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2009年06月02日

UFOに乗せられて実験された フレンズ3-25その2

フレンズたちはフィービーのキャブに乗ってこれからビーチに向かうところ。
レイチェルがでっかい麦わら帽子(a giant straw hat)をかぶっているのを見て、
チャンドラー: Wait a minute, I know that hat. I was taken aboard that hat. They did experiments on me. I can't have children! (ちょっと待って。俺、あの帽子知ってる。あの帽子に乗せられたんだ。あいつらは俺に実験したんだよ。俺は子供ができないんだ!)
モニカ: Seriously, where did you get the hat? (真面目な話、その帽子はどこで買ったの?)
レイチェル: Ross gave it to me. (ロスが私にくれたのよ[ロスからのプレゼントよ]。)
ロス: Yeah, I think she looks good. (そうだね。似合ってると思うよ。)
レイチェル: Ohh, thank you. (まぁ、ありがとう。)
と何だかベタベタしているロスとレイチェル。
チャンドラー: Buy it for ya, or win it for ya? (彼女のためにお金を出して買ったのか? それとも(景品で)当てたのか?)
レイチェル: Well, excuse me, my fashion-impaired friends, I'm here to tell you that hats are back. (そうねぇ、いいかしら、ファッションに疎い(うとい)友人の皆さん、帽子の流行がまた戻ってきている、って言わせていただくわ。)
フィービー: And this time, they've ganged up to form one giant, super-hat. (そして、今回は、帽子が団結して、一つの巨大なスーパーハットを形作ったのね。)

チャンドラーが帽子を見て「俺はそれに乗せられて、実験された」と言っています。
これは、その帽子が UFO に見える、ということですね。
UFO は、unidentified flying object 「未確認飛行物体」のことですが、That hat looks like a UFO! 「その帽子、UFO みたい!」などと言わずに、つまり UFO という単語を使わずに、UFO であることを示唆しているのがチャンドラーらしいと思います。
UFO に乗せられて、宇宙人に人体実験をされた、というのは、よく聞く話ですよね。
I can't have children! は、「俺の大事な部分にまで変な実験をされたので、子供ができない体になってしまった」という意味です。

映画「インデペンデンス・デイ」でも、酔っ払いの父親ラッセル・ケイス(ランディ・クエイド)は、自分は UFO に連れ去られて実験されたことがある、といつも言っていました。
周りの人にはそれを信じてもらえず、飲み屋では以下のようにからかわれたりもしていましたね。

飲み屋にいた男: Years back he was kidnapped by aliens. Did all kind of experiments on him and such. (中略) Russ, when they took you up in their spaceship, did they do any... sexual things? (何年も前に、ラッセルはエイリアンに誘拐されたんだ。やつらは彼にあらゆる種類の実験とかをしたんだよ。(中略) ラス、エイリアンがお前を宇宙船に乗せた時、やつらはエッチなこと(実験)もしたのか?)

そんな風に、UFO と言えば、「そこに乗せられて変な人体実験をされる」という連想がすぐに働くために、チャンドラーのセリフを聞いて、UFO のことを言ってるんだな、ということがわかる仕組みです。

モニカの、Seriously は、「チャンドラーのそういう冗談はともかくとして、冗談は置いといて、そんな大きな帽子、いったいどこで入手したの?」ということですね。
UFO みたいだとかは言わないけど、確かに気になる帽子よね、というところです。
「ロスからのプレゼントなの」「あぁ、似合うよ」と、なぜかいちゃいちゃムードの二人。
ロスの浮気が原因で二人は別れたはずですが、今回は何かありそう、と思わせる伏線ですね。

チャンドラーの Buy it for ya, or win it for ya? について。
buy は「お金を出して買う、購入する」ことで、win は「(賞品・景品など)を勝ち取る」というニュアンスです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
win: PRIZE [transitive] to earn a prize in a competition or game
つまり、「競争やゲームで賞品を得ること」。
win a lottery なら「くじ・福引・抽選で当たる」ですね。
こんなヘンな帽子をわざわざ金を出して買ったとは思えないから、抽選の景品として当たったのか?と言いたいのです。

それを聞いてのレイチェルの excuse me, my fashion-impaired friends というのは、フレンズたちへの呼びかけです。
「失礼ですけど、ちょっといいですか、皆さん」という感じで、聞いているフレンズたちのことを、my fashion-impaired friends と呼んでいます。

impair は「機能を損ねる」という他動詞で、その過去分詞形 impaired は「正常な機能が損なわれた、正常に機能しない」という形容詞になります。
ですから、fashion-impaired は「ファッションの感覚が損なわれた、ファッション感覚に問題がある」というニュアンスで、「流行に疎い(うとい)」という感じですね。
hearing impaired (hearing-impaired) という形容詞だと、「聴覚障害の、耳の不自由な」という意味になります。
そのように impaired は身体的な機能障害を指す時にも使われる言葉なので、my fashion-impaired friends という表現は、多少差別用語的なニュアンスが感じられる気もします。
フレンズたちは親しい友人同士だからこんな言い方をしているけれど、あまり好ましい表現とは言えない気がしますね。

フレンズ2-21その14 では、株でどうやって儲けたの?というレイチェルの問いに、
モニカ: Well, my financially challenged friends, I split my money and.... (そうね、財政的に不自由な私の友達(に教えてあげるわ)、私は所持金を分けて…)
というセリフも出てきました。
〜 challenged friends と、〜 impaired friends という表現は、「…に不自由な」という言葉を使った、同じニュアンスの表現のように思います。

そのように、「ファッションのことをよく知らない友人の皆さん」と呼び掛けた上で、I'm here to tell you that... と言っています。
直訳すると、「私は that 以下のことを言うためにここにいるのよ」ということですが、「ここで一言、that 以下のことを言わせてもらうわね」みたいなニュアンスでしょう。

hats are back の back は「戻って」という副詞で、ファッションや流行の話だと「また流行して、リバイバルして」という意味になりますね。
流行に敏感ではないみんなは知らないと思うけど、hat がまた今、はやってるのよ、ちっとも流行遅れじゃないのよ、ということですね。
帽子が戻ってきた、というレイチェルに対して、フィービーは、「今回戻ってきた時は、普通の大きさの帽子たちが団結して(合体して)、一つの巨大なスーパー帽子を form した(形作った)ってわけね」と言っています。
ただ戻ってきたんじゃなくて、今度は戻ってきた帽子が合体したから、そんなに大きい帽子になっているわけね、とからかっているのですね。


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posted by Rach at 12:35 | フレンズ シーズン3

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