シーズン4 第10話
The One with the Girl From Poughkeepsie (ロスは遠距離恋愛がお好き)
原題は「ポキプシーの女の子の話」
クリスマスツリーの点灯を恋人キャシーと見たかったのに、見損ねちゃったと悔しがるチャンドラー。それを聞いて、私なんかずっと独り身なんだから、とボヤくレイチェル。
レイチェル: I mean, it doesn't even have to be a big relationship, y'know, just like a fling would be great. (つまり、大きな関係である必要さえないの。ほら、ただのお遊びみたいなものだったらそれでいいわ。)
チャンドラー: Really? I didn't think girls ever just wanted a fling. (ほんとに? 女の子がお遊びを求めるなんて思ってなかったよ。)
レイチェル: Well, let me tell you something, it's been a long time since I've been flung. (そうね、言わせてもらうけど、私が(最後に)お遊びで付き合ってから長い時間が経ってるのよ。)
ジョーイ: Well, I know what I'm giving you for Christmas. (そうだな、クリスマスプレゼントでレイチェルに何をあげたらいいかわかるよ。)
チャンドラー: Y'know what? There are some nice guys in my office, you want me to set you up? (ねぇ。俺の会社にいい男がいるよ。俺が(デートを)セッティングしてあげようか?)
レイチェル: Yeah! Wait a minute. It's been a long time that I've been single. How come you never offered this before? (ええ! ちょっと待って。私が一人になってから随分経つわ。どうして以前にはこういうオファーをしてくれなかったの?)
チャンドラー: Well, I have a girlfriend. I'm-I'm happy. So I no longer feel the need to go out of my way to stop others from being happy. (そうだな。俺は(今)恋人がいる。俺は幸せだ。だから他人が幸せになるのをわざわざ阻止する必要をもはや感じないんだよ。)
レイチェル: Okay! No accountants. Oh, and no one from like "legal." I don't like guys with boring jobs. (わかったわ! 会計士はダメよ。あぁ、それから「法律[法務]」の人もだめ。私は退屈な仕事をやってる男性は好きじゃないの。)
チャンドラー: Oh and Ross was like what? A lion tamer? (あぁ、じゃあロスはどんな感じの仕事だったっけ? ライオンの調教師?)
レイチェルは、a big relationship でなくてもいいから、just like a fling でいいと言っていますね。
fling は、フレンズ1-12その1 に出てきましたが、「真剣にではなく遊びで軽く付き合うこと」みたいな意味ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
fling [noun] [countable usually singular]: a short and not very serious sexual relationship
例) We had a brief fling twenty years ago.
つまり、「短くてあまり真剣ではない性的関係」。
例文は「私たちは20年前に短い関係を持った。」
女性であるレイチェルが「軽い付き合いでいい、お遊びの情事でいいから」みたいに言ったことにチャンドラーは驚いています。
男性はともかく(笑)、女性はそういうの嫌いだと思ってたのに、ということですね。
レイチェルは動詞 fling を受動態(be flung)にして、fling されてからかなり長い時間が経つ、長い間 fling されたことすらないのよ、だからこの際、fling でも構わないの、みたいに説明しています。
fling という動詞は元々「(ものを勢いよく)投げる」という意味です。
フレンズ2-16その23 では、fling water balloons off the roof 「屋根から水風船を飛ばす」というフレーズで使われていました。
そういう「勢い」の感覚が「したい放題のことをする、軽い気持ちで何かを行う」→「短期間の情事」という意味に繋がっているようです。
be flung は「fling というお遊びの情事をする」ことを女性の立場から受身で表現している感覚だと思いますが、元々の「勢いよく投げる」というニュアンスも含んでいるとすると、ベッドに乱暴に投げられるみたいな意味も込めているのかもしれません。
そういう関係でもいいから欲しいという発言を聞いて、「レイチェルへのクリスマスプレゼントは何をあげたらいいかわかるよ」と言うジョーイ。
そんなに男と寝たいのなら俺が寝てやろうか?みたいなプレイボーイのジョーイらしいジョークですね。
会社の男を紹介してあげると言うチャンドラー。
どうして今までは紹介してくれなかったの?と聞かれて、自分は今恋人がいて幸せだから…と理由を述べています。
go out of one's way を直訳すると「自分の道からそれる」ですから、go out of one's way to は「わざわざ・故意に…する」という意味になります。
本来進むべき自然な道を少し外れてまでわざわざ何かをする、ということから、何らかの意図を持ってそれを行う、というニュアンスになるようですね。
レイチェルは男性のリクエストとして、会計士はいや、legal 関係の人もいや、と言っています。
legal の部分で、両手の指をカニのようにして少し曲げるジェスチャーをしています。
フレンズ2-12その2 でも説明しましたが、これは引用符を表すジェスチャーで、レイチェルのニュアンスは「いわゆるリーガル関係の人」みたいな感じでしょう。
具体的な職種名はよく知らないけど、legal と付くような部署や職種の人はやめてね、という感じですね。
レイチェルの発言から、退屈な仕事の代表格として、それらの仕事を挙げたことがわかります。
それを聞いたチャンドラーは、「元彼のロスの仕事は何だっけ? ライオンの調教師だったかな?」と皮肉を言っていますね。
tame は他動詞で「・・・を飼いならす」、形容詞では「(動物が)飼いならされた」という意味になります。
tame a lion が「ライオンを飼いならす」という意味なので、a lion tamer は「ライオンを飼いならす人、ライオン使い、ライオンの調教師」になります。
ロスが仕事で扱っているのは恐竜で、これも凶暴性はかなりのものですが(笑)、恐竜の場合は絶滅していて、ロスが扱っているのはもっぱら化石。
動物でありながらもう動かない化石を扱っている仕事だとわかっていて、ロスの仕事は野生の動物をてなずける仕事だったっけ?などと言ってみせるチャンドラーに笑ってしまいました。
レイチェルが、I don't like guys with boring jobs. と言った時点で、「元彼ロスの仕事だって退屈だとよくからかわれてたぞ」と思った人も多いかもしれません。
だから多分誰かが「ロスの仕事は超エキサイティングだったもんねぇ」みたいな皮肉を言うのでは?と何となく想像できるのですが、boring とか exciting とかいう言葉を使わずに、a lion tamer というロスの仕事とは正反対の職種を例に出すチャンドラーのセンスが面白いなと思いました。
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あのカニのジェスチャーは僕は今だに使うタイミングとか
理解できません。汗 フレンズではわりとでてくるジェスチャー
なので日常でも外国人との会話中に使いたいのですが、なかなか。汗
英語が理解できなくてもチャンドラーの言い方がもはや皮肉めいた
事を言っているなというのが分かりますね。w
自分がガールフレンドがいるから、人の幸せを邪魔しなくていいなんて
言わなくてもいいのに、チャンドラー正直すぎておもしろいです。w
何度も今年はTOEIC受けてますが、なんと次の日曜日の25日にまた
受けます。w もうテストというよりは勉強という気分で言ってます。
そして次の日の26日が僕の誕生日なので、気分よく誕生日を迎えるため
にもTOEICを良い感じで終わらせたいものです。
なんだかんだ言って亀のように少しづつ点数上がってますが、
運要素もあるので、うぬぼれずに続けたいと思います。
参考になると言っていただけて光栄です。ありがとうございます。
あのカニのジェスチャーはよく登場しますよね。ジェスチャー類は、ノンネイティブの我々が使いこなすようになるのはちょっと難しいかもしれません。でも自分から使えなかったとしても、ネイティブの人が使っているのを見てそのニュアンスがわかるだけでも進歩かな、と思うのです。
チャンドラーのオチは皮肉っぽいものが多いので、そのパターンが読めてくると、セリフの意味も類推しやすくなりますよね。キャラ立ちしている連続ドラマで英語を学ぶ利点はそこにあるのかな、と思います。
25日は TOEIC なのですね。頑張ってきて下さい。力を出し切れた!という爽やかな気持ちで、お誕生日を迎えられることをお祈りしております。
フレンズを検索していてRachさんのブログにたどりつき、早速著書を購入、そしてフレンズDVDを購入し、今シーズン4に入っています。
もうRachさんのブログさまさまです。
フレンズは著書でお書きのように本当に勉強になります。
私もRachさんのようにTOEIC990点を目指しています。
ところでカニさんジェスチャーですが、
以前ネイティブに教えてもらって以来、確実に使うタイミングがわかるようになりました。
カニさんマークは double quotation marks を意味しています。
つまり引用符“ ”のことなので、強調したい単語を言う前や、単語と同時にパパッとジェスチャーします。
私の大好きなジェスチャーで、使うとネイティブぽくなって楽しいです。
2010年を迎え、Rachさんのますますのご活躍楽しみにしています。
初めまして。コメントありがとうございます。
また、拙著をお買い上げ下さったとのこと、重ねてありがとうございます。本当に嬉しいです!
カニさんジェスチャーを使うと、すごくネイティブっぽいですよね。引用符ですから、「いわゆる…っていうやつ」と強調する場合にも使いますし、「あなたが…だと主張している・言い張っているやつ」という風に皮肉っぽく使うこともありますね。日本語でも文字で書く場合は、かぎかっこや引用符で言葉をくくったりしますが、会話の中でのジェスチャーには、英語のカニさんジェスチャーに相当するものがありませんよね。フレンズを見ている人が、日本語でもこのカニさんジェスチャーを使うようになったら楽しいな、なんて思ったりもします。
また、暖かい激励のお言葉、ありがとうございます。そのように言っていただけると、「私もまだこのブログを続けていていいんだ」と思えます。これからも頑張りますので、よろしくお願いします。