2009年07月18日

アメージングなマジシャン フレンズ4-3その4

フレンズ3-20その7 で別れたはずなのに、レイチェルの上司ジョアンナとばったり再会した後、いい仲になってしまうチャンドラー。
ジョアンナのオフィスでいちゃついた後、仕事のため出かけないといけなくなったジョアンナは、面白半分に、下着姿のチャンドラーを椅子に手錠で繋いで、そのまま出て行ってしまいます。
たまたまジョアンナのオフィスの鍵を持っていたレイチェルは、チャンドラーのその姿を発見してびっくり仰天。
レイチェル: Y'know what, Chandler, you got yourself into those cuffs, you get yourself out of them. (ねぇ、チャンドラー。あなたが手錠をかけられるようなことをしたんだから、自分の力で手錠から抜け出しなさいよ。)
チャンドラー: No-no-no-no-no-no-no! I can't get myself right out of them. You must have me confused with the "Amazing Chandler"! Come on, you have to unlock me, she could be gone for hours, and I'm cold and.... (Stops and looks up the skirt on a statue behind Joanna's desk.) (無理無理無理! 俺は手錠から抜け出すことなんてできないよ。レイチェルはきっと、俺が「(ジ・)アメージング・チャンドラー」だと錯覚されるようにしてるんだな。ねぇ、手錠を外してよ。ジョアンナは何時間も帰ってこない可能性があるし、それに寒いし… [言葉を止め、ジョアンナのデスクの後ろにある(マリリン・モンロー風の)像のスカートを下から覗き込む])
レイチェル: Oh, Chandler! All right! This is it! (Grabs the key) You never see Joanna again. (もう、チャンドラー! わかったわ! これで終わりよ! [手錠の鍵を掴む] ジョアンナには二度と会わないで。)
チャンドラー: Never! (二度と会わない!)
レイチェル: You never come into this office again! (このオフィスに二度と来ないで!)
チャンドラー: Fine! (わかった!)
レイチェル: You give me back my Walkman! (私のウォークマンを返して!)
チャンドラー: I... I never borrowed your Walkman. (俺は…俺は君のウォークマンは借りてない。)
レイチェル: Well, then I lost it. You buy me one! (それじゃあ、私がなくしたのね。私にウォークマンを買って!)
チャンドラー: You got it! Here we go! Come on. This is great! (Rachel goes over and unlocks the handcuffs) Ahhh! (He starts rubbing his wrist) (わかった! よし行くぞ[手錠を外すぞ]。よし。これって最高! [レイチェルがやってきて、手錠の鍵を外す] あぁぁー! [チャンドラーは自分の手首をこすり始める])
レイチェル: Does it hurt? (痛むの?)
チャンドラー: No, I just always see guys doing this when they get handcuffs taken off them. (He runs over to where his pants are hanging) Hello, sweet pants! (いいや。ただ、手錠を外された人がこうするのをいつも見てたからさ。[自分のパンツ[ズボン]がかけてあるところに走っていって] はーい、愛しのパンツ!)
レイチェル: Wait a minute! What are you gonna tell Joanna? (ちょっと待ってよ! あなたはジョアンナに何て言うつもり?)
チャンドラー: About what? (何のこと?)
レイチェル: When she sees that you're gone, she's gonna know that I let you out, and that I was in here, and I'm gonna get fired! (あなたがいなくなっているのをジョアンナが見たら、ジョアンナは、私があなたを手錠から外したってことを、そして、私がここにいたことを知ることになるわ。そして私はクビになっちゃうのよ!)
チャンドラー: I'll make something up! I'm good at lying! I actually did borrow your Walkman! (何か作り話をしておくさ! 俺はウソをつくのがうまいんだ。実は俺は、君のウォークマンを借りてたんだよ!)

you got yourself into those cuffs, you get yourself out of them. という表現が英語らしくていいですね。
get oneself ... は、「自らを…の状況にする」という感じでしょうか。
最初が got という過去形、次が get になっています。
後半の get は、現在形というよりは、命令形に主語の you がついた形と解釈すべきでしょう。
命令文に主語の You をつける件については、1週間ほど前の記事、ビリーブ・ユー・ミー フレンズ1-8その6 で説明しています。

「あなたは自分自身をその手錠の中に入れた」、つまり、「手錠がかけられるような状況に自らを陥(おとしい)れたのはあなたよ」というニュアンスですね。
だから、「(他の誰でもない)あなたが、自分自身を手錠から抜け出す状況に持って行きなさい」という感じです。
あなたの行動の結果、手錠をかけられちゃったんだから、誰の助けも借りずに、あなた自身の力でそこから抜け出しなさい、ということですね。

鍵のかかった手錠から抜け出すなんて無理だよ、というチャンドラー。
confuse A with B は、「AをBと混同する、錯覚する」。

the Amazing Chandler について。
ここのセリフは、「手錠を外せだなんて、俺はジ・アメージング・チャンドラーじゃないんだぞ。」みたいな意味ですね。
ですから、「アメージング・なんとか」という名前、またはキャッチフレーズのマジシャンがいるのでは?と推測しました。
チャンドラーが名前に出すくらいの有名な人であれば、Wikipedia にその人の記事(article)が存在するだろうと思ったので、amazing magician wikipedia で検索してみました。
すると、stage name に Amazing とつくマジシャンを二人見つけました。
1人目が、Wikipedia 英語版: James Randi
ステージネームが The Amazing Randi だとあります。

2人目が、Wikipedia 英語版: The Amazing Johnathan
John Edward Szeles という名前のスタンダップ・コメディアン、マジシャンで、ステージネームが The Amazing Johnathan だそうです。

amazing 「驚くべき、見事な」という形容詞は、マジシャンのキャッチフレーズにぴったりなので、ステージネームに amazing という言葉がつくのはイメージとしてよくわかりますね。

上の二人のウィキペディアを見比べてみると、James Randi の記事の量が膨大でした。
ですから、The Amazing... とついたマジシャンでは、Randi の方が有名であると判断してよいと思います。
実際、Randi は、日本語のウィキペディアにも記事が存在していました。
Wikipedia 日本語版: ジェームズ・ランディ

日本語版ウィキペディアにも、「脱出技を得意とするプロマジシャン」との説明がありますので、チャンドラーの言っている手錠抜けのイメージにもぴったり当てはまります。
あのユリ・ゲラーと対決した人でもあるようですね。

手錠をかけられて、お願いだからどうか助けて、とか言いながらも、ふと目をやった像のスカートが短かったので、それを思わず覗き込んでしまうチャンドラーに笑えます。
緊張感がないというか、ホントに真面目にお願いしてるのか?と言いたくなりますね。

手錠を外す代わりに、いろいろなことを誓わせるレイチェル。
最後がウォークマンの話になっているのは、日本のコメディにもよくある「三段落ち」ですね。(同じようなパターンを繰り返して、3回目にボケる、落とす、というジョーク)。
英語圏では、トリロジーという3部作もありますし、A, B and/or C という風に3つ列挙するのも好きですし、この三段落ちもその流れでしょうか??

ウォークマンなんて借りてないぞ、というチャンドラーに、あぁ、じゃあなくしたのね、と言いながら、ウォークマンの名前が出たんだから、このお詫びのついでにそれも買ってよ、みたいにレイチェルは言っています。

手錠を外した後、「あぁぁぁ〜」と手錠で繋がれていた手首をこするチャンドラー。
痛いの?と心配するレイチェルに、「よく映画やドラマでこういうシーンを見るから、それを真似てみただけだ」と言っています。
確かに、日本のドラマでもよく見るシーンかもしれない(笑)。

チャンドラーを手錠から解放した後、レイチェルははたと気づきます。
これじゃあ、私が手錠を外したことを知られてしまう、そして私がこの部屋の鍵を持っていてジョアンナのオフィスにこっそり入ったことがバレてしまう、そしたら私はクビだわ、どうしよう?!という感じですね。
自由になったチャンドラーは気楽なもので、「適当に何か話を作っておくよ」と言っています。
I'm good at lying! I actually did borrow your Walkman! というセリフが面白いです。
俺はうそが得意だから心配しないでよ。さっき、ウォークマンは借りてない、って言って君はそれを信じたけど、ほんとは俺、ウォークマン借りてたんだよ。俺、うそ上手いだろ?という感じですね。

多分、チャンドラーは本当にウォークマンは借りてないと思うのですが(笑)、さっき言ったあれはウソだったから、と言うことで、俺は作り話が上手だから問題ないよ、という説得に使っているのです。
前に出てきた「ウォークマンを返して」というのは、三段落ちのオチとしては、少々パンチ不足な気がしたのですが、(脚本上)後でこういう形で使われることになっていたんですねぇ。
脚本の構成の妙みたいなものが感じられて楽しいです。


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posted by Rach at 06:41| Comment(22) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです。一度音声講座においでいただいたことのあるphiljoyです。
一つのessayのように、無駄がなく楽しく勉強になりますね。長く続けてこられたこと、本当にご立派ですね。英語学習ブログとして最高のレベルでしょう。
私の方は自分の形を作る前にコケていましたが、また挑戦中です。またお邪魔させてください。
Posted by joy at 2009年07月18日 21:45
philjoyさんへ
お久しぶりです。ご訪問&コメント、ありがとうございます。

(最初に一つお詫びを)
同じ内容のコメントを2つ入れて下さったみたいですね。うちのコメント欄は反映が遅い時があり、投稿したコメントがすぐに表示されないことがよくあるので、再度投稿して下さったのだろうと思います。お手間をおかけしてすみません。重複した分は、こちらの1つに絞らせていただきました。

さて、拙ブログに対しての過分なお褒めのお言葉、誠にありがとうございます。そこまで言っていただけて大変光栄です。
お互いマイペースで自分の好きな形でブログを続けていけるといいですね。今度ともよろしくお願いします。
Posted by Rach at 2009年07月19日 08:40
こんばんは。

Chandler: It just doesn’t…feel like we’re breaking up. 分かれる気がしない
Joanna: No, we are. I’m sad. (別れる)気がしない(けど)、別れるのよ。悲しいわ。

たびたび、否定の後の肯定には悩まされます。
Joanna: No, (but) we are.
butを入れないのは、野暮または、面白さが半減するからと感じています。

解説、よろしくお願いします。
Posted by Tamashiro-OB at 2021年02月25日 23:45
Tamashiro-OBさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。

英語では No, we aren't. のように、否定文であることを示す形で最初に No, が入ることが多いですが、今回の場合はチャンドラーが「別れる気がしない」と言ったことに対して「そんなことはない」と否定するニュアンスの No、つまり日本語の「いいえ、(あなたの言っていること)それは違うわ」というニュアンスなのかなと思いました。
反射的に相手の言うことを否定するような場合に、このような No が使われるような気がします。
Posted by Rach at 2021年02月26日 14:12
Rachさんへ

英語で、日本語の「いいえ」はあり得ないと思います。
No,(it doesn't feel like, but) we are (breaking up).

日本語の「いいえ」を認めると、今までの学習が崩壊すると思いますし、「文法の否定」でも重要なことだと思います。

日本語の「いいえ」が英語に存在する、しないは賛否両論で片付けられるものなのでしょうか?

日本語の「いいえ」が英語に存在するなら、それなりの解説が必要だと思います。文法書で確認することができません。よろしくお願いします。

Posted by Tamashiro-OB at 2021年02月27日 10:41
Tamashiro-OBさんへ
コメントありがとうございます。

以下に書かせていただくことは、私がセリフから受けた印象と私が調べた内容の引用に過ぎません。それぞれの方の受け止め方を否定するものではありませんし、あくまで私個人の意見に過ぎませんので、参考程度にお聞きいただければ幸いです。

No, we are. の No, がチャンドラーの言ったセリフ(否定文)を肯定したものだとすると、「いったんチャンドラーの言うことを受け入れて、その後 we are でチャンドラーと反対意見を言った」ことになりますが、No, we are. というセリフの前半(No)と後半(we are)で「別れる気がしない。別れる」というような正反対の内容を言っているようには私には感じられませんでした。

DVDの日本語訳(字幕/音声)も

別れる気がしない/なんでかな。別れる感じがしないな
お別れよ 悲しいわ/いいえ、お別れよ、悲しいわ

となっており、特に音声(吹替)のほうは「いいえ、お別れよ」のように「いいえ」と訳者のかたが訳されています。
日本人が誤解しやすい No (「いいえ」と訳してはいけない、相手の否定文を肯定する No)に何度も遭遇されているプロの翻訳者のかたが、「あえて「いいえ」と訳している」ということは、一つの大きな根拠になると思います。

否定文に対する英語の No が、日本語の「いいえ」になる場合もあることの根拠として、以下に、辞書の語義を3件、引用させていただきます。

1件目:オンライン英英辞典 Wiktionary
https://en.wiktionary.org/wiki/no

no
1. Used to show disagreement or negation.
No, you are mistaken.
No, you may not watch television now.
2. Used to show agreement with a negative question.
"Don’t you like milk?" "No" (i.e., "No, I don’t like milk.")

つまり、1. は「意見の相違または否定を示すのに使われる」。2. は「否定疑問文に同意を示すために使われる」。
「あなたは牛乳は好きじゃないの?」「ノー(はい)、私は牛乳が好きじゃない」。

1. については、相手の発言が肯定文だという条件付けはなくて、2. については「否定疑問文」という条件付けがあります。
その言葉通りに受け止めると、
2. 「否定疑問文に同意」の No.=「日本語では”はい”」になる
以外に、
1. その前の文が肯定文であれ否定文であれ「意見の相違、否定」=「日本語では”いいえ、違うわ”」になる
という No が存在すると解釈できそうです。
この場合の No は、その後に否定文が続くことを示唆した No ではなく、相手の意見に反対であるという意思表示ということになります。
「意見の相違」の語義において、「相手の意見が肯定文でなければならない」という限定がついていないので、「否定文である相手の意見に相違を述べる」場合にも No は使えると考えてよいかと思います。

2件目:LAAD (Longman Advanced American Dictionary)

no :
2. used when you disagree with a statement
4. said to agree with a negative statement
と出ており、2. は「発言に同意しない時に使われる」。4. は「否定の発言に同意する時に言われる」。

4. は「否定の発言」という条件付けがありますが、2. には「肯定の発言に」という条件付けがないので、この場合も「その発言が肯定か否定か関係なく、不同意の意味で使われる」と解釈できると思います。


「否定の疑問文」という限定がついていることについては、英英辞典だけではなく、日本の英和辞典にも同様の記載がありました。

3件目:ジーニアス英和辞典

no : [肯定の問いに対して]いいえ、いや、[否定の問いに対して]はい、ええ
(問いが肯定か否定かに関係なく、答えが否定ならば no を用いる。)
[相手の発言を否定して]いいえ、いえ

「否定文に対して」ではなく「否定の問いに対して」つまり「否定疑問文に対して」という限定がついており、「いいえ」と否定する場合には「相手の発言」とだけで「相手の肯定の発言」とは書いてありません。

長くなってしまいましたが、つまりは、Wiktionary、LAAD、ジーニアスという3つの辞書に No の意味として、
1. 否定文に対する同意
2. (肯定・否定の限定なく)相手の発言に対する否定・不同意
の意味が出ているということです。

No に「否定の発言に同意する時」と「発言に同意しない時」という両方の意味があるとすれば、相手の発言が否定文だった場合の No は「同意」と「不同意」の両方の可能性があることになってしまいます。となると、No の意味を判断することは規則的には行えず、文脈、話の流れ、その後に続く言葉などで判断することになると思われます。

ジーニアスの語義にあった、
[否定の問いに対して]はい、ええ
(問いが肯定か否定かに関係なく、答えが否定ならば no を用いる。)
という場合の No は、「その後に否定文が続くこと、または否定文が省略されていることを示す」No になると考えられます。
言った本人が「相手の発言に対して No と異論を唱えた」のか「自分の意見が否定文であることを示すために No と言ったのか」という違いになるでしょう。

今回の場合、ジョアンナが単に No. とだけ答えたとしたら、同意なのか不同意なのか判断しがたいと思いますが、No, we are. と間をおかずに続けたことで、その No は「チャンドラーの発言に対する不同意であった」と判断できることになると思いました。

今回のチャンドラーのセリフ、It just doesn't feel like we're breaking up. の It just doesn't feel like は「(僕たちが別れることに)なりそうな感じがしない」というチャンドラーが感じた印象を述べています。文章としては否定文ですが、ジョアンナが Yes/No で答えるべき「否定疑問文」ではないので、「否定疑問文に同意」の No には該当しないと考えられる気がしました。

「あなたの言う通りそんな感じはしないわ。でも私たちは別れるの」と「いったん相手の発言に同意した上で異論を唱えたい」のであれば、お書きになった文の通りに No, it doesn't feel like, but we are breaking up. と省略せずに表現する気がします。

今回の No, we are. という短いセリフで「同意と不同意」を表現しているようには私には感じなかったということですが、言葉の感じ方は人それぞれなので、「同意と不同意」だとお感じになったということであれば、私はそれを否定するものではありません。

辞書の「意見の相違、否定」の語義で、前の文が否定文の例文があれば良かったのにと思うのですが、今のところそのような例文は見つけられていません。
また、以前にも別の方から、これと同じような No についてのご質問があったと記憶しているのですが、そのコメントも今のところ捜し出せていません。
辞書の例文や他のセリフ例など見つかりましたら、ここに書かせていただきたいと思います。

ここに書いた内容については、なぜ私がそう感じたかという説明をさせていただいただけで、これが正解だと押しつけるつもりはありませんし、自分でも絶対そうだと断言できるほどの自信もありませんので、その点どうかご理解下さいませ。
Posted by Rach at 2021年03月04日 22:08
私も参加させてください。今回は Tamashiro-OBさんに一票!

>Chandler: It just doesn’t…feel like we’re breaking up. 分かれる気がしない
Joanna: No, we are. I’m sad. (別れる)気がしない(けど)、別れるのよ。悲しいわ。

これで合っているように思います。

レイチさんのおっしゃる、
>No, we are. の No, がチャンドラーの言ったセリフ(否定文)を肯定したものだとすると、
>「いったんチャンドラーの言うことを受け入れて、
>その後 we are でチャンドラーと反対意見を言った」ことになりますが、

この「チャンドラーの言ったセリフ(否定文)を肯定したもの」というのが違う気がするんです。

この「No」は"feel"という単語を否定しているだけなのではないでしょうか。

だから仮にチャンドラーのセリフが肯定文だったとしても返事は同じになると考えます。
「Does it just feel like we're breaking up?」→「No, we are.」
「別れる気がする?」→「いいえ、気がするんじゃなくて実際に別れるのよ。」


これは英語の会話でよくある、
「Are you xxx?」→「No, I was.」(= No, I'm not xxx now. I was before)
「あなたxxxなの?」→「いいえ(それは昔のこと)」の感覚ではないでしょうか。
※字幕ではたいてい「xxxなの?」「今はやってない」とか「昔はね」になっていますが。

この場合の「no」は「xxx」や文全体の否定ではなく「are(現在形)」の否定です。
「"are"じゃなくて"were(was)"だよ」というように。

今回の「no」は「feel」の否定で「"feel"じゃなくて"are(am)だよ」という感じ。

Does it "feel" like we are breaking up?
(= It just doesn’t…feel like we're breaking up)
No, we are. (No, it's not "feel like". We "are really" breaking up)

字幕や吹き替えについても、
「別れる感じがしないな」
「いいえ『感じ』じゃなくて本当にお別れよ」
という意味を短くまとめただけだと思いました。

というわけで、Tamashiro-OBさんの解釈に似ていると考えています。
(文法ではなく今回のセリフの解釈に関してのみ)
いかがでしょうか(*^_^*)
Posted by keiko at 2021年03月05日 12:44
こんにちは。

Yes, No.を問題にしたのではないのですが、
Yes, it is. No. it isn't.
Yes, I do. No, I don't.
は中学に習った鉄の文法だと思います。
よく「mind」で教えられています。
否定、肯定の動作、動詞を肯定するならYes、否定するならNoと習いました。
エビデンスを収集しようとネットを調べると
「No, I do」の質問が2件ほど見つかりました。エビデンスは中学の教科書です。
上記「鉄の文法」に当てはめると、「No」と「I do」は別の話題ということです。
「No, I don't」否定の話題が終わり、「I do」で新しい話題を始めている。
中学に教わる「鉄の文法」は全てのシチュエーションに当てはまるはずです。

それと、日本語のいいえが入り込むほど英語は弱くありません。日本語のいいえにみえるような心情を議論したかったのですが・・・

Posted by Tamashiro-OB at 2021年03月16日 12:55
すみません。ついでに・・・

Noの問題で、最近、Toicの問題集の中で見つけました。
No, they were on the desk.
いいえ、それは机の上にありました。

考えられる質問は、
Are they on the chair?


Posted by Tamashiro-OB at 2021年03月16日 13:15
keikoさんへ
コメントありがとうございます。お返事大変遅くなり申し訳ありません。

今回の件については、私もあまり自分の解釈に確信は持てないので、なんだかぼんやりしたお返事になってしまいますが、ご容赦下さいませ。

Tamashiro-OBさんの解釈が「ええそうね、(別れる)気がしない(けど)」ということなので、そのご意見を「チャンドラーの言ったセリフ(否定文)を肯定したもの」と私が言い換えました。
前者は合っているけれども、後者は違うというご意見ですが、私の中では前者=後者でした。

また「仮にチャンドラーのセリフが肯定文だったとしても返事は同じ(いいえ、『感じ』じゃなくて本当にお別れよ)になる」とのご意見ですが、それだと「相手の発言に対する不同意」に当たるような気がします。
(feel という表現を使ったことに対する不同意で、どちらの No も「いいえ」になる、という意味で)。

同じ No という返事でも、前の文が肯定文だったら「不同意(いいえ)」で、否定文だったら「同意(はい)」になるはず、
というのが Tamashiro-OBさんのご意見だと私は解釈しています。

「feel(感じ)」というあやふやなものではなくて「are(本当にそうである)」という言い換えではないかというご意見についてですが、It just doesn't feel like we're breaking up. のように feel の内容の中に are が入っている、つまり feel like SV の V の部分が are なので、feel を否定して、that節の中の V である are だと言い換える、というのは「動詞のレベルが同等ではない(この文では are は feel より下位に当たる)」という意味で、無理なのではないかと思いました。


Tamashiro-OBさんへ
コメントありがとうございます。

No, I do. という表現があった場合、No と I do には関連性がないと私も考えますし、「別の話題」という表現には私も同意です。
Tamashiro-OBさんのご意見では、
No, I don't.(相手の否定文に同意)/ I do.
ということだと思うのですが、
私の解釈は、
No, I don't think so.(相手の意見に不同意)/ I do.
になるということです。

後ろに続く I don't. の前振りとしての No, (I don't.) という形は当然あるとして、後に続く文とは関係ない「とりあえず相手の意見を否定する No」もあるのではないかと私は思っています。

前のコメントで引用した LAAD の語義
2. used when you disagree with a statement
のように「発言に同意しない時に使われる」という No が存在することは、英英辞典が証明してくれていると私は考えています。
以前のコメントの繰り返しになりますが、
複数の辞書において、a statement が肯定文か否定文かという限定がついていないので、否定文の場合でも「不同意の No」(日本語の「いいえ」)の意味で使うことは可能である、
というのが私の意見です。

一般的な文法では、否定文に対する No の返事は、相手の否定の内容に同意したことになり、「これはそうじゃない/うん、そうじゃないよね」と訳すべきですが、日本の文法書でこの部分がことさら強調されているのは、日本語の直訳で「これはそうじゃない/いいえ、そうじゃないよね」と訳すと変だから気をつけよう、という注意喚起だと思っています。
「否定文に対する No は”もれなく/例外なく”すべて「前言の肯定」の意味である」と書いてあるわけではない、と私は受け止めています。

典型的な会話パターンがなかなか見つからないのが大変残念なのですが、私の考える「いいえ」に近いニュアンスの会話例を以下にいくつか書かせていただきます。長くなってしまいますが、参考程度に御覧いただければ幸いに思います。

1例目。
ロングマン現代英英辞典の例文

(spoken) it's just that: used when explaining the reason for something, especially when someone thinks there is a different reason
例) No, I do like Chinese food, it's just that I'm not hungry.
つまり、「何かに対する理由を説明する時に使う。特に、別の理由があると誰かが思う時に。」
例文は、「いや、俺は中華料理は好きなんだよ。ただ、腹が減ってない、っていうだけなんだ。」

この例文の前のセリフは掲載されていませんが、私がイメージした会話は、
A: Oh, you don't like Chinese food.
B: No, I do like Chinese food...
でした。
do like とわざわざ強調しているのは、その前に否定文で You don't like と言われただろうことが想像できる気がするのです。
もしこのような会話であれば、この No は No, I don't like の方ではなく、「いや(中華料理が嫌いってことはない)」という「いいえ」に当たると思います。

2例目
フレンズ9-13
(記事は「芝刈りやゴミ出しで小遣いを稼ぐ フレンズ9-13その3」ですが、今回のエピソードより先になるので、リンクははりません)
[20:01]
チャンドラー: Yeah, well, I guess you don't need my help, Victor-Victoria! (あぁ、じゃあ、お前は俺の助けは必要ないんだな、ビクター・ビクトリア!)
ジョーイ: Okay, all right, no, no, no, no, I do, I do, I do. I need your help. (あぁ、わかったよ、いやいやいやいや、必要だ必要だ必要だ、俺にはお前の助けが必要なんだよ。)

この会話をシンプルにすると、
You don't need my help.
No, no, no, no, I do, I do, I do.
になると思います。
この No は、No, I don't need your help. ではなく、「必要ないなんてことはない」という意味だと私は捉えます。

3例目
プランどころかプラすらない フレンズ1-4改その21
[0:13:49]
レイチェル: I'm so sorry, you guys. I didn't mean to bring you down. (ほんとにごめんね、みんな。みんなを落ち込ませるつもりはなかったの。)
モニカ: No, you were right. I don't have a plan. (いいえ、レイチェルは正しかったわ。私にはプランがないもの。)

この No を、レイチェルの否定文に同意したものと考えると、
「そうね、あなたにはみんなを落ち込ませるつもりなんてなかったわよね」
と言ったことになりますが、このモニカの答えの内容を考えると、レイチェルが申し訳なく思うことなんかないわ、という意味の
レイチェルの反省コメントに対しての「いいえ」
だと私には思えました(レイチェルに「つもりがあったかどうか」はポイントではないと思われるため)。
「否定文に対する No だから、肯定の意味」という規則的な判断ではなく、レイチェルがそう言ったことの背景にある気持ちを汲んでの No だと私は思ったということです。ドラマに出てくる会話ではそのように「相手の言わんとすることを察して返事する」ということはよくあると思います。

4例目
(前言が否定文ではないですが、ニュアンスがそれっぽいという意味で入れました)
久しぶりに会った女性への褒め言葉 フレンズ3-13その2
[0:00:36]
リチャード: So, you look great! (それで、モニカは素敵[きれい]だね!)
モニカ: Right. (えぇ、まぁ。)
リチャード: No, you do. You... just... (いや、(ほんとに)きれいだよ。ただ…)
モニカ: What? (何?)
リチャード: You got panties stuck to your leg. (足にパンティーがくっついてるよ。)

リチャードの No の直前は、否定文ではないですが、モニカのこの Right. は「えぇ、まぁ」と言いながらも「そんなことないわよ」と謙遜している感じで、本音をきちんと文章化すると、I don't look great. に近いものを感じます。
リチャードのセリフだけを見ると、You look great. You do. と言っていて、リチャードは一貫して「君は素敵だ」と言っています。
それだと否定の No が入り込む余地はないはずですが、「相手がそれを否定した(I don't look great. と言いたげだ)と感じて、相手の否定を「いや」と否定した上で、再度、「素敵だ」と言っている」のがこの会話だと思いました。
この No は明らかに、you do とセットのものではありません。セットにする場合は、Yes, you do. 「そうさ、本当に素敵だよ」と強調する言い方もできるように思います。
Yes, you do. であれば、you do の前に付く、肯定文の Yes
No, you do. であれば、you do とは別物の、相手の発言に不同意の No
になると思いました。
Posted by Rach at 2021年03月17日 23:05
時間を取らせて申し訳ないです。
大事なことなので・・・

「発言に同意しない時に使われる」は日本人の心ですよね?
「発言」の解釈は、「発言の動詞、動作」か「言外の動詞、動作」だと思っています。
中学で教わったYes,Noの文法に、たやすく例外を認めるわけにはいかないので・・・

1例目
例) No, I do like Chinese food, it's just that I'm not hungry.

私の解釈は
A: Aren't you hungry?
B: No, (I'm not hungry.) I do like Chinese food...

2例目
チャンドラー: Yeah, well, I guess you don't need my help, Victor-Victoria!
ジョーイ: Okay, all right, no, no, no, no, I do, I do, I do. I need your help.

私の解釈は
no, (I'm not Victor-Victoria!) I do. I need your help.

3例目
プランどころかプラすらない フレンズ1-4改その21
[0:13:49]
レイチェル: I'm so sorry, you guys. I didn't mean to bring you down.
モニカ: No, you were right. I don't have a plan.

私の解釈は
No, (you don't think you are so sorry.) You were right. I don't have a plan.

4例目
(前言が否定文ではないですが、ニュアンスがそれっぽいという意味で入れました)
久しぶりに会った女性への褒め言葉 フレンズ3-13その2
[0:00:36]
台詞追加
モニカ: Wow! Your lip went bald. (Richard pays the clerk) Hey, thanks.
追加終了
リチャード: So, you look great!
モニカ: Right.
リチャード: No, you do. You... just...
モニカ: What? (何?)
リチャード: You got panties stuck to your leg.

私の解釈は
モニカに「Wow! Your lip went bald.」対して、
「So, you look great!」リチャードは皮肉で言っている。
気づかずに「Right.」と言っているモニカに対して、
「No, you don't know what I mean.」

Rachさんが正面から受け止めてくれたのでうれしく思っています。
Rachさんのブログは最高です!


Posted by Tamashiro-OB at 2021年03月18日 10:59
Joannaの「No, we are.」について、私は思い違いをしていたようです。
何度もレイチさんの解説を読み、やっと理解ができました。

> Wiktionary、LAAD、ジーニアスという3つの辞書に No の意味として、
> 1. 否定文に対する同意
> 2. (肯定・否定の限定なく)相手の発言に対する否定・不同意
> の意味が出ているということです。

↑このご説明の意味がようやくわかりました。
 私は否定疑問文と否定文とを混同していたようです。

否定疑問文だったらNoは必ず同意(=否定)になりますが、
否定文(疑問文じゃない)も同様だと思い込んでいたのです。

否定文に対して意見を述べる場合、Noで不同意を表すこともあるのですね。
今回の場合は「別れる気がしないよ」「いいえ、別れるのよ」で納得です。

大変勉強になりました!
Posted by keiko at 2021年03月20日 16:01
Rachさんへ

こんにちは。
僕も納得したいので、

> 2. (肯定・否定の限定なく)相手の発言に対する否定・不同意
> の意味が出ているということです。

(肯定・否定の限定なく)というのは(ポジティブ、ネガティブの限定なく)ではないでしょうか?少なくとも、Longmanには出てないようです。
副詞のnoは、形容詞、動詞、センテンスを修飾することになっています。
(肯定・否定の限定なく)というのはnoまたはnotの出ているセンテンスですよね?
noがそのセンテンスを否定・不同意するとは思えません。

2. (肯定・否定の限定なく)の原文を紹介してもらえませんか?



Posted by Tamashiro-OB at 2021年03月21日 08:26
YesNo問題として論旨がずれているかもしれないので、再度コメントします。

実践ロイヤル英文法
マーク・ピーターセン共著
219A Yes/No
(1)ふつうの疑問文に対しては、答える内容が肯定ならYes,否定ならNoを用いる。
"Do you remember?" "Yes, I do."
(「覚えていますか?」「はい、覚えています」)
"Do you remember?" "No, I don't."
(「覚えていますか?」「いいえ、覚えていません」)
(2)否定疑問文に対しても、答える内容が肯定ならYes、否定ならNoを用いるか
ら、日本語の「はい」「いいえ」とは必ずしも一致しない。
"Don't you remember?" "Yes, I do."
(「覚えてないの?」「いいえ、覚えています」)
"Don't you remember?" "No, I don't."
(「覚えてないの?」「はい、覚えていません」)
※「はい」「いいえ」が反転してますね!
 日本語として、反転しない受け答えも、どちらも使う気がします。また、本文は同じ意味なので、日本語でも「はい」「いいえ」は必須ではなく、無くてもいいと思います。この教え方は次の文法書のように教科書から外すべきだと思います。


一億人の英文法
大西泰斗共著
P325
「B」 notを含んだ文に対する受け答え:notは勘定に入れない
(a) Do you like your school uniform?
  (自分の制服好き?)
   Yes, I do.(好きだよ)/No, I don't.(好きじゃないよ)
(b) Don't you like your school uniform?
  (自分の制服好きじゃないの?)
   Yes, I do.(好きだよ)/No, I don't.(好きじゃないよ)
※日本語の「はい」「いいえ」がないとスッキリ、違和感もありません。
しかも、Yesは肯定文、Noは否定文です。

Posted by Tamashiro-OB at 2021年03月27日 13:12
Tamashiro-OBさん、keikoさん
コメントありがとうございます。お返事遅くなり、また、まとめレスになってしまい大変申し訳ありません。

長くなりますので、最初に私の意見のポイントをまとめ、その後、個々の詳細を述べます。
2点目、3点目は、これまでの私の意見とほぼ同じ内容の繰り返しですが、1点目はこれまでとは違う視点になります。

1点目
「否定疑問文に対する no」のコメントが過去記事2件で見つかりました。
それらのコメントで「このような no に対するネイティブのご意見」についての議論がありましたので、その議論のポイントを後でまとめます。

2点目
示されたような文法が存在するのは大前提として、今回の no については「文法書に示されている文法の例外」ではなくて、「no の意味の別の用法」だと私は考えています。
これについては過去レスで何度か書かせていただいた通りですが、再度、別の表現で説明させていただきます。

3点目
「否定疑問文に対する no には、その後に必ず否定文が省略されている」と考えると、話の内容・流れ的に無理があると感じられる例が実際に存在します。
そのような場合「必ず否定文が省略されているはずだ」という縛りを一度外して「単なる否定」だと考えると流れ的にしっくりきます。「省略されているはずの否定文」を当てはめた場合に、どのように無理があるかについて、私の考えを述べさせていただきます。

以下、各点の詳細になります。

1点目
「否定疑問文に対する no」について議論のあった記事は以下になります。
私が見つけたのではなく、非公開コメントで教えていただきました。本来、書いた本人である私が見つけないといけないものでしたのに、探して教えて下さった方に心より感謝申し上げます。

フレンズ1-12その4
https://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470083.html#comment
フレンズ2-7その5
https://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470233.html#comment

まず、1-12その4 で「否定疑問文についてネイティブに尋ねた」という話が出ていて、当時(2009年)lang-8 に掲載されていたものですが、それから随分年月が経つので、その「ネイティブの回答」そのものは今はなくなっており、読むことはできません。
ただ、当時は読めたそのネイティブの回答を元に意見交換をしており、その中で、私は以下のように結論づけていました。

(以下、1-12その4 の私のコメントより)
ネイティブの方に共通している意見は、「すべきじゃなかった?」という質問に対しては、Yes/No よりも、2番目の答え、つまり、「すべきであったか、すべきでなかったか」が重要だ、ということですね。
今回のレイチェルのセリフも、No. だけでは彼女の気持ちはわからない、後に続く言葉で、「知って良かったのよ」という気持ちがわかる、という仕組みです。
(1-12その4 のコメントからの引用は以上)

これについては、ネイティブの回答が今は読めないことから、「根拠、証拠」として薄いものであることは承知しています。ただ私は当時、そのネイティブの回答を読んで、Yes/No ではなく「その後の内容が大事だ」ということを理解し、そのことが念頭にあったため、今回の No についても同様の結論となりました。
それは「ネイティブが言ったから」とその意見をやみくもにありがたがっているからではなく、「そう説明されると納得する、私もそれが自然な解釈だと思えるから」です。
1-12その4 での議論を踏まえて、2-7その5 でも同様の解釈をしました。

ですから私は「否定疑問文だったら No は必ず同意になる」とは思っていません。否定疑問文に対する No は同意の場合が圧倒的に多いと思いますが、その後に続く文によっては「単なる不同意」である場合もある、というのが私の考えです。

2点目
「肯定・否定の限定なく」と書きましたが、その通りの記述があるわけではありません。
私が言いたかったのは、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary)
no :
2. used when you disagree with a statement
4. said to agree with a negative statement
と書かれているということは、2. の「発言への不同意」がまず意味としてあって、「その後」に 4. 「否定文への同意」と書かれていることから、
2. の「発言」には肯定・否定の限定がない、
と結論づけたということです。
「否定文に対する不同意としては絶対に使わない」のであれば、
4. said to agree with a negative statement
と同じように
2. said to disagree with an affirmative statement
のような「肯定」という「限定」がついているはずだと思ったということです。

「否定文に対して同意する時は No を使う」という文法が存在するのは大前提として、今回の no については「文法書に示されている文法の例外」ではなくて、「no の意味の別の用法」だと私は考えています。
2, 4 と語義が並列に書かれているということは別物であるということで、4.「否定文の同意」の意味もあれば、2.「発言への不同意」もあるということだと私は思っています。

1点目で示したような質問が、他の記事にもあったということが、この No が「文法書に載っている No」とは違うことを示していると思います。
多くの皆さんがその文法事項を知っている、けれどもそれを当てはめようとすると話の流れとしておかしい、または日本語の「いいえ」と解釈した方がすっきりする、と感じるからこそ、この No についての質問が出るのだと思うわけです。

3点目
私の挙げた4つの例に対しての解釈、読ませていただきました。
それぞれについての私の印象を述べさせていただきますが、あくまで「私にはそう感じた」ということで、Tamashiro-OBさんがそう感じられたとおっしゃることを否定するものではありませんので、その点どうかご了承ください。

1例目
お書きになった英文を和訳させていただくと、
A: 腹減ってないの?
B: うん、腹は減ってない。俺は中華料理は好きなんだよ。ただ、腹が減ってない、っていうだけなんだ。
になりますが、この会話の「流れ」が私には違和感があります。

このロングマンの例文を見つけたのは、
理由を説明する「ただ…なだけなんだ」 フレンズ3-17その5
https://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471352.html
という記事です。
その部分を以下に再掲させていただきます。

(過去記事より再掲)
ロングマン現代英英辞典にもちゃんと説明が載っていました。
(spoken) it's just that: used when explaining the reason for something, especially when someone thinks there is a different reason
例) No, I do like Chinese food, it's just that I'm not hungry.
つまり、「何かに対する理由を説明する時に使う。特に、別の理由があると誰かが思う時に。」
例文は、「いや、俺は中華料理は好きなんだよ。ただ、腹が減ってない、っていうだけなんだ。」
チャンドラーやフィービーがこのフレーズを使っているのも、「レイチェルが考えているような理由から断るんじゃないんだ」ということが言いたいからですね。
フィービーが、"No, it's just that...." と、No. を使っているのも、「あなたが考えているような理由じゃないのよ、ただこういう理由なのよ」と、「理由は別のところにある」ことを一生懸命説明している感じが出ているように思います。
(再掲ここまで)

その記事で説明したように「あなたが考えているような理由じゃない、理由は別のところにある」ことを示すのが It's just that という表現なので、B が「ただ腹が減ってないだけなんだ」と言う前に、A の方から先に「腹減ってないのか?」と尋ねることはあり得ません。
「君が考えているような理由じゃない」というのを示すために先に「中華料理は好きなんだよ」と言っているということは、A は「中華料理は好きじゃないのか?」と言った可能性が高いと私は考えたということです。
B が do like 「本当に好きなんだ」と表現しているのは、A が don't like 「好きじゃないんだな」と言ったからだというのが私の推論です。

2例目
no, I'm not Victor-Victoria! とのことですが、自分をそのような名前(男女混合の名前)で呼ばれたことは、ジョークのポイントではありますが、ジョーイが no を何度も言って否定するような内容ではないと私は感じました。
「俺の助けは必要ないようだな」と言ったことを「そんなことない、ない(必要ある、ある)」と否定したと捉える方が私には自然に思えます。

3例目
you don't think you are so sorry. だと「あなたは自分が悪いとは思ってないわね」となりますが、それだと反省しているレイチェルを責めていることになります。
彼女たちの様子や表情から、「レイチェルが反省しているのを聞いて、別にレイチェルが悪いわけじゃない」と答えたと考える方が自然だと思いました。

4例目
So, you look great! はリチャードの皮肉とは思えません。No, you don't know what I mean. だと「僕の意図(皮肉)が君にはわからないんだね」となりますが、リチャードがそんなことを言うとも思えません。
リチャードは魅力的な年上の大人の男性ですから、久しぶりにあったモニカに対して、むさくるしい恰好をしていてもさらっと褒めることができる人だという描写になっていると考えられ、「素敵だね」「えぇまあ(謙遜)」「いや、本当に素敵だよ」と捉えるのが自然だと思います。

No の後ろに否定文を入れてしっくりくるものが多いのは事実ですが、話の流れや内容によっては、「否定文が省略された No」以外の用例も存在する、というのが私の意見です。後に否定文が続くことを示す No なのか、単なる不同意なのかは、話の流れや文脈で判断できるものだと思います。
Posted by Rach at 2021年04月07日 21:31
こんにちは

否定疑問文に対して日本語と同じように応答していることが明らかな英文の例を Friends の中から見つけるのは難しいと思いますが、言語学の論文などにはありそうです。Wikipedia の英語版に Yes-no question という項目があり、“Answers” 以下に次のような記述があります。これによれば、yes/no は polarity (つまり positive/negative) としてだけでなく、truth-value of the situation (つまり true/false) としても使われることがわかります。否定疑問文に対して "yes, I didn't commit the crime" や "no, I did commit the crime" と反応する英語話者もいるわけです。

However, simple "yes" or "no" word sentence answers to yes-no questions can be ambiguous in English. For example, a "yes" response to the question "You didn't commit the crime?" could mean either "yes, I didn't commit the crime" or "yes, I did commit the crime" depending from whether the respondent is replying with the truth-value of the situation or to the polarity used in the question.
Posted by mq at 2021年04月13日 15:38
こんばんは。
Rachさんのレスポンスを見逃していました。

否定、肯定の動作、動詞の他に
「気持ち」、「状況」に対する「No」を追加させてください。
「気持ち」、「状況」は言外なのでは日本語の「No」と返答が重なることもあるでしょう。
でも、日本語のNoとは違うものだと思います。
「気持ち」「状況」を「No」で否定すれば、シンプルになるし、省略もありません。
Rachさんの解説と同じなのではと思っています。
以下、「気持ち」「状況」を英語にするのは力不足なのでよしなに・・・

フレンズ1-12その4
Phoebe: Should I not have told you?
Rachel: No, no, trust, me, it's, it's, it's much better that I know. Uh, I just liked it better before it was better...
フィービーの気持ちを感じ取って、Never mind. のNo。

フレンズ2-7その5
Rachel: Oh, you're not having fun, are you?
Michael: No, no, I am, but only because for the last hour and a half I've been playing the movie Diner in my head.
レイチェルの気持ちを感じ取って、It doesn't matter. のNo。

フレンズ3-17その5
Rachel: Oh, well okay. Well, there you go.
Phoebe: No, it’s just that he got this new like home theater dealy, and he wants y'know, us to check it out.
レイチェルの気持ちを感じ取って、It's not like that.のNo。
it’s just thatは「No」とは関係ないですね。チャンドラーが「Yes」で言ってますから。


Posted by Tamashiro-OB at 2021年04月13日 20:06
mqさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
そして、Wikipedia 英語版の Yes-no question の情報も誠にありがとうございます。

「yes-no 疑問文に対する yes/no 一語だけの答えは ambiguous(両義に取れる、曖昧な、紛らわしい)」
と書かれてあるのを見て安心しました。
true/false として使うこともあるのであれば、やはり後に続く文章で内容を判断すべきだということになりますね。
見つけていただいた過去のコメント欄でのネイティブの意見とも一致する感覚だと思えます。
貴重な根拠を見つけ出していただき、心より感謝申し上げます。ありがとうございました<(_ _)>


Tamashiro-OBさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。

フレンズ1-12その4、フレンズ2-7その5 の No についての私の解釈は、それぞれの記事内で書いた通りで今も変わりません。
ロングマンにある used when you disagree with a statement、つまり「相手の発言への不同意」に私には聞こえるということですが、文字通りの発言そのものだけではなく、その発言で相手が言わんとしている内容に対しての「いいえ、そうじゃないわ・違うわ」という感覚で捉えています。
私には Never mind. 「気にしないで」や It doesn't matter. 「どうでもいい」と言っているようには聞こえない、ということですが、あくまで「私にはそう聞こえる、そう感じる」という話であり、他の方にその解釈を押し付けるつもりはありませんので、その点、ご理解下さい。

フレンズ3-17その5 については、フレンズのセリフは関係ありません。
たまたま検索でヒットしたロングマンの例文に、今回の No に近いものがあったので、まずはその例文を引用しました。
その後、その記事にリンクをはったのは、It's just that は「ただ〜なだけなんだ」と相手が想像しているのとは違う理由を述べる時に使うフレーズであり、相手が先にその理由を述べることはあり得ない(そのような否定文がそこに入ることはあり得ない)ということを説明したかっただけでした。
この部分が説明不足だったようで、申し訳ありませんでした。
Posted by Rach at 2021年04月14日 18:21

mqさん、すごい!!Wikipedia の英語版の引用見て目からうろこです!!


> a "yes" response to the question "You didn't commit the crime?" could mean either
> "yes, I didn't commit the crime" or
> "yes, I did commit the crime"

なんと、否定疑問文でも"Yes"で同意する人がいるんですね。
否定疑問文で同意する場合は絶対に絶対に"No"だと、
それが英語なんだと思い込んでいましたよ(・_・;)

大昔、英会話教室で
私"I ate nothing for breakfast." → 先生"Oh, nothing?"の流れで
私がつい"Yes. I didn't eat anything"と答えると
必ずどのネイティブ先生も"No"に訂正されたんですよ。

30年以上も前の話ですので、その間に文法の変化があったんじゃないかと思っています。
日本語の「全然美味しい」や「大丈夫です(←要りませんの意味で)」のように。

ふと思ったんですけど、日本語を学ばれている海外の方も、「"全然"の後は否定文しか来ない」という覚え方をしていた場合、日本のドラマで「全然美味しい」と言うセリフが出てきたら混乱するでしょうね。

最近はやりの「感謝しかない」も同様。
「〜しかない」の意味は海外からの留学生は「期待していたより程度が低い」「仕方がないからとあきらめの気持ちで言う時に使う表現」と言う風に習うので、「感謝しかない」というセリフを聞いて「仕方なく感謝している」などと勘違いされる可能性もあります。

海外にもこちらと同じような日本語ドラマの解説サイトがあって、同じような議論が繰り広げられているかもしれないと思うと面白いですね!

レイチさん、この度は「否定疑問文についてネイティブに尋ねた」というお話の解説なども交えた、大変丁寧な解説をありがとうございました。完全に納得致しました。
またmqさんのお陰で、過去の思い込みにとらわれていてはいけないとも思いました。
Posted by keiko at 2021年04月17日 15:27
keikoさんへ
コメントありがとうございます。
mqさんには私も本当に感謝しています。否定疑問文に対する No の返事については、英英辞典にも適切な例が載っていなかったので、「ネイティブが説明してくれている、根拠として使えるもの」をmqさんが見つけて下さって、本当にありがたかったです。

keikoさんが挙げて下さった日本語の例のように、習った文法に当てはめると「なんで?」となるようなものは確かにたくさんありますよね。
実際の場面で、流れや文脈やキャラの口調や表情からセリフの意味を読み解くことの積み重ねで、そういう表現も蓄積できていくのかなと思ったりします。

今回のことは私もとても勉強になりました。今後、このような No に遭遇したらしっかりメモを取り、実際のドラマ・映画での使用例をデータとしてきちんと残しておきたいと思います。

ご丁寧なお返事ありがとうございました。
Posted by Rach at 2021年04月21日 10:03
こちらこそ、レイチさんを疑ったみたいなコメントになってしまってすみませんでした。
今こちらのコメント欄を最初から読み直してみてわかりました。
レイチさんは最初から一貫して、否定疑問文に対する日本語的なNoがありうるとおっしゃっていたんですよねぇ!

質問者様への回答という形の解説だったのと、長かったので(!)きっちり読み込んでおらず、理解できていなかったのです。ごめんなさい。

しかし、mqさんのコメント(wikipediaの解説)を読み、レイチさんが正しかったのだとやっとわかった次第です。

お二人には感謝しております。
何度もすみません!
Posted by keiko at 2021年04月22日 22:26
keikoさんへ
自分でもコメントが長くなりすぎてしまったことを反省していて、もっと簡潔に書けたら良かったのにな、と思っていました。
ご丁寧なお返事ありがとうございました。

Posted by Rach at 2021年05月01日 15:22
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