2009年07月16日

医者に止められていた禁句 フレンズ4-3その3

シェフであるモニカは、両親が開くパーティーの料理を作るために雇われます。
やっとママが、自分のシェフの腕を認めてくれた、と張り切るモニカでしたが、青い付け爪を誤ってキッシュ(料理名)の中に入れてしまったことに気付きます。
モニカ: Okay ah, please don't freak out. Umm, but ah, there's a blue fingernail in one of the quiche cups. And there's no way to know which one. ((覚悟を決めて)いいわ。お願いだからパニクらないで。あの、キッシュのカップのどれか1つの中に、青い付け爪が入ってるの。そして、それがどのカップかを知る方法がないのよ。)
フィービー: And whoever finds it wins the prize! (そして、その付け爪を見つけた人が、賞を獲得する[1等賞]になるのよ!)
モニカのママ: (laughs) I'm not freaking out. ([笑って] 私はパニクったりしないわよ[パニクってないわよ]。)
モニカ: Why are you laughing? (どうしてママは笑ってるの?)
モニカのママ: It's nothing. It's just that now your father owes me five dollars. (別に。ただ、今(この時点で)、あなたのパパは私に5ドル払わないといけない、っていうだけのことよ。)
モニカ: What? You bet I'd lose a nail? (何ですって? 私が爪をなくすだろうってお金を賭けてたの?)
モニカのママ: Oh no, don't be silly. I just bet that I'd need these. (Opens the freezer to reveal). (いいえ、ばかなこと言わないで。私はただ、これが必要になるだろうって賭けていただけよ。[冷凍庫を開けて、見せる])
モニカ: Frozen lasagnas? (冷凍ラザニア?)
モニカのママ: Um-hmm. (えぇ。)
モニカ: You bet that I'd screw up? So all that stuff about hiring me because I was good was-- (私が失敗するだろうって賭けてたの? それじゃあ、私の腕がいいから私を雇った、っていう話は全部…)
モニカのママ: No-no-no, that was all true. This was just in case you "pulled a Monica." (違う違う違う。あの話は全部本当よ。これはただ、あなたが万が一、「モニカをしでかした」場合に備えての用心だったのよ。)
モニカ: You promised Dr. Weinberg you'd never use that phrase. (そのフレーズは二度と使わないって、医者のワインバーグ先生にママは約束したでしょ。)
モニカのママ: Oh honey, come on. Have a sense of humor. You've never been able to laugh at yourself. (あぁ、ハニー。いいでしょ。ユーモアのセンスを持ちなさいよ。あなたは自分自身を笑うことができたためしがないんだから。)
モニカ: (laughs) That's right. My mom doesn't have any faith in me! Oh, that's hilarious! Ha-ha-ha-ha-ha. ([笑って] その通りね。私のママは私のことを信頼[信用]してないのよ! あぁ、それって大笑いよね! ははははは。)
フィービー: I don't get it. (それ、意味がわからない。)
モニカのママ: No. I have faith. (いいえ、違うわ。私は信頼してるわ。)
モニカ: (interrupting) No. You have lasagnas! (Storms out and an awkward silence follows.) ([ママの発言を遮って] いいえ。ママはラザニアを用意してたもの! [モニカは怒って飛び出す。気まずい沈黙が後に続く])
オーブンの音: Ding! (チン!)
フィービー: Op, the ruined quiches are ready! (あら、そのダメになったキッシュができたわね!)

付け爪を間違ってキッシュの中に入れてしまったことをママに告白するモニカ。
フィービーは「その爪を見つけた人が1等賞!」と、ジョークで和ませようとしています。

モニカの失敗を聞いて、ママがパニックになると思っていたのに、ママは笑みさえ浮かべています。
モニカのその話を聞いて、パパがママに5ドル借りがあることになる、5ドル払うことになる、と言っていますが、これは、こういう結果になるだろうと、パパとママとで賭けをしていたことを示唆しますね。
今の話で、私はパパに賭けで勝ったわ、と言っているのです。

モニカは何のことかわからず、まさか、私が爪をなくす方に賭けてたの?と言います。
私が付け爪をすることが事前にわかっていたはずもないのに、そんな賭けがあり得るの?という感じ。
「まさか。爪のことじゃないわよ」と言うママは、冷凍庫を開けて、何に賭けていたかをモニカに見せます。
冷凍ラザニアが前もって用意されていた、つまり、モニカに料理を頼んだけれど、失敗する可能性を見越して、すぐに準備できる別の料理を用意していた、ということです。
このラザニアが必要となる方にママは5ドル賭けていたわけです。

自分が失敗する方にママが賭けていたと知ったモニカは大ショック。
私の腕を認めて雇ってくれたと思ってたのに、と言うモニカに、そのことは否定しないながらも、pull a Monica する可能性があるから、万一のことを考えて念のために準備しておいただけよ、と説明するママ。

この pull a Monica は日本語にどう訳すかが難しいですが、ここでの pull という動詞には「何かどんくさいこと、失敗、悪いことを”しでかす”」というニュアンスがあるように思います。
Monica という言葉には、ネガティブな形容詞はついていませんが、pull という動詞とセットにすることで、モニカの悪い部分を示唆することになる気がします。

悪いニュアンスのpull フレンズ3-9その13 でも、そういう「悪いニュアンス」の pull について触れています。
LAAD では、
pull: TRICK/JOKE/LIE
pull a stunt/trick/joke/prank etc. (informal) to do something that annoys or harms other people
例) boys pulling practical jokes

つまり、「他人を悩ませたり、他人を害する[危害をもたらす]ようなことをすること」。
例文は、「相手に実害を与えるような悪いいたずらをする[しでかす]少年たち」

そういう悪い事柄とペアになる他動詞 pull のニュアンスで、pull a Monica は、「悪いモニカが出る、ダメなモニカをやっちゃう、ドジなモニカをしでかす」みたいな感じになるのかなぁ、と。

pull a Monica というフレーズを聞いて、瞬時に反応するモニカ。
「医者との約束で、そのフレーズは使わないことになってるのに、それをママは言っちゃったわね」という感じの非難です。
子供の頃のモニカは非常に太っていたので、医者のカウンセリングを受ける機会も頻繁にあったでしょう。
その医者のカウンセリングで、「お母さん、この言葉はモニカの自尊心を傷付けるので、使うのはやめて下さい」とアドバイスされたであろうことが、モニカのセリフからわかります。

禁句となっていたその言葉でモニカがまた傷ついたことを知ってか知らずか、ママは、「自分自身のことを笑い飛ばせないとだめよ。」みたいなことを言っています。
You've never been able to は、現在完了形プラス可能の形で、「自分の失敗や欠点を笑い飛ばせることがこれまでに一度もできたことがない」というような「経験」を表すでしょうか。

そんな風に言われて、「ママに信頼されてない私。大笑いよね!」と、モニカは無理に自分自身を笑ってみせます。
フィービーは「信頼されてないことの何が面白いの?」みたいな感じで、モニカのセリフが不可解だと言います。
フィービーが思う通り、確かに面白くもおかしくもない、モニカにとってはただただ悲しいだけですね。

モニカは怒って嵐のように勢いよく飛び出して行き、残された二人には気まずい沈黙が流れます。
その時、オーブンが鳴って、モニカの付け爪入りの問題のキッシュができたことがわかります。
the ruined quiches の the は「その、例の、ご存知の」という特定された the で、今まさに話題になり、この気まずさの原因ともなった「その失敗作のキッシュ」が準備できたわ、ということです。
準備できたところで、使い物にならないんだけどね、というところですね。


(Rach からのお願い)
このブログを応援して下さる方は、下のランキングサイトをクリックしていただけると嬉しいです。
人気ブログランキング
にほんブログ村 英語ブログ
皆様の応援クリックが、とても励みになり、ブログを続ける大きな原動力となっています。心より感謝いたします。
posted by Rach at 05:58| Comment(2) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん

you "pulled a Monica."
このpullの使い方、ビックリです。初めて知りました。Rachさんの解説がなかったら絶対にすっ飛ばしてました。
あるんですね〜辞書目を皿にして調べました。結構使われる表現なんでしょうか?それにしても単語って本当に深いですね・・・ちょっと溜息・・・
でもまた新しい使い方覚えたっていうことで頑張ります!
Posted by やっちん at 2014年05月07日 16:51
やっちんさんへ
コメントありがとうございます。

pull という動詞に、悪いニュアンスの「しでかす」という意味がある、というのは、私もドラマで英語を学ぶようになってから知りました。pull a trick のようなフレーズでそのニュアンスを知った後だからこそ、pulled a Monica という造語のような言葉のニュアンスも理解できる、ということですよね。

実際に、pull という動詞が使われているセリフにたくさんぶつかることで、そういう感覚も身についてくるのだろうと思います。これが生きたセリフで学ぶ醍醐味なのでしょうね(^^)
Posted by Rach at 2014年05月09日 13:43
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。