2009年11月30日

うまい汁が吸えるグレイビートレイン フレンズ4-13その1

シーズン4 第13話
The One with Rachel's Crush (レイチェルの恋愛白書)
原題は「レイチェルのベタ惚れ(べたぼれ)の話」


賭けに負けてしまったモニカとレイチェルは、チャンドラーとジョーイが以前住んでいた部屋で暮らすことになります。
その部屋に入ってきたジョーイ。
ジョーイ: (entering) Hey! (Goes to the fridge.) ([入ってきて] やあ! [冷蔵庫のところに行く])
モニカ: Umm, excuse me? We switched apartments. You can't eat our food anymore. That- that gravy train has ended. (あの、もしもし? 私たちはアパートを交換したのよ。あなたは私たちの食べ物をもう食べることはできないわ。あの、あのグレイビー・トレイン(うまい汁が吸えること)は終わってしまったのよ。)
ジョーイ: (Holding a turkey leg) There's gravy? ([七面鳥の脚を持ちながら] グレイビー(肉汁)があるの?)
モニカ: If you have the big apartment, you have to deal with people coming over all the time. That fridge has got to be stocked, okay? That's your apartment now. (She takes back the turkey leg) (もしあなたが大きな(アパートの)部屋を持ってるんなら、いつも来る人たちをあなたが扱わないといけないわ。あの冷蔵庫はいつもものを詰めて(いっぱいにして)おかなければだめよ、いい? あそこはもうあなたのアパートなんだから。[モニカはジョーイから七面鳥の脚を取り返す])
(Joey climbs up on the counter and starts looking at the top of the cabinets.)
ジョーイはカウンターに上り、キャビネットの上を探し始める。
モニカ: What are you doing? (何やってるの?)
ジョーイ: I think I left a donut up here. (この上にドーナツを1個置いたなぁと思って。)

賭けに勝ったことで、大きな部屋を手に入れたはずなのに、まだ前のようにモニカの冷蔵庫をあさりにくるジョーイ。
それについてモニカは文句を言っています。
gravy train は、辞書では以下のように説明されています。
英辞郎では、
gravy train=(努力しないで利得を得られる)うまい立場[地位]
研究社 新英和中辞典では、
gravy train=(名詞) [the 〜] (俗語) ぼろもうけできる[うまい汁が吸える]仕事

gravy は元々「肉汁」ですね。
少し前のエピソード、フレンズ4-11その1 でも、gravy boat 「グレイビーボート」という結婚のお祝い品が登場しました。

「gravy=肉汁」から派生した意味として、研究社 新英和中辞典には、
gravy=(俗語) ぼろいもうけ、思いがけない収入、「うまい汁」
という訳語が出ています。
日本語の「うまい汁(を吸う)」という表現は、イメージぴったりですね。
「おいしい話」みたいな言葉とも通じるところがある気がします。

「人の家にやって来て、そこの冷蔵庫のものを勝手に食べること、そしてモニカがそれを許していたこと」を、モニカは gravy train と表現しているわけですね。
ですが、ジョーイはその表現を知らないらしく、gravy という単語が出たので、今 gravy って言ったよね、どこかに肉汁が置いてあるの?みたいに質問しています。
肉汁や肉があるなら、そっちを食べたいな、とでも言いたいようです。

モニカはどうして今までのように冷蔵庫あさりを許さないかを説明します。
今までは私の方が大きな部屋に住んでいたから、大勢の人が来て、その人たちが冷蔵庫を勝手に開けるのを許可していたけど、今はもうその部屋はあなたたちのものになったんだから、あなたたちがそういう客のもてなしをする番よ、ということですね。
男子たちの冷蔵庫はだいたい空っぽだけど、あの部屋に移ったのなら、お客さん用に冷蔵庫ももっと食品を詰め込んでいないとだめよ、という忠告です。

それを聞いたジョーイは、カウンターに上って、キャビネットの上を覗きます。
ドーナツを1個、確かここに置いたはずだと思って…みたいに言っていますね。
モニカの冷蔵庫で見つけたターキーを取り上げられたので、空腹を満たすためにそのドーナツを探しているのか、あるいは「お客さん用に食料を蓄えておく」のに使うつもりなのかはわかりませんが、そんないつ置いたかわからないようなドーナツを探しているので、モニカはいやーな顔をしています。
まるで「モズのはやにえ」のように、この部屋のあちらこちらに後で食べるための食品が置かれているのを想像するだけでも、きれい好きのモニカにしたら、うぇ〜という感じでしょうね。


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posted by Rach at 12:21| Comment(6) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
冷蔵庫とかは交換しなかったんですよね。w

もてなしは男どもは基本やらないと思います。モニカだからこそ、

ああいうもてなしできるのではと思います。

gravyと聞くとやはりgravy boatを思い出してしまうので、

うまい汁という訳は思いつかないですね。汗

ドーナツは僕はジョーイが食べると思ってましたが、前のモニカの

文章とのつながりで、そこに置いてあったドーナツをお客さんに

出すというつながりもたしかにあるかもしれないですね。w

それはそれでおもしろいです。

Posted by TAKUMA at 2009年11月30日 18:38
TAKUMAさんへ
冷蔵庫はそのままみたいですね。動かしやすいもの(フーズボール・テーブルやリクライニング・チェア)は移動させていましたが。
おっしゃるように「モニカだからこそ」友人たちがたくさん来ても対応できていた、ということですね。

gravy train では私も gravy boat を思い出しました。
私も辞書を調べて「うまい汁(を吸う)」という意味があるのを知っただけですが、gravy boat のお陰で、gravy train もすんなり頭に入る気がします。

ジョーイがそのドーナツをどうするつもりなのかわかりませんが、食べるにしても、お客さんに出すにしても、モニカにとっては信じられないことでしょうね。
この姿を見てしまうと、ジョーイの部屋のテーブルに置かれているものはむやみに食べちゃいけないわ、とモニカは思ったことでしょうね。
Posted by Rach at 2009年12月02日 07:04
こんにちは♪

gravyは『肉汁』と言うより、『肉汁で作ったソース』の事ですよ(^-^)
ミートローフやステーキ、ターキーやチキンにもかけて食べます。
日本語ではグレイビーソースと言いますが、英語ではgravyだけでソースの意味になります。
なのでジョーイのセリフには『ソースがあるなら付けたいんだけど』という意味が含まれています。
Posted by ミリア at 2009年12月03日 16:04
ミリアさんへ
貴重なご意見ありがとうございます。
英和辞典にも、「肉汁」という意味と並んで、「グレイビーソース、肉汁で作ったソース」という語義がちゃんと出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
gravy: SAUCE made from the juice that comes from meat as it cooks, mixed with flour and water
つまり、「肉が焼ける時に肉から出る汁を、小麦粉や水と混ぜることで作られたソース」。

ですから、「肉汁」と訳すのではなく、「グレイビーソース」と訳さないといけませんでしたね。

英辞郎では、gravy の例文として、

Nothing tastes better than roast chicken with gravy. 「グレービーソースをかけたローストチキンよりおいしいものはない。」

というのが出ています。ちょうど、ジョーイの持っていた七面鳥(ターキー)の脚は、骨付きチキンみたいな感じでしたので、その例文のように、鳥にグレービーソースをかけたらさらにおいしい、というイメージがあるわけですね。

フレンズで何度も出てきた、gravy boat も、「肉汁入れ」ではなくて、「肉汁ソース(グレイビーソース)入れ」ですものね。
私は上の解説で、「肉汁」から肉を連想したのか?みたいに書いてしまいましたが、「グレイビーソースがあるなら付けたいんだけど」という意味である、というミリアさんの解釈、全くその通りだと思います。

ご指摘ありがとうございました。
Posted by Rach at 2009年12月04日 11:12
Rachさん、こんばんわ

That's your department now.

apartmentですよね。

実際は何かお便りしたくて・・・
今日zoomでアメリカの友達(男)と1時間くらい
話しました。1対1は時間無制限なんです。
残念ながら、英語ではなく全て日本語でした。
今はやりのビデオ通話のようなものと違って、
遅れがみられませんでした。
会議、セミナー用なので、
3人以上は通常40分なんです。
高嶋ちさ子さんのアメリカ留学の息子がNet授業
も頷けます。動きがスムーズなのでストレスレスです。おじいさん二人だと1時間が限度で
す。自分はまだ孫がいないのですが、彼には
孫が二人もいるので、、、

Posted by Tamashiro-OB at 2020年05月08日 20:49
Tamashiro-OBさんへ
こんにちは。タイポのご指摘ありがとうございます。
早速修正させていただきました。

zoom は便利ですよね。今回のような事態になると、このようなツールの存在がとてもありがたいと思えます。
こういうものがどんどん進化して、様々な仕事の効率がより上がるといいなと私も願っています。
Posted by Rach at 2020年05月09日 18:21
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