[Scene: Chandler's office, he is just finishing a meeting with his boss.]
チャンドラーのオフィス。チャンドラーはちょうど、ボスとのミーティングを終えようとしているところ。
ダグ(ボスの名前): So thanks for the warm welcome. It's good to have you guys on my team. I come to play. I hope you do too. Now, let's go out there and get 'em! Huh? And remember: There is no "I" in "team." (それで、温かい歓迎をありがとう。俺のチームに君たちがいるのは嬉しいことだ。俺はプレーするために来ている。君たちもそうして欲しい。さて、出て行ってゲットするぞ[やっつけるぞ、戦うぞ]! いいか? それから、覚えておいてくれ。「チーム」の中には「俺(I=アイ)」はなしだ。)
チャンドラー: Yes, but there's two in "martini." So, everybody, back to my office. (そうですよね。でも、「マティーニ」の中には、二つの I (アイ)がありますけど。じゃあみんな、俺のオフィスに戻ろう。)
ダグ: (to Chandler) You! Chuckles. What's your name? ([チャンドラーに]お前! そこの含み笑い! 名前は?)
チャンドラー: Oh, it's Bing, sir. I'm sorry. I was just ah.... (あぁ、ビングです。申し訳ありません。僕はただ…)
ダグ: No, no. I heard what you said. Funny. I like funny. (Chandler starts to leave) This team's about hard work, but it's also about having fun. Good to have you aboard, Bing! (smacks him on the butt, and Chandler leaves shocked.) (いやいや。お前の発言を聞いたよ。面白い。俺は面白いのが好きだ。[チャンドラーは部屋を出て行こうとする] このチームはハードワーク[きつい仕事]になるが、同時に、楽しむことも必要なんだ。お前を迎え入れることができて嬉しいよ、ビング! [チャンドラーのお尻をパシッと叩く。チャンドラーはショックを受けて出て行く])
Thanks for the warm welcome. と言っているので、このダグという人は、今回初めてこのチームにボスとしてやってきた、もしくは、今回新たなプロジェクトのために、新しいチームが作られた、ということでしょう。
最初に team の話をして、その後、play, let's go out there and get 'em などと言っています。
これはスポーツのイメージで話をしているようですね。
チーム一丸となって、いい試合をしようぜ、思いっきりプレーしようぜ、試合のフィールドに出るように、このプロジェクトに颯爽と乗り出して、相手をやっつけよう、つまり、目標を達成しよう、みたいな感覚なのでしょう。
最後に一言、これだけは忘れないでくれ、という感じで、There is no "I" in "team." と言っています。
これは、チームの中には、1人称の I は存在しない、ということです。
プロジェクトのために集められたチームだから、、「俺が、俺が」とぬけがけをしたり、人を出し抜いたり、一人でスタンドプレーをしたりせずに、チームプレーを大切にして、チームであることを忘れるな、という忠告ですね。
それを聞いたチャンドラーは、Yes, but there's two in "martini." と言っています。
「チームの中には、I はない」という言葉を聞いたチャンドラーは、「おっしゃるように、team という単語の中に、I の文字はありませんが、martini だったら、i の文字が2つありますよね。」と言っているわけです。
ダグは、「私は、私が」という意味で、I という言葉を言ったのに、それをアルファベットの I だと捉えて、茶化してみたのですね。
そんな風にふざけたことを言ったので、ボスに早速、You! Chuckles. と呼び止められます。
chuckle は動詞は「くすくす笑う、含み笑いをする」で、名詞では「くすくす笑い、含み笑い、ほくそ笑み」という感じ。
ちょっと面白いジョークを言ってみて、ひとり悦に入る状態のチャンドラーのことを、「そこで、ほくそ笑んでいるやつ、にやにやしてるやつ」という名前で呼んでみた、という感覚だと思います。
ダグは初めてのボスでどんな人かわからないチャンドラーは、相手はこういうジョークは嫌いなのかなと思って、素直に謝っています。
友達ではなく、ビジネスの場面ですから、名乗る時も姓のビングの方を名乗っていますね。
さらには、sir という言葉を最後につけて、相手が上司であり目上の人であることに対する敬意を払っています。
ダグはチャンドラーのジョークを気に入ったようです。
This team's about hard work, but it's also about having fun. の about のニュアンスについて。
これは、以下の英辞郎の語義が近いでしょうか。
about=(前置詞)〜に従事して、〜が目的である、〜を必要とする
例文) Science is about knowing. 科学の目的は知ることである。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
about [preposition]: if an organization, a job, an activity etc. is about something, that is its basic purpose
つまり、「組織や仕事や活動が、about something であるという場合、それは組織などの基本的目的である。」
ダグのセリフのニュアンスは、「このチームは、ハードワークに従事する[ハードワークを必要とする]が、同時に、楽しむこともまた目的の一つである」みたいな感じかな、と思いました。
aboard は「(船、飛行機、列車、バスなど)に乗って」ですね。
Welcome aboard! なら「ご乗船[搭乗、乗車]ありがとうございます」になります。
チームとして一つの船に乗って船出するようなイメージで、お前が一緒の船にこうして乗り込んでくれて嬉しいよ、と言っているのです。
その嬉しさの表現として、チャンドラーのお尻をパシッと勢い良く叩くダグ。
おどおどした顔をして、部屋を出て行くチャンドラーの表情が面白いです。
smack は、LAAD では、
smack: to hit or crash into something, or to hit something against something else so that it makes a short loud noise
つまり、「何かに当たる、または衝突すること。または、何かを別の何かに当てて、その結果、短い大きな音を出すこと。」
やはり、パシッ、ピシャリという感じの音がポイントのようですね。
フレンズ3-3その33 のト書きでは、smacks Chandler over the head with a magazine (チャンドラーの頭の上を雑誌でパシンとたたく)という表現もありました。
(Rach からのお願い)
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チャンドラーのthere's two in "martini"のところですが、our teamではなくmy teamと自分はI(俺様)を全面に押し出してるボスが、部下にはThere is no "I" in "team." というので、チャンドラーは気に入らずmy teamにひっかけてmartiniとちゃかしたくなったと思ってしまいました、もちろん勝手な憶測ですが。。。でも、このボスには「俺のものは俺のもの、お前のものは俺のもの」的なジャイアンと似た雰囲気を感じます!もう賞味期限切れの話題ですがI have experienceとIを主張したヒラリーとWe are the hope!とWeを強調したオバマとの違いを思い出してしまいます。
aboardに関しては語源的にはおっしゃるとおりなんでしょうけれども『ウィズダム英和辞典(第2版)』には「(組織・チームなどに)新しく加わって」という項目があり、The president welcomed him aboard. 社長は彼を新メンバーとして歓迎した、を例文として挙げています。OALDにもWelcome aboard! (= used to welcome passengers or a person joining a new organization, etc.)とありますから、新入社員や新メンバーに対して普通に使えそうな感じです。
同様に"There's something about Mary" なんていうのも、素敵な表現だと思うのですが、いざとなると使うことはできません。
やっぱり英語って難しいですね(苦笑
aboardに関して。
Yutaさんが調べてくださったようなところまで、すでに言葉が伸びていっているのには驚きました。基本的には乗り物のケースでしか使えないのかと思ってました。
ついでに語源についてちょっと妄想してて、少し不思議に思ったことが。"a" がついて"on" のようなイメージになる単語は他にも思いついたのですが(ahead, abroad, alive, etc.) この場合は「何でboardなんだろう?」と。
"starboard = 右舷" のイメージが強くって、boardっていうとどうしても舷側を思い浮かべます。「ご乗船」ならむしろ"adeck"になる気がして、調べてみたんですがやっぱり存在しませんでした(笑)。
最後にsmack。
これを見ると、スヌーピーがkissをしている場面しか浮かんできません。
らぶりー♪
前回ナンバー2では、Rachさんに惨敗したので再挑戦です(笑)。今回のやり取りでも考えてみました。
(案1)
ダグ(ボスの名前): それから、覚えておいてくれ。「チーム」の中には「エゴ」はなしだ。
チャンドラー:そうですよね。でも「チーム」と「エゴ」で、二つも英語がありますけど。
(案2)
ダグ(ボスの名前): それから、覚えておいてくれ。「チーム」の中には「エゴ」はなしだ。
チャンドラー:そうですよね。でも「俺のチーム」の中には、英語がありますけど。
しょーもないと思いつつも思いついた手前、誰かに話したかったもので。。。ご多忙中失礼しました。
おっしゃるように、ダグは「team に I はない!」と言っているわりには、my team という表現を使っていますね。ジャイアンタイプの人、というご指摘もなるほどと思います。
team と martini は、[ti:] の発音が同じなので、チャンドラーは発音が似た単語で i が入るもの(martini)を持ち出した、と思ったのですが、"my" team にひっかけてちゃかした、という Yutaさんの推測、とても面白いと思いました。その方が、少々トゲがあって、チャンドラーらしいですものね。
オバマ大統領の演説では We が強調される、という特徴は、よく取り上げられていますね。個人主義のアメリカで、We を強調することで、一体感、連帯感を出す、という効果があるのでしょう。
Welcome aboard! について。
ロングマンには載っていませんでしたが、英辞郎には、
Welcome aboard!=ようこそ。/入社おめでとう。/我が社へようこそ!(新人などを迎えて)
と出ていました。
もやは、比喩的な表現ではなく、一般的なフレーズとして認知されている、ということですね。勉強になりました。
また、英語のジョークの日本語訳への挑戦、ありがとうございます。今回、私は何も浮かびませんでした。降参です。
Yutaさんが訳して下さったように、I は「エゴ」の感覚が近いですね。「俺が俺が、と我を張る」感じでしょうか。エゴと英語で音的にもうまくまとまっていて、ダグなら、Way to go! と言って、お尻を叩いてくれることでしょう(笑)。
ほっとあーるぐれいさんへ
映画「メリーに首ったけ」の原題は、There's Something About Mary でしたね。今回のセリフの about の言い回しも英語っぽくていいなぁ、と思うのですが、日本人のイメージ「about=〜について」からはなかなか出てこない感覚ですよね。
研究社 新英和中辞典では、
board=〔海〕 舷(側); 船内
と書いてあります。ですから、「舷側(げんそく。=船の横腹)」という意味もあるようですが、「船内」の意味もあるので、ロングマンで言うところの、
on board: on a ship, plane, or spacecraft
という意味になるようですね。
smack は「舌鼓を打つ、舌打ちする」という意味もありますし、「音を立てるキス」の意味もありました。
LAAD には、
give somebody a smack on the lips/cheek: (informal) to kiss someone loudly
と出ています。
確かに、スヌーピーが SMACK! と誰かにキスする絵、ありますね。あれは超かわいくて、らぶりー♪です。
aboutについてです。
Rachさんの解説のようなDeepLの機械翻訳です。
This team is about hard work, but it’s also about having fun.
このチームはハードな仕事をするのが目的ですが、それだけではなく、楽しむことも目的としています。
最近のAIは凄いです。無料なので、Google翻訳と併用しています。
コメントありがとうございます。
DeepL の翻訳は自然で正確だと話題になっていますよね。
about を”機械的に”「〜について」と訳したりせずに、そのような自然な翻訳ができるというのは、本当に最近のAIは凄いと私も思います。