2009年12月22日

アパートとフラット フレンズ4-14その3

上司ウォルサムさんの姪(エミリー)と一緒にオペラを見る約束をしてしまっているレイチェル。
同じ晩に、ジョシュアと一緒にクラブのパーティーに行きたいレイチェルは、何とかロスを説得し、結局、ロスがそのエミリーの相手を引き受けることになります。
そのエミリーがレイチェルたちの部屋にやってきました。
レイチェル: There's been a teeny-teeny change of plans. It turns out I'm not free tonight. So.... (ちっちゃなちっちゃなプランの変更があるの。私は今夜、予定が空いてないことがわかったのよね、それで…)
エミリー: Really? Well, that's just lovely, isn't it? I must've missed your call, even though I didn't leave the flat all day. (ほんとに? まぁ、それは素敵ね、でしょ? 私はきっとあなたの電話を聞き損ねたに違いないわね。私は今日一日、アパートを離れなかった[一歩も出なかった]けれど。)

teeny は「ちょっとした」。
今回は、teeny-teeny と言っていますが、teeny-tiny という表現もありますね。
プランの変更があるんだけど、それはほんとにささいな、ちっちゃな変更なのよ、と言って、ことの重大さを隠そうとしている感じです。

「私は今夜予定が空いてない」というレイチェルの発言を、「今日、私は用事があってあなたとの約束は果たせないの」であると瞬時に気付いたエミリーは、間髪入れずに、「まぁ、それは素敵…」とすごい勢いで話し始めます。

I must've missed your call は 「must+現在完了形」で、「…したに違いない」ですね。
even though は even if 「たとえ…だとしても」という意味もありますが、この場合は「(実際は)…だけれども」というニュアンスです。

flat は「共同住宅」のことで、アメリカ英語で言うところの、apartment を指します。
イギリス英語では、apartment とは言わずに flat と言うのですね。
エミリーはイギリス人なので、イギリス風の単語を使っているということです。
アメリカ英語とは異なる特徴的なイギリス英語をわざと盛り込んで、いつものフレンズたちのようなアメリカ人ではなく、イギリスから来た女性であることを強調する、という脚本上の意図もあるのかもしれませんね。

また、彼女の発音も「いかにもイギリス英語」という感じです。
いつも聞いているフレンズたちのしゃべり方とは明らかに違います。

「部屋を出なかったのに、電話を聞き損ねたに違いない」というのは、レイチェルに今日予定があって、一緒にオペラを見ることができないって言うのなら、普通はまず電話で連絡して来るものよねぇ、と言いたいのです。
電話で連絡もして来ないで、わざわざここまで足を運んだ私に、この場で「やっぱり無理なの」って言うなんて、あまりにも失礼でしょ!と怒っているわけですね。


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posted by Rach at 11:04| Comment(6) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん
ご無沙汰しています。
イギリス英語とアメリカ英語は本当に違いますよね。僕の職場にもアメリカ留学経験者(僕を含みます)とイギリス留学経験者がいるのですが、やっぱり言い回しや、ちょっとした単語の使い方、イントネーションが違いますよね。アメリカ留学経験者の間ではやっぱりアメリカ英語の方が聞きやすいみたいです(僕もその口です)。
国際学会に行くと英米だけでなく、オーストラリアやニュージーランドといった英語圏だけでなく、東南アジアやヨーロッパ大陸、中南米、アフリカといった英語を第二外国語とする人たちと英語で話をする機会が多くなります。こんな時は、本当に英語かなぁという英語もたくさん聞きますし、逆に自分の英語が少々間違っていても、臆することなく話をすることの方が大事なんだなと痛感します。
とりとめなく書いてしまいましたが、日本語みたいに英語も地域性があるってことですよね。
なんだか変なまとめ方でごめんなさい。
それでは。
Posted by ほんだ at 2009年12月24日 00:44
Rachさん、
there is also the phrase- teeny weeny!

http://www.google.co.uk/dictionary?aq=f&langpair=en%7Cen&hl=en&q=teeny-weeny
Posted by Elliott at 2009年12月24日 05:13
私、このストーリー大好きです!
いかにもというイギリス英語が聴けますし♪
今年も楽しいためになる記事をありがとうございました!
来年もぼちぼちですが、フレンズで頑張ります。
Posted by Emi at 2009年12月25日 18:48
ほんださんへ
こちらこそご無沙汰しています。
イギリス英語とアメリカ英語はかなり違いますよね。私はアメリカ英語に耳が慣れているので、イギリス英語だとものすごく気になってしまいます。慣れた方が断然聞き取りやすいのは間違いないですよね。

学会などに行かれると、実にたくさんの「各国の特徴が出た英語」に触れることができるでしょうね。まずは自分の意見を伝えることが先決なので、細かな間違いなどは気にせずに、意見をきちんと述べることができる能力が求められることになるのでしょう。言葉を発しないことには、コミュニケーションが成り立ちませんものね。


Elliottさんへ
情報ありがとうございます。
teeny-teeny, teeny-tiny 以外に、teeny-weeny もあるのですね。音のイメージからも、日本語で言うところの「ちっちゃい」という感じがにじみ出ているような気がします。


Emiさんへ
今回のエピソードも面白いですよね。おっしゃる通り、エミリーの英語は「いかにもというイギリス英語」です。

こちらこそ読んでいただいてありがとうございました。お互い、来年も頑張りましょう!
Posted by Rach at 2009年12月29日 15:24
この時期になると、あの正月を思い出します。あれから何年でしょうか。 この Flat ですが、アメリカで普通に使っていた気がします。 地方によっては使うのでしょうかね。 携帯からはちょくちょく見てますよ。 更新の間隔があいてきているので、ちょっと心配になってコメントしてみました。

Posted by F at 2010年01月16日 00:55
Fさんへ
あれからもう2年くらいになるでしょうか。月日の経つのは早いものです。
flat に関しては、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも、
flat [noun]
5. British an APARTMENT
と出ていたのですが、アメリカで使う人もいるし、もちろんアメリカ国内でも問題なく通じる、ということなのでしょうね。

また、拙ブログを見て下さっているとのこと、ありがとうございます。ここしばらく更新の間隔があいてしまっていますが、徐々に元のペースに戻していくつもりです。ご心配いただき、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2010年01月19日 07:08
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