2009年09月26日

もう一人はあそこにいる フレンズ4-8その4

[Scene: Central Perk, Chandler and Kathy are sitting at a table and talking about Joey.]
セントラルパーク。チャンドラーとキャシーはテーブル席に座っていて、ジョーイについて話をしている。
キャシー: Oh, my God. Is it really that bad? (まぁなんてこと。本当にそんなにひどいの?)
チャンドラー: I walk in the room, and he won't even talk to me. He just mumbles something in Italian. And I know he only knows the bad words. (俺が歩いて部屋に入っても、彼は俺に話そうとすらしないんだ。ただイタリア語で何かをブツブツつぶやくだけだ。俺は知ってるんだよ、ジョーイは(イタリア語は)悪い言葉しか知らない、ってことを。)
ジョーイ: (entering) Hey, Gunther, have you uh, have you seen Chandler? ([入ってきて] やぁガンター。えっと、チャンドラーを見なかった?)
ガンター: I thought you were Chandler. But umm, one of you is over there. (俺は、お前がチャンドラーだと思ってたよ。でも、あぁ、お前ら二人の片割れはあっちにいるよ。)
(Joey turns around and sees them kissing.)
ジョーイは振り向く、そして、二人がキスしているのを見る。
キャシー: Oh. (あぁ。)
チャンドラー: Hey, Joe. (やぁ、ジョーイ。)
ジョーイ: (Something in Italian.) (Storms out.) [何かをイタリア語で言って、飛び出して行く]

基本的な事柄ですが、ト書きの sitting at a table について。
これは、「テーブルの前に座っている、テーブル席についている」ということですね。
本当にテーブルの「上に」座っているとしたら、sit on a table になります。
席についているという「場所」を表す at と、上に座っているという「接触」を表す on の違いに気をつけましょう。

キャシーが that bad 「そんなにひどい」と言っていることから、そのシーンの前にも、ジョーイがチャンドラーに対してどれだけ怒っているかを示す出来事がいろいろ話されたことがわかります。
同じ部屋にいても、口もきいてくれない。ただ、ブツブツとイタリア語で何かつぶやいているんだよ、と説明しています。
ジョーイが知ってるイタリア語は、悪い言葉、すなわち、汚い言葉やののしり言葉のような言葉だけだから、きっと俺に対してひどい言葉を並べてるんだろうって想像できるよ、ということです。

セントラルパークに入ってきたジョーイは、ガンターに「チャンドラーを見た?」と尋ねています。
それに対するガンターの返事 I thought you were Chandler. に笑えますね。
俺は思っていた→でも実際は違った、ということで、「チャンドラーを見なかった?って、お前がそのチャンドラーじゃなかったのか。俺はてっきり、お前の方がチャンドラーだと思ってたよ。」ということです。
チャンドラーとジョーイはルームメイトであることもあり、よく一緒に行動しているので、ガンターはどっちがどっちかはっきりわかっていなかったようです。
店の常連客なのに名前を知らないというのはすごいですね。
きっつーいジョークなのかもしれませんが、多分本当に知らなかったというのが真実かな、と。
ガンターはレイチェルを密かに好きなのですが、それ以外の人、特に男どもには全く興味がなかった、ということをよく表しているセリフです。
ガンターはシーズン1の頃からいて、今はシーズン4なのに、ずっと名前を勘違いしていたのか、どんだけ興味がないんだよ!とツッコミを入れたくなるところです。

その後も、one of you 「お前らのうちの一人(one of you guys)、お前らペアの片割れ」のように表現して、どっちがどっちかよくわかんないけど、いつも一緒にいる連れの片方はあっちにいるよ、と説明しているのがさらにおかしいですね。
「お前がチャンドラーかと思ってた」と自分の認識が間違っていたとわかった後なら、「(そのお前の探してる)チャンドラーはあそこにいるよ」と続けるのが普通でしょう。
それをやはり固有名詞を出さずに「もう片方」と言っているところに、やっぱりどっちがどっちでも俺には関係ない、興味ないね、という感じが出ています。

あっちと言われてその方向を見た時に、ちょうどチャンドラーとキャシーがキスしているところを目撃してしまいます。
ジョーイが来る可能性の高いセントラルパークで堂々とキスするなんて、普通は考えられないところですが、これは演出上の流れでしょう。
それを見て、イタリア語で何かを言った後、出て行くジョーイ。
「何かイタリア語で言うんだけど、それは悪い言葉に決まってる」とチャンドラーが説明していたことがこれだ、とわかる仕組みですね。


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posted by Rach at 07:15| Comment(2) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、こんにちは。
コメントは久しぶりですが、いつも読ませていただいています。

ガンターのI thought you were Chandler.の部分ですが、以下のようにも解釈できる気がします。

ガンターの区別の仕方
女の子にもてる→ジョーイ
女の子にもてない→チャンドラー

なんか今の立場って逆転していますよね、だから「女の子と一緒にいない今のジョーイはチャンドラーみたいだ」と皮肉のきいた言葉になると思いました。まあ、ガンターは皮肉が利かせられるほど頭の回転がはやそうなタイプじゃないで(笑)、読み込みすぎですけど(汗)
Posted by Yuta at 2009年09月26日 15:34
Yutaさんへ
いつも読んで下さっているとのこと、ありがとうございます。

Yutaさんのその解釈、大変興味深いですね。確かにガンターはそういう皮肉を言えるようなタイプに見えない気もしますが、おっしゃるように今のジョーイとチャンドラーは立場が逆転していますよね。

「お前はもてない方のチャンドラーじゃないのか? モテモテの方はあっちにいるよ」と示すと、そこではまさにキャシーとキスしているラブラブのチャンドラーがいるわけですからねぇ。
いつもペアの二人は、今、立場が逆転してるね、という皮肉である可能性、かなり高いような気がします。

興味深いご意見ありがとうございました。
Posted by Rach at 2009年09月28日 10:40
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