないかも、と言っています。
ここでの water は他動詞で「…に水をやる、かける、まく」ですね。
それを聞いたチャンドラーは、ちょっと得意そうに、maybe Joey and I should water his plants. と言った後、If you know what I mean. と付け加えています。
このニュアンスについては、以下の英辞郎の語義がわかりやすいです。
英辞郎では、
if you know what I mean=(あなたには)意味が分からないかもしれないけど、分かるかな、ピンと来ないかもしれないけど。(用法)複雑な内容・遠回しな表現・隠語的表現などについて
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
(do) you know what I mean? also if you know what I mean:
used when checking that someone has understood what you are saying
つまり、「自分が言っていることを誰かが理解したかを確認する時に使われる」
直訳すると、「もし俺の言っていることの意味が分かれば(の話だけどね)」という感じでしょうか。
チャンドラーとしては、ちょっと遠回しに言い過ぎたかもしれないけど、俺の言うこと、わかるよね?ということです。
そのチャンドラーの発言を妙に真面目な顔をして聞いていたジョーイは、Or 「または」を使って、チャンドラーが言ったこともいいけど、こういうこともできるよ、と、植物におしっこをかける案を提案します。
それを聞いて、チャンドラーがあっちゃー!という顔をしていますね。
これは、「ジョーイは俺の言うこと、ちっともわかってねぇー!」という感じの顔です。
チャンドラーは、男2人で水やりに行く、と言ったのですが、それは「俺たち二人が、水じゃなくて、小便をかけに行ってやる」という意味だったようですね。
モニカが行かないって言うんなら、俺たちがモニカを振ろうとしている男のところへ行って、モニカの友人として仕返ししてやろうじゃん、という感じです。
もちろん、文字通り解釈すれば、「俺とジョーイで植物に水をやる」になるのですが、If you know what I mean という言葉をわざわざ付け足して、「ちょっと遠回しに言ってみたんだけどわかるかな?」と得意気に、また少しいたずらっぽく言ったことを考えると、「water というのはある行為を意味する婉曲表現であり隠喩であることを示唆している」と考えるべきでしょう。
そのチャンドラーのセリフを「なるほど」という顔をして聞いていたジョーイが、「それもいいけど、こういうのもどう?」と出した提案が、チャンドラーが隠喩で表現したことをそのまんまダイレクトに言い直した内容(pee on them[plants])だったので、俺がわざわざ婉曲的に表現してみたのに、全然通じてなかったのかよ!とがっかりした、ということです。
ドクター・ロウズの診察室。ロスの周りにたくさんの医者が集まってきている。
ロス: Y'know, I have dinner plans. (あのー、ディナーの予定があるんですけど。)
ドクター・ロウズ: Thank you so much for coming on such a short notice. Ladies and gentlemen, I've-I've-I've been practicing medicine for 23 years, and I'm stumped. (急な呼び出しに来てくれてありがとう。皆さん、私は、私は、私は、23年間、医業を営んできたが、(今回は)お手上げだ。)
(He removes the blanket covering the thing.)
ドクター・ロウズは、(ロスの)モノを覆っているブランケットを取り除く。
全員: Whoa. (they all lean in to get a closer look, Ross isn't pleased) (おぉー。[医者たちは全員、より間近で見ようと、身を乗り出す。ロスは嬉しくない。]
Thank you so much for coming on such a short notice. について。
notice は「通知、告知」。
トゥーウィークスノーティス フレンズ3-10その16 で、I'm giving my week's notice. というセリフが出てきて、その時に、記事中そしてコメント欄で、notice についていろいろ書いています。
その時のコメント欄で書いたことと重複しますが、notice についてここでまた説明させて下さい。
セリフでは、on such a short notice となっていますが、「通知、告知」という意味は不可算名詞のようなので、文法的には a のない形が正しいのかもしれません。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
at short notice British English
on short notice American English
: if you do something at short notice, you do not have very much time to prepare for it
例) The trip was planned on short notice.
Thanks for agreeing to see me at such short notice.
a cancellation at very short notice
つまり、at を使うのがイギリス式、on を使うのがアメリカ式ということで、その意味は、「at short notice で何かをするということは、それに対して準備する時間があまりないこと。」
ロングマンの3つの例文すべて、不定冠詞の a はついていませんね。
2番目の例文、Thanks for agreeing to see me at such short notice. 「急な依頼・通知にもかかわらず私に会うことに同意してくれてありがとう。」は、今回のセリフと同じようなニュアンスです。
このフレーズは、TOEIC の Part 4 で、会議を招集した人が出席者に対して開口一番、「急な呼び出しに集まってくれてありがとう」などと言うパターンに出てきそうなフレーズで、実際、TOEICテスト新公式問題集 解答・解説編 p.112 にも出てきます。
その問題集のナレーションも、on such short notice となっていて、such a... ではありません。
そのように、正式には、on such short notice が正しいと思われるのですが、ネットで検索してみると、on such a short notice という検索結果も結構出てきます。
今回、フレンズのセリフに登場し、DVD字幕にもはっきり、on such a short notice と書かれているくらいなので、文法的には間違いかもしれないけれど、結構使われている表現なんだろうな、と思います。
私のようなノンネイティブは、such a ... という形で覚えたものが多いので、such とくると、a を入れたくなるわけですが、ネイティブの場合でも、such a というフレーズって言いやすいんでしょうかねぇ?
practice medicine は「医者を開業する、医業を営む」。
stump は「(質問などが)(人)を悩ませる、困らせる、参らせる、困惑させる」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stump: [transitive] to ask someone such a difficult question that they are completely unable to think of an answer.
つまり、「全く答えを思いつくことができないような難しい質問をすること」。
たまたま、2つ前の記事、フレンズ3-23その1 で、「犬が文字を読む時、犬の唇は動くかしら?」ととんちんかんなことを言ったフィービーに対して、"...Chandler and Rachel, who're also stumped" というト書きがありました。
これもフィービーの言っている意味がわからないで困惑している様子を表していますね。
長年医者をやってきたが今回のできものはよくわからないと医者に言われ、他の医者たちも、おぉー!という歓声を上げていて、ロスがいやーな顔をしているのが面白いです。
大袈裟にしたくないのに、どんどん話が大きくなっていくのが、フレンズらしいです。
(Rach からのお願い)
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と、それはおいておいて、on such short notice に関して。
面白いですねー。TOEICも一応受けたのですが、こんなの完全にスルーしてました。自分で言う時は、おそらく"a"をつけるはずなので、気づくべきなのに・・・。やっぱり嫌いなことには身が入りませんね。
個人的には、2つの見方ができると思います。
1つは、"notice" から。
動名同型のなかでも、notice や practice はほんとにややこしいですよね。英日辞書では可算名詞が先にきていることが多いようですが、英英辞書では不可算名詞が優先のようです。
私の中では、完全に不可算名詞です。「人(または擬似物)によって行われた行為全体をぼんやり示す」というイメージが強いためです。妄想ですがもしnoticeに noticment という名詞形があれば、これは可算名詞でもいいかなと思います。そういうイメージです。
というわけで、noticeから見ると、やはり"a"は不要だと感じます。
もう1つは、"such"から。
Rachさんも大告白されていますが、もちろん私もご多分に漏れず"such a 〜"信者です(笑)でもネイティブが話しているのを聞くと、それだけじゃないのかな?という気はします。
よくよく考えてみたら、文法的にはともかく、意味としては"such"自体は実は名詞にかかっているわけじゃなく、直後の形容詞にかかっているのですよね。「形容詞の前にくっついてその形容詞の程度を表す」というのがそもそもの用法のはず。そうやって考えるとむしろ、such far や such bad といった表現の方が先に来てるはずなんですよね。で、そうするとsuch の後に"a"をつける必要は全く無いわけで。
あんまり良い例では無いかもしれませんが、
名詞有り)I don't want to go to such a far place.
名詞無し)I don't want to go such far.
を比べると、名詞無しの方が話し言葉なら普通に感じます。
話し言葉で名詞を使うっていうのは例えば、
I can not even imagine how I was able to make such a stupid mistake!!
みたいに、言い方(強弱)の調整も加えて、特定の意味を出したい・意味を強調したい時に便利な言い方なのかなという気がします。
というわけで、こちらの見方でも、特に"a"がくる必然性は無いのかなと思います。
どう考えても"a"は要らないのに、"a"を付けてしまう・・・。
三つ子の魂百までとはよく言ったものですね。
※Rachさんへ
例文は自信が無いので、間違いがあったら訂正or削除をお願いいたします。お忙しいのにすみません。
名詞の notice は、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) の見出しをざっと見てみると、
attention, warning, time to prepare などの意味では uncountable で、on paper だと countable
ですね。紙に書いてある「通知書、掲示、ビラ」などは可算だけど、「通知、告知」という形としての輪郭がないものは不可算である、という感覚ですね。
今回のような such の意味は、以下の語義が該当するでしょうか。
研究社 新英和中辞典では、
such(形容詞)=[程度を表わして]
[形容詞+名詞の前で; 副詞的に] あれほど[これほど]の、あんな[そんな]に、このように; 非常に、とても
上の説明にあるように、「形容詞+名詞の前で、副詞的に使って程度を表す」という機能の説明がわかりやすいと思いました。
つまり、名詞とセットになった形容詞の度合いを、「そんなに…な(形容詞)名詞」と表現するための言葉ですね。
私の感覚では、名詞がない場合に、such を副詞の感覚で使うことはあまりないように思うので、such far というのは違和感があります。その場合だと、so far になるように思うのですが。
such はそのように名詞とセットになった形容詞にくっつけて使うことが多いわけですが、その名詞は可算名詞だけとは限らないので、当然不可算名詞の場合は、(on) such short notice となって、可算名詞のための a はつかない、ということですよね。
名詞とセットになるから、どうしても such a という形で出会うことが多くなるだけで、「such があるから、a が続く」のではなくて、「その後に名詞がくるから、その名詞が可算名詞であれば、a がつく」という流れですよね。
ごめんなさい!!
やっぱりちゃんと調べないで書くとダメですね。
手元のジーニアス英和辞典でも調べましたが、ちゃんと「程度形容詞+名詞の前で」とあり、私が書いたような使い方はできないようです。ほんとごめんなさい。
形容詞としての使い方と、ごっちゃになっていたようです。
Rachさんが仰られるとおり、so farが正解ですね。ただし私の場合この間違いは会話では普通にやってしまいます、きっと。
おそらくみんな聞き流して(意味を汲み取って)くれてたんですね。
感謝しないと。
いえいえ、そんなに謝らないで下さい。
私が such far という表現に違和感を感じた場合、どうしてそれがおかしいと思うのかを他の方にきちんと説明できないといけないと思うのですね。今回、私も such について改めて調べてみて、勉強になりました。
図書館で借りたロングマンで
「sissy」を調べると
(a boy that other boys dislike because
he prefers doing things that girls enjoy)
と分かり、
次のセリフの面白さが倍増しました。
07:20
Joey: Oh sure, go with the sissy.
Phoebe: Jason is not a sissy!
Joey: Oh no-no-no-no, I meant Chandler.
[海外ドラマ英和辞典]と[ロングマン]で
Rachさんが紹介した
[英会話ヒトリゴト学習法]のレベル1を
実施しているところでした。
コメントありがとうございます。
ロングマンでそう説明されているように、sissy は悪口のニュアンスですね。
そのセリフでも、ジョーイがジェイソンのことを the sissy と言ったことにフィービーが抗議したので、「the sissy っていうのはジェイソンのことじゃなくて、チャンドラーのことだよ」と言ったオチですね。
私がご紹介したことを実践して下さっているとのこともありがとうございます。