シーズン4 第4話
The One with Ballroom Dancing (ジョーイの Shall We ダンス?)
原題は「舞踏会のダンスの話」
モニカ: (Picking up a card from Chandler's wallet.) God! Is this a gym card? ([チャンドラーの財布から1枚のカードを取り上げて] まぁ! これは(スポーツ)ジムのカード?)
チャンドラー: Oh yeah, gym member. I try to go four times a week, but I've missed the last 1200 times. (あぁ、そうだよ。(俺は)ジムのメンバーなんだ。週に4回は行こうとしてるんだけど、この 1200回は行き損ねちゃってるな。)
ロス: So why don't you quit? (それじゃあ、やめたら[ジムを退会したら]?)
チャンドラー: You don't think I've tried? You think I like having 50 dollars taken out of my bank account every month? No, they make you go all the way down there. Then they use all of these phrases and peppiness to try and confuse you. And then they bring out Maria. (俺がやめようとしたことがないとでも思ってるのか? 毎月自分の銀行口座から 50ドル引き落とされるのを俺が喜んでるとでも思うのか? とんでもない。わざわざジムまで行くはめになるんだけど、するとジムのやつらはあらゆるフレーズと元気いっぱいさを使って、俺を混乱させようとするんだよ。それから、やつらはマリアを出してくるんだ。)
ロス: Who is Maria? (マリアって誰?)
チャンドラー: Oh, Maria! You can't say no to her. She's like this lycra, spandex-covered, gym treat. (おぉ、マリア! 彼女にノーなんて言えないよ。彼女は、ライクラとスパンデックスに身を包んだジムの特別な喜び[楽しみ]だよ。)
ロス: Do you need me to go down there with you and hold your hand? (僕が君と一緒にジムに行って、君の手を握ってて欲しい?)
チャンドラー: No. (いいや。)
ロス: So you're strong enough to face her on your own? (それじゃあ、自分ひとりで彼女に向き合えるほどに君は強いんだな?)
チャンドラー: Oh, no. You'll have to come. (そんなことないよ。ロスも一緒に来て欲しいな。)
チャンドラーはスポーツジムのメンバーカードを持っていました。
週に4回通うつもりで、もうかれこれ、ここ最近 1200回は miss している、つまり、行く機会を逃している、行き損ねている、と言っています。
300週ずっと行けてない、ということになりますね(笑)。
チャンドラーはとにかく「長い間行ってない」ことをいうために大袈裟な例えをしているだけかもしれませんが、「ジムの会員になってから”もう何年も”行ってない状態」であることは間違いないようです。
ちっとも利用してないのなら、やめちゃえばいいのに、というロス。
それに対して、「毎月会費を取られてるのに、俺だってやめたいと思ってるさ、でもなかなかやめられないんだよ。」と説明しています。
No, they make you go all the way down there. Then they use all of these phrases and peppiness to try and confuse you. について。
この they はジムの担当者などの「ジム側の人間」を指しているのでしょうね。
そして、you は、「あなた」と表現することで、「一般の人」を指し、回り回って「自分自身(俺)」をも指す、という you ですね。
自分の体験を話す時によく使われる you です。
they make you go all the way down there について。
go all the way down there は「ジムの場所までわざわざ足を運ぶ」みたいなニュアンスでしょう。
make you go という使役動詞が使われているのは、こっちは施設を全然利用してないのに、毎月50ドル引かれるもんだから、お金を引き落とされるのを止めようと足を運ぶはめになる、足を運ばざるを得なくなる、みたいな感覚かなと思います。
それで、ジムに行って退会手続きをしようとしたら、あれやこれやといろんなフレーズや peppiness を使って、俺を混乱・困惑させようとするんだ、と言っています。
try and confuse は、try to confuse と同じ意味で、and を使う方がより口語的なようです。
peppy は「元気いっぱいの、活発な、張り切った」。
その名詞形なので、peppiness は「元気いっぱいさ、活発さ」みたいな感じです。
ジムで働いている人は、職業柄、常に元気ハツラツ!みたいな感じがありますが、それを peppiness と言っているのでしょうね。
ジムに通っているとこんなに元気になれますよ、それでもあなたはやめちゃうんですか?、一緒に元気になりましょうよ!みたいな感じの説得を受けてしまう、ということでしょう。
そして最後にマリアの話をしています。ジムの最後の切り札みたいな使われ方ですね。
突然出てきた名前に、「誰それ?」というロスですが、チャンドラーはそれにはすぐに答えず、Oh, Maria! と遠い目をして、彼女の姿を思い浮かべている様子。この絶妙なタイミングに笑ってしまいます。
lycra 「ライクラ」も、spandex 「スパンデックス」も合成繊維の名称です。
その名前を出すことで、マリアがそういう生地でできたレオタードを着用していることがわかる仕組みですね。
treat には「ごちそう」という意味もありますが、ここでは「(特別な)楽しみ、喜び」みたいな意味でしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
treat [noun]:
2. [countable] something special that you give someone or do for them because you know they will enjoy it
例) He took his son to the game as a birthday treat.
3. [countable usually singular] an event that gives you a lot of pleasure, especially if it is unexpected
例) Getting your letter was a real treat.
つまり、2. は「人が誰かにあげる、または誰かのためにしてあげる特別なこと。誰かがそれを喜ぶのを知っているから。」
例文は、「誕生日の楽しみとして、彼は息子をその試合に連れて行った。」
3. は「人に多くの喜びを与えるイベント、特にそれが予想外のものである場合。」
例文は、「あなた(から)の手紙を受け取ったことは、ほんとうに嬉しいことでした。」
そんな風に、やめたいと思っても、相手に言いくるめられちゃってやめられないんだ、というチャンドラー。
ロスは、ジムに一緒に行って、手を握っててやろうか?と言っています。
子供が一人では何にも出来なくて、ママに横についていてもらう、みたいなイメージですね。
その申し出をいったんは断るチャンドラーですが、「じゃあ、一人で退会できるんだな?」と言われ、You'll have to come. と答えます。
will have to は「…しなくてはならないだろう」ですが、ここでのニュアンスは「・・・してくれると助かる、・・・して欲しい、…してくれないと困る」みたいな感じでしょうね。
come だけで止めているのは、子供みたいに hold my hand はしてくれなくてもいいけど、という意味が込められているのでしょう。
手は握っててくれなくてもいいけど、付き添いはお願いするよ、ということですね。
(Rach からのお願い)
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とは知らなかったです。
どのくらいジムに行ってないかチャンドラーが答える時に、
回数を考えて、間を空けて1200 timesって行った時は笑いました。w
本当にチャンドラー笑えますね。
今はフレンズとともに文法もちょこちょこ勉強してます。汗
でも今までやってなかったので大変ですが、Rachさんの文法も
無視すべきではないという事に共感してましたので。
ちなみに今日TOEIC受けに行ってきます。あまり変わらないかもしれ
ないですが、とりあえずがんばってきます。
最近勉強とは別にフレンズのシーズン10とか久々に見てます。
どっから見てもおもしろいですね。w
come だけで止めていることに深い意味がある、というほどでもないですが、その後ろに、気持ち的には、You won't have to hold my hands there, though. 「そのジムで、手は握ってくれなくてもいいけどね。」というフレーズが続きそうな感じがした、ということです。
1200 times の前のあの「ちょっと考える間」が、ほんと絶妙ですよね。
チャンドラーは特に絶品ですが、他のレギュラーも、コメディに大切な要素である「間の取り方がうまい」んですよ。それがちょっとずれちゃうと笑えなくなってしまいますものね。
文法書とにらめっこして、文法事項だけを覚える、というのは、確かに面白くない勉強だと思います。その文法知識がどのように生かされていくかを実感できない間は、文法を学ぶことに意義が見出せない、という気がするんですよ。
フレンズなどの生きた英語を解釈する際に、文法事項が必要であることがわかってくると、文法を学ぶのも楽しくなるし、学んだ知識が大いに生かせるようにもなります。
TOEIC が英語学習を進める上での、良い指標になるといいですね。
フレンズはどのシーズンから見ても、すっと入っていけますよね。そこが魅力の一つであるとも思います。
高校生の時からFRIENDSのdvdと南谷様のこのブログで勉強させていただいてきた者です。
1年半ほど前に留学し(貴ブログのお陰です、ありがとうございます!)アメリカの大学で研究をしています。
残念ながらFRIENDSのdvdを荷物に含める余裕がなかったため、暫くFRIENDSから遠ざかっていたのですが、先日たまたまアメリカのジム事情を耳にしました。
そしてこのエピソードを思い出し懐かしくなったのでコメントさせていただいています。
そのジム事情というのが、
“Gyms are notoriously hard to quit”
というものです。
その時は軽く流してしまったのですが、後からいろいろ調べると確かにそのような記事が出てきました。
具体的には、ジムの会員契約には長期的な契約、自動更新、キャンセルに関する厳しい条件、などが含まれている場合があるようです。
オンラインでの解約ができない、特定の期間内に通知をしなければならなかったり、手数料を支払う必要がある場合もあるようです。
FRIENDSの時代からはもう20年以上経ってしまいましたので、当時からそうだったのか、そのような認識がどこまで一般的なものなのか、アメリカ(もしくはNY州)特有の話なのか、などもよく分かりませんでしたし、最近ではコロナで解約しやすいよう規約が緩和されたというような話もありました。
しかし、こういった背景を元にしたエピソードである可能性もあるのかな?と思った次第です。
日本で例えると、スマホを解約しようとしたら、美女が出てきて解約できなかった、とシニカルに表現したエピソード、と言ったところでしょうか笑
深読み失礼致しました。
コメントありがとうございます。お返事大変遅くなり、誠に申し訳ございません。
高校生の時から拙ブログを読んで下さっていたとのこと、そして留学され、アメリカの大学で研究をされているとのお話を聞き、とても嬉しい気持ちでいっぱいです。
このブログのお陰、とまで言っていただき、ブログを書いている人間としてこんなに嬉しいことはありません!
アメリカでのジム事情のお話もありがとうございます。現地でのリアルなお話を伺えるのは大変勉強になります。
"Gyms are notoriously hard to quit" というのは面白いですね。
フレンズの男子に限らず、「ジムの退会は難しい」というのが一般的なら、このエピソードは「あるある」的な面白さもあるのでしょうね^^
長期的な契約、更新、キャンセルなど、おっしゃるように日本だとスマホの解約のイメージを思い浮かべるとわかりやすいと思いました。
ジムでこのエピソードを思い出され、こちらにコメントを下さったこと、とても嬉しかったです。
アメリカでのご研究、引き続き頑張って下さいね♪
温かいコメント、本当にありがとうございました<(_ _)>