ビーチハウスで退屈しているフレンズたち。ジョーイが strip poker(ストリップ・ポーカー)をしたいと言い出し、チャンドラーもそれに賛成します。
ところが、トランプのカードが見つかりません。代わりに見つけた、人気ドラマ Happy Days のすごろく(みたいなもの?)を使って、Strip Happy Days Game をすることになります。
ロス: Okay, (reading the card) "Fonzie gives you two thumbs up. Collect two cool points." Yeah. (よし。[カードを読む] ”フォンジーは君に2回サムアップをする[親指を立てる]。クールポイント2点を獲得。” やった。)
フィービー: Monica, if you get five cool points, you get to make someone take off one item of clothing. It hasn't happened yet, but we're all very excited. (モニカ、もしあなたがクールポイントを5点ゲットすれば、誰かの服を1点脱がせることができることになるわ。まだ起こっていないけど[まだ誰も服を脱いでいないけど]、でも私たちはみんな、ほんとにワクワクしちゃうわね。)
Happy Days というのは、アメリカの有名シットコムです。
Wikipedia 英語版: Happy Days
過去記事、ハッピー・デイズ フレンズ3-7その2 でそのシットコムについて詳しく説明しています。
フレンズでは、ハッピー・デイズにまつわる話がよく登場するんですよね。
ロスのセリフにある Fonzie (フォンジー)は、ハッピー・デイズの登場人物。
Wikipedia 英語版: Fonzie
フォンジーについては、フレンズ3-6その26 で解説しました。
上でリンクしたウィキペディアにも、親指を立てた(サムアップした)写真が載っていますし、ウィキペディアの説明文にも、thumbs up という単語が何度も登場していますので、彼の特徴的な仕草だということです。
ウィキペディアの References in popular culture の Statue の説明によると、ミルウォーキーにある彼の銅像も、ジャケットを着てサムアップしているそうです(笑)。
すごろくのポイントを、cool points と言っていますが、ポイントに cool という言葉がついているのも、フォンジーのイメージみたいですね。
ウィキペディアの References in popular culture の Television の項目に、
Originally, Fonzie wasn't supposed to be the "cool character" which he became.
「フォンジーは元々クールなキャラクターではなかったが、次第にそういうキャラクターになった。」という説明もあります。
フィービーのセリフで、Strip Happy Days Game のルールが説明されています。
最初は、strip poker の予定で、ポーカーで負けた人が服を1枚ずつ脱いでいくというものだったのですが、それがすごろくに変わって、5点集めた人は、誰かの服を1枚脱がせることができる、というルールだそうです。
参考までに、この後、ロスがサイコロを振ってカードを読む時に、Pinky Tuscadero という名前が出てきますが、この人は、フォンジーの元恋人(Former girlfriend of Fonzie)です。
[cut to later in the game]
ゲームのしばらく後の画面にカット。
レイチェル: (reading a card) Okay. "Your band is playing at Arnold's. Collect three cool points." Which means I have five and that means I get Joey's boxers. ([カードを読む] よし。”君のバンドはアーノルズ[アーノルドの店]で演奏する。クールポイント3点獲得。” それで私は5点になるから、私はジョーイのボクサーパンツ[ボクサーショーツ]をもらうわ。)
ジョーイ: Fine. Gang up on me. I got you all, right where I want you. (いいさ。(そうやって)よってたかって俺を攻撃しなよ。俺もみんなをやっつけてやるさ、俺が望むところでね。)
フィービー: Come on! Take 'em off! (さあさあ! パンツを脱いでよ!)
ジョーイ: Actually, y'know, it's kinda cold. So how about I keep my boxers on and give you all a peek at the good stuff? (実際のところ、ほら、ちょっと寒いんだよ。それで、俺がパンツをはいたままで、君ら全員に、いいものをチラッと覗かせてあげるってのはどう?)
ゲームは進行します。
レイチェルが5点を獲得し、ジョーイのボクサーパンツを脱がせるわ、と言った時にカメラがジョーイを映し出しますね。
上半身裸で、もうパンツ一丁の状態なのに笑えます。
Arnold's というのは、「アーノルドの店」という意味で、ウィキペディアによると、アーノルドはドラマの中で、ドライブインやレストランを経営していたようです。
そのアーノルドを演じているのは、パット・モリタ。
映画「ベスト・キッド」(原題:The Karate Kid)シリーズで、ミヤギを演じていた俳優さんですね。
ストリップ・ポーカーの言い出しっぺだから、ということで、ジョーイがみんなのターゲットになってしまっています。
gang up on は「…を集団で襲う、よってたかって…を攻撃する」。
gang は日本語の「ギャング」からわかるように、名詞では「一団、一群、一味」、動詞では「一団となる、団結する」という意味になります。
gang up 「一団を結成して」 on 「…に対して圧力をかける、…の上にのしかかる」ニュアンスが出ていると思います。
まさに日本語の「みんなでよってたかって攻撃する」という感覚ですね。
2つ前の記事、フレンズ3-25その2 では、
フィービー: And this time, they've ganged up to form one giant, super-hat. (そして、今回は、帽子が団結して、一つの巨大なスーパーハットを形作ったのね。)
というセリフもありました。
そこでも、gang up 「団結する」という言葉が使われていますね。
ジョーイのセリフ、Gang up on me. は命令形になっていて、「みんなで俺一人をターゲットにして、そうやって俺一人をいじめてればいいさ。」という感覚でしょう。
脱げ脱げと言われたジョーイの、返しのセリフが面白いです。
真っ裸になってしまうと寒いから、パンツをつけたままで、the good stuff を peek させてあげるよ、と言っています。
みんなは俺の服を脱がせて裸を見たいんだろうから、別にこれを脱がなくても、中身を見たらそれで納得するだろ?みたいなことですね。
自分のモノを、the good stuff と言っているのにも笑えます。
プレイボーイのジョーイらしいですね。
チャンドラーなら自虐的に the poor stuff などと言うかもしれません。
(Rach からのお願い)
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gang up にいろんな前置詞がつくバリエーションがある、と考えた方がわかりやすいように思うのですが、確かに辞書では、gang up on sb とまとめてありますね。
LAAD では、gang up on somebody の形しか載っていませんし、LDOCE では、gang up on/against somebody のように、on と against が並列の形で載っています。
ですから、おっしゃるように、on と against は interchangeable のようですね。
上から圧力をかけてのしかかるニュアンスの on と、対抗する感覚の against とを、文脈によって使い分けることで、細かいニュアンスの違いが出せるのかもしれませんね。