チャンドラーはキャシーの誕生日プレゼントに「ビロードうさぎ」の初版本という、高価で貴重な品をあげようとしています。
ですが、キャシーの恋人であるジョーイのプレゼントは、文房具屋で買った「時計つきペン」。
それはまずいということで、「ビロードうさぎ」を超えるプレゼントを捜したけれど結局見つけられなかったチャンドラーは、「自分からのプレゼントでなくても、キャシーがその本をもらってくれればそれでいい」と、「ビロードうさぎ」の初版本をジョーイからのプレゼントとして譲ることにします。
チャンドラー: I got something for her. (Joey picks up the package, shakes it next to his ear, can't hear anything, switches ears, shakes it again.) It's a book. (彼女のためにあるものを買ってきたんだ。[ジョーイはその包装されたものを取り上げ、それを耳の隣で振るが、何も聞こえない。耳を変えて、再度それを振る] それは本だ。)
ジョーイ: (Unimpressed) A book? (Suddenly interested) Is it like a book that's also a safe? ([感銘を受けない様子で] 本?[本1冊?] (突然、興味を持ったように) 本であり、なおかつ金庫でもあるようなやつか?)
チャンドラー: No, it's a book that's just a book, okay? It's an early edition of the Velveteen Rabbit. It was her favorite book as a kid. So, uh, just... let me know if she likes it, okay? (いいや。ただの本であるだけの本だ。いいか? それは「ビロードうさぎ」の初版本なんだ。彼女が子供の頃の愛読書だよ。それであの…ただ、彼女がそれを気に入るかどうかだけ、俺に教えてくれよ、いいだろ?)
ジョーイ: You got it. Thanks man. Thanks for doing this. I owe you one. (Joey leaves, comes back in.) Oh, hey! There wasn't any change from that twenty, was there? (わかった[了解したよ]。ありがとな。こんなことしてくれてありがと。お前には借りができたな。[ジョーイは立ち去ろうとして、戻ってくる] あぁ、おい! あの20ドルでお釣りはなかったんだよな?)
チャンドラー: No, it came out to an even twenty. (なかったよ。ちょうど20ドルになった。)
ジョーイ: Wow. That's almost as much as a new book. (わぁ。その古本は、ほとんど新本並み(の値段)なんだな。)
包装された形を見たらどう見ても本なのに、それを振って音を確かめているジョーイ。
実は、フレンズ1-24その2 で、ジョーイはレイチェルの誕生日に本をプレゼントしていました。
ですから、プレゼントが本であることは、それほど意外なことでもないと思うのですが、今回のジョーイは、女の子へのプレゼントに関してはかなり無頓着であるというキャラ設定が強調されているようです。
ジョーイにしてみれば、時計つきのペンにケチをつけたチャンドラーが買ってきたものなので、もっと素敵なプレゼントを買ってきたはずと思ったということでしょうか。
チャンドラーが、A pen? と言ったのと同じように、今度はジョーイが、A book? と言っています。
えらそうなことを言ってて、結局、本1冊だけかよ!という感じですね。
でもそこで何かひらめいた風なジョーイは、「もしかして、俺の「ペン兼時計」みたいに、これも、本であってなおかつ金庫にもなるやつだったりするの?」と尋ねています。
そういえば、本の形になってる金庫、というか、へそくりや貯金を泥棒から隠すのに最適!みたいなアイディア商品がたまにありますよね。
1つで2役こなすグッズの連想から離れられないところがポイントです。
チャンドラーは、本のタイトルやそれが彼女の愛読書であったことなどを説明し、ただ一つのお願いとして、彼女がこの本を気に入ったかどうかだけ、後で俺に教えてくれよ、と頼んでいます。
ジョーイの、You got it. は、「お前の頼みを承知したよ、わかったよ」という感じですね。
I owe you one. は「お前に借りができたな。恩に着るよ」というニュアンスです。
ありがとうと言って出て行こうとして、あることを尋ねるジョーイ。
There wasn't any change from that twenty, was there? を直訳すると、「あの20ドルから少しもお釣りはなかったんだよな?」ということで、「プレゼントを買ってもらうために、俺がチャンドラーに20ドル渡したけど、お前がお釣りをくれないところを見ると、そのプレゼントを買って、お釣りは出なかった、ってことだよな?」ということです。
チャンドラーがプレゼントだけ渡してお釣りをくれなかったので、「多分、お釣りは出なかったってことだろうけど、念のために尋ねておくよ」みたいな感じの付加疑問文です。
come out to は「(経費が総計)…になる」ですから、そのプレゼントを買ったことによる出費は、20ドルちょうどになったよ、ということです。
even が「ちょうど」という意味になることについては、ちょうどのeven フレンズ3-17その25 でも触れています。
フレンズ4-6その1 で紹介したように、ウィキペディアによると、この本の実際の価値は、15000ドルくらい、ということだったので、「20ドルでお釣りが出た?」なんてとんでもない話です。
ジョーイにはこの本の初版本の価値が全くわかっていない、ということですね。
さらには、20ドルでお釣りが出ないと聞いて、「古本なのにほとんど新本並みの金額がするんだな」と驚いています。
ブックオフで、ベストセラーの中古本を買うような感覚で思っているようですね(笑)。
観客は、チャンドラーがどれだけ苦労して手に入れたかを知っていますし、具体的な金額は知らないまでも、どれほどレアで高価なものであるかは、だいたい見当がついています。
「キャシーが喜んでくれるなら…」と、それをジョーイのために身を切る思いで譲ってあげたのに、当のジョーイはその本の価値が全くわかっていない、というのがポイントですね。
20ドルでお釣りはなかったんだよな?という質問もかなりひどいですが、「ちょうど20ドルということにしといてやるよ」とウソをついたチャンドラーに対して、「古本なのに20ドルもするなんて高いよな」と言い残して去っていくのがさらに面白いわけです。
ますますチャンドラーがかわいそうになってきますね。
(Rach からのお願い)
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私の題材は、『デスパレートな妻たち』です。
今後も参考にさせていただければと思い、リンクさせていただいております。
どうぞよろしくお願いいたします!
初めまして。ご訪問&コメント、ありがとうございます。
貴ブログ、早速拝見させていただきました。
リンクもはっていただき、ありがとうございます。
「デスパレートな妻たち」は面白そうですね。私も時間があれば見てみたいな、とずーっと思っているのですが。
自分の好きなドラマのセリフを使って学ぶことは、本当に効果的ですよね。これからもその調子で頑張って下さいね。
お互い、ブログを頑張りましょう!