2009年12月12日

2枚じゃなくて1枚余り フレンズ4-13その6

ジョシュアのことが好きなレイチェル。でも、レイチェルは今まで男性をデートに誘ったことがないので、どうやって誘えばいいかわかりません。
バスケのニックス(New York Knicks)の試合に誘えば、どんな男でもオーケー間違いなし!とジョーイに言われたレイチェルは、ニックスのチケット2枚を見せてジョシュアを誘うのですが、「僕の甥っ子が大ファンなんだよ。ありがとう!」と言われて、2枚のチケットを持っていかれてしまいました。
[Scene: Monica and Rachel's, erm, Chandler and Joey's, Joey is debriefing Rachel on her rejection earlier that day and telling her what she should've done. Ross and Phoebe are watching.]
モニカとレイチェルの部屋、(じゃなくて)えーっと、チャンドラーとジョーイの部屋。ジョーイは、その日の少し前(の時間)にあった拒絶について、その結果報告を聞き、レイチェルがどうすべきだったかを彼女に話しているところ。ロスとフィービーはそれを見ている。
ジョーイ: Okay, for next time, what do you say? (よし。次の時は、何て言うの?)
レイチェル: "I have an extra ticket." "An extra ticket." Not "two tickets." "I have an extra ticket." (「チケットが1枚余ってるの」「余ったチケットが1枚」。「2枚のチケット」じゃない。「チケットが1枚余ってるの」)
ロス: So the first time you ask a guy out, he-he turns you down? (それじゃあ、初めて君が男性をデートに誘ったら、彼は、彼は君の申し出を断ったんだね。)
レイチェル: He didn't turn me down. He's at the game, isn’t he? I got the date. I'm just not on it. (彼は私の誘いを断ったんじゃないわ。彼は(今)試合の場所にいるのよ、でしょ? 私はデートをゲットしたわ。ただ私がそのデートに参加してないだけで。)

ト書きの最初に、Monica and Rachel's, erm, Chandler and Joey's, Joey is debriefing... と書いてありますね。
一瞬、erm は room のタイポかと思ったのですが、そうだとすると、Monica and Rachel's room となって、Rachel's の後のカンマが不要になりますね。
また、Rachel's room, Chandler and Joey's, Joey is... という文章の続き方が不自然で、意味不明になってしまいます。
どうやらこの erm は、英語で言いよどむ時の言葉、um とか umm みたいな言葉のようです。

そう思って、今回のエピソードのネットスクリプトを見てみると、Chandler and Joey's, erm, Monica and Rachel's など全部で5回、erm という言葉が登場します。
これまでのト書き通り、Monica and Rachel's という所有格で、「モニカとレイチェルの部屋(アパートメント)」という意味になりますから、Monica and Rachel's, erm, Chandler and Joey's は、「モニカとレイチェルの部屋、(じゃなくて)うーんと、チャンドラーとジョーイの部屋」と言い直している感覚なのでしょう。

前回のエピソード フレンズ4-12 でクイズに負けたモニカたちは、男性陣と部屋を交換するはめになり、今回の 4-13 からは部屋を入れ替えた状態で暮らしています。
今は男性陣が住んでいる大きい方の部屋は、シーズン4の半ばまで、ずーっと Monica and Rachel's と呼んでいた部屋ですから、急に、Chandler and Joey's と書いてもピンと来ませんよね。
そこで、「モニカとレイチェルの部屋…だったけど、今はチャンドラーとジョーイの部屋になっているところ」という感覚で、このようなト書きになっているようです。
スクリプトを書き起こしている人も、「ややこしいなぁ!」と思いながら書いている様子が伺えますね。

もう少しト書きについて見てみますと、debrief は「(任務を終えた人から)結果・感想を聞く、報告を受ける」という意味。
戦争映画に出てくるブリーフィングなどの brief は「作戦前に簡単な指示を与える」という意味なので、そこに de- という接頭語(「逆転」の意味?)がついた形、でしょうか?
「作戦・任務前」ではなくて、「作戦・任務後」の話になるのですね。
earlier that day は「その日のこの時(ジョーイとレイチェルが話をしている時)より前に(あった、起こった)」という感覚です。

ト書きにもあるように、rejection つまり、断られてしまったのは、レイチェルの方法に問題があったからだ、「レイチェルはこうすべきだったのに(she should've done)」という内容をジョーイが説明しています。
レイチェルは、次は、two tickets じゃなくて、extra ticket と言うのよ!と練習しています。
extra は「余分の、余った」ですね。
チケットが2枚あるの、と言ったら、相手は2枚とも貰えるのかと思ってしまうから、「私の分ともう一つ余分に1枚あるの。だから誰か私と一緒に行く人を探してるんだけど、一緒にどうかしら?」という風に話を持っていかなきゃダメだ、とジョーイはアドバイスしているのですね。

その様子を見ていた元彼のロスは、いじわるなことを言っています。
これまで男性を誘ったことのないレイチェルが、生まれて初めて勇気を振り絞って誘ったのに、それを断られてしまったんだねぇ、という感じ。
ですが、レイチェルも負けていません。
turn down 「拒絶する、却下する」というのは、「そのチケットを受け取らない」ってことでしょ、彼は確かに私が渡したチケットを受け取って、今、その試合を見ているの。ただ私が一緒にその試合を見てないってだけのことよ、私は別に turn down されたわけじゃないわ!と力説しているわけですね。
「ものは言い様(いいよう)」と言いますか…(笑)。


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posted by Rach at 06:45| Comment(9) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Okay, for next time, what do you say? のwhat do you sayについて
いかがでしょうか?の意味だと思っていますが。
よし。次の時は(私先言ったことをちゃんと覚えてね)、どうだい?


Posted by Fen at 2009年12月16日 13:41
Fenさんへ
確かに、What do you say? というフレーズは、「…はいかがですか? …はどうですか?」などと相手を誘う時や、「どう思う?」と相手の意見を尋ねる時に使いますね。

ただ、今回のセリフについては、やはり「何て言う?」というまさに、say の内容を問うている疑問文だと思います。
ト書きに、(Joey is) telling her what she should've done. とありますが、これは、what she should've said 「レイチェルは何と言うべきであったか」を教えているということでしょう。

そして、What do you say? とジョーイが尋ねた後、レイチェルは、
レイチェル: "I have an extra ticket." "An extra ticket." Not "two tickets." "I have an extra ticket." (「チケットが1枚余ってるの」「余ったチケットが1枚」。「2枚のチケット」じゃない。「チケットが1枚余ってるの」)
と言っています。DVD字幕ではこのように、引用符がついているのですが、それは「次に言うべきセリフ」であることを明示しているのだと思います。
Posted by Rach at 2009年12月22日 11:25
Rachさんへ

ご意見有難うございます。

ただ、「何て言う?」なら、what would/will you say? になるではないかと思いますが(将来時のnext timeがあるので)。
Posted by Fen at 2009年12月22日 17:16
Fenさんへ
「次に、今度」という意味の場合は、普通は、for なしの、next time だけで「今度」という副詞的な意味になりますね。上のジョーイのセリフが for next time となっているのは、「次は」というより、「次にそなえて、次回のために」というようなニュアンスなのかもしれません。

その場合だと、「次回のために(練習しよう)。さあ、何て言う?」という感じかなぁ、と。
私もはっきりとはわかりませんが、やはりここは「何て言う?」という文字通りの言葉に対して、言うべき言葉を練習している、という感じに私は受け止めました。
Posted by Rach at 2009年12月29日 14:34
Rachさんへ

Rachさんの意見を理解できました。
ありがとうございます。
Posted by Fen at 2009年12月29日 18:32
はじめまして。フレンズで英語勉強中です。
丁寧な解説で楽しく読ませていただいています。

what do you say?ですが、私も単に文字通り「何て言う?」という意味だと思いました。先生と生徒みたいなやりとりになっていますよね。Rachelの意見を聞いている(what would you do?)のではなく、JoeyのアドバイスをRachelが理解したか確認しているニュアンスが出ているように思います。


Posted by Iwasuke at 2010年01月05日 04:55
Fenさんへ
わざわざのお礼、ありがとうございました。


Iwasukeさんへ
はじめまして。ご訪問&コメント、また解説へのお褒めのお言葉、ありがとうございます。

「先生と生徒みたいなやりとり」というのはまさにその通りだと思います。「何て言うの?」「チケットが2枚ある、じゃなくて、1枚余ってる、って言わないとだめなのよね…」という感じですよね。
Posted by Rach at 2010年01月06日 10:47
Rachさん、こんばんは。
第13話は調子がよく、ひとりよがり
かもしれませんが、プラトー(進歩)
を感じました。

はしょる3段階のおかげと思っています。

Posted by Tamashiro-OB at 2020年05月08日 21:52
Tamashiro-OBさんへ
こんにちは。
進歩を感じられているとのお話、良かったです。
「はしょる3段階のおかげ」と言っていただけたことも大変光栄です。ありがとうございます。
Posted by Rach at 2020年05月09日 18:42
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