モニカとレイチェルの部屋。仕事から帰ってきたレイチェルは不機嫌そう。
モニカ: Uh-oh, what's the matter? (あらまあ。どうしたの?)
レイチェル: Ohh, it's Joshua invited me to this fancy club opening tonight. But I already told Mr. Waltham that I would take his niece to this dumb old opera. So... What are you gonna do? (あぁ、ジョシュアが、今夜、おしゃれなクラブのオープニングに私を招待してくれたのよ。でも、私はすでにウォルサムさんに、姪っ子をくだらない古いオペラに連れて行くって言っちゃってたのよ。だから…どうする?)
モニカ: I don't know, sweetie. (わからないわ、ハニー。)
レイチェル: No! Help me! (だめよ! 私を助けてよ!)
モニカ: I can't. I have to work. (むりよ。私は仕事があるのよ。)
レイチェル: Phoebe? (フィービーは?)
フィービー: I would, but I get my morning sickness in the evening. (助けるつもりはあるんだけど、でも、私は夜につわりがあるの。)
レイチェル: Ugh! (あー!)
フィービー: Unless! She wants to spend the night holding my hair back for me. (でもこれなら話は別よ! 彼女が私のために、一晩中、私の髪の毛を後ろで持っててくれるつもりなら。)
レイチェルは自分の状況を説明します。
せっかくジョシュアが誘ってくれたのに、その時にはすでに(already)、上司のウォルサムさんと約束した後だったから、ということですね。
this fancy club opening と this dumb old opera が対照的に使われています。
fancy は「派手な、しゃれた」、dumb は「ばかな」ですが、ここでは「くだらない、つまらない」みたいなニュアンスでしょう。
クラブという最新のおしゃれスポットに対して、昔からある古臭いオペラ、という感じで、old opera と言っているのでしょうね。
レイチェルは、What are you gonna do? と言っています。
2つの約束が重なっていて、どうしたらいいかわからない場合は、普通は、What am I gonna do? 「私はどうすればいい?」と言うことが多いのですが、ここでは、主語が I ではなくて、you になっています。
「もしあなたが私の立場だったらどうする?」と尋ねているようにも聞こえますが、それだと、What would you do? になるでしょうか?
このセリフはもしかすると、レイチェルらしいわがままさが表れたものかもしれません。
「私は憧れのジョシュアに誘われたんだけど、上司との先約があって…」と言えば、誰か上司のとの約束を、私の代わりに果たしてくれないかしら?と頼みたがっているのは想像がつきますね。
「あなたはどうする?」というのは、「モニカは今の話を聞いて、私のために働いてくれるつもりある?」みたいなニュアンスかな?と思いました。
そういうレイチェルの期待を感じたからこそ、モニカは、「どうかしらね、わからないわ」みたいにとぼけてみたのでしょう。
「私がそっちを引き受けてあげようか?」と言ってもらえるのを期待したのに、そう言う返事をされたので、「そんなこと言わないで、私を助けてよ!」という流れになっているのだろうと思います。
今度ははっきり「助けて、私の代わりにそっちを担当して」と言われたので、「私は仕事に行かなくちゃいけないから無理よ」と返事しています。
今度はフィービーにお願いするレイチェル。
フィービーは、I would. と言っていますね。
I will. だったら「やるわ。私が引き受けるわ」になるでしょうが、would と婉曲さが入った助動詞が使われているので、「やってもいいんだけど」みたいなニュアンスでしょうかねぇ?
その後、but と続けて、それを引き受けるのに障害となるような理由を述べています。
morning sickness は「(妊娠初期の)つわり、吐き気」のこと。
直訳すると「朝に気分が悪くなること」ですね。
経験者の立場で言うと、別につわりは朝だけではないように思うのですが、なぜか英語では morning 「朝の」という形容詞がつきます。
I get という現在形は「習性」を表す感覚で、「私は夜につわりがあるタイプなの」という感じでしょうか。
つわりが morning sickness であるために、「(ちょっと不思議なんだけど)私は夜に朝の吐き気があるタイプなのよね」みたいなニュアンスに聞こえるのが面白いわけです。
結局、そのオペラの時間帯である夜は、つわりがひどいんで無理だわ、と断っていることになります。
その後、何か思いついたように、Unless! と叫んでいます。
こういう付け足す形の unless はフレンズにこれまで何度も登場しました。
unless は「もし…でなければ、もし…なら話は別だけど」という意味でしたね。
この場合だと、彼女が…したいなら話は別、つまり、彼女が…したいのなら、私はその彼女との約束を引き受けることができる、ということです。
spend the night holding... は「…を持ってその夜の時間を過ごす」ですから、「一晩中…を持つ」みたいなことですね。
hold my hair back for me は「私のために、私の髪を後ろに持つ、とどめる」で、フィービーの長い髪の毛を後ろで持っていてくれる、ということのようです。
この部分、漠然としているのでわかりにくいですが、これは恐らく、夜のつわり、吐き気がひどくて、下を向いて吐く時に、髪の毛が汚れないように長い髪の毛を後ろで持っていてくれると助かる、みたいなことかなと思いました。
髪の毛をアップにするとか、ポニーテールみたいに束ねるとかしておけばいいじゃん、というツッコミも可能ですが(笑)、つわり、髪の毛を後ろに持つ、という流れだと、そういう可能性が高い気がするのですね。
これだとどの道、オペラを鑑賞するどころの話ではないですが、とにかくその姪っ子の相手をして、時間を過ごさないといけないとしたら、私の髪の毛をそうやって押さえていてくれると助かるから、彼女に一晩中そうするつもりがあるといいんだけど、ということでしょう。
ちなみに、この話をする間、フィービーはスナック菓子をポリポリ食べています。
また、釣り旅行から帰ってきたジョーイが長い間お風呂に入っていないなどの理由で悪臭を放っていたのに、それに対して吐き気を催すようなこともありませんでした。
その様子を見ていると、こんなに昼間ケロっとしているのに、夜になるとそんなにつわりがひどいなんてほんとかなぁ?と思いたくなりますね。
でも「夜だけつわりがひどい」というのが事実であれば、昼間平気であってもおかしくない、とも言えるのですが…。
いずれにしても、今はそんなに大変そうに見えないのに、「夜はつわりがひどくて」という理由で断っている、ということですね。
(Rach からのお願い)
このブログを応援して下さる方は、下のランキングサイトをクリックしていただけると嬉しいです。
人気ブログランキング
にほんブログ村 英語ブログ
皆様の応援クリックが、とても励みになり、ブログを続ける大きな原動力となっています。心より感謝いたします。
2009年12月16日
この記事へのコメント
コメントを書く