花婿であるロスに頼まれて、モニカとフィービーは、エミリーの代わりにウェディングドレスを受け取るため、ブライダルショップにやってきます。
モニカ: Oh my God! Ohh! Look at this one! It's so beautiful. (まあ、すごいわ! わぁ! これ見て! とってもきれいね!)
フィービー: Yeah, y'know, about half of these are gonna end up getting divorced. (ええ。ねぇ、このうちの約半分は、結局離婚することになるのよね。)
女性販売員(The Saleslady): May I help you ladies? (いらっしゃいませ。)
モニカ: Oh, yes, umm, I'm here to pick up a dress that you have on hold. (ああ、はい。えーっと、取り置きしてもらっているドレスを取りに来たんです。)
販売員: Yes, what's the name, please? (はい。お名前は?)
モニカ: Emily Waltham. (エミリー・ウォルサム。)
販売員: Oh, yes! I have it right here. (Phoebe and Monica both gasp at the dress.) Would you like to try it on, Miss Waltham? (ああ、わかりました! ちょうどここにありますわ。 [フィービーとモニカは二人とも、そのドレスに息を呑む] ご試着なさいますか、ウォルサム様?)
モニカ: (laughs) Okay. ([笑って] そうね。)
[Time lapse. Monica is wearing the dress and starring at herself in the mirror.]
時間が経過。モニカはその(エミリーの)ドレスを着て、鏡に映った自分自身を見つめている。
フィービー: You're the most beautiful bride I've ever seen. (今まで見た中で最高に美しい花嫁よ。)
モニカ: I am, aren't I? (私、きれいよね?)
販売員: Miss Waltham? (ウォルサム様?)
モニカ: Yes? (はい?)
販売員: We're closing. (間もなく閉店です。)
モニカ: All right. (Goes to take off the dress.) (わかったわ。[ドレスを脱ぎに行く])
販売員: And could I get my ring back? (それに、私の指輪をお返しいただけますか?)
(She disgustedly takes the ring off and gives it back.)
彼女(モニカ)は、むかついたように指輪を取り、それを(販売員に)返す。
ブライダルショップには、きれいなウェディングドレスがいっぱい。
その美しさに感動しているモニカの横で、「こんなきれいなドレスを着ても、そのうちの半分は、離婚することになっちゃうのよね」などと、興醒めなセリフを述べるフィービーが何とも辛辣です。
on hold は「保留の状態で」という意味なので、a dress that you have on hold は「あなたがた(の店)がとっておいてくれているドレス、取り置きしてくれているドレス」ですね。
他の人の手に渡ってしまわないように、店側で預かってくれている、という感覚です。
モニカはエミリーの名前を言い、販売員はすぐさま受付後ろに確保していたドレスを持ってきます。
販売員は、モニカを花嫁のエミリー本人だと勘違いして、試着なさいますか?と尋ねます。
間違えているのがわかって、うふふふ…と笑っていたモニカですが、急に真顔になって、Okay. と試着を承諾するのに笑ってしまいますね。
その後、すぐに、鏡に映った自分のウェディングドレス姿にうっとりしているモニカに画面がカットします。
その横で、ティッシュで涙を拭きながら(アメリカ人はハンカチではなく、ティッシュで涙を拭きますね)、今まで見た中で最高にきれいな花嫁よ、とフィービーは感動しています。
人のドレスを着てうっとりしているモニカも楽しいですが、その横で、娘の挙式に感動している母親のようになっているフィービーの姿にも笑ってしまいます。
I am, aren't I? は、1人称の付加疑問文。
文法書などに、1人称の付加疑問は、amn't I とかではなく、aren't I になる、などと書いてありますが、このセリフを見ると、その文法書の説明どおりであることが確認できますね。
ドレス姿にうっとりしている二人の傍に販売員がやってきて、We're closing. と告げます。
このような自動詞の close は「(店などが)閉店する」という意味。
我々の店はもうじき閉店になります、もうすぐ閉店の時間です、ということで、モニカたちが何時ごろこの店に来たのかははっきりとはわかりませんが、とにかく店が閉店になる時間まで、ドレスを試着したまま、鏡を見つめていた、ということがわかる仕組みです。
おまけに指輪を返すようにも言われるモニカ。
よくドレスの試着では、アクセサリーも借りることができたりしますが、それを返さずに去ろうとしたので、販売員に注意されてしまったのですね。
my ring と言っていることから、販売員の私物だったと思われます。
ちょっと鏡で確認するつもりで気軽に貸したのに、長い間返してもらえなくて販売員もムッとした、ということなのでしょう。
今回の一連のセリフは、あまり難しすぎない表現を使いながらも、そのテンポや間(ま)の良さで笑わせてくれる、という感じです。
マニアックなサブカルネタで笑うのは難しいですが、まずは今回のようなやり取りを英語で聞いて笑えるようになることが、自分の英語力に自信をつける一歩になるのでは?と思っています。
(Rach からのお願い)
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いつも楽しくも深い解説ありがとうごあいます。
今回のシーンは分かりやすい表現が多かったですが、間と表情で笑わせますね。on hold というのは普通日本人ではなかなか使えない言い方ですが、以前アメリカに住んでいたときに、店でまさに頼んでおいたものを取りに来た人が使ったので覚えたことがありました。そういう意味で、アメリカ英語らしい表現としては、この前のシーンでロスとレイチェルの会話ででてきた、"Hang in there."とか"It's a tie."とかもそうだなあと思いました。
「楽しくも深い解説」と言っていただけて光栄です。ありがとうございます。
実際に、同じような状況で on hold という表現を使っている人に遭遇されたのですね。そういう実体験での言葉と状況の結びつきがあると、記憶にしっかりと残って忘れにくいものになりますよね。
Hang in there. や、It's a tie. などもセリフの中で出てくると、そのイメージがスッと頭に入りますよね。「へこたれるな」と言われてムッとしたレイチェルが、「私たちにはそれぞれ恋人がいるから、同点・引き分けね」と負け惜しみを言っているのも楽しいです。