[Scene: Street in front of the London Marriott, Joey and Chandler exit. Joey is carrying a video camera and is shooting Chandler.]
ザ・ロンドン・マリオット(ホテル)の前の通り。ジョーイとチャンドラーがホテルから出てくる。
ジョーイはビデオカメラを持っていて、チャンドラーを撮影中。
ジョーイ: Hey, Chander, do something! Come on! Do something! (おい、チャンドラー、何かしろよ! なあ、何かしろよ!)
チャンドラー: I am. I'm ignoring you. (してるさ。お前を無視してるんだ。)
ジョーイ: Okay, here. (Gives him the camera.) I wanna be the on-camera guy. All right. First stop... (地図を広げる) Westminster Abbey. (Joey folds out his "pop-up" map of London. All of the major landmarks pop-up like in a pop-up book.) (よし、これ持ってて。[チャンドラーにビデオカメラを渡す] (今度は)俺がカメラに映る。よし、最初に行くのは…ウエストミンスター寺院だな。[ジョーイはロンドンのポップアップ[飛び出す]地図を広げる。飛び出す絵本のように、主要なランドマークの全てが飛び出している])
チャンドラー: Oh, what the hell is that? (あー、それは一体何だよ?)
ジョーイ: That's London, baby! All right, the hotel's here. (Points to the map.) Wait. No, we wanna go-- No. I know. (Sets the map down.) I'm gonna have to go into the map. (So Joey literally steps into the map.) (それがロンドンだぜ、ベイビー! よし、ホテルはここだ。[地図を指差す] 待てよ、違う。俺たちが行きたいのは…違う。わかった。[地面に地図を置く] 俺は地図の中に入らないといけないことになるな。[そうしてジョーイは文字通り地図の中に足を踏み入れる])
チャンドラー: Okay, if you see a little version of me in there, kill it! (よし、もしお前がその地図の中に俺のちっちゃい版を見つけたら、そいつを殺してくれ!)
画面には次々とロンドンの名所が映り、チャンドラーとジョーイはザ・ロンドン・マリオットという名前のホテルから出てきます。
今回はロンドンが舞台になっていますが、実際にフレンズたちはロンドンに行ってロケをしているのですね。
イギリスでも「フレンズ」は大人気で、彼らのロケ中、大勢のファンが集まったそうです。
ジョーイは典型的な観光客のように、手にビデオカメラを持って、チャンドラーを撮影しています。
接近してビデオを撮るので、チャンドラーは嫌気がさしているようですね。
「カメラに向かって何かしろ!」というのは、ビデオを撮影する人の決まり文句ですが、チャンドラーの答え、「してるよ。お前を無視してるとこだ」というのが、いかにもチャンドラーらしいです。
ジョーイは地図を広げますが、その地図は広げると、主要なランドマークが飛び出る仕組みになっている地図でした。
ト書きにあるようにまさに「飛び出す絵本」の地図バージョンですね。
確かにこういう仕組みになっていると、観光には便利かも(笑)。
a pop-up book 「飛び出す絵本」は、フレンズ2-10その11 のセリフにも登場しました。
そんな便利な地図なのに、ジョーイは地図を読み取るのが苦手なようです。
ついには地面にその地図を置いて、「俺が今いるのはここだ」とばかりに、地図のその地点に足を乗せます。
地図を踏みつけているジョーイにあきれたチャンドラーは、「もしその地図の中に、小さな俺がいたら、それをお前がその足で踏みつけて殺してくれ」と言っています。
あまりにおバカな行動をするジョーイと一緒に行動するのはこりごりだから、地図を踏んでいるついでに、その地図の中の俺を踏みつけて、その存在を消しちゃってくれ、と言っているのです。
ロンドンですっかり舞い上がっているジョーイに、冷めた答えを返し続けるチャンドラーが面白いですね。
(Rach からのお願い)
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いよいよ俺自身もseason4の終わりまできました。感慨深いです(笑)
さて、質問なんですが、この後のemilyとross and monicaのシーンで、ロスが手でtime outのしぐさをした後のエミリーのセリフ
"well, up yours too!"がわかりません。
どういう意味なんでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
sendoさんが season4 の終わりまでこられたとのこと、私も感慨深いです(^^) ここまで拙ブログの解説記事を読んで下さったこと、ありがとうございました。
さて、ご質問のセリフは、やはり、Up yours. という言葉の意味がポイントになります。
コメントのお返事が長くなったので、1つの投稿記事にしようかと思ったのですが、ちょっとお下品な言葉や表現がたくさん出てきてしまうので、記事にするのは控えました(笑)。
以下、前後のやりとりを紹介して、説明させていただきますね。
エミリーが結婚式は手違いだらけだと怒っているので、ロスはそれをなだめようとしているところ。
ロス: Whoa-whoa-whoa! Emily, (Gives her the time-out signal.) honey. Okay? (ちょっとちょっとちょっと、エミリー。[エミリーにタイムアウト(一時中止・中断)の合図を送る] ハニー。いいかい?)
エミリー: Well, up yours too! (まぁ、あなたにもお返しするわ!)
ロス: What?! No! No! That's, that's "time-out!" (何だって? 違う違う、今のは「タイムアウト」だよ!)
エミリー: Sorry. (ごめんなさい。)
ロスは手でTの文字を作っていますね。言いたい文句はいろいろとあるだろうけど、いったんそこで終了しようよ、タイムアウトだ、みたいな感じで、タイムアウトの合図をしたのでしょう。
エミリーはそれがタイムアウトの仕草だとわからず、侮辱的なポーズだと勘違いした、ということではないかなぁ?と私は思いました。多分、「相手を侮辱する時に中指を立てるしぐさ」(give someone the finger)、いわゆる、"F*ck you." を意味する侮辱のポーズをされたと思ったのかなぁ、と。
イギリスとアメリカで文化が違うから、アメリカではロスのやったような今のポーズに、give someone the finger のような意味があるのかな、とエミリーが勘違いした、みたいな描写でしょうかねぇ。なぜそう思ったかと言うと、エミリーの返した Up yours. という言葉が、それと同じくらい、下品でひどい侮辱、罵倒の言葉だから、です。
Up yours. というのは、相手を罵倒する卑語で、
研究社 新英和中辞典には、以下のように出ています。
Up yours!
[間投詞的に;嫌悪・反抗などを表わして] 《俗》 ちくしょう!、 ばかったれ!、くそくらえ! (注:下品な表現; up your ass [arse] から)
エミリーは基本的には上品なイギリス人、という設定になっていますから、全くもってエミリーらしくない言い回しですが、その言葉を返すくらい、侮辱的なポーズをロスがしてきた、と勘違いしたことがわかる仕組みになっているんだろうと思います。
Up yours too. のように、too がついていますから、「あなたが私にしたように、私もあなたに同じことをする、返す」というニュアンスも出ています。ということはつまり、ロスが Up yours. のようなしぐさをしたとエミリーが勘違いした、ということになると思うのですね。
エミリーがそんな下品な罵倒の言葉を返してきたので、ロスはエミリーが勘違いしたことに気付いて、慌てて、「僕のやったポーズはそんな侮辱のポーズじゃなくて、タイムアウトって意味だよ」と説明したわけです。
私はたまたまこの Up yours! という非常にお下品な表現(笑)を映画で見たことがあったので、強く記憶に残っていました。その映画というのは「インデペンデンス・デイ」(ID4)です。
以下、ID4 のネタバレになってしまうので、もしネタバレしたくない場合は読み飛ばして下さって結構です。Up yours! のニュアンスがよく出ているシーンがあったので、せっかくなので併せてご紹介しておこうかなと思っただけですので。
飲んだくれのパイロット、ラッセル・ケイスが自分の飛行機でエイリアンの母船に特攻をかけるシーンで、以下のセリフが出てきます。
ラッセル・ケイス: Hello, boys! I'm back! All right, you alien assholes! In the words of my generation, up yours! (日本語字幕: よう お前ら! エイリアンのクソッタレ! これがお返しだ!汚い言葉で済まんが−− ぶち込んでやるぜ!)
このラッセル・ケイスという人は、昔、エイリアンに拉致されて人体実験された、という経験があり、そのことをいろんな人に話して聞かせていたのですが、周りの人は皆、彼の妄想だと思っていて、「宇宙人に拉致されて”性的な”実験されたんだろ」などとからかったりしていました。
それが、エイリアンの襲来で、宇宙人は本当にいた、ということがわかり、ラッセルは過去に人体実験されたことの恨みを晴らせるとばかりに参戦するのですが、ここでミサイルを撃てば敵の最終兵器を破壊できる、という時にミサイル発射装置が作動せず、自分の飛行機で特攻をかけることになるのですね。
ラッセルは「宇宙人に拉致され実験された」ように話していたので、性的実験とまでは言わないまでも、身体中をくまなく検査されたりはしたのかな、と思います。それで特攻をかける時に、「あの時はさんざん俺の身体を調べ回してくれたな。その俺が今こうして戻ってきたぜ」と言って、エイリアンに対して、assholes 「ケツの穴」という最大限の侮辱の呼び掛け語を使って、そして「俺の世代の言葉で」と断った後に、Up yours! と言って、ミサイル発射のため開きかけている宇宙船の発射口に「下から突っ込む」ことになるわけです。
以下、Up yours. のニュアンスを出すために、ちょっと下品な表現が続きますがご了承下さい^^
Up yours! というのは、侮辱を表す卑語ですが、この場合は特に、「俺の身体に実験してくれたお返しに、今度は俺がお前のケツの穴に突っ込んでやるぜ」的な意味も持たせているように思うのですね。男性が受ける性的虐待のイメージからも、自分もそうされたから、今度はお前らに同じことをしてやる、という意味に聞こえると思うわけです。まさに、元々の意味の "Up your ass." のイメージで使っていることになるでしょう。
ちょうど、発射口に下から突っ込んでいる、というその形も、そのイメージに合っているわけです。相手が宇宙人だとわかっていて、「俺たちの世代の言葉では、こう言って相手を侮辱・威嚇するんだよ」みたいに言っているのは、アメリカ人ぽいユーモアなのでしょうが、ただ「誰もが使う下品な言葉」を言って特攻しただけではなく、みんなに話しても信じてもらえず狂人扱いされた、というこれまでの怨念みたいなものを、その最後の一言に全部込めて、彼は人類を守って散って行った、みたいな描写になっているのだと思うのですね。そういう意味でも、非常に印象深いフレーズだったので、記憶に鮮明に残っていました。
下品ついでに付け加えますと、関西人が使う、非常に下品な相手を脅すフレーズに、「ケツの穴に指突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたろか」みたいなものがあるのですが、英語にも、Up yours. / Up your ass. という同じような罵倒表現があるのが、面白いなと思いました。
脱線長くなりすみません。
ということで、エミリーの Up yours (too). という表現が、下品な卑語であることから、ロスのしぐさをそれと同じようなものだと勘違いしたというシーンだった、ということでしょうね。
よくわかりました!
ご丁寧なお礼、ありがとうございます。
Up yours. と言えば、どうしてもこの映画を思い出してしまうので、そのセリフを説明できるチャンスを与えていただけて嬉しかったです。