2009年08月27日

ペンであり時計でもある フレンズ4-6その3

ジョーイ: (entering the apartment) Hey. Man, it is so hard to shop for girls. ([アパートに入ってきて] あぁ、もう。女の子のために買い物するのは大変だよ。)
チャンドラー: Yes, it is... at Office Max! (そりゃそうだよな…オフィスマックスならな!)
レイチェル: What did you get her? (Joey opens up a rectangular black box and holds up a pen.) (キャシーに何を買って来たの? [ジョーイは長方形の黒い箱を開け、ペンを持つ])
チャンドラー: A pen. (ペンだ。)
ジョーイ: It's two gifts in one. It's a pen that's also a clock. Huh? (1つで2つの贈り物なんだぜ。ペンで、しかも時計なんだ。どうだ?)
チャンドラー: Huh-huh! You can't give her that. (ハッハッ! 彼女にそれをあげちゃだめだ。)
ジョーイ: Why not? (どうしてだめなんだよ。)
チャンドラー: Because she's not 11! And it's not the seventh night of Chanukah. (なぜなら、彼女は11歳じゃないんだぞ! それに、ハヌカーの7夜目でもない。)
レイチェル: Okay, honey, what he means by that is, while this is a very nice gift, maybe it's just not something a boyfriend gives? (ねぇ、ハニー。今の言葉でチャンドラーが言いたかったのは、このペンはとっても素敵な贈り物だけど、多分、恋人があげるものではない、ってことなのよ。)

キャシーの誕生日プレゼントを買ってきたジョーイ。
「女の子へのプレゼント選びは大変だよ」みたいなことを言っています。
チャンドラーは「あぁ、全くお前の言う通りだよ」と賛同するように、Yes, it is と言っていますが、その後、at Office Max と叫んでいますね。
ジョーイが持っているレジ袋を見て、オフィスマックスで買ってきたことがわかったからです。

Wikipedia 英語版: OfficeMax
ウィキペディアによると、アメリカ第2位の事務用品チェーンのようです。
公式サイトはこちら(↓)
Office Supplies, Office Furniture & Office Technology at OfficeMax

このお店の名前を知らなくても、「オフィスマックス」という名前を聞いたら、なんとなく事務用品や文房具を扱う店だという見当はつきますね。
「オフィスマックスで、女の子への誕生日プレゼントを買おうとしたら、そりゃ大変に決まってるさ」という感じです。
「どこでプレゼントを買ってるんだよ、そんなところで探すなよ」と言いたいのですね。

オフィスマックスで買ってきたものを見せるジョーイ。
何と、ペン1本。
チャンドラーが "A pen." と言っていますが、この不定冠詞の a が「ある1つのペン、1本のペン」という感じを出していますね。
ペン、それもたった1本だけ、みたいな感じです。

1本のペンだけ?と言われて、ジョーイは反論します。
見た目は1本のペンだけど、この1本のペンは2つの贈り物になるんだぞ、これはペンであって、なおかつ時計にもなるんだ、と自慢しています。

あまりにもチャチでしけたプレゼントなので、チャンドラーはそんなのを恋人であるキャシーにあげちゃだめだ、と言います。
そしてだめな理由を2つ挙げていますね。
1つ目の理由の「彼女は11歳じゃない」というのは、小学校高学年くらいの子供じゃない、ということで、そんな文房具を喜ぶのはせいぜい小学生までだろ、と言いたいようです。
そして、2つ目の理由は「ハヌカーの第7夜(7夜目)じゃないから」。

ハヌカーは、ユダヤ教の8日間の宮清めの祭りです。
過去記事でもハヌカーに関係する事柄が登場しました。
フレンズ1-7その1 では、ハヌカーで用いるメノーラという燭台が登場し、それを持ってきたジョーイのことを Rabbi 「ラビ(ユダヤ教の先生、指導者)」と呼んでいました。
また、フレンズ3-10その12 では、
ロス: No, but ah, there's coconut in the Hanukkah Menorah-eos. I tell you what, I'll put you down for 8 boxes. One for each night. ((チャンドラーの希望するココナッツ・フレーバーは)ないな。でも、ハヌカ・メノリオスにココナッツが入ったものはある。よし、8箱購入って書いとくよ。毎晩1箱ずつね。)
というセリフがあり、チャンドラーはココナッツ・フレーバーを所望したせいで、ハヌカーは8日間あるからと強引に8個分買わされるはめになっていました。

今回のセリフ、ネットスクリプトでは、Hanukkah と表記されていましたが、DVD英語字幕では Chanukah という綴りになっていました。
どちらの綴りも使われるようですね。

詳しくはウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: ハヌカー
Wikipedia 英語版: Hanukkah

ハヌカーは8日間のお祭りで、チャンドラーのセリフでは、7日目の夜、という言葉が出ていますね。
このセリフの意味については、ウィキペディア日本語版の以下の説明がヒントになるように思いました。
引用させていただくと、

ハヌカーはキリスト教のクリスマスとほぼ同じ時期に祝われるが、この二つの祭日は起源も性格も異なる。近年はクリスマスプレゼントのようにハヌカーの期間中毎日子供に「ハヌカー・プレゼント」を与える家庭や、クリスマスツリーに似た「ハヌカー・ブッシュ」と呼ばれる常緑樹を飾る家庭もあるが、これらは伝統的なユダヤ教の習慣ではないため好ましくないと考えるユダヤ教徒も多い。

「毎日子供にハヌカー・プレゼント」と説明にありますね。
8日間の期間中、毎日あげるとすると、少額なものを少しずつあげることになるでしょうから、その7日目に、時計付きペンをあげる、ということもありそうな気がします。
このペンだと、「はい、今日はハヌカーの7日目。7日目のプレゼントはこれね」と渡すレベルのプレゼントになってしまう、毎日ちょっとした小物を8日間あげるというハヌカーじゃあるまいし、大人の女性、しかも恋人に贈る誕生日プレゼントにしてはちゃちすぎる、とチャンドラーは言いたいわけでしょう。
その後で、チャンドラーの言いたいことを、レイチェルがジョーイを傷つけないようにやんわりと、説明を加えていますね。


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posted by Rach at 07:19| Comment(4) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。ある方のブログから、このページの紹介を見て、昨日知り、本当に感動!し、読みふけりました。以前フレンズを見た時は、吹き替えで全部みてしまいました(^^:)。。私のTOEICは恥ずかしいことに、400点台。。フレンズも一度は英語で、、なんて思いましたが、あまりにも速くてお手上げだったのを覚えてます。でも、こんな情けない私に、事情あり、仕事で英語が(主にヒヤリング)が必要になってしまいました。あまりにも初心者でどこから手をつけてよいのかも、よく分からず、困ってます。Rachさんとはあまりにもレベルが違うので、投稿を迷ったのですが、もし今までの経験で初心者むけの何かアドバイスいただければ、と思いました。本も早速購入したいと思います、楽しみです。
Posted by ミッチー at 2009年08月27日 13:15
ミッチーさんへ
はじめまして。ご訪問&コメント、ありがとうございます。
「感動!し読みふけりました」とまで言っていただけて、大変光栄で嬉しいです。ありがとうございます。

また、拙著をお買い上げ下さるご予定とのこと、重ねてありがとうございます。その本にも、初心者の方に対するアドバイスをいくつか書いたのですが、一番大切なことは「海外ドラマの英語を理解する、というレベルはとても難しいレベルである」ということを認識すること、でしょうか。

私自身、謙遜ではなく、最初はほんとーに全く、わからなかったのです。でもそこでがっかりすることなく、「最初はわからなくて当然なんだ!」と思って、短いフレーズからでもいいから、だんだん聞けるセリフを増やしていくことが大切だと思います。長いセリフも、結局は、短いフレーズのかたまりが繋がって出来たものですから、一つ一つの短いフレーズのかたまりが聞こえるようになってくると、その順番でイメージできて、最終的に長い文章になった場合でも理解できるようになる、という感覚です。

まずはやってみないと、始めてみないとわからないことも多いので、実際に DVD学習法とはどんなものかトライしていただけると嬉しいです。もちろん、学習法には合う合わないがありますので、全ての人に万能な方法だとは思っていません。楽しく続けられそうだな、という予感が持てた場合には、そこから多くのものが学べる方法だと私は思っています。

拙著に書いた内容で、わかりにくい部分などあれば、コメント欄でお尋ねいただければお答えしたいと思いますので、お気軽にお問い合わせ下さいませ。
Posted by Rach at 2009年08月29日 07:54
早速のお返事ありがとうございました!そうですか、本がくるのが待ち遠しいです。その中にも、初心者のアドヴァイスがかかれてたのですね、お手間を取らせてしまってすみません。Rachさんに背中を押していただいたように思います。フレンズは全巻見ましたが(日本語ですが。。)本当に楽しかった!!ちょうど今テレビで放送されているので(残念ながら吹き替えのみですが)、せっかく2度みるなら、今度は英語でみたいのでDVDを買いたいな、と思っていたところにこのページに出会えました。ありがとうございました!
Posted by ミッチー at 2009年08月29日 09:24
ミッチーさんへ
こちらこそ、ご丁寧なお返事ありがとうございます。
拙著は、「海外ドラマを使って英語を学ぶことに興味があるけれど、どうやったらいいかわからない」という方のために書いたつもりです。疑問に思われた部分は、どうぞご遠慮なくお尋ね下さいね。

今テレビで放送していますよね。テレビはどんどん進んでいて、もうシーズン5ですね。
映画やドラマには「好み」があるので、やはり好きな作品からでないと多くは学べないと思います。見ていてイライラするとか、さっぱり共感できない、という作品では、そのセリフの意味を知ろうとかそのセリフを実際に使ってみよう、という気持ちにはなりませんものね。
ミッチーさんはフレンズが大好きとのこと、そういう方なら、英語のセリフを解釈し理解すればするほど、ますますフレンズが好きになると思います。そして好きな作品から学んだ英語は、楽しく身につき忘れにくいはずです。

フレンズで楽しく英語学習を続けていただければ、と思います。お互い、頑張りましょう!
Posted by Rach at 2009年08月31日 07:34
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