エミリーの友人であるイギリス人男性たちと公園でラグビーをする約束をしてしまったロス。
二人のうち一人はエミリーの元彼なので、ロスは闘志を燃やしています。
ロス: Well, you should've seen the guy that she used to go out with. I mean, he's like "Joe Rugby."! (そうだな、彼女が以前に付き合っていた男を君らも見るべきだったね。ほら、彼は「ジョー・ラグビー」(みたいな感じ)なんだよ。)
フィービー: You're kidding! And he plays rugby? That's so funny! (Realizes) Oh, I see. You did that. All right. (冗談でしょ! それでその彼はラグビーをやってるの? それってすごく面白い! [気づいて] あぁ、わかった。そういう意味で言ったのね。わかったわ。)
ロス: Anyway, she thought the very idea of me playing rugby with him was like hilarious. So I'm gonna show her how tough I really am. (とにかく、僕が彼とラグビーをするっていう(まさに)その考えが、笑っちゃうようなことだって彼女は思ってたんだ。だから、僕は僕が本当にどれほどタフかってことを彼女に見せるつもりだよ。)
レイチェル: (starts laughing, Ross stares at her) I'm sorry. I'm sorry. You're right, you are a tough guy. You're the toughest palaeontologist I know. ([レイチェルは、フフフ…と笑い始める。ロスはレイチェルをじっと見る] ごめんなさい、ごめんなさい。あなたの言う通りよ、あなたはタフな男だわ。あなたは私が知ってる(中で)最もタフな古生物学者よ。)
エミリーの元彼はがっしりした体格だったので、ロスは彼のことを Joe Rugby と表現しています。
典型的なアメリカ人男性Joe フレンズ3-12その21 でも説明しましたが、Joe というのは「典型的なアメリカ人男性」を表す名前です。
今回の彼はイギリス人ですが、男性によくある名前である Joe を使って、「ミスター・ラグビー」「ラグビー太郎(?)」みたいに、いかにもラグビーやってます!みたいな男なんだよ、と表現しているわけですね。
フィービーがそれを聞いて笑っていますが、フィービーは彼が「ジョー・ラグビー」という名前、つまり名字がラグビーさんだと思って、「ジョー・ラグビーって人が実際にラグビーをやってるの? 面白い!」と喜んでいます。
しばらくしてから、それが本当の名前でないと気づいていますね。
アメリカでは典型的な男性名として Joe を使うことが多いので、それに気づかず本当の名前だと思った、というのは、いくらフィービーがトンチンカンなことを言う人であっても、ボケとしてちょっと無理があるような気もしますが、日本人の場合だと、本当にそれが彼の名前だと思ってしまう可能性は大いにあります。
エミリーに「ロスがラグビーですって?」みたいに笑われたのをロスはずっと気にしているようで、僕がタフなところを見せてやると意気込んでいます。
その後のレイチェルのセリフが面白いですね。
タフだと言ったロスを笑った後、You are a tough guy. You're the toughest palaeontologist I know. と言っています。
最初のセリフは、「あなたはタフな男だわ」でいいのですが、その次が、「私の知っている(中で)最もタフな古生物学者」になっています。
You're the toughest guy in the world とか、You're the toughest guy I've ever seen とか、You're the toughest guy I know とかなら、「世界で最もタフな男」「私が今まで出会った最もタフな男」「私の知ってる最もタフな男」となり、彼のタフさを認めたセリフになるのですが、実際にレイチェルが言ったのは、the toughest guy ではなく、the toughest palaeontologist 「最もタフな古生物学者」。
レイチェルの中では、古生物学者とスポーツマンというものが結びついていないでしょうから、そういうあまりスポーツが得意でない職業の人の中で、あなたは最もタフだわ、と言っているのですね。
実際の話としては、古生物学者でなおかつすごいスポーツマンという人もいるでしょうから、そこにせめて in the world がついていれば、「世界で最もタフな古生物学者」となって、それはそれで名誉なことかもしれません(笑)。が、レイチェルは the toughest palaeontologist I know と言っています。
私の知ってる古生物学者の中で最高にタフ、という意味になるのですが、元彼のロスが古生物学者だったからと言って、古生物学者そのものに興味のなさそうなレイチェルが、ロス以外の古生物学者をたくさん知っているとも思えません。
もう少しありふれた職業名ならその職業の人をたくさん知っていることになり、その中で最高というのは褒め言葉になりますが、古生物学者はそんなにあちこちで遭遇する職業ではありませんね。
「私の知ってる中で最高にタフな古生物学者」と言っても、レイチェルは古生物学者をロスしか知らないので、それでは全然褒め言葉になっていない、ということです。
guy ではなく、palaeontologist と限定した上、さらに、I know 「私の知ってる」とさらに範囲を狭めた結果、比較する相手がいない状態で最高にタフだと言っていることになるのですね。
(Rach からのお願い)
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最近、更新頻度の間隔が長くなっているので勝手に心配しています。お忙しいだけならいいのですが。。。
以前、Joeについて書き込んだときに言い忘れたと思ったことがありました。再びチャンスが回ってきたので、書き込みさせていただきました(笑)
cup of Joeでコーヒーのことを指すそうです。英辞郎にも載っていますよ!自分はCNN English Expressで知りました。日本語にはない発想ですよね。
お久しぶりです。ご心配いただき、ありがとうございます。
徐々に元のペースに戻りつつありますので、また今後ともよろしくお願いいたします。
アメリカの俗語で、joe は coffee を意味するんですよね。
LAAD にも載っているのですが、残念ながら語源は書いてありません。
フレンズ1-8その5
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470057.html
に、Java Joe's というお店の名前が出てきたので、私はその時に、joe = coffee だということを知りました。
Java Joe's は「ジャワのジョーの店」という名前に聞こえつつ、java も joe も「コーヒー」という意味があるので、Java Joe's は「コーヒーハウス」の名前であることがわかる仕組みになっているようです。
モニカのおばあちゃんがいつも友達と過ごしていた店 Java Joe's がコーヒーハウスであることがわかって、モニカのおばあちゃんも、モニカたちフレンズと同じような日々を過ごしていたことがわかるというシーンでした。
「へぇ、そういう意味があるんだ」という「それを知った時の驚き」の記憶があると、なかなか忘れませんよね。