2009年07月22日

頭金ゼロ月々ゼロの分割払い フレンズ4-3その6

百科事典を興味深く読んでいるジョーイに、セールスマンが話しかけます。
セールスマン: So what do you say, Joey? You get the whole set of encyclopedias for twelve hundred dollars. That works out to just 50 bucks a book. (それでどう思いますか、ジョーイ? 1,200ドルで百科事典まるまる1セットが手に入ります。それは1冊たったの50ドル、ということになりますよ。)
ジョーイ: Twelve hundred dollars? You think I have $1200? I'm home in the middle of the day, and I got patio furniture in my living room. I guess there's a few things you don't get from book learnin'. (1,200ドルだって? 俺に 1,200ドルあると思う? 俺は真っ昼間に家にいて、リビングルームにパティオ用の家具を置いてる。本からは学べないことがいくつかあるみたいだね。)
セールスマン: Well ah, what can you swing? (えーっと、どういうことなら可能ですか?)
ジョーイ: How about zero down and zero a month for a long, long time? (頭金はゼロで、それから、長い長い間、毎月ゼロドル支払う、っていうのはどうかな?)
セールスマン: You don't have anything? (あなたは少しも持っていないんですか?)
ジョーイ: You wanna see what I got? (He gets up to empty out his pockets) Okay? I got a baby Tootsie Roll, a movie stub, keys, a Kleenex, a rock, and an army man. Hey! (俺が持ってるもの知りたい? [ジョーイは立ち上がり、ポケットの中身を出す] いいか? 小さなトゥッツィー・ロールに、映画の半券、鍵、ティッシュ1枚、小石、それからアーミー人形だ。[人形に] よう!)
セールスマン: Okay, I-I get the picture. Uh, thanks for your time. (Starts to leave) (オッケー。状況がよくわかりました。あぁ、お時間を取ってくれてありがとう。[立ち去ろうとする])
ジョーイ: And a fifty. (The salesman stops suddenly) Huh, these must be Chandler's pants. (それから、50ドル。[セールスマンは突然立ち止まる] ほー、これはチャンドラーのパンツに違いないな。)
セールスマン: For 50 bucks you can get one book. What will it be? A? B? C? (50ドルで1冊の本が買えますよ。どれにします? Aの本? Bの本? Cの本?)
ジョーイ: Oh, I-I think I'm gonna stick with the V. I wanna see how this bad boy turns out. (あぁ、Vの本にこだわってみようかな[Vの本を続けて読んでみようかな]。この悪ガキがどんな風になるのかを見たいから。)

work out to は「…ということになる」。
1セットで 1,200ドルだから、1冊当たりに換算すると 50ドルになる、とセールスマンらしいトークをしています。
book learning は「本から学んだこと、学んだ知識」。
百科事典でいろんなことが学べると宣伝しているけど、俺が 1,200ドルを持ってないことくらい、見てわからないか?、そういう知識は、百科事典を読むことでは得られないようだねぇ、と言っているのですね。
セールスマンに対しては、なかなか冴えた切り返しだと思うのですが(笑)。

swing は「揺り動かす、振る」ですね。名詞では「(遊戯具の)ぶらんこ」の意味もあります。
今回の動詞の意味は「…をうまくやってのける、うまく処理する」というような意味でしょうか。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
swing [verb]: ARRANGE SOMETHING [transitive] (spoken) to make arrangements for something to happen, although it takes a lot of effort to do this.
例) I'll come over Friday if I can swing it.

つまり、「何かが起こるように手配する[手はずを整える]こと。これをするのに多くの努力が必要であったとしても。」
例文は、「手配できるのなら[なんとかできるなら]、金曜日に来るつもりだ。」

ですから、1,200ドルなんて持ってないよ、というジョーイに、「どういうことなら、何とか手配可能ですか?」みたいな意味で、what can you swing? と尋ねたようです。
つまり、即金で払えないなら、ローンを組むってのもアリですが、どういう支払い方法なら可能ですか?という感じでしょうね。

How about zero down and zero a month for a long, long time? について。
down は「頭金の、頭金で」。down payment は「(分割払いの)頭金、手付け金」で、make a down payment で「頭金を支払う」になります。
ジョーイが言っているのは、「頭金はゼロ、それから、超長い間、ひと月にゼロドルずつ支払う、っていうのはどう?」という感じですね。
ローン、分割払いにしても、月々お金を全く払わない案を提示しているわけです。

少しの金額も払えないほどの金欠なんですか?と言われたので、ジョーイは自分のポケットの中身を見せています。
Tootsie Roll は、キャンディーの名前ですね。
Wikipedia 英語版: Tootsie Rolls
公式サイトはこちら(↓)。
Welcome to the Tootsie Roll Website

Tootsie Roll の名前は、フレンズ3-20 にも登場しました。
解説では飛ばしてしまった部分ですが、フィービーが手作りのドールハウスを披露していた時、以下のセリフがありました。
フィービー: You can eat all the furniture. And when guests come over, they can stay on the Tootsie Roll-away bed. (家具は全部食べられるのよ。それにお客さんが来た時、トゥッツィー・ロール・アウェイ・ベッドで泊まることができるのよ。)
ロールアウェイベッド、というのは、移動式の簡易ベッド、エキストラベッドみたいなもののようですね。
roll-away bed の roll という言葉にひっかけて、名前に roll がつくお菓子(Tootsie Roll)を使った、ということです。

stub は「木の切り株、たばこの吸い残し・吸殻」などの意味がありますが、ここでは「入場券などの半券」という意味です。
Kleenex はご存知「クリネックス」で、ティッシュペーパーなどの商標名です。
Wikipedia 英語版: Kleenex

get the picture を直訳すると「絵をゲットする」という感じですから、「様子がわかる、状況・事態を理解する」という意味になります。
ポケットの中身を見て、あぁ、この人はほんとにお金を持ってないんだな、とわかった、ということですね。
Thank you for your time. は「お時間を取って下さってありがとう」みたいな意味です。
結局、商談は成立しなかったけど、時間を取ってもらって話を聞いてくれてありがとう、というニュアンスですね。

セールスマンが帰りかけた時、ポケットの中に 50ドルが入っていたことを発見したジョーイ。
俺のポケットに 50ドル入ってるわけないから、これはチャンドラーのパンツだな、と言っています。
このやり取りの最初に言っていたように、50ドルだと1冊買えることになりますね。
What will it be? の it は、50ドルで買える1冊の本を指します。
1冊買えるので、どれにします?という感覚ですね。
stick with は「…から離れないでいる、…にこだわる」というような意味ですが、今まで V の本を見ていたので、その V の本を続けてそのまま読んでみるよ、という感じでしょう。
V の本に興味を持ったジョーイは、その V の本を this bad boy 「この悪ガキ」と呼んでいます。
そいつが最終的にどんな本であるかを読んで確かめたい、見届けたいんだよ、みたいなことですね。


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posted by Rach at 07:36| Comment(2) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
すごい助かりました。
たぶん、他の多くの人も引っ掛かると思います。
I'm gonna stick with the V. I wanna see how this bad boy turns out.
ですが。
ジョーイが、"V"の百科事典を買うといいながら、”b”、bad boyと来てるから、
bad boyって誰やねん? いつbad boyの話しが出てきてん? 
“V”じゃなくて“B”の百科事典を買うのか?、とか疑ったりして、この一文、謎、謎、謎。
別の二種類の日本語訳が、
「Vにするよ。さっきの続きを見たいからね」
「Vにする。さっきの続きを読みたい」
なので、
やっぱり、なんでbad boyの続きを“V”の百科事典で読むねん?、と引き続き頭混乱。
それで、レイチさんの日本語訳が、
「この悪ガキがどんな風になるのかを見たいから」
“どんな風になる”という表現でスッキリ解決しました。
だいたい、日本語訳が下手ですよね。
「さっきの続き」とか「続きを読みたい」とか書けば、
bad boyの、どんな身の上やねん?と思いますよね。
百科事典に、小説風のお話しが入っていると思う私も変なのですが。
レイチさんの訳を見て、とりあえず、百科事典は"V”だと確定できた時、
そういえば、Van Goghがどうのこうのと会話していたなと思い出しました(笑)。
Posted by JB at 2024年08月30日 15:06
JBさんへ
コメントありがとうございます。
お返事大変遅くなり、誠に申し訳ございません。

私の解説をそのように評価いただき、ありがとうございます。
これからも頑張ります。

コメントありがとうございました。
Posted by Rach at 2024年11月13日 09:53
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