2009年08月21日

恋人じゃなくベビーシッター フレンズ4-5その7

モニカとレイチェルの部屋。
モニカはひどい風邪をひいています。
ロスはアマンダという子持ちママ、レイチェルはジョシュというかるーい大学生と会っていて、元恋人同士であるロスとレイチェルは、相手の今の関係について悪口を言い合っています。
「咳止めドロップを取って」と言う風邪のモニカを気遣うことなく、低レベルの喧嘩を繰り広げているので、とうとうモニカが切れて、
モニカ: (interrupting) You have nothing! You're not even going out! You're her babysitter. You have a 12-year-old girl's job! ([ロスの言葉をさえぎって] (アマンダとの間には)何もないじゃないの! あなたはデートすらしてないわ! あなたは彼女のベビーシッターよ。あなたの仕事は、12歳の女の子の仕事よ!)
レイチェル: (laughing) Ohh, that is soo sad. ([笑いながら] あぁ、それってすっごく悲しいわね!)
モニカ: And what are you laughing at, Miss My-keg-sucking-boyfriend-is-stealing-from-me? (それから、あなたも何を笑ってるのかしら? 「ビールを樽ごと飲む私のボーイフレンドは私から(ものを)盗んでるのよ」さん?)
(Ross starts laughing)
ロスは(口を閉じたまま)笑い始める。
レイチェル: Hey, so he stole a couple bucks from me! Big deal! At least he bought me something with it. (Shows her, her ring) (ねぇ、そりゃ彼は私から2、3ドル盗んだわ! それが大変なことだって言うの?[そんなの大したことじゃないわ!] 少なくとも、彼はそのお金で私にあるものを買ってくれたんだもの。[モニカに腕輪を見せる])
モニカ: That's mine! Now, would you both please start acting like adults? And give me my cough drops! (それは私のよ! もう、お願いだから二人とも、大人のように振舞ってくれるかしら? それから、私に咳止めドロップをちょうだい!)
ロス: Fine. (わかった。)
レイチェル: Sorry. (ごめんなさい。)
ロス: Here. (Hands her, her cough drops) (ほら。[モニカに咳止めドロップを手渡す])
モニカ: Thank you. (ありがとう。)
ロス: (to Rachel) At least I made ten bucks in my relationship. ([レイチェルに] 少なくとも僕は、彼女との関係において、10ドル稼いだからね。)

アマンダとは恋人同士どころか、あなたは彼女のベビーシッターをやったんじゃないの!と、ロスはモニカに暴露されます。
フレンズ4-5その3 で解説しましたが、ロマンティックな夜を過ごすつもりでアマンダの家に出向いたら、子供を残してアマンダは別の人とのデートに出かけてしまった、という場面がありましたね。
その後(解説では省略しましたが)、モニカに、Her date tipped me ten dollars! (彼女のデート相手が僕に10ドルのチップをくれたんだよ!)と愚痴っているセリフもありました。
彼女のデート相手からチップをもらうなんて、アマンダ自身からお金をもらうより、さらに惨めな感じかも…。
子供の面倒を見て10ドルもらう…まさに少女のバイトの代表であるベビーシッターをあなたはやってただけじゃない!ということです。

それを聞いて、おっほっほ…と高笑いするレイチェルですが、あなただって人のことは言えないでしょ、と今度は矛先がレイチェルに向かいます。
音声は、what are YOU laughing at と you の部分が強調されています。
「あなたこそ何を笑えるって言うの? あなたも同類じゃない」という非難ですね。

keg は「ビールなどの小だる、ミニ樽」のことで、suck は「吸う、しゃぶる」ですね。
ですから、keg-sucking は、ビールをちゅーちゅーと小さな樽から直接飲んでいる感じかなぁ、と思います。
少し前のシーンで、ジョシュはパーティーで1日中ビールを飲むぞー!的なことを言っていたので、モニカはそのことを言っているようです。

ちょっと前に財布からお金がなくなって騒いでいたレイチェルは、犯人はジョシュに間違いないと言っていました。
そのことをモニカに指摘されたので、「確かに彼は盗んだわ。でもそんなの大したことじゃない。それで私にものを買ってくれたんだから。」と言っています。
小銭は盗まれたけど、その金額を超える品物を買ってくれたんだから、私としては損したわけじゃないのよ、実質は「盗まれた」わけでもないのよ、という感じですね。
Big deal! は反語的に使われています。

レイチェルがジョシュに買ってもらったと思っていた腕輪は、モニカのものだったようですね。
ト書きには ring と書いてあります。
一瞬、指輪かな?と思ったのですが、実際の映像を見ると、飾りのついた細いチェーン状のブレスレットのようでした。
実際、英和で調べると、ring は「輪形の飾り」を指し、具体的には「指輪、腕輪、耳輪、鼻輪…」などが含まれるようです。
ここのト書きでは、「腕輪」の意味で、ring と表現したようですね。

レイチェルの皮ジャン(leather jacket)を黙って着て帰り、財布から小銭を盗み、モニカの持ち物を自分からのプレゼントだと偽る…、ジョシュはとんでもない大学生だったようです。

お互い、恋人ともいえない相手のことで言い合いをしていたので、もうそんな子供じみた真似はやめて大人になって、とモニカは言っています。
でも、負けず嫌いのロスは、まだ張り合おうとしていますね。
さきほど、レイチェルが、At least... 「少なくとも彼は…してくれた」と少しでもいいところを挙げようとしましたが、それと同じ At least というフレーズを使って、物を盗られてばかりで大損の君と違って、僕の方は、ベビーシッターをやって、彼女との関係で 10ドルもうけたんだよ、と自慢しています。
損しなかった分だけ、僕の関係の方がまだましだったよねー、という感じですね。


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posted by Rach at 08:19| Comment(2) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
keg はよくパーティーなんかで飲んだりするのですが、ホースの先に注ぎ口の付いたものを取り付けて使います。それが残り少なくなると出が悪くなり、そのうち少し残して出なくなります。それをホースから口で吸い出して卑しく飲むのが keg sucking ではないかと思います。
Posted by . at 2009年08月22日 23:11
keg sucking についてのご説明、ありがとうございます。
イメージがよくわかります。ホースが付いているので、それを吸う、だから、suck なんですね。
「卑しい飲み方」なので、レイチェルの相手の大学生をけなす言葉として使われている、ということですね。

有益な情報、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2009年08月23日 07:52
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