[Scene: Pete's apartment, Monica is there to water the plants, and is showing the gang around.]
ピートのアパートメント。モニカは植物の水やりのためにそこにいる。そして、フレンズたちを案内している。
モニカ: Okay, this is the den. All right, check this out. Lights! (the lights turn on automatically, but are very bright) Whoa! All right, less lights! Bad lights! Lights, go away! (they dim) Oh, see? You just need to find the right command. (それで、これが書斎ね。いいわ、これを見てて。ライト! [ライトが自動的に点灯するが、非常に明るい。] わっ! よし、少ない[明るくない]ライト! 悪いライトね! ライト、どっかに行け![消えろ、消え失せろ!] [ライトが薄暗くなる] ね、見た? ただ正しいコマンド[命令・指令]を見つければいいだけよ。)
ロス: Yes, and the dimmer switch. (そうだね。それと、減光スイッチを(見つければいいだけだ)ね。)
ジョーイ: Whoa! For a rich guy, he's got, that's a pretty small TV. (わぁ! 金持ちにしては、彼は…あれはすごく小さなテレビだね。)
モニカ: No-no-no, that's the video phone. But, hey guys, you're not supposed to be here, so please do not touch anything. (違う違う違う。あれはテレビ電話なの。でも、ねぇ、みんな。あなたたちはここにはいないことになってるの。だから、どうか何も触らないで。)
チャンドラー: (sitting down on the couch) I-KEA! This is comfortable. ([カウチに座りながら] アイ!キア! これって快適だな。)
dimmer は動詞 dim に -er がついたもので「薄暗くする人・もの」。
ですから、dimmer は「(照明の)減光スイッチ、調光器・制光装置」という意味になります。
dimmer だけでもそういうスイッチの意味になりますし、今回のように dimmer switch と言うこともあります。
音声認識システムで、ライトがついたり消えたりするのですが、ちょうどいい明るさにするのに、どういう言葉で指令したらいいかわからず困るモニカ。
適当に言っていたらちょうどいい明るさになったので、「ほら、適切なコマンドで指示すれば、ちゃんと思い通りに動くのよ。」と自慢げに語るのですが、実はそのちょうどいい明るさは、ロスが壁にあるディマー・スイッチ(減光スイッチ)をひねって調節したものだったのですね。
find the right command 「正しいコマンドを見つける」と言ったモニカに対して、「それとディマー・スイッチもね」という感じで、Yes, and the dimmer switch. と付け足したのです。
ロスが言ったのは、「(ちょうどいい明るさにするには)ディマー・スイッチを見つけたらいいだけだよ」(You just need to find the dimmer switch.)ということで、システムが認識できる指令の言葉をあれこれ探すよりも、ディマー・スイッチを見つけた方が手っ取り早い、find すべきものはスイッチだよ、という感じです。
for a rich guy の for は「…にしては」。
研究社 新英和中辞典では以下のように説明されています。
for (前置詞)=[基準を表わして] …としては、 …の割には
He's young for his age. 彼は年の割には若い。
It's cold for May. 5月にしては寒い。
For a learner, he swims well. 初心者にしては彼は泳ぎが上手だ。
金持ちだったらもっとでっかいテレビを持っているかと思ったけど、意外と小さいんだねぇ、という感じです。
モニカは、それはテレビじゃなくて、the video phone だと説明していますね。
日本語では、テレビ電話と言いますが、英語では、a video phone になります。
日本語のテレビゲームも、英語では、a video game と言います。
日本語の感覚は、テレビ画面、テレビのスクリーンに映すから、テレビ電話、テレビゲームと言うわけでしょうが、本来それはテレビ局が放送・放映しているものではないので、実際のシステムから考えると、ビデオフォン、ビデオゲームの方が正しい感覚なのかもしれません。
モニカ一人が来ることになっていて、フレンズたちを連れてくるって言ってないから、余計なものを触らないで、と言うのですが、チャンドラーは早速、カウチにどっかり座ってしまいます。
座りながら、I-KEA! (ネットスクリプトでは、I-kea!、DVD英語字幕では、IKEA)と言っていますが、これは、「あー!」と気持ちよさそうな声を出しながら座っているように聞こえて、実は IKEA という家具店の名前を言っているのですね。
Wikipedia 日本語版: イケア にあるように、イケア(IKEA)は、スウェーデン発祥の大手家具店です。
日本にも進出しているので、日本人にもおなじみの名前ですね。
日本ではそのようにイケアと呼ばれていますが、英語ではチャンドラーのように「アイキア」と発音するのですね。
ウィキペディアにも、
アメリカ、カナダやオーストラリアなど英語圏では「アイキア」と発音する
と書いてあります。
イケアの特徴は「格安、安価の組み立て式家具を売る」という部分でしょうか。
自分で組み立てる分、値段がお安くなっている、という感じでしょうね。(私は IKEA を利用したことがないので詳しくは知らないのですが。)
フレンズ1-1 (パイロット版)で、ロスたちがブックケースなどの家具を組み立てていましたが、あれが、IKEA のイメージなのかな、と思います。
で、イケアはそういうイメージであることを認識した上で、チャンドラーのセリフを見てみましょう。
ピートの書斎(den)は、さすがはお金持ち、という感じで、家具や調度品もどっしりした高級そうなものが置かれているように見えます。
ですから、ピートの書斎の家具がイケアで買ったものである、という可能性は低いように思うのですね。
チャンドラーが座ったカウチも恐らくかなり高価なもので、だから座り心地も最高!という感じだと思います。
それなのに、座る時にわざわざ、IKEA (アイキア)と声を出して、「あー!」というくつろいだ声に続けて、格安の組み立て家具店の名前を出したのは、「あー、やっぱりイケアの家具は最高だね!」と、「違いのわからない庶民の男」のふりをしてみた、というジョークなのかな、と思いました。
イケアの家具であるはずはないのに、「さすがはイケアだ、快適だ」と言って、みんなが心の中で「それはイケアじゃないってば!」とツッコミを入れることを期待しているようなボケなのかな、と思ったのですが、どうでしょう??
超高級中華料理店の餃子を食べて、「オー!ショー!(王将!) これはおいしいね。」と言っているような感じなのかな、と思ったりもするのですが…関西圏に「餃子の王将」という中華料理チェーン店があるんですよ(笑)。
(Rach からのお詫び)
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2009年05月10日
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