2009年06月25日

バランスの取れた見方 フレンズ4-1その6

[Scene: Rachel's bedroom. Ross and Rachel have just finished consummating the new relationship.]
レイチェルのベッドルーム。ロスとレイチェルは(よりを戻した)新しい関係でのエッチをちょうど終えたところ。
レイチェル: Oh-hooo, I missed you. (あぁ、あなたがいなくて寂しかったわ。)
ロス: I missed you too. (僕も寂しかったよ。)
レイチェル: Ooh, I was soo nervous about that letter. But the way you owned up to everything, it just showed me how much you've grown. Y'know? (あぁ、私はあの手紙のことをすっごく心配していたの。でも、あなたが自分のしたことを全て素直に認めたことで、あなたがどれほど成長したかが私にわかったわ。でしょ?)
ロス: (getting miffed) I suppose. ([不機嫌になって] 多分そうだろうね。)
レイチェル: You have, Ross. You should give yourself credit. I mean, my mom never thought this would work out. She was all, "Once a cheater, always a cheater." (本当に成長したわよ、ロス。自分を褒めるべきだわ。だって、私のママは今回は絶対にうまく行くはずないと思っていたもの。ママはすっかりこんな感じだったのよ。「一度浮気したやつは、一生[何度でも]浮気する」って。)
ロス: (getting angry) Umm-hmm. ([だんだん怒ってきて] あぁ。)
レイチェル: Ooh, I just wish we hadn't lost those four months. But if time was what you needed just to gain a little perspective.... (あぁ。この4ヶ月を失うことがなければ良かったのにと願うわ。でも、バランスの取れた見方がもう少しできるようになるために、時間があなたに必要なものだったとしたら…)
[cut to Monica cleaning the floor in the kitchen]
モニカが台所で床を掃除している画面にカット。
ロス: (yelling from the bedroom) WE WERE ON A BREAK!! ([ベッドルームからの叫び声] 僕たちはブレイク中だったんだ!!)
チャンドラー: (entering with Joey) (to Monica) Coffeehouse? ([ジョーイと共に部屋に入ってきて] [モニカに] コーヒーハウスに行く?)
モニカ: You bet. (もちろん。)

own は「自分の、自分自身の」という形容詞としてよく登場しますが、動詞として「…を所有する、持っている」という意味もあります。
そこから「…を認める、告白する」という意味にもなります。
own up to は「…をすっかり白状する、(自分の落ち度)を素直に認める」というニュアンスです。
to の後は、名詞または動名詞が続きます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
own up [phrasal verb]
to admit something embarrassing or something bad that you have done
例) Chuck wouldn't own up to the fact that he'd been drinking.

つまり、「自分がした恥ずかしいこと、または悪いことを認めること」。
例文は、「チャックは、自分がずっと酒を飲んでいたという事実を認めようとしなかった。」

credit は「(功績などがあると)認めること」で、give oneself credit は、「自分を賞賛する・褒めてやる、自分の手柄とする」。
take credit for だと「…の功績を認められる、…を(自分の)手柄とする」になります。
LAAD では、
credit: PRAISE [uncountable] approval or praise for doing something good
つまり、「何か良いことをしたという承認、または賞賛」。

全て自分の責任だと認めるなんてほんとにえらいわ。もっと自分を褒めてもいいのよ、という感じですね。
ママが言っていたというセリフ、"Once a cheater, always a cheater." について。
cheat は「…をだます」ですが、男女の恋愛においては、cheat on 「(配偶者などに隠れて)浮気をする」という意味でよく登場します。
今回の cheater も「浮気をする人、浮気者」という意味ですね。
once と always の組み合わせで、「一度浮気をした者は、いつも浮気をする者となる」「一度浮気をしたものは、その後も浮気をし続ける、浮気をやめることはない」というニュアンスになります。

I just wish I hadn't lost... は、「wish+過去完了形」で過去の事実に反する仮定をして、そうであったら良かったのに、という表現です。
いろいろあって、私たちはこの4ヶ月間を失ってしまったけれど、それが失われなければ良かったのに、という願望です。
その後に but を続けて、「でもその4ヶ月の時間が、gain a little perspective するために必要なものなら…」と言っています。
「その失った4ヶ月も無駄とは言えないわね」というような言葉が続きそうな感じですね。

perspective は「バランスの取れた見方、釣り合いの取れた見方」。
LAAD では、
perspective: a sensible way of thinking about, judging, and comparing situations, so that you do not imagine that something is more serious or important than it really is
つまり、「考える、判断する、状況を比較することにおいて分別のあるやり方。その結果、何かが実際よりも、さらに深刻であるとかより重要であるという思い違いをしないことになる。」

レイチェルのセリフを聞くたびに、どんどんロスの表情が険しくなっていきます。
レイチェルは、to gain a little perspective... と言う際に、自分の後ろに位置するロスのほっぺたを、ペシペシと軽く叩いていますね。
以前のロスは視野がとても狭かったのに、あなたもやっと、物事をまともに見ることができる能力を身に付けたのねぇ…みたいな「上から目線」で、えらいわ、でかしたわ、よくやったわ、と「褒めてやっている」ような雰囲気です。

ほっぺをペシペシされて、ずっと我慢していたロスはとうとう切れてしまいます。
モニカが掃除をしている台所に画面がカットして、ロスの "WE WERE ON A BREAK!!" という大きな叫び声だけが聞こえるのが面白い演出ですね。
ロスが激怒している顔は見せないで、「今、ロスとレイチェルはやっとよりを戻せて幸せなひとときを過ごしているんだわ」と思っていたモニカが、そのロスの声を聞いてびっくりする様子だけを画面に見せているわけです。
ジョーイとチャンドラーにもその声が聞こえたようで(隣の部屋まで聞こえるほどの大声だったのですね…笑)、二人は慌てて部屋に入ってきます。
今まで何度も聞いたロスのキメ台詞、We were on a break! が出てしまったことで、これから大喧嘩が始まることが予想されます。
この部屋にいたらとばっちりを受けるから、早くここから逃げよう、という感じですね。


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posted by Rach at 06:52| Comment(2) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
出た!「あれは別れた後だー!」(でしたっけ?)。このフレーズはもう一生忘れませんね(笑)。それにしても復縁したと思ったら一話でもう破局とは早!まあ確かに今回のレイチェルの自己中心的な態度を考えるとロスにも分があると言えますが、他の女性ならともかくあれだけ恋焦がれていたレイチェルなんだからもう少しは我慢せぇよと言えそう。ロスもオタクの割には変に気が強いところがあるからなぁ。やはりジュリーと別れないほうが良かった...ってそれじゃドラマにならないか(笑)。

遅ればせながら先日「なるほど!英文法」を購入しました。手に取ってみてまずはそのボリュームにビックリ!こんな分厚い英語本なんて辞書以外最近見たことないですからね。こりゃ読み終えるまで相当かかりそう、と思って中を見たら活字も大きかった(笑)。まだ全部読んでいませんが英語の文法書と聞くだけでアレルギー反応が出てしまう人が多い中、この本はSVC等の記号は一切使わず例文主体で非常にわかりやすい感じですね。例文の中には「これってフレンズの台詞にあったような...」のも多く、思わずニッコリすることも。試しにamazonのレビューを見てみるとやはりというか全て五つ星!まだ先は長いですが頑張って読み進めます。
Posted by ET at 2016年09月08日 10:08
ETさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、出ましたね、WE WERE ON A BREAK!!
過去にも何度も出てきましたが、今回のロスの叫び声は本当に印象的で、笑わずにはいられない(笑)。手紙に書かれていた内容が不満で、それを我慢していたけれど、ついには切れちゃった、、という流れが、いかにもロスっぽいですよね。せっかくよりを戻せたのだから「もう少しは我慢せぇよ」と私も思いました(笑)。ただここでくっと我慢したところで、今後もことあるごとにこう言われたら、結局同じ結果になったでしょうし、二人の性格がよく表れているシーンだなと思います^^

それから、拙著「なるほど! 英文法」をお買い上げ下さったとのこと、誠にありがとうございます。とても光栄で嬉しいです♪
おっしゃる通り非常に分厚い本なのですが、確かに中の活字も大きい(笑)。「これってフレンズの台詞にあったような」という例文を採用しているのがポイントで、そこを評価していただけていること、とても嬉しいです。生きた英語である台詞を例文にした文法本を出したいとずっと思っていたので、その夢が叶った時は本当に嬉しく、また、おかげさまでレビューでも良い評価をいただけていて、この本を出せたことは、本当に私にとっては幸せなことでした。
この本の出版以降は、ブログ記事中で文法説明をする際に、「拙著の中でも説明しています」のように頁を案内させていただくことも多いです。ブログと本とがうまくリンクして、英語学習のお役に立てると嬉しいな♪ と思っています。楽しんでお読みいただけたら幸いです。

嬉しいコメントありがとうございました<(_ _)>
Posted by Rach at 2016年09月09日 15:55
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