イギリス人である恋人エミリーが、しばらくアメリカに滞在した後、いつもイギリスに帰ってしまうことをとても寂しく思っていたロスは、アメリカに引っ越して僕の部屋に住んだらどう?とエミリーを説得します。つまり、同棲しようという提案ですね。
イギリスからアメリカに引っ越すなんて自分の人生全てに関わることだわ、と言うエミリーは、ロスがイギリスに来てくれればと言うのですが、
ロス: No, I can't. I would. I really would. But my son is here. I can't leave him. Isn't, you don't think there's any way? (だめだよ、できないよ。(できるなら)そうしたい。本当にそうしたいけど、僕の息子がここアメリカにいるんだ。彼を置いてはいけないよ。他に方法はないって思う?)
エミリー: Ohh, I don't think so. I mean it would be different if it was way into the future, and, and, and we were getting married or something. (ああ、方法はないって思うわ。未来に向けての方法だったら、それはまた別だろうと思うけど。私たちが結婚する予定だとかならね。)
ロス: What? (何だって?)
エミリー: Oh no, no, right. I shouldn't have said "married." Uh, please don't go freaky on me. I didn't mean it. Well, I didn't say it. I take it back. (ああ、違う、違うの。「結婚する」なんていうべきじゃなかったわね。あぁ、お願いよ、どうか私に対してビビらないでね。そういうつもりで言ったんじゃないの。そう、私はそんなこと言ってない。今のは撤回するわ。)
ロス: No, no, don't. Why don't we? (いや、いや、撤回なんかしないで。僕たち、そうしたらどう?)
エミリー: Why don't we what? (そうしたらどう、って何を?)
ロス: Get married. (結婚することさ。)
エミリー: You are mad! (あなた、どうかしてるわ!)
ロス: No! No! I'm not! It's-it's-it's perfect. I mean it's better than you just, just moving here, 'cause it's us together forever, and that's-that's what I want. (そんなことないよ! 僕はおかしくなんかないよ! 完璧だよ。君がただここに引っ越してくるより、ずっといい。だって僕たちが永遠に一緒にいることになるんだよ。そして、それが僕の望んでいることだ。)
ロスとエミリーはお互い、自分の国に相手が住んでくれることを望みますが、それぞれ、自分の国での生活や家族があるため、踏み切れません。
話の流れで、ついエミリーが「結婚するというような未来の具体的な計画があれば、話は別だけど」と言ってしまいます。
I shouldn't have said "married." の should have+過去分詞は「…すべきではなかった(のに…してしまった)」ですね。
こんな状況で、そんな言葉を軽々しく口にすべきじゃなかったわ、ということです。
I didn't mean it. は「そんなつもりで言ったんじゃない、本気で言ったんじゃない」ということ。
つい口から出てしまったけど、結婚するなら引越しを考えてもいい、みたいに私が条件を出したわけでもないし、今すぐ結婚したいと私が思っているわけでもない、ついもののはずみで言葉が出ただけよ、深い意味なんてないわ、という感じですね。
take back は「(言葉などを)撤回する、取り消す」。
married という言葉を言ったことは忘れて、今の発言は撤回するわ、ということです。
安易に married という言葉を出してロスがビビることを恐れたエミリーでしたが、ロスの反応は意外なものでした。
Why don't we? は「…したらどう? …しようよ」という提案・誘いの言葉ですね。
ロスが、Why don't we get married? 「僕たち、結婚するのはどう?」と言っているのを知って、エミリーは信じられないという顔をしますが、ロスは、その提案がバカげたものではないことを説明します。
エミリーと離れたくなくて、僕のうちに住むこと、同棲することを提案したけど、それよりも結婚の方がいい、だってそうしたら永遠に一緒にいられるんだから、ということです。
一時的にじゃなくて、僕は君とずっと一緒にいたい、だから、結婚するってことがまさに僕が望むこと、僕の希望をかなえる最善の方法なんだよ、ということに気づいたのですね。
この後、あまりの展開に驚くエミリーと、この方法が一番いい方法なんだと説得するロスとの間でやり取りが続きます。
エミリーもロスのことを愛していて、ロスと離れたくないのは同じ。
ロスの熱心な説得に、エミリーもついには結婚を承諾します。
アメリカのドラマや映画でよく見かけるプロポーズのセリフ、"Emily, will you marry me?" 「エミリー、僕と結婚してくれる?」も登場します。
男性が女性の前に膝をついてこのセリフを言うのがお決まりなんですよね。
その場に指輪を持っていないロスは、耳のピアスのリングを外し、それを指輪の代わりにしようとします。
結局、サイズが小さくて、指輪の代わりにはなりませんでしたが、今回、ロスがピアスをしていたのは、この突然のプロポーズに繋げるための伏線だったんだな、とわかって、面白いなと思いました。
(Rach からのお願い)
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コメントありがとうございました。
ご質問をいただいたので、こちらでお返事させていただきます。
ご質問の内容は、
「英語が本当に苦手な私が、Rachさんと同じ学習方法で英語が身に付くのでしょうか?やっぱり、中学・高校の勉強をある程度し直してからでないと意味がないのでしょうか?」
というものですね。
私の考えを述べさせていただくと、「意味がないことはない」ですが、やはり「中学・高校の英語の勉強をある程度復習し直してからの方が、より効果的に身に付くはずだ」ということです。
文法というものは、「文法だけ」を学んでいるうちは、あまりその意味や価値がわからないものだと思います。仮定法やら関係代名詞やら現在完了形やら、そんなもの覚えて何になる?みたいな感覚にもなりがちですね。
ですが、実際にフレンズのような「生きた英語」に触れ、それを解釈していく際には、そういう文法知識があると、より理解しやすいのは間違いないです。
英語がわからないのは単語を知らないからだ、と思っている方も多いですが、実際はそうではなく、わからないのは「文の構造がわからない」という方が大部分だと思います。
そういう英語特有の文の構造(日本語とは根本的に違う文の構造)を理解するには、文法知識が必要になってくる、ということです。
好きなドラマをたくさん見ることで、子供が言葉を自然に身に付けるように「なんとなく」理解できるということもあります。が、日本に住んでいる日本人は、どれだけたくさん英語を浴びようとしても、とてもネイティブの子供が浴びているほどの英語を浴びることはできません。量の少なさを補うために、触れてきた英語を、文法知識などで頭を整理しながら身に付けていくのが、日本に住んでいる日本人が英語を学ぶ際には効果的なはず、というのが私の持論なのですね。
ただ、英語が苦手だと自覚している方が、まず文法知識を頭に入れてから、という方法を取ろうとすると、やはり面白くない、興味が持てない、として、途中でやめてしまう可能性が高いでしょう。フレンズで生きた英語に浴びながら、少しずつ同時進行で良いので、初心者向けの簡単な文法書で、ざっと学校英語のおさらいができたらいいかな、と思います。
私が書いている解説も、文法用語がちょくちょく登場します。その意味がよくわからない場合に、そういう参考書をじっくり読んでみると、「生きた英語」と「無味乾燥なはずの文法用語」が結びついて、より理解が深まるのですね。
ですから、私がオススメする方法としては、「フレンズを見て生きた英語に触れながら、簡単な本で少しずつ文法を復習していく」のが良いかなと思います。それもそんなに細かい文法事項を網羅する必要はなく、上に挙げたような「仮定法、関係代名詞、現在完了形」というものがどんなもので、どういうニュアンスを持っているか、という大きな部分がまずは理解できたらよしとすべきでしょう。
細かいことは、実際にセリフを使って学んでいくうちにわかってくるものです。
お答えになったかどうかわかりませんが、私の見解は以上です。
また何かご質問がありましたら、今度は公開コメントとして入れていただけると助かります。(名前は「匿名」でも何でも結構です)
きっと同じような疑問を抱えておられる学習者の方も大勢おられると思います。質問とその答えを公開することは、そういう方々に対しても何らかの意味があると思えます。
せっかく好きなドラマで英語を学ぶのですから、楽しく学びたいですよね。ドラマの英語を理解するのに必要だと思えてくると、文法学習も苦にならなくなり、逆に「そういうことだったのか!」と目からウロコ状態にすらなると思います。フレンズで「英語が楽しい」と思っていただけるようになるのを祈っています。