2010年02月24日

butとhowever フレンズ4-16その5

ジョシュアはレイチェルを好きだと言います。今夜の君はとんでもない行動ばかりしていたけどね、とも言われたレイチェルですが、
レイチェル: But, but you like me? Oh, my God, I can't believe this. All this time, I liked you and you liked me! (でも、でも、あなたは私が好きなのね? なんてこと。こんなの信じられないわ。今までずっと、私はあなたが好きで、あなたは私が好きだったのね!)
ジョシュア: But.... (でも…)
レイチェル: Oh, no-no-no "but." No-no, "but" is never good. Just let's leave it at "I like you and you like me." (あぁ、なし、なし、but はナシよ。but は良くないわ。ただ、「私はあなたが好きで、あなたは私が好き」にしておきましょ。)
ジョシュア: Okay uh, however-- (わかった。じゃあ、しかしながら…)
レイチェル: No, now see that's a fancy "but." (だめよ。ほら、それは but の上等な形なだけだわ。)
ジョシュア: My marriage, like, just ended. And I'm really not ready to get into anything yet. (僕の結婚は、ほら、ちょうど終わったばかりなんだ。だから、何かの関係に入る準備がまだ全く出来ていないんだよ。)
レイチェル: But...? (でも…?)
ジョシュア: I'm sorry. I, I just need a little time. (ごめんよ。僕にはただ、もう少し時間が必要なんだ。)
レイチェル: Okay. (わかったわ。)

ジョシュアに I like you. と言われて喜ぶレイチェル。
ですが、ジョシュアは、But.... と逆接で繋げて、何かを言おうとします。
I like you, but.. 「君のことは好きだけど、でも…」と来ると、次にどんなセリフが来るかは、日本語でも想像がつきますよね。
そんなセリフ聞きたくない、とばかりに、but はやめてと言うレイチェルの気持ち、よくわかります。
leave it at は「…のままにしておく、…でやめておく」という感覚。
leave it at that 「そのくらい、その辺にしておく」というフレーズもよく使われますね。
Let's leave it at that. だと「そのくらいにしておきましょう、そういうことにしておきましょう」という意味になります。
レイチェルのセリフは、but とか言わないで、"I like you and you like me." 「私はあなたが好きで、あなたは私が好き」という相思相愛状態のままで置いておきましょ、せっかくのその素敵な状態をぶち壊すようなことは言わないで、という気持ちですね。

but はダメと言われたので、ジョシュアは今度は、however を使っています。
皆さんご存知の通り、これも、逆接ですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、however には、S2, W1 という記号がついています。
LAAD の説明によると、
S1 S2 S3 show which are the most frequent 1000/2000/3000 words in spoken English.
W1 W2 W3 show which are the most frequent 1000/2000/3000 words in written English.

ということなので、however は、話し言葉では S2、つまり、「話し言葉の頻出2000語」に入っており、書き言葉では W1、つまり、「書き言葉の頻出1000語」に入っているということになります。
ですから、話し言葉でも使われるけれども、書き言葉で使われることの方が多い、ということになり、but よりもフォーマルな感じがする単語だということになります。

また、LAAD の but の項目に、WORD CHOICE というのがあります。
そこで、but と however の違いについての説明があります。

一部抜粋しますと、
But is very frequent in spoken English, ...
However is used especially in more formal writing, ...

つまり、but は口語で非常に頻繁に使われる、however は特に、よりフォーマルなライティングで使われる、という違いですね。

上に挙げた LAAD の S2, W1 などの記号や WORD CHOICE というコラムについては、
日向清人先生のビジネス英語雑記帳: (4)英英辞典:LAAD の記事で、具体的な単語例を挙げて、さらに詳しく説明して下さっていますので、皆様も是非お読みになって下さい。

今回も、ジョシュアは会話でよく使われる but を使ったのですが、but の使用を拒否されたので、but の代わりにもう少し堅めの表現 however を(ちょっとユーモアも交えて)使ってみせた、というところです。
言葉を変えながらも、同じ逆接の単語を使った(ちょっと)いじわるなジョシュアに対して、レイチェルは、「however は、a fancy "but" にすぎないわ」と言っています。
fancy は「派手な」「上等な」などの意味がありますが、この場合は「上等な」というニュアンスでしょうね。
口語で普通に使う軽い言葉の but ではなく、書き言葉の方でより多く使われる、but よりフォーマルな however のことを、「それは、but にちょっと高級感を出してみただけの単語じゃない。結局それも but と同じじゃない」と言っているのですね。

ジョシュアは、My marriage, like, JUST ended. と just を強調して話しています。
たった今、結婚という関係が終わったばかりなんだよ、ということが言いたいのですね。
終わったばかりで、次の関係に入る心の準備ができていない、と説明しています。
それを聞いて今度はレイチェルが、But...? と続けているのが面白いです。
そうは言うけど、その後に but は続かないの?とうながしている感じ。
さっきは、自分で but を封印したくせに、今度は「心の準備ができていない」と言ったジョシュアに、「でも君を見ていたら、新しい関係に踏み出せそうな気がする」などの、交際に前向きな返事が続くことを期待する but ですね。
でも、レイチェルの期待通りに、今度は but が続くことはなく、「ごめん。僕には時間が必要なんだ」とはっきり言われてしまったので、ここまで言われてしまうと、レイチェルも、Okay. と受け入れざるを得ないところです。


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posted by Rach at 11:08| Comment(0) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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