前回のエピソードで、ロスとエミリーは結婚することを決めました。
フレンズたちにもそれをすでに発表しています。
フィービー: I still cannot believe you're engaged. (Ross looks at her) Just 'cause its happening so fast. Not 'cause you're such a loser. (ロスが婚約したなんて、まだ信じられないわ。[ロスはフィービーを見る] ものすごく早く(結婚話が)進行しているからってだけよ。ロスはそんなに負け犬なのに、って理由じゃないわ。)
ロス: Oh. Thanks. Uh, has anyone seen, um, Rach? (ああ、ありがと。あのー、誰かレイチェルを見た?)
モニカ: Ugh, she's upstairs not doing the dishes. And I tell ya something. You know, I'm not doing them this time. I don't care if those dishes sit in the sink until they're all covered with-- I'll do them when I get home. (あー、レイチェルは、皿洗いをせずに、上の階にいるわ。そして、これだけは言わせて。ほら、私は今回は皿洗いをしない。シンクにある皿がそのままでも気にしない、その皿が全部○○で覆われるまでね…。(やっぱり)家に帰ったら皿洗いをするわ。)
be engaged は「婚約している」。
ロスが婚約してるなんて信じられない、とフィービーは言っています。
ロスは「信じられない」ってのはどういう意味?みたいな顔をフィービーに向けていますね。
それでフィービーは理由を説明しています。
Just 'cause A. Not 'cause B. というのは「理由はAだからなだけで、Bが理由じゃない」というニュアンス。
付き合って間がないのにもう結婚を決めたというそのスピードが余りにも早いから信じられないって言ってるだけよ、別に、You're such a loser. 「あなたはそんなにも負け犬なのに」結婚するなんて信じられない、って言ってるわけじゃないのよ、ということ。
後半部分はわざわざ口に出して言うのはかえって失礼ですね(笑)。
レイチェルはどこか尋ねられたモニカの返事が面白いです。
do the dishes は「皿洗いをする」。
レイチェルはどこか?って、今は、上の階にいて、not doing the dishes 「皿洗いをしていない」ところよ、と説明しています。
「上の階にいて、皿洗いをしている」と言うのならまだ普通ですが、それをあえて「していない」ことを挙げているのがポイントですね。
ほんとはレイチェルが皿洗いをしなきゃいけないんだけど、どうせ今、部屋にいてもそれはしていないでしょうけど、と言いたいのですね。
ロスはただ、レイチェルの居場所を知りたかっただけなのに、「皿洗いしてないのよ」というレイチェルへの愚痴になってしまっています。
I'm not doing them の doing them は、doing the dishes のことで、今回は私は皿洗いをする予定はない、するつもりはない、ということ。
those dishes sit in the sink について。
sit は「座る」ですが、ここでは「…にある、位置する」「…に放置されている、置かれている」という感覚で、those dishes sit in the sink は、(複数の)皿が、(洗われないで)シンクに置かれたままの状態である、という意味になります。
ここで動詞 sit を使う感覚は、日本人にはなかなか出てこない発想ですね。
I don't care if those dishes sit in the sink until they're all covered with-- というのは、日本語的語順で訳すと、「(皿が)すべて…で覆われるまで、皿がシンクに置かれているとしても[置かれていようがいまいが]私は気にしない」という感じになりますね。
ただ、このように長い英語のセリフの場合は、聞こえた順番に意味を取っていかないとそのスピードについていけなくなりますので、聞こえたままに頭の中でイメージしていくようにしましょう。
前から訳すと、「…かどうかは気にしない」→「皿がシンクにある」→「皿がすべて…で覆われるまで」ということになります。
皿が長い間シンクに放置されて、最後にはそれが…で覆われるようになっても…と言いたいのですが、with-- で言葉が途切れていますね。
多分、モニカは、covered with mold 「カビで覆われる、カビだらけになる」と言おうとしたのだと思いますが、mold という言葉を言う前に頭でその様子を想像したら、きれい好きのモニカは耐えられなくなった、ということでしょう。
それで、「やっぱり家に帰ったら、私が皿洗いをするわ」という感じで、I'm not doing them this time. という前言を撤回し、I'll do them when I get home.と最後に言っているわけです。
「今回は絶対にレイチェルに洗わせよう、私は絶対に洗わないわ!」と決めていたのに、いろいろ考えた末、結局気が変わった、だから、今決めた意思を表す will が使われているのですね。
ここが、I'm going to do them だと、前からそれをすることを決めていたようでおかしい、ということになります。
will が使われていることで、「やっぱり、私が洗うことにするわ」という「今決めた」感じが出るのですね。
また、英語の場合は、covered with (mold) という語順になるので、covered with-- と表現することで、最後の mold を言葉として口に出す前に、気が変わったという感じが出るのですが、それを日本語に訳そうとすると、「覆われる前に、ほら、あれで…」みたいな感じになって、どうにも不自然ですね。
「(カビ)で覆われる」のように、日本語では必ず「カビ」などが前についてしまう形になるので、mold をあえて言わなかったことを日本語に出すのが難しくなるということです。
外国語を学ぶ場合は、このような語順の違いから来るニュアンスの差にも注目してみたいですね。
(Rach からのお願い)
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2010年04月14日
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