レイチェルからの長い手紙を1階のキッチンカウンターで読んでいたロスですが、途中で眠ってしまいます。
目が覚めたロスは、慌てて手紙を読み始めますが、その時、2階からレイチェルが降りてきてしまいます。
レイチェル: What happened to you? Why didn't you come up? (どうしたの? どうして、上に上がってこなかったの?)
ロス: Done! (終わった[読んだ]!)
レイチェル: You just finished? (たった今終わったの?)
ロス: Well, I wanted to be thorough. I mean, this-this is clearly very, very important to you. To us. And so I wanted to read every word carefully. Twice. (そうだね、僕は徹底的に読みたかったんだよ。つまり、これは明らかに、とてもとても重要なことだからね、君にとって。僕たちにとって。だから、全ての言葉を注意深く読みたかったんだ。2回読んだよ。)
レイチェル: So umm, does it? (それで、その、そうよね?)
ロス: Sorry. (何て?)
レイチェル: Does it? (そうよね?)
ロス: Does it? Does it? Yeah, I wanted to give that whole "Does it?" part just another glance. (「そうよね?」 「そうよね?」って? あぁ、僕はその「そうよね?」の部分をもう一度ちらっと見たかったんだ。)
レイチェル: What are you talking about, Ross? You just said that you read it twice. Look, y'know what, it either does or doesn't,
and if you have to even think about it-- (何言ってるの、ロス? あなたはたった今、2回読んだって言ったじゃない。ねぇ聞いて、そうであるか、そうでないかよ。そしてもし、あなたがそのことを考えなければならないのなら…)
ロス: (interrupting) No, Rach, no. I don't, I don't, I don't have to think about it. I don't. In fact, I've decided. I have decided that, that it.......does. ([レイチェルの言葉をさえぎって] いいや、レイチェル。僕は考える必要なんかないよ。実際、心は決まっているんだ。僕は決めたんだ。答えは「そうだよ。」だ。)
(Rachel stands there for a moment, starting to cry. Then gasps and runs over and hugs him. While hugging her, Ross tries to find the 'Does it?' part in the letter.)
レイチェルはその場にしばらく立ちつくし、泣き始める。それから、息を止めて、ロスに走りよりハグする。レイチェルをハグしている間、ロスは手紙の中の「そうよね?」パートを探そうとする。
レイチェル: Are you sure? (ほんとに?)
ロス: Oh, sure, I'm sure! (あぁ、もちろん。間違いないよ!)
レイチェル: I know. (Hugs him more violently this time and pushes him back away from the letter.) (そうよね。[今度はロスをもっと乱暴にハグし、ロスを手紙から遠ざけるように後ろに押す])
この手紙を読んだら2階の私の部屋に上がってきて、と言っていたのに、いつまでも上がってこないので、レイチェルの方が降りてきてしまいます。
大事な手紙なのはわかっているので、まさかまだ全部読んでいないとも言えずに、今読み終えたところだ、じっくり読んでいたから時間がかかっちゃったんだよ、と言い訳しています。
thorough は形容詞で「徹底的な、完全な」。
発音をむりやりカタカナ表記すると、サロウやサラという感じになるでしょうか。
「…を通って」という through と見た目が似ていますが、語源は同じようです。
研究社 新英和中辞典の thorough の語源では、
語源:古期英語から; 原義は「通ってしまった」; through と同語源
と書いてありました。
語源が同じとは言え、意味は異なるので、見間違えないように注意しましょう。
...very important to you. To us. と言葉を追加しています。
君にとって非常に大切な、と言った後、僕たちのことが書いてあるのだから、もちろん、僕たち二人にとっても大事なことだし、と付け加えているのですね。
この手紙の重要性を僕はよく理解しているよ、というアピールです。
一つ一つの言葉を注意深く読んだと言っています。
ここでは、every word になっていますが、それをもっと強調する、every single word のような表現もあり得たかもしれません。
しっかり読んだというロスに、レイチェルは "Does it?" という質問をします。
手紙を読んでいないロスはそれだけでは何のことかわからず、Sorry. 「ごめん、聞き取れなかった。今、なんて言った?」と聞き返していますね。
レイチェルの言い方から、この手紙の中でロスに対して Does it? と質問する文章があったことがわかります。
手紙を読んでいれば当然わかることなので、レイチェルはそれを詳しく説明せずに、ただ Does it? と繰り返しています。
この Does it? は、元の完全な文章がわからないだけに、余計に日本語に訳しずらいですね。
何かしらの問いかけをしているけれど、その内容がわからない、というところがポイントなので、一応「そうよね?」と訳してみました。
「そうよね?」って何??とロスも観客もわからないことが重要なのです。
「あぁ、その Does it? の部分をもう一度ちらっと読みたいと思っていたんだよ。」と、手紙のその箇所を探そうとするロスですが、さっき、「徹底的に、一語一語、2度も読んだ」と言ってしまったことがあだになり、また読み直すなんておかしいわ、と言われてしまいます。
「返事は肯定か否定かで、それは即答できるはずよ。もししばらく考えてみないといけないって言うのなら」と、すぐに返事をすることを要求するレイチェル。
「どちらの返事をしようか迷っているとしたら、私たちがやり直すことは不可能ね。」と言い出しそうな雰囲気です。
ロスは賭けに出て、It does. つまり、「そうよね?」に対して「そうだよ」と肯定する返事を選びます。
その返事を聞いて、レイチェルが半泣きの顔になり、ロスも同じように泣きそうな顔をするのが面白いですね。
もしかして間違った返事を言っちゃったかな?と心配しているようです。
その後、レイチェルが抱きついてきたので、レイチェルが欲しかった返事は、It does. だったことがわかり、ホッとするロス(と観客たち)。
それでもなお、Does it? のパートを探そうとするロスですが、レイチェルのハグに阻まれて手紙を読むことができません。
ちなみに、Does it? のような漠然とした質問をされた場合には、(Yes,) it does. と肯定で答える方が無難でしょうね。
相手は手紙の中で、「…よね? そうよね?」という感じで疑問文を書いているはずなので、相手の意見を否定せずに、僕もそうだと思うよ、と同意していた方がいいだろう、ということです。
レイチェルはロスの答えに納得したようですが、ロスは何のことかわからず肯定してしまったので、内心とても焦っていることでしょう。
このシーンはそれがわからないまま終わってしまい、しばらく後にその内容が明かされる、という展開になっています。
何が書いてあったのか、すごく気になりますね(笑)。
(Rach からのお願い)
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2009年06月18日
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