[Scene: Rachel's office, Rachel is confronting Joanna about her interview.]
レイチェルのオフィス。レイチェルは面接のことでジョアンナと対峙しようとしている。
レイチェル: (entering Joanna's office) Umm, Joanna? I wanna talk about that interview. [ジョアンナのオフィスに入ってきて] あぁ、ジョアンナ? あのインタビューの件で話したいんですけど。)
ジョアンナ: I thought it went very well. (とってもうまくいったわよね。)
レイチェル: No, it didn't. That's what I want to talk to you about. (starts to break up) Now just to brief you (starts to cry) I may cry. But they are not tears of sadness or of anger, but just of me having this discussion with you. (いえ、うまくなんかいってません。そのことが私があなたと話したいことなんです[そのことであなたと話したいんです]。[取り乱し始める] 今、ただ手短に説明するのに [泣き出す] 私は泣くかもしれない。でも、それは悲しみや怒りの涙じゃないんです。ただ私があなたとこんな議論をするということの涙なんです。)
ジョアンナ: Rachel, please, don't make a scene. (レイチェル、お願いだから、人前で大声で主張しないで。)
レイチェル: There's nobody here. (ここには誰もいませんけど。)
ジョアンナ: Sophie, get in here. (Sophie enters) You see? Now you're making Sophie uncomfortable. (ソフィー、こっちに入ってきて。[ソフィーは入ってくる] ほらね? 今、あなたはソフィーを居心地の悪い気持ちにさせてるわ。)
ソフィー: She's not making me uncomfortable. (レイチェルは、私を居心地悪くさせてませんけど。)
ジョアンナ: Congratulations. You just crossed the line into completely useless. Get out. (Sophie starts to cry and leaves) (おめでとう。たった今、あなたは一線を越えて、完全に役立たずになったわ。出て行きなさい。[ソフィーは泣き出し出て行く])
面接試験で横から余計なことを言って、明らかに面接を妨害していたジョアンナ。
レイチェルはそのことでジョアンナに文句を言いに行きます。
レイチェルが文句を言いにきたのは明らかなのに、ジョアンナはまだ、I thought it went very well. 「面接はうまくいったわね」などとすっとぼけていますね。
brief は名詞だと「概要、任務内容の説明・指示」。
「下着のブリーフ(短いパンツ)」という意味もあります。
in brief なら「要するに」「手短に、簡単に」ですね。
ここでは動詞として使われていて、「(人)に手短に必要な情報を与える」というニュアンスでしょう。
戦争映画などに登場するブリーフィングというのも、作戦前に簡単な指示を与えることですよね。
話している間に泣き出したレイチェルは、泣いている理由を説明します。
they are not tears of sadness or of anger, but just of me having this discussion with you. は、not... but 〜 の構文です。
but 以下が (just) of me having となっているのは、tears of me having ということです。
me having this discussion は、「私がこういう議論をしているということ」という動名詞で、me は動名詞の主語。
動名詞の主語は、my という所有格のこともありますが、口語ではこのように目的格を使うことが多いです。
レイチェルが言いたいのは、私は悲しいから怒ってるから泣いてるんじゃない、あなたとこんな議論をしているということが悲しいんです、みたいなことでしょう。
泣き出したレイチェルに対して、ジョアンナは、don't make a scene と言っています。
シーンというのは、ドラマのシーンのような場面のイメージで、「シーンを作らないで」という直訳でも何となく意味はわかる気がするのですが…。
LAAD では、
scene:
8. ARGUMENT a loud angry argument, especially in a puplic place
例) Be quiet. You're making a scene.
つまり、「大声で怒った口論[主張]、特に公共の場で」。
例文は、「静かにしなさい。君は人前なのに大声で主張しすぎだぞ。」
つまり、まわりに人がいるのを意識して、わざと大声で主張してみせたりすることを make a scene というようです。
聴衆に向けてお芝居するような感覚でしょうか。
その語義の especially in a puplic place の通り、レイチェルは、「ここには誰もいません」と言っています。
make a scene というのは、普通、人前で起きる話だけど、今ここにはあなたと私しかいなくて、私は他人の共感を呼ぼうとわざと騒いでいるんじゃありません、という感じですね。
すかさず隣の部屋にいるソフィーを呼ぶジョアンナ。
ほら、ここに無関係な第三者がいるわ、ソフィーはあなたが泣きながら騒いでいるのを見て、きっと居心地が悪いわよ、と言います。
事情のわからないソフィーは「そんなことありません」と否定するのですが、それを聞くやいなや、また辛辣な言葉を言って、ソフィーを追い出すジョアンナがすごい。
いきなり、「おめでとう」と言って何がめでたいのかと思ったら、「あなたは今のその無神経な発言、私の意図を理解しない発言で、境界線を越え、とうとう完全に役立たずの域に達してしまったわね。そんな役立たずは必要ないから、出てって!」という感じ。
事情がわからないのに、ジョアンナに迎合しろと言われても無理な話ですが、ジョアンナに言わせると、こんなところでもあなたは役に立たずに逆に私の足を引っ張る、もうあなたに有用なところは何もない、私にとっては完全に「無用な人間」になってしまったわ、と言って追い出しているわけです。
ジョアンナは常にこのソフィーに対して冷たい態度を取っていて、今回は「使えるところをアピールできるチャンスを与えてやったのに、やっぱり使えない人間だとわかった」みたいな厳しい言葉を浴びせた、ということですね。
(Rach からのお願い)
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2009年10月12日
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