2009年09月08日

いつも聞いてるものとは違う フレンズ4-7その2

学生時代に音楽をやっていた話をするロス。その音楽を聴きたいというフレンズたちの前で、キーボード(シンセサイザー)の演奏を始めようとしています。
ロス: Here we go. (Plays one note) Y'know, I've-I've never played my stuff for anyone before. So it's important that-that you understand it's about communicating very private emotions. (Plays another note) Y'know, umm, you should-you should think of umm, my work as wordless sound poems. That's what I-- (よし、いくよ。[一つの音を出して] ほら、僕はこれまで、自分の曲を誰かに対して演奏したことがないんだよ。だから、とても個人的な感情を伝えることである、ってことを君たちが理解してくれることが重要なんだ。[別の音を出して] ほら、うーんと、君たちにはこう思ってほしい、その、僕の作品は言葉のない音のポエムだ、って。それが僕が…)
チャンドラー: (interrupting) Oh, my God! Play! ([ロスの言葉をさえぎって] なんてこった! (しゃべってないで、さっさと)演奏しろよ!)
Ross starts to play.
ロスは演奏を始める。

さぁ演奏が始まるぞー、とみんなが期待しているのに、前口上が長くてなかなか演奏を始めない、というのは、コメディによくあるパターンですね。
特にロスは理屈っぽいキャラなので、こういう流れになるのがハマっている気がします。

ロスにとって、演奏にはどういう意味があるのかを一生懸命説明していますね。
「非常に個人的な感情を伝える」「言葉のない音のポエム」という風に、自分の内面を表現したものであると力説しているわけです。

で、実際のロスの音楽がどういうものであったかは、実際にドラマを見て確認していただきたいところですが、犬の鳴き声やサイレンなどの効果音てんこ盛りで、最後は、crash 音で終わる、というトンデモナイものでした。(大真面目に演奏しているロスの表情がこれまた、おかしい)

ですが、ロスの演奏をけなすわけにもいかず、フレンズたちは「すごい」というような言葉で感想を述べ、ロスはそれを賞賛と受け取って、演奏用の別のディスクを取りに行くために、部屋を出て行きます。
ロスが去った後、正直な感想を述べ合うフレンズたち。
モニカ: Oh, God bless my dad for soundproofing the basement! (あぁ、パパが地下室を防音にしてくれたことで、パパに神の祝福がありますように!)
レイチェル: Oh, I can't believe I ever let him touch me with those fingers. (あぁ、信じられないわ。ロスにあの指で私を触らせていたなんて。)
フィービー: What are you guys talking about? I loved it! It was soo moving. Oh, plus it's just, it's so different from the stuff you usually hear. (あなたたち、何言ってるの? 私は大好きよ! とっても感動的だったわ。あぁ、それに、ただ、いつも聞くものとは全く違うでしょ。)
チャンドラー: You mean, music? (いつも聞くもの、って音楽のこと?)

bless は「(神が)人に恵みを授ける、祝福する」ですね。
God bless you! 「あなたに神の恵み・祝福がありますように」というフレーズでよく使われます。
今回のセリフでは、「パパは地下室を防音にした、そのことで、神よ、パパに祝福を与えたまえ!」みたいな感じでしょう。

少し前のシーンで、学生時代に音楽をやっていた頃のロスの様子を、モニカが話していました。
モニカ: He used to lock himself in the basement for hours. No one was ever allowed to hear "the sound." (ロスは、何時間も地下室に閉じこもっていたものだったわ。誰も「そのサウンド」を聞かせてもらえなかったの。)

このセリフから、ロスはずっと地下室で音楽を演奏していたことがわかります。
今の演奏を聞いたモニカは、「ロスが演奏をしていた地下室が防音になっていて良かったわ。あの音楽が外に筒抜けだったら、近所の笑い者になるところだったもの」みたいなことで、「地下室を防音にしておいてくれたパパに感謝しないとね。そのでかしたパパに神の祝福を!」と、大袈裟に God bless my dad... という表現を使っているのです。

元恋人のレイチェルも、「今のようなひどい演奏を生み出した指が、私の体を触っていたのかと思うとぞっとするわ」みたいなことを言っています。

ところが、フィービーだけは本当にロスの音楽に感激していたようです。
悪口を並べるフレンズたちに、「何言ってるの? 私はすごく気に入ったわ」と力説しています。
「いつも私たちが聞くものとは全然違ってるでしょ?」と、ロスの音楽の斬新さ、前衛性(?)みたいなものを褒めちぎるのですが、それを聞いたチャンドラーは、「フィービーの言ってるのは、音楽のこと?」と言っています。

つまり、フィービーが、the stuff you usually hear と表現したものを指して、「それは音楽のことを言ってるの?」と尋ねているのです。
つまり、ロスが演奏したものは「音楽」とは全然違う、ロスのは音楽じゃない、音楽だとはとても言えない、と言っているわけですね。

今のロスの演奏、ありゃー音楽じゃないよ、と直接的に言うのではなく、「いつも聞くものとは違う」→「いつも聞くものって音楽のこと?」ということで、「俺たちがいつも聞いている「音楽」というジャンルから外れている、ロスのはとても「音楽」とは言えない」ということを示唆しているセリフになる、フィービーのセリフに一言付け足すことで、自分の言いたい本音を言っている、ということですね。


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posted by Rach at 06:47| Comment(0) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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