シーズン4 第18話
The One with Rachel's New Dress (レイチェルのセクシードレス)
原題は「レイチェルの新しいドレスの話」
ロスがイギリス人女性エミリーと自分の部屋で過ごしている時、キャロルとスーザンがやってきます。
キャロルとスーザンは、エミリーと初対面なので、挨拶を交わした後、
キャロル: Ohh, y'know, Susan's gonna be shooting a commercial in London next week. (ああ、ほら、スーザンは来週、ロンドンでコマーシャルを撮影する予定なのよ。)
スーザン: Oh yeah, I'm so excited, I've never been there. (ええ、そうなの。とってもワクワクしてるわ。イギリスには一度も行ったことがないから。)
エミリー: Oh, well, I'll show you around. (まあ、そうなの。私がその辺りを案内するわ。)
スーザン: That would be great! Also, uh, I was hoping to catch a show so if you can make any suggestions.... (そうしてもらえると最高だわ! それに、あの、舞台も見たいなと思っていたのよ。だから、もしお勧めがあるのなら…)
エミリー: Oh, there's tons of terrific stuff. I'll go with you. (ああ、すばらしいものがゴマンとあるわよ。私があなたにご一緒するわ。)
スーザン: Ahh! (まあ!)
(Ross accidentally, on purpose, bumps into Susan.)
ロスは、偶然を装って故意に、スーザンにぶつかる。
ロス: Look at you two bonding. Making us late for the airport so.... (君ら二人の仲良くなる様子と言ったら。僕らが空港に行くのが遅くなるから(だからそろそろ)…)
エミリー: Are you all right? ([ロスの様子が妙なのに気づいて] あなた、大丈夫?)
スーザン: Oh, he's fine. He's fine. It's just that us getting along is difficult for him, because he doesn't like me. (あぁ、彼は大丈夫。大丈夫よ。ただ、私たちが仲良くなることが彼にとってはつらいだけよ。だってロスは私のことが好きじゃないから。)
ロス: Oh, come on! That's.... It's true. (ああ、よしてくれよ! そんなの…事実だ。)
shoot は「撮影する」なので、shoot a commercial は「コマーシャルを撮影する」。
shoot a film なら「映画を撮影する」ですね。
I've never been there. は「そこ(ロンドン)に(これまで)一度も行ったことがない」。
have never been は「be 動詞の現在完了形(have been)を never で完全否定した形」です。
be 動詞のニュアンスを出して訳すと、「(そこに)いたことがない」ということですね。
イギリスは初めて、というスーザンの話を聞いて、エミリーは、I'll show you around. と申し出ています。
ロンドンのその辺りを私が案内してあげるわ、ということですね。
それを聞いてスーザンは、That would be great! と答えています。
この would は、「もしあなたが私を案内してくれるのなら[案内してくれるとしたら]、それはとても素晴らしい」という「仮定」の意味が入っています。
直接的な That's great! 「それって最高だわ!」ではなく、That would be great! (That'd be great!) と would を挟み込むことで、「もしそうしてもらえたら嬉しい、ありがたい」という気持ちが込められるのですね。
英語の助動詞は、そういう細かいニュアンスを出すために英語で頻繁に使われますが、ノンネイティブの日本人には使いにくい部分でもあります。
自分で英語を発信する場合、would や could などを自然に使いこなせるようになれば、ある意味、一人前とも言えますね。
まずはこういう決まり文句である、That would be great! などから使ってみるように心がけ、そういう気持ちを表す助動詞 would などのニュアンスを掴んでいくようにすべきかな、と思います。
エミリーが好意的な提案をしてくれたので、スーザンはさらに、自分が思っていたことを口にします。
ここでも、I was hoping to... のような「過去進行形」を使い、「私はこう願っていたんだけど」という「距離感」を出して、自分の希望を遠回しに述べています。
こういう過去進行形のニュアンスは、I was wondering if you could... などと同じですね。
今回初対面で、まだ親しくない間柄のスーザンとエミリーなので、スーザンはエミリーに対して失礼にならないように、そのような表現を使っているということです。
そういうスーザンの希望を聞いて、「それじゃあ私が…するわ」という場合に、エミリーは、I'll show you around. I'll go with you. のように will を使っていることにも注目しましょう。
これは、スーザンの話を聞いて、今、そうしようと思った、ということですね。
will と be going to は、日本人英語学習者の間では同じような意味として認識されることも多いですが、ここで、be going to を使ってしまうと、元々そうするつもりであったニュアンスになってしまいます。
電話やドアホンが鳴って、I'll get it. 「私が出るわ」と言うのと同じで、今、聞いたことに対して、自分がそうしようと思う意思を示す場合は、必ず will でなければいけないのですね。
ト書きの、accidentally, on purpose は「偶然を装って(その実、)故意に」。
うっかり壊してしまう フレンズ1-1その5 でも説明しました。
スーザンがエミリーと意気投合しているのを見て面白くないロスは、何かのはずみでぶつかったように装いながら、二人の会話を止めようとしたのです。
Look at you two bonding. を直訳すると、「君ら二人が結びついている[絆(きずな)を深めている]のを見てよ」ということで、「君らがそんな風に、絆を深め合っている様子と言ったら(すごいよね)。君らは今すっかり、意気投合中だよね」のように、二人が bond している様子に感心しているニュアンスです。
エミリーを空港に送っていかないといけない、という理由を使って、「そんな風に長々とおしゃべりしてたら、僕とエミリーが空港に遅刻することになるから」と言って、二人の話を切り上げさせようとしています。
スーザンたちが来る前は、「まだ17分あるから2回は(エッチが)できるよ」(笑)などとエミリーに言っていたのに、今は空港に行くのを急き立てるので、エミリーは何か変だなと思ったようです。
それで、Are you all right? 「ロス、あなた様子が変よ。大丈夫?」と言っているのですね。
スーザンはロスの気持ちをわかっていて、「ロスは別に変じゃなくていつも通り。私たちが仲良くなるのが気に入らないだけなのよ」と説明しています。
It's just that... は「ただ…なだけである」。
us getting along is difficult for him は、「私たちが仲良くなることは、彼にとって困難である[難しい、つらい]」。
us は、動名詞 getting (along) の意味上の主語ですね。
書き言葉では動名詞の主語は所有格(our)になることが多いですが、口語の話し言葉では、このように目的格(us)を使うことが多いです。
フレンズのセリフでも、動名詞の主語はたいてい目的格ですね。
スーザンとエミリーが仲良くなるのが面白くないのは、ロスが私(スーザン)を嫌いだからよ、とスーザンは自分で説明しています。
ロスの元妻キャロルの現在の(レズビアン)パートナーであるスーザンは、ロスにとっては天敵で、自分の妻を奪った女性(!)が、現在の恋人であるエミリーと意気投合しているのは面白くない、ということです。
ロスは、「なんてこと言うんだよ、そんなこと言うのよしてくれよ!」みたいに、Come on! と言っていますが、結局、It's true. 「それはほんとだ。ほんとのことだ」とあっさり認めているのもロスらしいですね。
(Rach からのお願い)
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2010年03月15日
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