ロスがイギリス人女性エミリーと夜の街をデートしていたところ、エミリーの友人であるイギリス人男性2人(リアムとデボン)に出会います。
その男性がスポーツのユニフォームのようなものを着ているのを見て、
ロス: So uh, what, were you guys playing soccer or someth-- or should I call it (In an English accent) "football"? (それで、その、君たちはサッカーか何かをプレーしてたのかな? …いや、こう呼ぶべきかな [イギリス風アクセントで] 「フットボール」?)
デボン: We were playing rugby. (僕らはラグビーをしていたんだ。)
リアム: In fact, we're playing a game at the park tomorrow. You're welcome to play too if you want. (実は、明日、公園で試合をする予定なんだ。君が望むなら、君も自由にプレイに参加していいよ。)
エミリー: (laughs) Ross play rugby? I don't think so. ([笑って] ロスがラグビーをする、ですって? 私にはそう(ロスがラグビーをするとは)思えないわ。)
ロス: What's ah, what's so funny about that? (僕がラグビーをすることの、何がそんなに面白いんだよ?)
エミリー: Well, I mean, you're American, to start with. You don't even have rugby here. (そうねぇ、だって、そもそもあなたはアメリカ人だもの。ここ(アメリカ)にはラグビーはないでしょ。)
ロス: Well, we didn't have freedom here until 1776 either, so…. (そうだねぇ、ここ(アメリカ)には、1776年までは自由もなかったんだ、だから…)
イギリス人男性の着ている服がサッカーのユニフォームだと思ったロスは、「サッカーでもしてたの?」と尋ねていますね。
その後、「あぁ、君たちはサッカーじゃなくて、フットボールって呼ぶんだっけ?」と言い直しています。
イギリスでは日本で言う「サッカー」のことを football と呼ぶのですね。
アメリカで、football と言えば、American football のことになります。
相手がイギリス人なので、そういう呼び名の違いを使って、「あぁ、君たちの国では、フットボールって言うんだよな?」と言っているわけです。
その後のセリフから、二人の男性がしていたのは、サッカーではなく、ラグビーであることがわかります。
be welcome to は「自由に…してよい」ですね。「…するのはウェルカムだよ」と言ってもわかりそうな感覚ですね。
「良かったら一緒にどう?」みたいにロスが誘われたのを見て、エミリーは「ロスがラグビーですって!?」みたいに驚き、笑っています。
似合わない、イメージが違う、あり得ない、という感じですね。
「ロスがラグビーなんて…」と笑われたのでムッとしたロスは、僕がラグビーすることの何がおかしいんだ? 僕がラグビーをしたら変だって言うのか?とエミリーに尋ねます。
エミリーの答えた理由は、「あなたはアメリカ人だし、アメリカにはラグビーという競技がないでしょ」ということ。
to start with は「まず第一に」。to begin with とも言いますね。
You don't even have rugby here. の here は、エミリーの故郷イギリスではなく、「ここアメリカでは」という感覚。
ここアメリカでは、あなたたち(アメリカ人)はラグビーを持っていない、というのはつまり、「ここアメリカにはラグビー(というスポーツ)が存在しない」ということ。
even がついているのは、「ラグビーという競技がありさえしない、存在さえしない」という感覚で、いつもラグビーをやっているこの人たちとラグビーするどころか、ラグビーをした経験さえない、ルールも全然知らないでしょ、という感じでしょう。
You don't have... と言われたロスは、同じように、We didn't have... を使って、「君はアメリカにはラグビーがない、っていうけど、昔は…もなかったんだ」と言っています。
We didn't have freedom here until 1776 either. は、「1776年まではここアメリカには自由もなかった」。
1776年と言えば、アメリカ独立宣言の年ですね。
アメリカはイギリスから独立したので、「アメリカにはラグビーがない、って言われたけど、君たちの国イギリスから独立するまでは、この国には自由もなかったんだよ」と、イギリス人である彼らに対して、皮肉を言っている、ということです。
相手がイギリス人だから、イギリスからの独立である独立宣言のネタを使うのが皮肉としてはより効果的ということでしょう。
1776年のアメリカ独立宣言は日本人も歴史(世界史)で習う事柄なので、それを知っていれば日本人にもわかりやすいジョークになりますね。
(Rach からのお願い)
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私は、夫の仕事について渡米し、半年が経つ3児の母です。
私もどこかでフレンズが英語学習にいい、と聞いて、こちらに来てから見始め、すっかりはまってきました。とっても詳しい解説で参考になります。
これからお世話になると思いますのでよろしくお願いします!
レイチ素敵ですよね。・・・そこからのHNですよね?
今週の女性週刊誌の表紙はほとんどレイチ&ブラピが飾ってますよ。
ところで、聞けるようになる、TOEIC900点となると、やはり話すこともスムーズにできるものでしょうか?
私は、ようやく耳が慣れてきたように思うのですが、なかなかスムーズに話すことができません。
この学習法を究めればいずれ話せるようにもなりますか??
教えてください。
はじめまして。参考になると言っていただけて光栄です。ありがとうございます。
お察しの通り、HNの Rach(レイチ)は、Rachel の Rach です。
レイチェルがとっても可愛くて大好き、というのは理由の一つとしてあるのですが、実はレイチェル役のジェニファー・アニストンと生まれた年が同じ1969年である、というのも理由の一つだったりします。
ブランジェリーナが破局か?というニュースは日本でも話題になっていますので、アメリカでは大騒ぎなんでしょうね。
さて、ご質問の件ですが、耳が慣れてくると、話す際にも効果は出てくる、ということは言えると思いますが、かなり聞けるようになってからでも、話すのはなかなかスムーズにはいかない、というのが本当のところだろうと思います。子供が言葉を学ぶのと同じで、まずは「聞けるようになる」方が先で、その後、聞くことから学んだ言葉を自分で徐々に使っていくようになるということでしょう。
私の場合、「聞く、読む」には自信がついてきて、「書く」のもまぁそれなりに書ける気がする、という自負もあるのですが、「話す」のがペラペラかというと、自分ではよくわかりません。ただ、間違いなく言えるのは、今のようなドラマを使った英語学習をする前に比べたら、「話す」スキルも上達してきたのがわかる、ということです。
スムーズに話すには、「英会話とはどういうものか?」を体感していなければいけないと思っていて、それにはドラマで学ぶのが一番効果的だと思っています。昔、英会話学校に通おうかな、とチラッと考えたこともあったのですが、今は思わなくなりました。多分、今のままDVDなどを使ってドラマの会話を学んでいく方が効果的である、という確信が持てたからでしょう。
自分から言葉を発信する場合は、「どういう状況でどういう言葉を使うか」という「使いどころ」を知っておく必要があります。ドラマは状況が目に見えるので、その「使いどころ」がわかりやすいのもいいですね。ドラマで学んで「いいな」と思ったフレーズを積極的に会話に入れていって、何度か使うことで自分の言葉にしていけたら、おのずと会話もスムーズになってくるだろうと思います。
そもそも日本で生活している以上、英語で話す機会などほとんどありませんしその必要もありません。私は仕事で英語を使いますが、読み書きができれば十分です。それと聞く力があれば、日本にいながら、洋画やDVDで英語を楽しむことができます。
「英語しゃべれますか?」とは言っても、「英語聴けますか?」とはあまり耳にしません。英語の楽しみ方は人それぞれですが、私は、聴くことができれば、十分楽しめると考えています。
私もフレンズのDVDを何枚か持ってますが、Rachの解説は参考になります。これからも長く続けてください。マイク松谷
はじめまして。
にほんブログ村のランキングでお名前は存じ上げておりました。このようにコメントをいただけて光栄です。ありがとうございます。
おっしゃるように独学派にとっては「英語を話す」ことは難しいですよね。日本にいると、職場にネイティブスピーカーがいるなどの場合以外は、話すチャンスがないですものね。
私も英語を話さなければいけない必要は全くない生活をしています。32歳くらいから英語のやり直し学習を始めたのですが、それもまずは「英語の映画やドラマをそのまま理解できるようになりたい」という気持ちからでした。読み書きができるだけでも十分世界は広がりますよね。
私の解説を参考になると言っていただけて光栄です。これからも頑張ります。マイク松谷さんも貴ブログを長く続けて下さいね。