ストリッパーから指輪を取り戻したいけれど、派遣事務所はストリッパーの連絡先を教えてくれません。そこで、ストリッパーを誘い出すために、チャンドラーは偽名で、自分のオフィスにストリッパーを派遣してくれるよう依頼します。
[Scene: Chandler's office, the guys are there waiting to ambush the stripper.]
チャンドラーのオフィス。男性陣はストリッパーを待ち伏せするために、そこで待っている。
ジョーイ: All right, okay, okay, this is great. Uh, Chandler, you get behind the desk. And, and when she comes in, hopefully, she won't recognize you because-- Well, why would she? Uh, okay, and then you buzz Ross and I. (to Ross) You be Mr. Gonzales, and I'll be Mr. Wong. (よーし、いいぞ、これで最高だ。あー、チャンドラー、お前は机の後ろにいろ。それから、彼女が入ってきた時、うまくいけば、彼女はお前が誰だかわからないだろう、だって、ほら、どうして彼女がわかるって言うんだ[わかる理由なんてないよ]? あぁ、よし、それからお前はブザーでロスと俺を呼んで、[ロスに] お前はミスター・ゴンザレスで、それから俺はミスター・ウォンになる。)
ロス: Diverse. (多種多様だね[国際色豊かだね])
(There's a knock on the door.)
ドアにノックの音。
ストリッパー: Anybody call for security? (誰か警備を要請する人はいますか?)
チャンドラー: (to Ross) You be cool. (He opens the door and lets her in as they all turn their backs on her.) ([ロスに] お前は冷静にしろよ。[チャンドラーはドアを開け、彼女を中に入れる。その時、彼らは全員、彼女に背中を向ける]
ストリッパー: Okay, which one of you guys is Gunther Central Perk? (Sees Joey.) Hey, Joey? (オッケー。あなたたちのうち、どの人が、ガンター・セントラルパークさん? [ジョーイを見る] あら、ジョーイ?)
ロス: Where's my ring? My dead grandmother's wedding ring! Where is it? Where is it? (僕の指輪はどこだ? 僕の死んだおばちゃんの結婚指輪だぞ! どこなんだ? どこにあるんだ?)
ストリッパーが入ってくるまでに、誰がどう行動すべきかを打ち合わせしています。
You get, You buzz, You be のように、「You+動詞の原形」を使って話していますが、これは、動詞の原形で始まる命令文を、さらに強調する形になるように主語の You をつけたものですね。
hopefully は「うまくいけば」。
うまくいけば、多分ストリッパーは、お前の顔を見ても誰だかわからないだろう、とジョーイは言っています。
ジョーイとはベッドインしているので顔は覚えているだろうし、ロスはバチェラーパーティーの主役だったのでやはり顔は覚えているだろう、でも、ただの参加者の一人だったチャンドラーのことは多分忘れてるだろうと思うよ、と言っているのですね。
「なぜ彼女がお前を認識するんだ?」というのは、チャンドラーを認識できる、覚えてると考えられる理由がないよ、という感じです。
お前のことは多分覚えてないだろうから、お前は最初から顔を見せておいても怪しまれないだろう、と言っているわけですが、何とも失礼な発言なのでチャンドラーはむっとした顔をしています。
ジョーイは、自分とロスに偽名をつけようとします。
この状況で、偽名までつける必要はないのですが、そこは俳優の性(さが)でしょうかねぇ?(笑)
その名前も、よくあるアメリカ人の名前ではなく、ロスはゴンザレスで、ジョーイはウォン。
Wikipedia 日本語版: ゴンサレス
上のウィキペディアによると、ゴンザレスは「スペインでは2番目に多い苗字とされる」そうです。
Wikipedia 英語版: Wong (surname)
こちらは中国系の名字ですね。
スペイン系や中国系の名字を聞いて、ロスは、Diverse. と言っています。
diverse は形容詞で「多様な、多様性のある」。
名詞は diversity 「多様性」で、日本語でも「ダイバーシティ」というカタカナで使われることがありますね。
一瞬使うだけの偽名なのに、やたらと国際色が豊かだねぇ、と言っていることになります。
ノックの音がして、ストリッパーの声が聞こえます。
Anybody call for security? というのは、ストリッパーが警備員である、という設定でのセリフのようです(色っぽい声で言っているのにも笑えますね)。
実際、入ってきた彼女は、警備員のような服装をしています。
オフィスでストリッパーの仕事をする時は、まずは警備員の格好で入ってくる、という彼女なりの演出なのでしょう。コスプレみたいなものでしょうね。
入ってきた時、みんなは彼女に背中を向けます。
いきなり顔を見せて誰だかわかってしまうと、彼女が逃げ出すかもしれないからでしょう。
ネットスクリプトのト書きには、as they all turn there backs on her とあるのですが、恐らく、there は their のタイポ(タイプミス)だと思います(there だと意味が取れないので)。
顔を向けない3人に対して、依頼人はどの人?と尋ねていますが、その依頼人の名前は「ガンター・セントラルパーク」!(笑)。
過去記事、ガンターの名字は? フレンズ4-22その2 でも解説しましたが、ガンターにベストマンを頼もうとしたチャンドラーは、ガンターの名字がわからず、「ガンター・セントラルパークだっけ?」と言っていましたね。
このエピソードの終わり近くになって、その名前を偽名に使っている!という面白さです。
忘れた頃に登場するのがミソですね。
今回の記事で取り上げた部分は、ジョーイの使った偽名に笑い、さらにはチャンドラーが使った偽名にも笑えてしまう、という風に、偽名にからむジョークが続くところもポイントかな、と思いました。
(Rach からのお願い)
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このサイトで、勉強させて頂いている高校生の者です。
この後の、チャンドラーのセリフ
Way to be cool, man.
というセリフの、way to beのセリフの意味がわかりませんでした。なぜ、be cool, man.ではないのでしょうか?
質問、お答えいただけるとうれしいです。
よろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
まず初めに、同じ内容のコメントを2つ入れて下さっていたようなので、最初の方のコメントをこちらで削除させていただきました。
このブログではコメントを書き込んでいただいた後、すぐに画面に反映されないことがあり、それで再度、書き込んで下さったのだろうと思います。お手間をおかけしてすみませんでした。
それから、もあいりさんは高校生でいらっしゃるとのこと。私には高校生の息子がいるので、自分の子供と同年代の方に読んでいただけていること、本当に光栄で嬉しいです♪
では早速、ご質問について。
このシーンでは、来客がドアをノックした時に、まずはチャンドラーが一度、ロスに向かって、You be cool. 「(お前は)冷静にしろよ」と言っていましたよね。
その後、ストリッパーが入ってきて、ロスは「僕の指輪はどこだ? どこだ?」と「明らかに冷静ではない様子」で叫んでいます。
ロスのその様子を見てのセリフが、
チャンドラー: Way to be cool, man.
でした。
この「Way to+動詞」という言い方は、Way to go! というお決まりフレーズを連想させます。
Way to go! は「いいぞ! その調子!」というような誉め言葉、励ましの言葉。
That's the way to go! 「それ(君がやっていること)が、行く・進むべき道(方法・やり方)だ!」という文章の That's が省略された形が、Way to go. になります。
今回の Way to be cool. にもそれを当てはめてみると、That's the way to be cool. 「それ(今ロスがやっていること)が、冷静であるやり方だ」のような意味になり、文字通りの意味としては、「ロスの今の様子は、まさに冷静そのものだよね」というニュアンスになります。
ですが、これはチャンドラーお得意の皮肉で、全く冷静な状態ではないことを、「それがまさに冷静ってやつだよ、ロス」と言ってみせたことになるでしょう。
ドアを開ける前に、You be cool. としっかり念押しする感じで、あれだけ注意しておいたのに、来客が入って来るやいなや、冷静とは正反対のクレイジーな様子でわめき散らしているロスを見て、「それがお前の考える冷静ってやつか」とでも言いたげに、「それって冷静そのものだな、ロス」と、冷めた様子の口調と表情で言った感じになるだろうと思います。
上の説明でわかりにくいところなどありましたら、お気軽にご質問下さいね(^^)
これは、チャンドラーの皮肉だったのですね!よく分かりました、ありがとうございます!
Rachさんのブログは、英語の先生にフレンズが自然な英語の表現を身につけるのに役立つと教えていただいて,そのときに一緒に教えていただきました!これからも、Rachさんのブログを活用させて頂きたいと思います!
こちらこそ、ご丁寧なお礼のお返事ありがとうございます!
もあいりさんの英語の先生が、「フレンズ」と一緒に私のブログをご紹介下さったとのこと、本当に光栄で、とても嬉しく思います。どうかその先生にもよろしくお伝え下さいませ。
これからも英語学習のお役に立てるよう、楽しく面白くためになる記事が書けるように頑張りますね♪
温かく嬉しいお返事、ありがとうございました(^^)