ポキプシーに住んでいる女性とデートしているロスですが、電車で2時間かかるという遠距離のため、電車の中で寝込んで、ポキプシーで降り損ねてしまいます。
[Scene: The train, it's pulling into a station.]
電車(の車内)。電車が駅に入ろうとしている。
車掌(The Conductor): Last stop, Montreal. The stop is Montreal! (終点、モントリオール! 停車駅はモントリオール!)
ロス: (waking up) What? (notices that there is now a beautiful woman sitting next to him) ([目を覚ましながら] 何だって? [今、美しい女性が自分の隣に座っていることに気づく])
電車の女性(Woman On Train): I made a bet with myself that you have beautiful eyes. Now that I see them, I win! (私は自分自身に賭けをしたのよ。あなたはきれいな目をしてる、って。今、私はあなたの目を見たけど、私の勝ちね!)
ロス: What? (何?)
電車の女性: We're at my stop. But would you like to have coffee? (私の降りる駅にいるわ。でも、コーヒーでもどうかしら?)
ロス: (now fully awake) Are we really in Montreal? ([やっと完全に目を覚まして] 僕らは本当にモントオールにいるの?)
電車の女性: Yes, we are. So coffee? (えぇ、そうよ。それで、コーヒーは?)
ロス: Coffee sounds great. (They get up) Wait, so, so you live in Montreal? (コーヒーっていい感じだね[コーヒー、いいんじゃない?] [二人は立ち上がる] 待って。それで、君はモントリオールに住んでるの?)
電車の女性: Oh, no. But it's just a two-hour ferry ride to Nova Scotia. (いいえ。でも、ノバスコシアまではフェリーでたった2時間よ。)
ポキプシーを通り過ぎ、ロスはとうとう電車の終点、モントリオールに着いてしまいました。
モントリオールはカナダですから、国境を越えてしまったということですね。
stop は「(電車・バスなどが)停車する所、停車駅、停留所」。
日本の電車でも、終点では、This is the final stop. という英語アナウンスが流れたりしますよね。
車掌さんの「終点、モントリオール!」の声で目を覚ましたロスは、隣に美人の女性が座っていることに気づきます。
その女性のセリフ、I made a bet with myself that you have beautiful eyes. Now that I see them, I win! がなかなかしゃれてますね。
make a bet は「賭けをする」なので、make a bet with myself that は、「(that 以下)であると、自分自身に賭けをする」ということ。
ロスは眠っていたので、目は閉じていたけれど、きっときれいな目をしているに違いない、って自分に賭けをしていたの、という感じです。
now that は「今や…だから」という理由を表す接続詞ですね。
now that I see them 「そして今、あなたがこうして目を開けたから結果がわかったわけだけど」、I win! 「私は賭けに勝ったわ!」、つまり、「やっぱりあなたは私が確信していた通り、きれいな目をしてたわ」と言っているわけです。
「きれいな目をしていると自分自身に賭けをした。あなたの目を見た。私が勝った」と表現することで、サイド6でララァ・スンがアムロ・レイに言ったような「きれいな目をしているのね」というセリフと同じようなことが伝えられるということです。(ガンダム30周年おめでとう! お、久々のガンダムネタ…笑)
ノンネイティブでは、相手の目を褒めるのに、なかなかここまでの長ゼリフは口から出てきませんよねぇ。
初対面のロスに対して好意を持っていることもわかるし、こういうちょっと回りくどい言い回しができることで、頭の回転の速さみたいなものも示している気がします。
いつかネイティブの方に対して、こういう言い回しを使ってみたいものだな、と思いました。
そのせっかくのしゃれたセリフですが、ロスは寝ぼけていてまだ What? とか言っています。
コーヒーに誘われて、やっと自分がカナダのモントリオールにいることをはっきりと認識するのですね。
We're at my stop. というセリフから、この女性はここで降りることがわかります。
それでロスは「君はここモントリオールに住んでるの?」と尋ねます。
Oh, no. と否定した女性のセリフで、モントリオールに住んでいないことがわかるのですが、住所はモントリオールよりもさらに遠いノバスコシア(ノバ・スコーシア)で、フェリーに乗って2時間かかるところだ、と説明しています。
Wikipedia 日本語版: ノバスコシア州
モントリオールには住んでない、と否定した時点で、ここには何か用事で来ていて、住所はもっとロスの近くである可能性が期待できたのですが、実際は、ポキプシーよりもモントリオールよりもさらに遠いノバスコシアだった、というオチですね。
女性は it's just a two-hour ferry ride to... と just という言葉を使っています。
この just は「ほんの、たったの…だけ」みたいなニュアンスで、女性は2時間のフェリーでの移動をそれほど負担に感じていないようです。
「ここからさらに2時間!?」とロスにとってはクラクラしてしまうほど遠い距離であるのを、女性は just という表現を使ってそれほど離れていないように言っている、そのギャップが面白いですね。
どんなにこの女性が美人で、ロスに気があったとしても、ポキプシーの女性との錬距離恋愛に疲れて車内で爆睡してしまうロスにとっては、それよりずっと遠距離のノバスコシアの女性とお付き合いできるはずもありません。
今回は、せっかく素敵な女性と次々と知り合ったのに、距離が遠すぎるせいでうまく行かなかったという、ロスにとっては残念なエピソードでしたね。
(Rach からのお願い)
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2009年10月30日
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