ビーチにいるチャンドラーとモニカ、そしてジョーイ。
ジョーイは、砂浜にでっかい穴を掘って、その中に入っています。
(A wave crashes on the beach and partially fills up his hole.)
波がビーチにぶつかり、波の一部がジョーイの作った穴を満たす。
ジョーイ: Oh, no! No! My hole! (あぁ、やめてくれ! やめろ! 俺の穴が!)
モニカ: (screaming in pain) Ow! My foot! ([痛みで叫んで] あぁ! 私の足が!)
ジョーイ: (climbing out of the hole) What? What? What is it? ([穴からはい出してきて] 何? 何? 何だ?)
モニカ: Jellyfish sting! Oh, it hurts! It hurts! It hurts! (クラゲが刺したのよ! あぁ、痛い、痛い、痛い!)
チャンドラー: Well, can we help? You want us to take you back to the house? (そうだな。俺たちが手伝おうか? 俺たちがモニカをビーチハウスまで連れて帰ろうか?)
モニカ: It's like two miles. (2マイル[(3キロ強]くらいあるわ。)
ジョーイ: Yeah, and I'm a little tired from digging the hole. (あぁ、それに俺は穴を掘るので少し疲れてるし。)
モニカ: Oh, damn the jellyfish! Damn all the jellyfish! (あぁ、いまいましいクラゲめ! クラゲは全部くたばっちゃえ!)
チャンドラー: We've got to do something. (何かしないと[手を打たないと]。)
ジョーイ: Well, there's really only one thing you can do. (そうだな。できることは本当にたった一つしかない。)
モニカ: What? What is it? (何? それは何?)
ジョーイ: You're gonna have to pee on it. (その刺されたところにおしっこをかけなきゃいけない。)
モニカ: What? Gross! (何ですって? 汚いわ!)
ジョーイ: Don't blame me. I saw it on the Discovery Channel. (俺を責めるなよ! ディスカバリー・チャンネルで俺は見たんだ。)
チャンドラー: Y'know what, he's right. There's something like uh, ammonia in that, that kills the pain. (なぁ、ジョーイは正しいよ。おしっこに含まれているアンモニアみたいなものが痛みを消すんだ。)
モニカ: Well, forget it. It doesn't hurt that (tries to take a step) baaad! (もう忘れて。痛まないわ、そんなに… [一歩歩こうとして] ひどく(痛い)!)
ジョーイ: If you want some privacy, you can use my hole. (もし人目を避けたいのなら、俺の穴を使っていいよ。)
子供のように砂浜に穴を掘って喜んでいるジョーイ。
そこに大波がやってきて、穴に水が入ったと大騒ぎしますが、その横ではモニカも大声で叫んでいます。
ジョーイが My hole! と叫んでいるのに対して、モニカは My foot! と叫んでいるのが面白い対比ですね。
ジョーイのようになった場合、日本語でも「俺の作った穴が!」「俺の穴が!」と「俺の(my)」をつけて言うような気がしますが、自分の体の一部のことはわざわざ「私の足が!」とは言わずに「足が!」となりそうな気がします。
フレンズ1-6その3 でも、見てはいけないものを見てしまって、
チャンドラー: My eyes! My eyes! (俺の目が! 目が!)
と叫んでいるシーンがありました。
クラゲに刺されて自分で歩けそうにないモニカを、ビーチハウスまで運ぼうと提案するチャンドラーですが、モニカは距離がありすぎると言います。
ジョーイは「穴を掘るのに疲れちゃって、そんな体力ないよ。」みたいなことを言っていますね。
"Oh, damn the jellyfish! Damn all the jellyfish!" について。
damn はののしり語ですね。
Damn it! などの形で「ちくしょう! くそっ!」と怒りなどを表す表現になります。
下品な表現ですが、映画ではよく聞きます。フレンズにはそれほど出てきません。
今回はクラゲに刺されたあまりの痛さに、このような過激な言葉が出てきたようです。
ビーチハウスにも帰れず痛がるモニカに、ジョーイは「刺された箇所におしっこをかける」ことを提案します。
「汚い!」と非難するモニカに、Don't blame me. というジョーイ。
「俺を責めるな」というのは、俺が勝手にそういうことを言ってるんじゃない、という感覚ですね。
そういう応急処置をディスカバリー・チャンネルで見たんだ、と言っています。
フレンズ3-21その7 では、ディスカバリー・チャンネルにパネリストとして出演する予定だったロスが、レイチェルの病院に付き添うために出演をあきらめた、という話がありましたね。
ディスカバリーチャンネルについて、詳しくはこちら(↓)。
Wikipedia 日本語版: ディスカバリーチャンネル
公式サイト Discovery Channel : ディスカバリーチャンネル
公式サイトの説明では、「ディスカバリーチャンネルは、世界170カ国、35言語で配信されている世界最大のドキュメンタリー専門チャンネルです。」とあります。
kill the pain は「痛みを鎮める・止める・抑える」。
「痛み止め、鎮痛剤」は painkiller ですね。
なお、「クラゲに刺されたらおしっこをかける」という話は、何となく効果がありそうな気がするのですが(笑)、
Wikipedia 日本語版: クラゲ刺傷 の「応急措置」には、アンモニアや小便のことは書いてありません。
また、Wikipedia 英語版: Jellyfish の Toxicity to humans (人に対する毒性)の項目に以下のことが書いてあります。
Rubbing the wound, or using alcohol, spirits, ammonia, or urine will encourage the release of venom and should be avoided.
つまり、「傷口をこすったり、アルコール、蒸留酒、アンモニア、または尿(小便)を使ったりすることは、毒液の放出を促進するので、避けるべきである。」ということになります。
これを読む限り、おしっこをかけてはいけないようなのですが(笑)。
ですから、実際にディスカバリー・チャンネルでそういう番組が放映していたかどうかはわからないですね。
コメディとして面白くなるように、「だって、ディスカバリー・チャンネルで言ってたもん!」と言っているだけかもしれません。
いくらジョーイやチャンドラーに説得されても、おしっこをかけるのはごめんよ、とばかりに、大丈夫なことを見せようとするモニカ。
It doesn't hurt that bad. 「それほどひどくは痛まない。そんなことまでしないといけないほどには痛くない。」と言って歩きだそうとするのですが、最後の bad が baaad! という叫びになっています。
not hurt that bad と言おうとしたけど、やっぱりひどく痛むので、bad の部分を強調してしまったのですね。
日本語だったら、「そんなに痛くない…ことない!」みたいに否定するところですが、モニカのセリフは、It doesn't hurt that bad... it hurts really BAD! みたいなニュアンスで、最後の bad を強調した感じになると思います。
privacy は「プライバシー、私生活」として日本語になっていますね。
ここでの意味は「人目を避けること」です。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
privacy: [noun] [uncountable]
the condition of being able to be alone, and not seen or heard by other people
例) If you want privacy you can close the door.
つまり、「一人でいることができ、他の人に見られたり聞かれたりしない状況」。
例文は、「人目を避けたいのなら、ドアを閉めていいですよ。」
今回のセリフも、LAAD の例文と同じニュアンスですね。文章の形もそっくりです。
隠れるところのないビーチなので、おしっこをかけているところを誰かに見られたくないのなら、俺が掘ったこの穴を使っていいぜ、という感じ。
何の役にも立ちそうにない穴でしたが、こういうオチとして使われるところがフレンズらしいですね。
(Rach からのお願い)
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コメントありがとうございます。
私はフレンズでベイウォッチを知ったので、ベイウォッチと言うと、チャンドラーとジョーイの喜んでいる顔が真っ先に浮かんでしまいます。
ベイウォッチに関するネタも時々登場しますので、また機会があればフレンズをご覧になって下さいね。
以前シーズン3の記事が582個もある…とコメントさせていただいたんですが、まさか途中で加速してそれだったとは、もし加速してなかったらすごい事になっていたんでしょうね(笑)
今回、記事を読んでいて最近思っていた事が出ていたので…
英語では、今回みたいにとっさのケースでも結構きっちりmyとかをつけて名詞を区別しますよね、子供に宿題をさせる、が I make my son do "his" homework. みたいに。
通っている英会話でも結構生徒は忘れがちで、よく先生に指摘されています。
僕自身では、ここ数ヶ月、”その名詞は誰の?何個?以前話題に出ていた?”と意識する様にしてからは何も無いと不自然に感じるようになって来ましたが、やはりうっかりすると忘れます。。
これって多分、日本人が苦手で忘れがちなあの冠詞と同じ話ですよね?
日本語だとa, the, あるいはmyとかが無くても、また単数/複数を区別しなくても結構汲んでくれるけど、英語だと結構きっちりしているなーと(逆にそれで意味が変わるのでジョークに使えたりするかも?)
そういえば先日、困ったときの複数形にしちゃえ!、を試してみたら不可算名詞だと指摘されたことがありました(笑)
不可算名詞は比較的古い言葉に多く、抽象的なニュアンスを含むイメージ、と聞いたことがありますが、やっぱり覚えるしかないのかな、、、と。もしいい方法ご存知でしたら教えてください(笑)
ところでこの前、忘れていたこのブログを見つけた検索ワードを思い出しました。
それは…あの、"ホールデン マクグローイン"です!
ちなみに、このワードで検索するとgoogleのトップに来ます(笑)
最後に何を書いてるんだ…という話ですね(^^;)
それでは、失礼致します。
シーズン4 まで進まれたのですね。お疲れ様でした!
そうなんです、シーズン3 の途中でスピードアップをはかったんですが、それでその記事数だったんですよね。シーズン3 はファンの人気も高く、私もノリノリで記事を書いていたら、その41 まで行ったエピソードもあって、さすがにそれでは死んでも終わりそうにないし、ずっと先のエピソードの解説を待っていて下さる方もいらっしゃるとわかっていたので、思い切って1エピソードの解説記事数を限定するようにしました。
無事ファイナルまで行けたので、今のシーズン1改は、「死んでも終わらない」と承知の上のスローペースでやっています(笑)。
my の話はいったんそうだと気づくと「あれも、これも」となりますよね。私は上の記事でも書いた フレンズ1-6 の "My eyes! My eyes!" というのがすごく印象に残っていて、それ以来、「また my ってついてる」と意識するようになりました。
Gamiさんが実行されている”その名詞は誰の?何個?以前話題に出ていた?”と意識する、ということは、英語を学ぶにおいて非常に大切なことですね。
何が不可算名詞か、というのは区別が難しいですよね。私も特に「いい方法」を知っているということもなく(笑)、辞書で調べるたびに覚えるようにするか、フレーズとしてまとめて覚えておくと自然と口から正しい形で出る、くらいのことしかないですね、、、
「ホールデン マクグローイン」で検索トップ、というのは自分としては何だかとても面白いです。カタカナで書くとありそうな名前なだけに「英語ではこう聞こえる」というのが余計に笑えてしまいますよね。いかにもフレンズっぽいオチだったと思います。
そういうのを一緒に楽しんでいただける人がいると思うと、ブログも頑張れちゃうんですよね。楽しいコメントありがとうございました!(^^)
09:17 Check this baby out!
Dug me a hole.
babyは穴だと思いますが、
「Dug me a hole.」がよくわかりません。
解説よろしくお願いします。
ご質問ありがとうございます。
this baby = this hole で、Check this baby out! は「俺が掘ったこの穴、見てくれよ!」というところでしょう。
Dug me a hole. の dug は、dig 「掘る」の過去形・過去分詞形。dig a hole だと「穴を掘る」になります。
dig me a hole という語順にすると、SVOO 文型のようになり、「俺に穴を掘る」というニュアンスになると思います。
I dug me a hole. だと「(見てくれ。)俺は俺に(自分のために自分用の)穴を掘ったんだ」という意味になり、今回は言わなくてもわかる主語の I を省略して、Dug me a hole. になっているのだと思います。