2009年11月01日

人間誰しも歳をとるから フレンズ4-11その1

シーズン4 第11話
The One with Phoebe's Uterus (フィービー、ママになるの?)
原題は「フィービーの子宮の話」


セントラルパーク。フィービーは、弟フランクとアリスが結婚したと聞いて大喜び。(フランクとアリスの話は、フレンズ3-18 に出てきました)
フィービー: So, ooh, I'm going to get you a gift now. Is there anything you need? (それで、あぁ、あなたたちに贈り物をすることになるわね。何か必要なものはある?)
フランク: Uh, yeah. (あぁ、そうだね。)
アリス: We've been trying to get pregnant, uh, pretty much ever since we got engaged. We thought we'd get a jump on things. You know, no one's getting any younger. [laughs] (私たちは妊娠しようとずっとトライしているの、私たちが婚約して以来、かなりね。早く取り掛かろうと思ったのよ。だって、年齢がどんどん若くなる人はいないから[人間、どんどん歳をとっちゃうから] [笑う])
フランク: Because the thing is, uh, we're not able to, you know, uh, conceive, you know. (それで言いたいことは、俺たち、できないんだよ、ほら、妊娠することができないんだ。)
アリス: We've tried everything; we've seen a bunch of doctors. (私たちこれまであらゆることをやってみたわ。たくさんのお医者さんにも診てもらったの。)
フランク: Yeah, and they say, they say that our only chance to have a baby is that if they take my sperm, her egg, and put it together in a dish, and then put it into another girl. So we were wondering if you could be the girl that we could put it into. (そうなんだ。それで医者が言うんだよね。赤ちゃんができる唯一のチャンスは、医者が俺の精子、アリスの卵子を取って、それを皿で混ぜて、それからそれを別の女の子に入れることだって。それで俺たち、どうかなーって思ったんだよね。フィービーが、俺たちがそれを入れることができる女の子になってくれるかな、って。)
[Phoebe just stares at them for a moment with a bewildered smile on her face.]
フィービーは顔に当惑した笑顔を浮かべて、しばらくの間、ただ二人をじっと見つめる。
フィービー: That's a really nice gift. I was thinking of, like, a gravy boat. (それはほんとうに素敵な贈り物ね。私は、グレイビーボートみたいなものを考えていたんだけど。)

結婚したと聞いて何かお祝いの品をあげたい、というフィービー。
それを聞いて、アリスは、自分たちが今、子供を作ろうとトライ中であることを話し始めます。
have been trying to... ever since... という現在完了進行形は、婚約を決めた時から今までずっと子作りにトライしてきた、という「継続」を表しますね。

結婚してからではなくて婚約中から始めていたのは、早い方がいいと思ったからだと言っています。
get a jump on は「…に早く取り掛かる」。
no one's getting any younger を直訳すると「少しでも若返っていく人はいない」という感じでしょうか。
日が経つにつれて若返っていく人などいない、人間は誰しも日に日に歳をとっていくものだ、ということです。
子供を産むのなら少しでも若い方がいいと思って、結婚する前から子作りを始めたのよ、と言っているわけですが、このセリフをアリスが言っていることにポイントがあります。

フレンズ3-18その4 で、「フランクは18歳で、アリスは44歳である」というセリフが出てきます。
そのように、アリスはフランクと歳が離れていて、(アラフォーの私が言うのもなんですが)妊娠するのがなかなか難しいと思われる年齢です。
「人間どんどん歳をとっちゃうから、ちょっとでも早い方がいいと思って」と言っているのですが、今の年齢でも結構キツいものがある、その自分の年齢を忘れたかのような、まるで自分が若者であるかのようなセリフなので面白い、ということなのでしょう。

「ほら、私はこんな歳だから、少しでも急いだ方がいいと思って」という自虐的なセリフだという可能性もありうるかもしれませんが、これまでのアリスのキャラ設定を見ていると、はたの人間が思っているほど、自分の年齢についてコンプレックスを持っていないように見えます。
ですから、自分の年齢を自覚していない、「人間誰しも歳をとるから、妊娠は早い方がいい」という一般論を、歳の差結婚で年齢が高い方のアリスが述べているのが面白い、ということだと思います。

conceive は「妊娠する、子をはらむ」。
かなりトライしてみたけど、子供ができないんだ、ということです。
そして、お医者さんが言ってくれた子供を持てる唯一の方法をフィービーに話します。
精子と卵子を取り出して皿で混ぜて他の女性に入れる、つまり、体外受精して、別の女性に代理母になってもらう、という方法ですね。
その方法を説明した後、the girl that we could put it into 「体外受精させた精子と卵子を入れる女性」にフィービーがなってくれるかな、と言っています。
We were wondering if... は、フレンズ1-9その1 を始めとして何度も登場している表現ですが、「…はどうかなと思ったんだけど」と自分の希望を遠回しに伝える表現ですね。
「…してくれるといいなと思ったんだけど、どうかなぁ?」というニュアンスです。

それが代理母になってくれと頼むお願いであることに気づいて、さすがのフィービーもびっくりして、しばらくは声も出ません。
I was thinking of, like, a gravy boat. という過去形は「私はグレイビーボートみたいな贈り物を考えていたんだけど」ということで、そんなものを想像していたのに、あなたたちのリクエストはそれとは全然違うものだったから、びっくりよ、というニュアンスが出るように思います。

gravy は「肉汁」で、gravy boat は「グレイビー(肉汁)ソース入れ」です。
gravy boat は、sauce boat とも言います。
Wikipedia 英語版: Sauce boat には写真もあります。
boat 型(舟形)をしているから、そう呼ぶのですね。

フレンズ1-1 で、レイチェルが結婚式から逃げ出した理由について述べているセリフでも、really gorgeous Limoges gravy boat 「本当に豪華な、リモージュ[リモージュ焼]のグレイビーボート」という言葉が出てきました。
結婚式のお祝いの品の定番というところでしょうか。


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posted by Rach at 07:35| Comment(5) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アリスとフランクの結婚の話はダメになるかと思いきや結局うまく

言ってしまうという事で、「愛に年齢差は関係ない」という事も

理解できてしまいそうというお話でした。w

アリスはなんか40代とはいえ、天然でかわいさはありますけどね。w

たまにする情熱的な2人のキスとかおもしろいです。

代理母なんて、正直結婚のプレゼントレベルではないと思います。w

でもこういう事も0%ではないかなというのも思わせてくれて、英語とは

別にカルチャー??というか状況も学ばさせてもらいました。

グレイビーボートはフレンズの最初でレイチェルが言ってたのを聞いて

辞書で必死に調べてた覚えあります。w 当時PCも電子辞書もなかった

ので、本の辞書を2、3種類ペラペラめくって調べてました。w

あと、英会話に通ってたので、日本人とネイティブの先生に聞いたり

もしましたが、結局形のイメージがつかめてないです。汗

今はPCがあり、ネットで検索できるのでいろいろ調べられますけどね。

Rachさんのフレンズ英語の研究を見習わなければと思います。

海外ドラマは24,プリズンブレイクなども好きで人気もあるので

見てますが、おそらく僕が持っているDVDで一番見てる回数多いのは

フレンズでしょう。何度見ても飽きることのない名作だと思ってます。

英語学習者ならなおさらですね。w

個人的には映画化希望です。一度でいいからもう一度みんな集まって

もらいたいですね。

Posted by TAKUMA at 2009年11月01日 12:56
gravy boat... 親戚からのそこそこ無難な結婚祝いの定番、ですが「結婚のお祝いで、『一家を構えるんだから要るよね』のココロでくれるけど、いいとこ一年に1−2回しか使わない。かぶってもらうと迷惑、みたいなー」の代表ですね。

食器、日常使いだと最低でも半ダース(日本のように5枚セットではなく。まずペアというのもない。)でないとプレゼントとして格好にならないので、結構高くつくけどgravy boatだともともと単品なので、素敵なシリーズ物の中でもまぁ値段的には手が届く・・・という事情もあるかも。

結婚祝いというのは、やっぱりどこでも結構アタマを悩ませるけど、流行もあって、60年代だか70年代だか「新婚カップルが平均2個以上のフォンデュ・セットをもらう」という時期があったとか。gravy boat以上に「いくつももらってどうすんだ」ですなぁ。
Posted by おちか at 2009年11月02日 07:49
TAKUMAさんへ
そうですね、アリスは年齢のわりには子供っぽい、少女っぽいところがあって、何だか憎めないですね。フランクのキャラも強烈ですから、ああいう男子にはアリスみたいな女性がお似合いなのかもしれません。あの歳の差なのに、すぐ周りに人がいるのを忘れて、熱烈にキスしたりするのがおかしいですよね。

代理母になることが結婚祝い、というのはさすがにドラマならではの設定ですが、日本に比べると、話としてはあり得ることかも、と思ってしまいますね。

グレイビーボートなどは、別にそれを知ったからテストの点が上がるというものではないですが、セリフに出てきた言葉であれば、それがどんなものであるか簡単にでも知りたいのが人情と言うものです。本当に今は便利な時代になりましたね。画像検索で写真が探せるだけでも本当に助かります。

フレンズの映画化はなかなか難しいんでしょうね。時々そういう映画化の噂が聞こえてくるのですが、あまり具体化した話にはならないようです。キャストはいつまでも人気ドラマのキャラクターのイメージで見られるのがいやでしょうから、あまり乗り気ではないと思いますが、私も個人的には、reunion (再会)して欲しいものだと思っています。


おちかちゃんへ
「めったに使わなくて、かぶってもらうと迷惑」という表現、なるほどなと思います。形が洒落てますからね、プレゼントとしてあげるには見栄えもいいし、豪華な感じもするし、ということでしょう。日常使いの皿、ボウルだと結婚式のお祝いの品、っていう雰囲気が出ないけど、gravy boat と聞くと定番だからイメージが湧きやすい、だからセリフにも使われるんでしょうね。

フォンデュ・セット、確かに複数は要らんなぁ。うちには1つもないですよ(笑)。
Posted by Rach at 2009年11月06日 12:01
Rachさん、お久しぶりです☆
だーいぶ前にちょくちょく覗かせて頂いていた者です。
昨年から環境も変わって、英語への情熱がなくなってしまいました。でも、年イチで受けるTOEICは、885と躍進し、900点ホールダーも夢じゃない!?ってとこまで来て、でも、もういっかなと英語離れに拍車がかかってしまいました。。。数ヶ月離れてしまいましたが先月ちょっとした機会があり、またがんばろう!と思って、フレンズを再開しました。またお世話になります☆(今4を視聴中!)Rachさんはシーズン9まで進められていてスゴイです!!私もいつか!!
Posted by K at 2015年09月03日 22:32
Kさんへ
お久しぶりです。コメントありがとうございます☆
TOEIC 躍進されたとのこと、おめでとうございます!

「英語への情熱がなくなり、英語離れに拍車が、、」という状態になられた後で、またそのようにフレンズを再開されたこと、そして私のブログをこうしてお訪ね下さったこと、とてもありがたく思います。私の記事が少しでもフレンズ学習のお役に立てれば、とても嬉しく思います。

ブログの最新記事は、フレンズ9-19 で、気がついたらもうこんなところまで来ちゃってた、という感じです^^
どうかマイペースで楽しく続けて下さいね。私もフレンズの楽しさを伝えられる記事が書けるように、これからも頑張ります!
コメントありがとうございました(^^)
Posted by Rach at 2015年09月04日 16:12
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