2009年10月08日

エディブルとイータブル フレンズ4-9その3

モニカはチェルシー・リポーター(the Chelsea Reporter)という地元の新聞に、レストランの批評(レビュー)を書きます。
そこで、アレサンドロズ(Allesandro's)というレストランを酷評したのですが、そのレストランのオーナーが、直接文句を言いに、モニカの部屋にやってきてしまいました。
アレサンドロ: (entering) I want a retraction. Our food is not "inedible swill." ([部屋に入ってきて] 記事の撤回[取り消し]を要求する。私の店の料理は「食用に適さない残飯」じゃない。)
モニカ: I couldn't eat it. I had five friends who couldn't eat it, and one of them eats books. (私はその料理を食べることができなかったわ。私の友達5人もそれを食べられなかった。そして、5人のうちの1人は本を食べるような人間なのよ。)
アレサンドロ: Well, our service is not "grossly incompetent." (それに、私達のサービスは「はなはだしく不適格」じゃない。)
モニカ: The waiter carried the breadsticks in his pants. (ウェイターは、ブレッドスティック(棒状のパン)を自分のパンツ[ズボン]の中に入れて運んでいたわ。)

店の名前 Allesandro's は「アレサンドロの店」という意味ですね。
過去記事、フレンズ2-15その17 で触れましたが、's (アポストロフィー+ s )で終わるレストランの名前は、経営者の名前に所有格の 's をつけて、「誰々さんのお店」を意味しているのですね。(McDonald's など)
今回の場合も、店の名前の通り、オーナーの名前はアレサンドロさんです。
今回、レイチェルの職場である、NYの有名百貨店ブルーミングデールズ(Bloomingdale's)が登場しますが、ブルーミングデールズ フレンズ3-11その12 で説明したように、この名前も、創始者の苗字が Bloomingdale さんだから付いた名前でした。

retract は「引っ込める」という動詞ですから、retraction は「撤回、取り消し」。
Our food is not... の後の内容は、モニカの批評記事に書いてあった表現だということで、そんな表現はけしからんから撤回しろ、と言いに来たわけです。

inedible は「食べられない、食用に適さない」、swill は「残飯、食べ残し」です。

inedible は edible 「食べられる」の否定形ですね。
他に「食べられる」という意味では、eatable という単語もありますが、eatable と edible の違いは、以下の研究社 新英和中辞典の語義説明がわかりやすいと思います。

edible=(毒性などがないので)食べられる、食用に適する (対義語 inedible)
例) edible fat [oil] 食用脂[油]
eatable=〈ものが〉(おいしく)食べられる (対義語 uneatable)
例) This meat is hardly eatable. この肉は(古くて、硬くて)とても食べられない。


その違いを理解した上で、改めて inedible swill という表現を見てみると、「おいしく食べられない」ではなくて「食用に適さない、(おいしいとかおいしくないとかの味の問題じゃなくて)食べられたもんじゃない」みたいな感じが出ているように感じられます。
「まずい」んじゃなくて、「こんなの食べ物じゃないわ」というニュアンスですね。
ですから、レストランの料理を批評した言葉としてはものすごくひどい批判です。

本当に料理がひどくて食べられなかった、一緒に連れて行った友達も食べられなかった、と言うモニカ。
one of them eats books は「その友達の一人は、本を食べる」ということで、習慣・習性などを表す現在形ですね。
日本語らしく言うと、「本を食べる(ような)人だ」という感覚です。
フレンズ4-9その1 で、you paid me 50 bucks to eat that book (俺があの本を食べるのにお前らが50ドル払った)というセリフがあったように、これはジョーイのことですね。
本を食べる話がセリフに出てきた時は、突拍子もない唐突な感じもしましたが、ここで店の料理がまずいことを形容するために使われる伏線だったということです。
本を食べるような人でさえ、あなたの店の料理を食べられなかった、それくらいひどい料理だった、とモニカは言いたいのですね。

記事ではサービスのことも批判していたようです。
grossly は「極めて、ひどく、はなはだしく」、incompetent 「無能な、役に立たない、不適格な」。
抗議するオーナーに、スティックブレッドをパンツ[ズボン]に突っ込んで運んでたわ!と怒っていますね。
ポケットに入れるならまだしも、パンツの腰の辺りに差していた、という感じでしょう。


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posted by Rach at 07:24| Comment(4) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、こんにちわ。

いつも丁寧な解説ありがとうございます。今回も「edible」と「eatable」もとても勉強になりました。こうしたニュアンスって辞書だけでは違いが判らなくて・・・
前々から疑問だったんですが、フレンズの語彙って相当高いんですよね?ネイティブが普通に使う言葉だし、前にRachさんも英検1級に出たって仰っていたし・・いま最初の聞き取りをしていてもその語彙がとっても引っかかっています(涙)これってこうして生英語に触れて少しづつ克服するしかないんでしょうかね?何とかボキャ貧から
足を洗いたい?ってもがいています(笑)Rachさんのボキャビル対策何かヒントありますか?
Posted by やっちん at 2014年06月23日 16:20
やっちんさんへ
コメントありがとうございます。とても勉強になったと言っていただけて光栄で嬉しいです。

同じような「海外ドラマ」であっても、例えば医者や弁護士などのドラマだとそれ系の専門用語が頻出しますが、フレンズはそれがあまりない分、「難解な単語」は少ない方かなと思っています。
そうは言っても、ネイティブが普通に娯楽として見ているものなので、「第二言語として英語を学んでいる学習者」のことを考えて語彙を選んでくれませんよね^^ そういう意味で私はよく「容赦のない英語教材」と呼んでいるのですが、日本人用に語彙レベルを設定して作られた教材に比べて、どうしても語彙レベルは高くなってしまうと思います。

英検1級に出てきた単語というのは、predicament 「苦境」ですね。フレンズ1-4 という初期エピソードに出てきた単語が、1級に出てきたのが嬉しくて(^^) よく覚えているのですが、その時にも思ったのは、他のいかつい単語と一緒に単語本などでその単語を覚えていたら、すぐに忘れてしまってただろうなぁ、ということです。アルファベットの羅列として覚えるのは限界があるだろうと思うのですね。

私は「英検1級受験者必須」と言われた「Pass単」という単語本で覚えることを1週間であきらめた人間で(自分に合うか合わないかを見極めるのは超早いw)、ボキャビルに関してあれこれ語れる人間ではないのですが、難しいと言われている英検の長文の語彙などについては、問題の長文を読むという文脈の中で語彙を覚えるようにしていました。予想問題集の長文は実際の出題傾向に合わせてあるので、それ系の語彙は問題の中で覚えよう、ということですね。TOEIC の時も、問題集を解く中で、頻出フレーズを覚えることが多かったですね。

そういう意味では、同じジャンルのドラマを見ていると、そのジャンルの単語に強くなる、ということはあると思います。フレンズを見続けると、フレンズに出てくる単語に強くなる、というのももちろんあります。単語と訳語だけの丸暗記は記憶にも残りにくいと思いますし、「セリフと共に覚える」ということが、やはり一番効果的だと思っています(^^)
Posted by Rach at 2014年06月23日 17:36
Rachさん、お返事ありがとうございました。

>フレンズはそれがあまりない分、
「難解 な単語」は少ない方かなと
思って います。
ここで激しくこけましたが(笑)、そうですね、今までのエピソードでも確かにフレンズで覚えた単語は記憶に残っています。(meadow とか→レベル下げてゴメンナサイ 汗)やはり見続けることで覚えることってありますよね。duoとかは一通りやったんですが、やはりそのあとにニュースで出会うなどした単語はしっかり記憶に残っているものの他は・・・っていうことを考えても納得です。
楽しんで見続ける、ことに徹します。
(この頃はエピソードによってはスンナリと判るものもあるのでそこが嬉しいです)これからも頑張ろう!
よろしくお願いします。
Posted by やっちん at 2014年06月24日 09:44
やっちんさんへ
こちらこそお返事ありがとうございます。
また、「激しくこけさせて」ごめんなさい^^

弁護士のドラマである「アリー my Love」(Ally McBeal)や、SFドラマの「スタートレック」とかだと、本当に専門用語がよく出てくるんですよね。私はそれらも「フレンズ」と同じように字幕音声を切り換えて英語学習教材として使ったのですが、そういう用語に強くなりたい場合は別にして、一般的な英会話で使える単語、という意味だと、やっぱり「フレンズ」の方が難解すぎずバランスも良い気がしたわけですね(^^)

無味乾燥なボキャビルは、やっぱり定着しにくいと思いますし、楽しくドラマを見続ける中で、誰かのセリフとして覚える、という方が、単語のイメージも湧きやすく、また、自分で使えるようにもなるのかな、と思っています。

こちらこそこれからもよろしくお願いします。やっちんさんに頑張っていただけるように、私も頑張ります!(^^)
Posted by Rach at 2014年06月25日 15:06
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