2009年05月21日

Fameの出演者は今 フレンズ3-24その3

フィービーは、ロスにボニーという女性を紹介することになっています。
フィービーは、事前に元カノのレイチェルに「ロスに女の子を紹介してもいいか?」と尋ねるのですが、レイチェルはボニーが、前に会ったことのある、頭がつるつる(bald)の女の子だと知ってオッケーします。
その後のシーン。

セントラルパーク。フィービーとある女性がいるところに、レイチェルが入ってきます。
レイチェル: (to Phoebe) Well, that was depressing, I think I just bought a soft pretzel from one of the kids from Fame. Ready to go to the movies? ([フィービーに]ねぇ、今のはがっかりだったわ。「フェーム」に出演していた子供の一人から、ソフトプレッツェルを買ったように思うの。映画に行く準備はできた?)
フィービー: Um-hmm. Oh, Rach. This is Bonnie. (who has hair by the way) (ふーん。あぁ、レイチェル。この人がボニーよ。[ところでそのボニーには髪の毛がある])
ボニー: Hi. (はーい。)
レイチェル: This is Bonnie? (to Phoebe) This is Bonnie? (to Bonnie) You're Bonnie? (この人がボニー? [フィービーに]この人がボニー? [ボニーに]あなたがボニー?)
ボニー: I can show you an I.D. if you want. (もしあなたが見たいなら、身分証明書を見せることもできるけど?)
レイチェル: Oh, no. I'm sorry. You look a lot different than the last time I-I saw you. (あぁ、いいわ。ごめんなさい。この前会った時[最後に会った時]から、あなたの見た目が随分違っているから。)
ボニー: Oh, yeah. Well, I just started wearing bras again. (あぁ、そうね。うーんと、私はちょうど、またブラを付け始めたところなの。)
レイチェル: Oh, that must be it. (あぁ、それに違いないわね。)
(中略)
ボニーに別れを告げて、セントラルパークの外に出たレイチェルとフィービー。
レイチェル: (to Phoebe) You said she was bald. ([フィービーに] ボニーは頭がつるつるだって、あなたは言ったわよ。)
フィービー: Yeah, she was bald. She's not now. (えぇ、ボニーの頭はつるつる”だった”わ。今はつるつるじゃないけど。)
レイチェル: How could you not tell me that she has hair? (ボニーには髪の毛があるって、どうして私に言ってくれなかったのよ?)
フィービー: I don't know. I hardly ever say that about people. (さあね。人について語る時に、髪の毛があるかどうかを言うことはほとんどないから。)

レイチェルの最初のセリフについて。
Fame というのは、アメリカの映画、ドラマのタイトルです。
1980年に、アイリーン・キャラ主演の映画があって(↓)
Wikipedia 英語版: Fame (1980 film)
その後、テレビ版も作られたようです。
Wikipedia 英語版: Fame (1982 TV series)
2009年9月25日に、映画のリメイク版も公開されるようですね。
FAME : Official Movie Site : In Theaters September 25th

映画やドラマの内容は、NYの芸能専門高校である、the New York City High School for the Performing Arts で、スターを目指す生徒と教員の生活をを描いたもののようです。

Wikipedia 英語版: Fame (1982 TV series) の最初に、興味深いことが書いてあったので引用させていただきます。

Despite its success, very few of the actors maintained high-profile careers after the series was cancelled.
訳しますと、「その番組の人気にもかかわらず、シリーズ終了後も目立ったキャリアを維持した俳優はほとんどいなかった。」

つまり、人気番組だったけれど、その出演者たちは、その後、あまり脚光を浴びることはなかった、その後の俳優としてのキャリアは輝かしいものではなかった、というところですね。

「今、プレッツェルを売ってたのは、昔、フェームに出てた子だったと思うわ。それって、気がめいるわね、がっかりするわね(depressing)。」とレイチェルが言っているのも、「あんなに人気者だったのに、今では路上でプレッツェルを売っているなんて、何だか悲しいわ。」というニュアンスなのでしょう。
上で引用したウィキペディアの「シリーズ終了後のキャリアが芳(かんば)しくない」というイメージを多くの人が持っているために、このレイチェルのセリフが面白く聞こえる、ということだろうと思います。
若い頃、ファンだった芸能人が、「あの人は今」みたいな番組に出てきて、昔のオーラがなくなっているのを見たりすると、少しショックだったりしますよね。そういう感覚かなぁ、と。

フィービーと一緒にいるのがボニーだと知って驚くレイチェル。
フィービー、そして本人に「ボニーなの?」と何度も尋ねていることからも、レイチェルの驚きが伝わってきますね。
これより前のシーンで、ロスにボニーを紹介してもいいか?と元カノのレイチェルに尋ねる場面がありました。
そのやり取りは以下のようになっていました。

レイチェル: Oh-oh-oh, which one is Bonnie again? (あぁ、ボニーってどの子だっけ?)
フィービー: You remember her from my birthday party two years ago. She's yeah, like, average height, medium build, bald.... (2年前の私の誕生日パーティーで彼女のこと覚えてるでしょ。彼女は、そうね、ほら、平均的な身長で、中肉中背で、髪の毛がなくて…)
レイチェル: Oh! (laughs) That's fine. (ああ! [笑って] それならいいわ。)

bald は「(頭が)はげた、髪の毛のない」ですね。
つまり、スキンヘッドの女の子、ということで、それを聞いたレイチェルは、「あぁ、頭がツルツルのあの子なら、ロスに紹介しても構わないわ!」とオッケーした、ということです。
それなのに、今、目の前にいるボニーは、ロングの金髪の可愛い女の子だったので、レイチェルはびっくり仰天しているのですね。

ID は日本語にもなっているように「身分証明書(ID card, identity card)」のこと。
レイチェルは、「bald だと聞いていたのに、あなたは bald じゃない」と言うのはさすがに憚られたのか、「以前と見た目がかなり違うから、ボニーだとわからなかった」と説明します。
それを聞いたボニーは、「最近、ブラをまた付け始めたから、それで違って見えるのね。」というような返事をしています。
「最大のトレードマークの bald」ではなくなったからだ、という理由に気付いていないボニーも、かなり変わったキャラクターですね。
ブラのせいね、と言われて、「ブラのあるなしとか、そんな小さなレベルの話じゃないでしょ!」と言うのをこらえて、「あぁ、きっとブラのせいで見間違えたに違いないわね。」と言うしかないレイチェルです。

ちなみに、フレンズ1-14 で、以下のやり取りがありました。
フィービー: You know my friend Abby who shaves her head? She says that if you want to break the bad-boyfriend-cycle, you can do, like, a cleansing ritual. (頭を剃っている私の友達アビーを知ってるでしょ? 彼女が言うのよ、もし悪い恋人のサイクルを断ち切りたいのなら、ほら、浄化の儀式とかをしたらいい、って。)
レイチェル: Phoebes, this woman is voluntarily bald. (フィービー、その人は、自発的に[自分から進んで]頭をつるつるにしているのよ。)

友達の意見を参考にしたら、というフィービーに対して、自分から進んで髪の毛を剃って坊主頭にしているような女の子の話を参考にしろって言うの?、そんな変わり者の言うことを真に受けろって言うの?というレイチェルの抗議ですね。
1-14 では、名前がアビーになっていましたが、このセリフのキャラクターのイメージがずっと残っていて、「坊主頭の変わった女の子」という設定が、今回の、3-24 に生かされたのかな、と思います。

1-14 と 3-24 のセリフを並べて気付くことは、レイチェルは「bald の女の子=ヘンな子」というイメージを持っている、でも、友達であるフィービーは、bald であることを特徴としては述べているけれど、bald であることに対して悪いイメージを持っていないらしい、ということですね。

レイチェルは、You said she was bald. 「フィービーはあの子が bald だって言ったじゃない!」と抗議します。
said に合わせて、時制の一致で、be動詞が was になっています。
それを聞いたフィービーは、「えぇ、レイチェルの言う通り、She WAS bald. よ。」と was という過去形を強調して話しています。
実際、フィービーは、レイチェルが2年前にボニーと会った時(過去)の彼女の特徴を教えたわけで、今でも bald だと言ったわけではありませんから、フィービーが嘘をついたわけでもないのです。
レイチェルにしてみれば、bald のヘンな女の子だからオッケーしたのに、その一番大事な部分の変化(今は bald じゃなくて、髪の毛がある)をちゃんと説明してくれないとダメじゃない!と言いたいのですね。
どうして、She has hair (now). だと言ってくれなかったの?というレイチェルに、「人の特徴を説明するのに、その人には髪の毛がある、というような条件をわざわざ言ったりしないもの。」と返すフィービー。
普通の会話では、「彼女はどんな人?」「あぁ、彼女には髪の毛があってね。」「そんなの当たり前でしょ!」みたいになるから、そういうことはあえて言わないものでしょ?と言いたいわけです。
でも、レイチェルにしてみたら、オッケーした最大の原因が bald だったので、それが今は違うのなら、そう言ってくれないと困るじゃない!と怒りたくなるのは当然ですね。

上にも書いたように、フィービーは、ボニーが bald であろうがなかろうが、普通に友達付き合いをしているので、そんなことが重要なファクターになるとは思いもしなかった、というところでしょう。


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posted by Rach at 12:44| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも勉強になる記事ありがとうございます!
Friendsは、本当に掛け合いが面白くて見始めたら、止まらなくなってしまいますよね。

そうそう、Baldの話、ありました。笑
また観たくなってしまいました。

こちらでご紹介されたものをまた観るというのは、良い勉強になりそうです。
ありがとうございます!
Posted by den at 2009年05月25日 07:35
denさんへ
こちらこそ、コメントありがとうございます。
過去にも bald の話が出てきて、フィービーとレイチェルの反応が全く同じなのが面白いと思ったんですよ。
シリーズものはこういう部分が楽しいなぁ、と思います。

ドラマ鑑賞や多読で、英語を学ばれているのですね。お互い、英語学習、頑張りましょう。
Posted by Rach at 2009年05月25日 11:44
お返事ありがとうございます!

baldの話って前も出て来たんですね。
すっかり記憶にないです。。。汗

やっぱりまた観ないとですね!

私のサイトにも遊びにきてもらえて、ありがとうございます。
お互い頑張りましょう!

また遊びにきます。
Posted by den at 2009年05月25日 22:28
denさんへ
こちらこそお返事ありがとうございます。
また遊びに来て下さいね。
Posted by Rach at 2009年05月27日 06:07
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