ジョーイ&チャンドラー対モニカ&レイチェルのクイズ合戦はまだ続いています。
ロス: Ooh. "What is the name of Chandler's father's Las Vegas all-male burlesque?" (おぉ。「チャンドラーのパパが出演している、ラスベガスの全員男性のバーレスク[ストリップショー]の名前は何?」)
モニカ: Viva Las Gaygas! (ビバ・ラス・ゲイガス!)
チャンドラー: Unfortunately, that is correct. (残念ながら、正解だ。)
女性陣: Yes!! (やったー!)
ロス: All right. We have a tie. Luckily, I've prepared for such an event. (He opens up an envelope and holds up some note cards.) The Lightning Round! (よし。同点になった。幸運にも、こういう場合のために僕はすでに用意していたんだ。[ロスはある封筒を開け、メモのカードを掲げる] ザ・ライトニング・ラウンドだ!)
全員: Ohhhh. (おぉ。)
ロス: Thirty seconds. All the questions you can answer. (30秒。君たちが答えられる問題全部の数で決まる[全部でいくつの質問に答えられるかだ]。)
モニカ: You guys are dead! I am so good at Lighting Rounds! (あなたたちはもうおしまいね! 私はライトニング・ラウンドが超得意なのよ!)
チャンドラー: I majored in Lightning Rounds, all right? We're gonna destroy you. (俺はライトニング・ラウンドを(大学で)専攻したんだよ、いいか? 俺たちがお前らをたたきのめしてやるよ。)
モニカ: Huh, wanna bet? (そう、じゃ賭ける?)
チャンドラー: Well, I'm so confused as to what we've been doing so far. (えーっと、俺たちがこれまでずーっと何をしてたかについて、よくわからなくなったよ[頭が混乱してるよ]。)
burlesque は「パロディー、茶番劇」という意味ですが、研究社 新英和中辞典には、
burlesque=バーレスク(ストリップショーなどを呼び物にする演芸)
という語義が載っています。
今回のセリフでは、ベガスでのショーを指しているので、その「ストリップショー」的なものでしょう。
チャンドラーのパパがゲイである、という話は、フレンズでこれまで何度も示唆されていましたが、今回のモニカの答えでそれがはっきりしましたね。
Viva...! は「…万歳!」という意味。
研究社 新英和中辞典では、
viva=(間投詞)…万歳!(Long live...!)
語源 イタリア語・スペイン語から
と出ています。
ですから、ビバ・ラスベガス!(Viva Las Vegas!)だと「ラスベガス万歳!」というラスベガスを盛り上げるショーになるわけですが、gay の男性たちがやっているショーなので、ve- の部分を gay- に変えて、「ラス・ゲイガス」とネーミングしているわけです。
それを聞いたチャンドラーは、Unfortunately, that IS correct. と is を強調しています。
残念ながら、というのは、対戦相手の女性陣が正解したということと、自分の父親のショーの名前がそんな恥ずかしい名前であることの両方でしょうね。
「本当に、実際に、確かに」そういう名前なんだよ、という意味で、is が強調されています。
ここで同点になったので、ロスは新たなことを始めようとします。
I've prepared for such an event. は現在完了形で、「こういうこと(同点になって決着が付かないこと)のために、すでに・あらかじめ僕は準備・用意していた」ということですね。
宇宙戦艦ヤマトの技師長真田さんの「こんなこともあろうかと」みたいな用意周到さですねぇ。
lightning は「稲妻、電光」で、形容詞だと「電光石火の、非常に速い」という意味ですね。
ピクサーアニメ「カーズ(Cars)」の主人公レースカーの名前も、ライトニング・マックィーン(Lightning McQueen)でしたよね。
レースカーなので、速さをイメージする名前がついている、ということです。
ロスの説明だと、30秒間にどれだけたくさんの問題に正解できるかで勝敗が決まる、というルールのようですね。
ライトニング・ラウンドだと聞いて、モニカは「私はそれが得意なのよ。あなたたちは終わりね」と言っていますが、チャンドラーも負けていません。
major in は「(大学で)…を専攻する」。
モニカはそれが「得意」だって言うけど、俺なんかそれを科目として専攻していたんだぜ、と言ってみせているわけです。
もちろん、そんな科目は大学の専攻科目にありませんが(笑)、「得意」なんてレベルじゃなくて、こっちは単位も取ってる専門家だよ、だから負けやしないと言って、モニカよりもそれが得意であるとアピールしているのですね。
「俺の方が専門家さ。だから俺たちが君らを倒す」と言ったので、モニカは wanna bet? と言っています。
相手が絶対に負けるもんか、と強気なことを言うので、「あらそう。じゃ賭ける?」と反射的に出た言葉でしょう。
が、そもそもこのクイズ大会自体、賭けをして始めたので、ここで今更のように「賭ける?」と言ったモニカの言葉に、チャンドラーがツッコミを入れたわけですね。
「モニカは今「賭ける?」って言ったけど、あっれぇ〜? じゃあ今まで俺たちがやってたのは賭けじゃなかったっけ? 俺たち今まで何のためにこんなクイズ合戦やってたんだっけ?」という意味で、「俺たちが今までしてきたことは何だったのか、混乱してきたな」と言っているのです。
賭けるも何も、俺たちは今まさに賭けをしてこんなことをやってるんじゃないか、ということですね。
(Rach からのお願い)
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古市幸雄氏の著書『「1日30分」を続けなさい』の中に海外ドラマを使った英語の勉強法のことが触れられており、特に『フレンズ』がお勧めであることを知り、先日フレンズのDVDを入手、現在手探り状態で勉強を始めました。
ネットサーフィンで、こちらのブログを知ったのですが、大変参考になります。
ところで、ひとつ基本的なことを教えていただきたいのですが、私の場合は今のところTOEICの受験にはあまり興味がなく、ある程度海外旅行に耐えうる英語スキルを身につけることが目的です。
海外ドラマを教材として勉強を継続すれば、少なくとも基本的な英会話は難なくできる程度のレベルになれるでしょうか。
前述の著書にも『TOEICで高得点が取れても現場では満足に英語が使えないケースが多い』との記載があり、失礼なご質問だとは思いましたがご経験上どうなのかを教えていただきたく、よろしくお願いいたします。
初めまして。ご訪問&コメントありがとうございます。
「フレンズ」に興味を持たれて検索で拙ブログを見つけて下さったこと、大変光栄で嬉しいです。ありがとうございます。
古市幸雄さんのご著書では、「英会話学校に行かない人ほど、うまくなる」(ダイヤモンド社)を私は持っています。そのご本でも「フレンズ」をお勧めされていました。海外ドラマを使って英語を学ぶ場合に「フレンズ」を挙げる方は多いですね。「できる人の勉強法」の安河内哲也先生も「フレンズ」が好きだと公言されていますし。
さてご質問の件ですが、「海外旅行などで現地の人とやり取りするための英会話スキルを身につける」という意味では、やはり実際の会話に多く触れることで英語を学ぶことが一番効率的だと思います。
会話でよく使われるやり取り、「相手がああ言えばこちらはこう言う」という言葉のキャッチボールなどは、実際に複数の人間が会話を交わしている姿を観察することで学べると思うのですね。
『TOEIC で高得点が取れても現場では満足に英語が使えないケースが多い』というのはその通りだと思います。最近の TOEIC ブームで、「TOEIC で高得点を取ること”だけ”」を目標にしている人も多いのですが、TOEIC というのはかなり特殊なテストで、頭を「TOEIC 脳」にすることでどんどん点数が上がっていくようなタイプのテストです。問題の形式やよく出るパターンに熟知することで、かなりの点数が稼げる、という感じですね。
TOEIC はマークシートの選択問題なので、間違いを消去することで正解にたどりつくことができますが、実際にネイティブと会話するにあたっては、「何かを選択する」というスキルではなくて、「言いたいことを口から言葉として出す」というスキルがものを言います。
TOEIC の試験勉強をする中で、会話での頻出フレーズを覚えたこともありますから、全く無関係だとは言いませんが、そもそも「TOEIC で高得点(満点含む)を取ること」と、「ネイティブと問題なくやり取りできる会話力をつける」こととは、かなり「ベクトルが違う」というのが私の認識です。
海外ドラマの場合は、「状況」が目に見えるので、「こういう人(年齢・立場・性別)が、こういう場合、こういう気持ちの時に、こういうことを言う」というのがはっきりわかります。状況がわかるからこそ、自分も同じ状況の時にその言葉が使えるわけですね。
海外ドラマを理解できるレベル、というのは実はかなり高いレベルです。英語で素晴らしい資格を持っている方でも、実際に英語を使ってバリバリ仕事をしている方でも「海外ドラマの英語は聞き取れない」とおっしゃっているのをよく聞きます。
私はブログを書くにあたり、英検1級や TOEIC 満点を看板として掲げていますが、それはこのブログに説得力を持たせるための看板です。特に日本では、TOEIC の点数を英語力の指標だと考える人が多いですから、「TOEIC 満点です」と言うと、多くの方がそれだけで納得して下さる、みたいなところがあるので、無視できない存在なんですね。
ですが、私個人としては、「海外ドラマを字幕なしで見て、そのセリフが楽しめて、ジョークに笑える」という部分が私の中での「自信」になっており、その「自信」があるからこそ、英語学習を続けることができているのだと思います。
「海外ドラマを教材として英語を学ぶ」というのはかなりハードルが高いことですが、そこから学べることは大変多い、ということですね。
「最初から全部がわからなくて当たり前、使える表現を少しずつ覚えて行こう!」という気持ちで取り組まれるなら、非常に効果的な教材になると思います。
英語を使ってバリバリ仕事されている人でさえ、海外ドラマの英語は聞き取れないとおっしゃっている人がいるとは驚きました。
かなりレベルが高かったんですね!?
大学を卒業して20年近く経ち、その間、一度も英語の勉強をしてきませんでしたが、最近海外旅行をして英語力のなさを痛感しました。
また2〜3年先に海外旅行をしようと思っていますが、その時にはある程度話せるようになっていたいと思い、こつこつ勉強を始めた次第です。
意外にこの勉強・・・自分にしては3日坊主で終わっておらず、結構楽しんでいます。
また、是非とも参考にさせてください。
よろしくお願いいたします。
こちらこそ、お返事ありがとうございます。
海外ドラマの英語を理解することは難しい、という事実は間違いないと思います。仕事で英語を使っておられる方は、仕事で使う専門用語や専門分野の英語については詳しいはずですが、普段の何気ない会話の面白さやジョーク、皮肉や、言葉に込められた話者の気持ちやニュアンスなどを汲み取るという英語力は、またそういう専門分野の英語が得意であることとは別物だということでしょう。
海外旅行をされるなら、旅行に伴う事務的な会話だけではなくて、ちょっと世間話の一つもしてみたいと思いますよね。また、自分から積極的にそういう会話を働きかけないにしても、街中で誰かが話している内容が手に取るようにわかれば、それは現地の言葉を肌で感じ取ったことになり、良い思い出になるだろうと思います。
ドラマは作り物であるとは言え、そのセリフは試験に出てくる会話に比べて、日常会話にとても近いです。同じドラマをずっと見ていると、会話の決まり文句や会話の流れが掴めるようになってくると思います。
私も大学を卒業してから17年になりますので、こーじさんとは同世代になるのですね? 同世代として、お互い頑張りましょう! こちらこそ、よろしくお願いいたします。