2010年04月03日

もっとからかって欲しいの? フレンズ4-19その3

元の部屋を返してくれるなら、ニックスのシーズンチケットをあげる、と女性陣に言われたチャンドラーとジョーイですが、それをチャンドラーは断ります。
ですが、ジョーイはまだチケットをあきらめきれません。
ジョーイ: Come on. Season tickets! Season tickets! You know what that means? (なあ、シーズンチケットだ! シーズンチケットだぞ! それがどういう意味かお前もわかってるだろ?)
チャンドラー: Forget it. Okay? I'm not giving up the apartment. (もう忘れろよ、いいか? 俺はあの部屋を手放すつもりはないんだ!)
ジョーイ: Oh, come, look, when I was a kid, my dad's company gave season tickets to the No. 1 salesman every year, all right? My dad never won. Of course, he wasn't in the sales division. But still, I never ever, ever forgot that! (あぁ、なぁ、俺が子供の頃、俺のパパの会社は、毎年ナンバーワンのセールスマンにシーズンチケットをあげてたんだよ。俺のパパは一度もそれを勝ち取ることがなかった。もちろん、パパはセールス部門にはいなかったんだけどね。でも、それでも、俺は絶対に絶対にそのこと(シーズンチケットをゲットできなかったこと)を忘れなかった!)
ロス: (entering) Hey, guys! (They both notice his new little friend) ([セントラルパークに入ってきて] やあ、みんな! [チャンドラーとジョーイは二人とも、ロスの新しい小さな友達(ロスがしているイヤリング)に気づく])
ジョーイ: Hey! (おい!)
チャンドラー: Oh, my God! (何てこった!)
ジョーイ: We don't make enough fun of you already? (俺たちがお前をバカにするの、まだし足りないのか?[もっとバカにして欲しいのか?])

ニックスの大ファンであるジョーイはまだチケットにこだわっています。
今の広くてきれいな部屋を交換する、手放すつもりはない、というチャンドラーに、ジョーイは自分の子供の頃の話を聞かせます。
彼のパパの会社では、ナンバーワンの成績だったセールスマンは、シーズンチケットがもらえる、という制度になっていたのですね。
パパはそれを一度ももらったことがなくって…と言うのですが、その後、付け足しのように、「もちろんそれは、うちのパパがセールスマンじゃなかった、営業部門の人間じゃなかったから、当然なんだけど・・・」と言っています。
still 「それでもなお」、パパの会社で成績の良かった人はそういうのがもらえるって知って、すごくうらやましかった、ずっと俺は悔しい思いをしてたんだよ、その夢が今、叶おうとしてるんだよ!と言って、チャンドラーを説得しようとしているのですね。

ナンバーワン・セールスマンはシーズンチケットを貰えた…という話を聞いたあたりで、フレンズに詳しい人は、「ジョーイのパパはセールスマンじゃなかったはず…」とピンと来た方もいるかもしれません。
ジョーイのパパは、配管工(plumber)だという話は、配管工plumber フレンズ3-10その22 のセリフに出てきましたよね。

ロスは耳にイヤリングをして入ってきます。
ト書きでは、そのイヤリングのことを his new little friend と書いてありますが、見慣れないものをつけているので、そんな風に表現しているのですね。

このエピソードの最初の方で、エミリーに勧められてイヤリングをつけるようになったことが説明されるシーンがあります。
後のセリフでは、I got my ear pierced. 「僕は耳に(ピアス用の)穴を開けた」というセリフも出てきます。
ちなみに、日本語では耳にあけた穴に通して付けるイヤリングのことを「ピアス」と言いますが、英語ではそれは earring (または、pierced earring )と言うようです。
そういうピアス用のイヤリングを指す場合は、「ピアス」だけでは通じないみたいですね。
pierce は「・・・を突き通す、…に穴をあける」という動詞なので、ああいう形状のイヤリングそのものは指さないということです。

We don't make enough fun of you already? は現在形の否定形。
We make enough fun of you already. 「俺たちは、もうすでに、お前を十分バカにしている、笑い者にしている」という現在形を、否定した形です。
「もうすでに、お前のことを、十分笑い者にしてると思うけど、まだ十分じゃないの?」みたいなニュアンスですね。
「まだからかい足りないかな?」みたいな感じでしょう。

友達のロスに対しては、友達である気安さから、いろんなことでこれまでからかってきたけど、またそんな、からかいの対象になるようなもの(ピアスのイアリング)を付けて登場するなんて、お前は俺たちに、もっとからかってバカにしてもらいたいと思ってるのか?、今までの分じゃ、まだからかい足りないとでも言うのか?と言っているのです。


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posted by Rach at 08:39| Comment(6) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさんこんにちは。丁寧で分かりやすい解説ありがとうございます。
ここにでている"We don't make enough fun of you already?"というせりふはたしかに簡単なようでパッと聞いて意味を取るのは難しい言い方のひとつなのでしょうね。
ところでこのシーンの最後にChandlerが"Just remember to wake us up before you go go." と言って笑いをとっていますが、ここのニュアンスが良く分かりません。何かのネタから持ってきたのでしょうか?もしお分かりであれば教えていただけませんでしょうか?解説範囲外の余計な質問ですみません。
Posted by koroyakun at 2010年04月08日 22:37
レイチさん、テリトリーです。お久しぶりです。
上の質問に少し答えさせていただきますと、80年代に流行した二人組のグループ「ワム!」(Wham!だったかな)の歌で「Wake me up before you go go」というのがあります。当時からすると男でピアスをつけるということはおそらく「メテロセクシュアル」の先駆、すこし「ゲイっぽさ」が入ったイメージで有名だったようなきがしますね。ここで面白いのは、その「ワム」の歌のタイトルを使ってピアスをしているロスをからかっているところでしょうか。
Posted by テリトリー at 2010年04月09日 21:35
テリトリーさんありがとうございます。
なるほどその場面にぴったりの歌の一節を言ったわけですか。
アメリカ人だとその背景を連想できるわけですね。
勉強になりました。
koroyakun.
Posted by koroyakun at 2010年04月09日 23:51
koroyakunさん、テリトリーさんへ
まとめレスになってしまい申し訳ありません。

テリトリーさん、お久しぶりです。
koroyakunさん、「解説範囲外の余計な質問ですみません」などと言っていただく必要はありません。昔、全セリフを解説していたら、あまりにも進度が遅かったので、ピックアップ方式に変更したのです。解説で飛ばした部分について質問をいただけると、その抜けた部分を埋めていけますし、同じような疑問を持たれた方へのご説明にもなると思います。ですから、このようにご質問いただけるのは、私にとってはとても嬉しいことなのですね。実際に「フレンズ」を見て学んで下さっていることが実感できますので。

上のお二人のやり取りで、Q&A が完結してしまっているのですが、私からも少し。

テリトリーさんのご説明通り、ワム!(Wham!)の曲 に、Wake Me Up Before You Go-Go という歌があるんですよね。ちょうどサビの部分の歌詞でもあります。

Wikipedia 日本語版: ワム!
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%A0!

上の記事のセリフの続きは以下のようになっていました。
ジョーイ: We don't make enough fun of you already? (もっとバカにして欲しいのか?)
ロス: Oh, yeah. Emily convinced me to do it. (ああ。エミリーが僕にそうする(耳にピアスをする)ように説得したんだ[エミリーが僕を説得して、ピアスの穴をあけさせたんだ]。)
チャンドラー: You do know that Wham broke up? (ワムが解散したのは(当然)知ってるよな?)

ここですでに、Wham という単語が登場していたのですね。
テリトリーさんのおっしゃるように、男のピアスからワム!を連想したということでしょう。

実際、Make It Big というアルバムのジャケットなどでも、ジョージ・マイケルはピアスをしています。
私が持っているCD 「THE BEST OF WHAM!」のブックレットの中にある写真でも、ジョージは金のリングのピアスをしています。まさに今回ロスがしているようなリング型のものです。
ワム!で「グーグル画像検索」をすると、他にもピアスをしている写真がいくつも見つかります。ワム!の(特にジョージ・マイケルの)そういうビジュアルを知っている人にとっては、ロスのピアス姿を見て、ワム!みたい、と言ったチャンドラーのセリフに笑えてしまうのですね。ピアスの形にはいろいろなものがありますが、よくジョージがしているタイプのイヤリングと同型なので、余計に笑えてしまうのでしょう。

また、ゲイのイメージもあるでしょうね。
ジョージ・マイケルは後に自分がゲイであることをカミングアウトしますが、
Wikipedia 英語版: George Michael
http://en.wikipedia.org/wiki/George_Michael
の Personal life の Sexuality の説明では、
「最初はゲイであることを秘密にしていたが、それにもかかわらず、ワム!時代に多くの音楽関係者の間では、彼の性的指向(同性愛者であること)はすでによく知られていた。その一方で、彼のパブリックイメージはまだヘテロセクシャル(異性愛者)だった」
とあります。
彼をよく知る関係者の間では公然の秘密だったけれど、世間や一般のファンの間にはまだ、彼がゲイであることは隠されていた、という感じですね。
チャンドラーは、Wham! の名前を出しながら、ジョージ・マイケルのことを言っているわけで、このフレンズ放映当時はもうゲイをカミングアウトした後でしょうから、そういうゲイのイメージも重ねて言っているのでしょう。

You do know that...? は、You know that...? をさらに do で強調した形で、挿入句の you know 「ほら」などの軽いニュアンスとは違って、「お前は…ということを確かに知ってるよな、当然知ってるはずだよな」的なニュアンスがあります。
DVD日本語字幕でも「今どき ”ワム!”か」と訳されていたのですが、まさにそういう感じで、「ワム!はもうとっくに解散してるのに、今さらワム!の真似をして、耳にピアスしてるのか?」とチャンドラーは言いたいわけです。

この問題のセリフの部分、DVDの日本語字幕では、「”ウキウキ・ウエイク・ミー・アップ”でいけ」となっていました。
Wake Me Up Before You Go-Go という曲の邦題が「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」なんですよね。この曲の邦題を知っている人ならワム!のことだとわかるという仕組みです。

歌詞のことを意識しないで聞くと、「いいよ、問題ないよ。ただ、お前がでかける前に俺たちを起こすのを忘れないでね[忘れずに俺たちを起こしてね]」という意味になるのですが、何故唐突にそんなことを言っているかと言うと、ここまでその「ピアス=ワム!」ネタを引っ張っていることがわかる、ということです。「まだそのネタを引っ張ってんの?」的な面白さですね。

ワム!は私も大好きなので、この一連のセリフも解説で取り上げる候補の一つだったのですが、最初にワム!の話が出たセリフ、
チャンドラー: You do know that Wham broke up?
から、
このシーンの最後のオチのセリフ、
チャンドラー: Okay, no problem. Just remember to wake us up before you go-go.
までのやり取りが非常に長かったので、結局解説で取り上げなかったんですよ。でも今回こうしてご質問いただけたことで、ワム!の話をいろいろ書けて楽しかったです。ありがとうございます。
後のシーズンの 5-8 にも、Wham! ネタが登場します。結構フレンズの世代的に(私も同世代ですが)、ワム!はドンピシャなんですよね。

最後に個人的な話ですが、Wham! では Freedom が一番好きです。カラオケでこの曲があると必ず歌うほど好きです(笑)。
Posted by Rach at 2010年04月10日 09:43
Rachさん、深くて身のある解説ありがとうございます。なるほど、納得できました。私はそもそもWhamをまったく知らなかったのでわかりようがなかったのですね。いろいろt勉強になりました。
Posted by koroyakun at 2010年04月11日 21:22
koroyakunさんへ
こちらこそ、お返事ありがとうございます。
私はたまたま Wham! を知っていたのでわかっただけですが、やはりジョークで笑うには、背景知識などが必要になることも多いですよね。それは日本のお笑いでも同じで、子供と一緒にお笑いを見ていると、「今のジョークの元ネタを、この子たちは知らないだろうなぁ…」などと思いながら見てしまいます。

聞いた瞬間に笑うには、元ネタを知っている必要がありますが、私もアメリカ文化にそれほど詳しいわけではないので、このブログを書くために調べて知った情報がほとんどです。そういうのもその時に調べておくと、また後で同じネタが再度使われることもありますし、別のドラマや映画で登場することもあります。元ネタがわかると、何だか嬉しいですよね。
Posted by Rach at 2010年04月12日 07:05
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