迷い込んできたネコを、自分の死んだママの生まれ変わりだと思い込んでいるフィービー。
それは他の人が飼っているフリオという名前のただのネコだ、とロスが納得させようとするのですが、その事実を理解した上で、それでもフィービーは、そのネコのことをまだママだと思うことを理解して欲しいと言います。
元の飼い主の女の子の元にネコを返すことを決心したフィービー。
レイチェル: So honey, what are you gonna do about the little girl? (それじゃあ、ハニー。(ネコの元の飼い主である)その小さな女の子のことはどうするつもりなの?)
フィービー: Yeah, okay, listen, umm, Mom, I hope you know you still mean a lot to me. And you're welcome to come back anytime. (そうね、いいわ。聞いて、ママ。あなたは私にとって今でも大きな意味のある存在であることを、ママが知ってくれていることを願うわ。そして、いつでも自由に戻ってきてくれていいのよ。)
チャンドラー: Pheebs, if she could come back as a couch, we'd really appreciate it. (Joey nods in agreement) (フィービー。もし君のママがカウチとして戻ってきたら、本当に嬉しいんだけど。[ジョーイは同意してうなずく])
フィービー: Come on, Mom. I'll take you home. (来て、ママ。私がママを家まで送るわ。)
レイチェル: I'll go with you. (私もフィービーと一緒に行くわ。)
モニカ: Me too. (they all leave) (私も。[女性陣たちは全員出て行く])
ロス: Oh! Y'know, I got an extra futon. (あぁ! ねぇ、僕は余分のフトンを持ってるよ。)
ジョーイ: Dude, you don't have to brag. We got nothing here. (おい、自慢するなよ。俺たちの部屋には何もないんだぞ。)
mean a lot to someone は「人にとって大きな・重要な意味がある」。
元の飼い主の女の子のところにネコを返すつもりのフィービーですが、それは決してママへの愛情が冷めたからじゃない、あなたの存在はまだ私にとって大きな意味があるわ、そのことをママにはわかっていて欲しいの、ということです。
welcome は「歓迎される」という形容詞で、be welcome to do は「自由に…してよい」、そこに anytime がついた be welcome to do... anytime は「いつでも自由に…してよい、いつでもご自由に…して下さい」という感覚ですね。
ネコになったママが戻ってくる、という話を聞いて、チャンドラーはカウチの話をしています。
一瞬、ネコの皮でカウチを作るの?!とか、そんな残酷な話かと思ったのですが、そうではないようで、今はママはネコの姿になっているけれど、今度戻ってくる時は、カウチの姿になって、つまり、ママの霊がカウチに取り付く形で戻ってきて欲しい、ということのようです。
そうすれば、椅子を盗まれた俺たちはカウチが出来て助かるし、フィービーもママが帰ってきてくれて嬉しいだろうし、一石二鳥だろ?みたいなことのようですね。
be going to と will の違いでよく説明に使われるのが、前から予定されていたことか、今、急に決めたことか、という違いです。
上のセリフでは、フィービーの「ネコを送り届けてくる、返してくる」という発言も、その後のレイチェルの「フィービーがそうするのなら、私も一緒に行くわ」という発言も、どちらも will が使われていますね。
どちらの場合も、「よし、今、行こう」と決めた感覚です。
特にレイチェルのように、フィービーの発言を聞いた後に、「じゃ、私も」という場合には、必ず will を使いますね。
be going to だったら前もってそれを決めていた、前もってフィービーが行くことを知っていたみたいでおかしい、ということです。
ロスは突然思い出したように、そう言えば、僕は余分のフトンを持ってるよ、僕の家には余分のフトンがあるよ、と言っています。
これは日本語の「布団(ふとん)」から来た単語ですね。
ロスの発音は「フータン」という感じです。
「フトン」みたいな短い単語でも、必ずどこかにアクセントがある、どこかにアクセントを置かずにはいられないところが英語っぽいな、と思いました。
ちゃんと英英辞典にも載っています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
futon [noun] [countable]: a type of bed that you can roll up when you are not using it, originally from Japan
つまり、「使わない時は丸めておくことができるタイプのベッド。元々は日本から来たもの」。
ロスは、うちに余ってるフトンがあるから、良かったらそれを使う?と言う意味で、好意からそう発言したのですが、ジョーイはロスの発言に対して怒っています。
家財道具を一式盗まれたことをバカにされたと思ったようですね。
まるで「ここにはほんとになーんにもないよねぇ。うちはフトンも余分にあるくらいなのに。」みたいに捉えたということです。
こういう時、だいたいチャンドラーは、「ジョーイはロスの言ってる意味がわかってないのかよ!」という感じで、あっちゃー、という顔をすることが多いのですが、今回はジョーイと一緒に、ロスに怒りの表情を向けています。
盗まれたというあまりの衝撃に、冷静な判断ができなくなっているようですね(笑)。
ジョーイのセリフは、自慢してくれなくて結構だよ、どうせ俺たちのとこには何にもないよ、みたいなニュアンスだろうと思います。
(Rach からのお願い)
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またよろしくお願いします。
今回は二つ・・・
まず、チップのセリフ
Oh, like I’d give up that job!
日本語訳では「辞めるものか!」
音声は「美味しくて辞められない」となっていましたが、このLikeってこの後にSVが続いていることを考えると接続詞的に使っているのでしょうか?
そうかなぁ?と推測して調べてみたら「まるで〜のように」の意味を見つけたんですが、訳としっくりこない・・・(そもそも間違っていたらそうですよね?)このLikeの使い方教えて頂けますか?
2つ目はロスがフリオに謝っているシーンで
When clearly you are also the reincarnated spirit, of my friend’s mother.
ここのWhenは「君がフィビーのママの生まれ変わりだっていうことは明らかなのだから・・・」の様に訳せるのかな?ここも接続詞で「・・・ならば、・・を考えれば」というのを見つけたんですが合ってますか?
何となくのニュアンスは判るんですが、自信がありません。
よろしくお願いします。
ご質問ありがとうございます。
まずは1つ目の Oh, like I'd give up that job! について。
これは、やっちんさんが発見された「まるで〜のように」という意味にあてはまるものですが、ニュアンスとしては、「まるで SV みたいに君は言うんだねぇ(そんなわけないのに)」みたいな感覚になります。
フレンズ1-4その4 ご質問
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470162.html
という記事では、
レイチェル: Hello? Like he was really gonna send you one? She was a big girl. (もしもし? トミーが本当にモニカにプレゼントを贈るつもりだったとでも? [フィービーに]モニカはでっかい女だったのよ。)
というセリフをご紹介しています。
ですから、このような、Like SV のパターンは、「君はまるで、S が V するみたいに言うけど、実際にはそんなことない」みたいなニュアンスになるのですね。
今回のやりとりの場合は、
モニカ: You still work at the Multiplex? (あなたはまだ、マルチプレックス(複合映画館、シネコン)で働いてるの?)
チップ: Oh, like I'd give up that job! Free popcorn and candy anytime I want? I can get you free posters for your room. (あぁ、まるで僕がその仕事を手放すみたいに言うんだね(手放すわけないじゃないか)! いつでも欲しい時に、ただ(無料)のポップコーンとキャンディーだぜ? 君の部屋用に、ただでポスターをもらってあげられるよ。)
という感じになります。
2つ目の when について。
この when についても、やっちんさんが発見された「…ならば、…を考えれば」というニュアンスで合っていると思います。
ロスのこのセリフの全体を以下に示した上で、とりあえず日本語訳をつけてみますね。
ロス: Umm, it was, it was insensitive of me to say that you were just a cat, when, clearly, you are also the reincarnated spirit of my friend's mother. (うーんと、あなたがただのネコだと僕が言ったことは無神経でした。明らかに、あなたは私の友人のお母さんが生まれ変わった魂でもあることを考えれば[考えると]。)
基本的に、when という接続詞は、とりあえず「〜する時に」と訳してみて、前後の文脈で、よりニュアンスが出るように言い換えてみる、というアプローチが良いかもしれません。
今回のニュアンスについては、研究社 新英和中辞典でも、以下のように出ています。
when=…を考える[思う]と
How can you convince him when he will not listen? 耳を傾けようとしないのにどうして彼を説きつけられようか。
これも、とりあえずは、「どのようにして君が彼を納得させることができるのか、彼が耳を傾けようと(話を聞こうと)しない時に」と訳しても、何となく意味はわかりますよね。
ただ、日本語で「時」と訳してしまうと、「A の時、B の時」みたいな「その時々の場合分け」みたいに聞こえてしまいそうな感じもしますので、when だからと言っても必ず「〜する時」と訳すことにこだわらず、「とりあえずは”〜する時に”と訳した上で、もう少し、前後の文脈に合わせた日本語を当てはめてみた」というのが、その「〜を考えると」という訳語になると思うのです。
そういう英文を言っている時の「話者の気持ち」としては、「彼が耳を傾ける時か、耳を傾けない時か」という「時」の話ではなくて、「耳を傾けようとしないという、現在の彼の態度、姿勢」を述べている、ということでしょうね。そのニュアンスを日本語に出そうとすると、「耳を傾けようとしないのに、どうやって説得できるって言うんだ?」ということになるため、「〜なのに」とか、「〜であることを考えると・思うと」のような訳が、辞書にも掲載されている、ということになると思います。
研究社 新英和中辞典では、そのように「〜する時」以外の訳語として、「〜を考えると、〜を思うと」以外にも、「〜ならば、〜とすると」「〜なのに、〜とはいえ」のような訳語も載っています。前後の文脈で、そんな風に日本語訳のバリエーションを付けることも可能だ、ということですね。
今回のロスのセリフも、とりあえずは、「ただのネコと言ったことは無神経だった、明らかに友人のお母さんの生まれ変わりでもある、という時に」と訳しても、基本的な部分は外れていない気はします。そこを「時に」という日本語にこだわり過ぎないで訳そうとすると、「明らかに生まれ変わりだというのに、生まれ変わりなのに」とか、「明らかに生まれ変わりであることを考えると」とか、「明らかに生まれ変わりであるならば、生まれ変わりであるとすると」など、さまざまな日本語訳が可能になってくるでしょう。
ここでは、ロスが詫びているセリフで、「あなた(ネコ)は、友人の母親の生まれ変わり”である”」とロスが断言してそれを認めなければ、詫びたことにならない。だから、「生まれ変わりであるとするなら」のような弱い「仮定」の言い方ではなく、「生まれ変わりであるということ(事実)を考えると」のような断言調の強い言い回しが、日本語訳として適切なんだろうな、と判断できるということですね。
えっ、前に解説していただいていたんですね・・・全部読んでいたはずなのに・・・何故その時には全然引っかからなかったんだろう?このLikeSVの使い方っていわゆる反語的なニュアンスになるんですね?(もしかしたらこれも文脈によるのかな?)
そして、When
基本的に「〜する時に」として文のニュアンスからもう少しこなれた言い方にしていく、とても判りやすかったです。最近気づいたんですが(遅過ぎ!笑)日本語力も乏しいようで、直訳をした後しばし固まることが多いです・・・Rachさんのようにこなれた訳が出来る様に頑張ろう!
また判らないこと、質問させてください。よろしくお願いします。
こちらこそお返事ありがとうございます。
おっしゃる通り、この Like+SV は「反語的なニュアンス」ですね。
もちろん、普通に、「SがVするように、Vするみたいに」という意味の(反語っぽくない)文章としても使われるのですが、文脈によっては今回のセリフのようなニュアンスが出ることになります。日本語でも「まるでSがVするみたいに、、、」とちょっと不満そうに言うと、「そんなわけないじゃん」的な気持ちを込めることができる、というのと同じでしょうね。
「こなれた言い方にしていく」というのも、実は結構難しいですよね。私もブログ初期の頃は、辞書に載っている訳語にとらわれてしまうことが多かったのですが、長年こういうブログを書いてきたおかげでしょうか(笑)、少しずつ「こなれた言い方」ができるようになってきたのだろうと思っています。
どうかこれからもご遠慮なくご質問下さいね。こちらこそよろしくお願いします(^^)
一通り記事を見させていただいたのですが
4-2のロスとレイチェルが軽く言い合ってる場面の解説が
見当たらなかったので解説していただけたらと思ってコメントしました。
ロスが言い返されると常に正当化しようとするのをレイチェルが煽ってるような場面です。
こんにちは。ご質問ありがとうございます。
ご質問の場面ですが、9:29 あたりからのシーンでしょうか?
以下にそのシーンを解説させていただきますが、もしそのシーンでなければ、ご質問のシーンのだいたいの時間か、英語でも日本語でも結構なので、セリフの一部分でも書いていただけると助かります。
9:29
ロス: Come on, you-you can't tell me you actually believe that-that there’s a woman inside that cat! (ねぇ、ネコの中に女性が存在してるって本当に信じてるとか言わないよね。)
レイチェル: I believe it. (私は信じるわ。)
ロス: No, you don't. (いや、信じてないだろ。)
レイチェル: Yes, I do. (いいえ、信じてるわ。)
ロス: No you do--y'know what? You're not gonna suck me into this. (いや、君は… ねぇ? 君は僕をこんなことに引き込もうとはしてないよね。)
レイチェル: Oh, sure I am. Because you always have to be right. (えぇ、もちろんあなたを引き込もうとしてるわよ、だってあなたはいつも正しくなければいけないもの。)
ロス: I do not always have to be--okay, okay. (starts to leave) (僕はいつも正しくなければいけないわけじゃない… わかった、わかった(もういいよ)。[出て行こうとする])
レイチェル: Jurassic Park could happen. (ジュラシック・パークは起こり得るわね。)
(Ross wants to say something, but just smiles and leaves.)
ロスは何かを言おうとするが、ただ微笑んで去る。
suck は「吸う、吸い込む」から「巻き込む」という意味にもなり、suck someone into だと「(人)を〜に引き込む・巻き込む」という意味になります。
ロスが「みんなだってそんな話、信じてないだろ」と言ったところ、レイチェルが「私は信じるわよ」と反論したので、言い合いになるように煽っていると気づいたロスが「僕をこんなくだらない口論に巻き込むつもりはないよね」と言って、その話を終わらせようとしたことになるでしょう。
それでもレイチェルは「私はあなたをこの件に引き込むつもりよ」→「あなたとこの件についてじっくり議論したいわ」みたいに言って、「だってあなたはいつも正しくなければならないんだから」と続けます。
「この後、ロスの「こういう理由で僕の方が正しい」って話が続くんでしょ。是非それを聞いたいところね」みたいに言って、挑発しているわけですね。
「いつでもロスは正しいんだもんね」みたいに煽られたので、「いや、別に僕はいつも正しいとか思ってない」みたいに反論しようとしたロスは、そんなナンセンスな話でむきになりたくない、怒りたくないので、言いかけた言葉を途中で止めて、部屋を出て行こうとします。
それでもレイチェルはまだしつこくロスを挑発し続け、「ジュラシック・パークは起こり得るわね」と言って、ロスがいろいろ言いたくなるような恐竜の話題を持ち出しますが、ロスは鼻をヒクヒクさせながらも、その挑発に耐え、微笑んで部屋を出て行った、という流れですね。
唐突にジュラシック・パークの話が出てきたのは、「煽るレイチェルを無視しようとするロスに対して、レイチェルは、ロスが無視できないような話題を振った」ということになります。
まさにこのシーンです。
さて解説して頂いた中でふと疑問があります。Rachさんの訳だとsuckを主に巻き込むと書いてありますがドラマ内の雰囲気だとロスは自分が常に肯定的じゃないと気が済まないけどレイチェルの挑発にはノらない。
つまりロスがNo you do.のあたりです。
ここで明らかにそんな手には乗らないぞとも取れたんですが・・。
日本語字幕が意訳だったり合ってなかったりするのは仕方ないと思うのでRachさんのを参考にさせて頂きます!
早速のご丁寧なお返事ありがとうございます。
DVD の日本語訳は以下のようになっていましたよね。
ロス:(字幕)ノらないよ 君の挑発には/(音声)もういい くだらない言い合いはまっぴらだ
レイチェル:(字幕)悪かったわ 自分は常に正しいもんね/そうですか。自分はいっつも正しいんだもんね。
実際の英語のセリフを直訳すると、
ロス:You're not gonna suck me into this. (君は僕をこんなことに引き込もうとはしてないよね。)
になっており、それはつまり「この件に巻き込んで、僕にあれこれ反論させようと思ってる? でも僕には君の魂胆はわかってるから、その手には乗らないからね」ということなので、そのロスの気持ちを汲んで、上のような和訳になっているのだろうと思います。
「引き込もうとしてないよね?」という言い回しがあまりダイレクトではなく、少々回りくどい、持って回った言い方なので、ロスがレイチェルの挑発に乗らないと言っていることがはっきりわかるような訳にしているのだろうと思うわけです。
No you do--y'know what? となっているのは、No, you don't. (いや(そんなこと言ってるけど、レイチェルだって本当は)信じてないんだろ?)と反論を続けようとしたのを don't と言う前に止めた感じで、こんな風に反論するとレイチェルのペースに乗せられてしまうと気づいて、「僕はレイチェルの魂胆、わかってるからね」というように、ちょっと冷静な感じで「僕を巻き込もうとか思ってないよね」と言ってみせたのでしょう。
それに対してレイチェルが「ええ、もちろん巻き込もうと思ってるわ、だってあなたはいつも正しいんだから(今回もそれを証明してくれるでしょうし)」とさらに煽るようなことを言ったので、「僕はいつも正しいとか、そんなこと思ってない!」と激高しかけて、「おっと、レイチェルの挑発に乗っちゃいかん、、」みたいにまた自分を抑えた、という流れになっていると思います。