ロスとエミリーの結婚式でロンドンに行く予定のチャンドラーとジョーイは、ロンドンのガイドブックを読んでいます。
チャンドラー: All right, check it out. Check this out. It says here that there's a place you can go to rent videos of all the museums. (Reading from the book.) "It's almost as good as being there." (よーし、ほら見て、これを見ろよ。全ての美術館[博物館]のビデオを借りに行くことができる場所がある、って、ここに書いてある。[本を読み上げる] 「ほぼ、その場所にいるのも同然です。」)
ジョーイ: It's better! You can't go to a museum in your underwear. (その方がいいよ! 下着のまま美術館には行けないもんな。)
チャンドラー: Well, You could, but... probably just the one time. (そうだな、やれないことはないけど…多分、1回きりだな。)
ジョーイ: I bet we could get videos of all the sights, get a VCR in our hotel room... we'd never even have to go outside! (全ての名所のビデオを借りて、ホテルの部屋にビデオデッキを持ち込むってのができそうだぞ…(そしたら)外に出かける必要さえなくなるんだ!)
チャンドラー: If we do that, we've gotta rent Die Hard. (もしそれをするなら、「ダイ・ハード」を借りなくちゃな。)
ジョーイ: Oh-ho! I bet the British version is gooooood! (ほほーう。きっと、イギリス版は最高だぞ!)
ガイドブックを見ながら、全てのミュージアムのビデオを借りられる場所がある、と喜んでいるチャンドラー。
そこの説明にある、"It's almost as good as being there." の as good as は、「…も同然、…したも同然」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
as good as : almost
と書いてあります。
good という言葉が使われていますが、良いことばかりではなく、悪い状況を表す時にも使います。
He's as good as dead. だと、「彼は死んだも同然だ」になります。
そのガイドブックが言いたいことは、「そのビデオを借りたら、そこにいるのも同然の気分になれる、まるで実際にそこにいるような感覚になれる」ということですね。
それをジョーイも、「実際にミュージアムに足を運ぶより、ビデオで見る方がいいな!」と同意しています。
You can't go to a museum in your underwear. の you は、一般の人を表し、この場合は、自分自身のことも含めている感覚ですね。
俺を含めてみんな、下着姿でミュージアムに行くことはできない、ということです。
つまり、ビデオなら下着姿でくつろぎながら見ることができるし、と言いたいのですね。
それに対するチャンドラーの返事が楽しいです。
You could, but... probably just the one time. の could は「可能性」を表し、「やろうと思えばできる」という感覚。
下着姿でミュージアムに行くことは可能だけど、多分、それをやったら追い出されるし、みんなに注目されて恥ずかしい思いもするし、やっても1回だけだな、ということですね。
「できるかできないか」という可能性の話で言うと、できないことはないけど、一度やったらもう二度とできることじゃないな、というニュアンスです。
ジョーイはミュージアムだけではなく、全ての名所・観光地のビデオを借りて、ホテルの部屋にビデオデッキを用意したら、外に出なくて済むぞ!と騒いでいます。
デッキを持ち込むなら、「ダイ・ハード」も借りようぜ!とチャンドラーもその話に乗っています。
「ダイ・ハード」のビデオを借りるという話は、過去記事、なかなか死なぬダイハード フレンズ4-21その2 に出てきました。
最後の最後にまたそのネタが出てくるのが面白いですね。
さらに、ジョーイのとぼけたセリフにも注目です。
今回 I bet という言葉が何度も登場していますが、「きっと…だと思う」という感覚ですね。
bet は元々「(金などを)賭ける」という意味なので、そこから「(賭けてもいいほど)主張する、断言する」という意味になります。
ジョーイが言っているのは、「きっと、(ダイ・ハードの)イギリス版は、いけてるだろうなぁ」みたいなことですが、それを聞いてチャンドラーは肩をすくめています。
イギリスは英語圏ですから、イギリスで借りても、ダイ・ハードはアメリカ版と同じ内容のはず。イギリス用に別の吹き替えがされている、ということもないですよね。
(小説の世界だと、「ハリー・ポッター」は、オリジナル原稿の「イギリス版」と、それをアメリカ英語に修正した「アメリカ版」があるそうですが…)
外国に行くとはしゃぐジョーイは、別の国のバージョンのダイ・ハードが見られる!と喜んでいるのですが、アメリカ版と何も変わりがない、ということに気づいていない、という面白さです。
でも、ジョーイなら、イギリスで「ダイ・ハード」を見た後でも、「やっぱり、イギリス版は最高だったな!」とか喜びそうな気もしますね(笑)。
(Rach からのお願い)
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2010年05月14日
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