[Scene: Monica and Rachel's, Joey, Monica, and Phoebe are opening their invitations.]
モニカとレイチェルの部屋で、ジョーイ、モニカ、フィービーは、(ロスから彼らに送られてきた)結婚式の招待状を開封しているところ。
モニカ: Ohh, this is soo amazing! I can't believe my brother's getting married and in London! It's just, it's so romantic. (あぁ、これってすっごく素晴らしいわ! 私の兄さんが結婚する、それもロンドンで結婚するなんて信じられない! ただ、すっごくロマンティックだわ。)
ジョーイ: (taking apart the invitation) Hey, pretty smart! Tissue paper. You're at the wedding. You have to cry. Handkerchief? No, no, I got my invitation. (招待状を開けながら) おい、すっごく賢いな! ティッシュペーパーだ。結婚式にいるとするだろ。泣かずにはいられない。ハンカチーフは? いやいや、俺には自分の招待状があるからね。)
invitation は「招待」ですが、invitation で「招待状」という意味にもなります。その場合は数えられるので可算名詞扱いになりますね。
モニカは招待状を見て感動しています。
my brother's getting married and in London! は、and のない場合の getting married in London とは少しニュアンスが異なる気がします。
and がないと、「私の兄さんがロンドンで結婚するなんて信じられない」という感じになりますが、getting married and in London だと、「私の兄さんが結婚するなんて信じられない、しかもロンドンで(なんて信じられない)」というニュアンスになると思われます。
兄の結婚に驚いていると同時に、しかもその結婚する場所がロンドンだなんて、さらにびっくりだわ、という感じですね。
ジョーイは招待状からある紙を取り出してヒラヒラさせています。
ジョーイのセリフにあるように、この紙は tissue paper なのですが、それを招待状に入れとくなんて賢いよな、と言っていますね。
You're at the wedding. というのは、「ほら、結婚式にいるとするだろ」と、結婚式にいる状況を仮定して話している感覚です。
ここでの you は「あなた」ではなくて、「あなたを含めた一般の人、回りまわって自分も含む」というニュアンス。
結婚式では感動して泣いてしまう。その時に涙を拭くためのハンカチを持ってるか?となった時に、俺にはハンカチはいらないよ、この招待状に入ってる tissue paper を使うからね、と言っているわけです。
泣くのを見越してあらかじめ招待状の中に tissue paper を入れとくなんて冴えてるよな、とジョーイは言いたいわけですが…。
ここで、tissue paper というものについて説明します。
日本語で「ティッシュペーパー」というと、鼻をかむ時に使う「ちり紙、鼻紙」を指しますが、それを英語で言う場合はたいてい、tissue と言います。
涙が出そうになってティッシュを取って欲しい時には、Get me that tissue. / Would you get me that tissue? 「そこのティッシュ取って。/そのティッシュを取ってくれる?」などと言いますね。
これが tissue paper になると、英語ではそういう「ちり紙」ではなく、包装などに使われる薄い紙を指すことになります。
研究社 新英和中辞典でも、
tissue paper=【名】【U】 薄葉(うすよう)紙 《包装・トレーシングなどに用いる》 (比較:「ちり紙」の意では用いない)
tissue=
1. 【C】 ティッシュペーパー、ちり紙 (比較:ちり紙の意の「ティッシュペーパー」は和製英語; 参照: tissue paper)
2. tissue paper
と出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
tissue [noun]
1. [countable] a piece of soft thin paper, used especially for blowing your nose on (SYN: Kleenex (R) )
例) a box of tissues
2. [uncountable] also tissue paper light thin paper used for wrapping, packing etc
つまり、1. は「柔らかく薄い一片の紙、特に鼻をかむために使われる。同義語 Kleenex」
2. は「tissue paper ともいう。ラッピングやパッキングに使われる軽くて薄い紙」
つまり、tissue は「ちり紙、鼻紙」の意味で、tissue paper は「包装用の薄葉紙」。
tissue だけで「薄葉紙」(tissue paper)を指すことはあるが、tissue paper と言うと「ちり紙」ではなく「薄葉紙」を指すことになってしまう、ということですね。
その tissue と tissue paper の違いを認識した上で、ジョーイのセリフのシーンを見てみると、ジョーイが手に持ってヒラヒラさせている紙は、「ちり紙」ではなく、「包装用の薄葉紙」のようです。
トレーシングペーパーみたいな感じの紙で、振ると音がシャラシャラ鳴っていますね。
ですからこの紙は、涙を拭くための tissue ではなく、正式な招待状に挟み込まれた薄葉紙だということでしょう。
日本でも、人にお祝いの品をあげる場合などに、丁寧に包装されたものには、品物の上にそういう薄葉紙を乗せてあったりしますので、それと同じ感覚なのかなと思います。
ジョーイは tissue paper を見て、「涙を拭くための tissue の上等版」が入ってるかのように勘違いした、ということでしょう。
ジョーイがヒラヒラしてシャラシャラ音がしているように、この紙で涙を拭いたらちょっとゴワゴワするし、あまり涙も吸い取ってくれなさそうなのですが…(笑)。
(Rach からのお願い)
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2010年04月30日
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