2010年06月28日

皆が君の名前を知っている場所 フレンズ4-24その4

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」「にほんブログ村」、ともに2位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


チャンドラーに続いて、2人目のベストマンのジョーイがスピーチをします。
ジョーイ: Hey, best man number two, Joey Tribbiani. Now I'm not good with the jokes like Chandler here. Boy...but ahh, I just want to say congratulations to the happy couple. I first met Ross in this coffeehouse back home. Home. New York City. Where everybody knows my name. Well anyway, ahh, I love you guys. (pointing at everyone.) But not as much as I love America. (Looking at Chandler.) Could we please go home now? (はい、ベストマン・ナンバー2の、ジョーイ・トリビアーニです。さて、僕はここにいるチャンドラーのようにジョークは得意じゃありませんが。全く… [と言いながら、隣のチャンドラーを指で示す] でも、あの、僕はただ幸せなカップルにおめでとうを言いたいです。僕は故郷のコーヒーハウスでロスに初めて会いました。[ちょっと感傷的な間があって] 故郷。ニューヨーク・シティ。そこではみんなが僕の名前を知っている。[自分1人が浮いてしまっていることに気づき] ああ、とにかく、あの、君らを愛してるぜ。でも、アメリカをもっと愛してる] [と言って、会場のみんな(周り)を指差す]。[チャンドラーを見て] お願いだから、今すぐアメリカに帰ろうよ。)

思い切りスベってしまったチャンドラーのスピーチに続き、ベストマン2人目のジョーイが挨拶します。
(通常はベストマンは1人ですが、フレンズ4-22 で二人がベストマン争いをした結果、ロスは結局二人ともベストマンにすることに決めた…という経緯があります)

「僕はここにいるチャンドラーのようにジョークは得意じゃありませんが…」と言いながらも、チャンドラーを親指でみんなに示しながら、「まったく、もう…」みたいにちょっと笑っています。
「こいつがすっかりハズしちゃって、すみません、困ったやつでして…」みたいなニュアンスが感じられる気がします。

back home は「故郷で(は)、祖国で(は)」という意味。
今は別の国のイギリスに来ているので、アメリカのことをそう表現しているのですね。
フレンズ4-23 の終わり頃から、早速ホームシックにかかってしまっているジョーイは、自分自身が発した back home という言葉がトリガー(引き金)になってしまったように、ふるさとを懐かしむような感傷的な表情になります。

「僕のふるさと、ニューヨーク…」みたいに言った後、Where everybody knows my name. と続けています。
このフレーズは、Cheers というドラマの主題歌の歌詞を少し変えたもの。
前回のフレンズ4-23 で、フィービーからの電話を切った後、ロンドンのホテルの部屋でジョーイがテレビをつけると Cheers の再放送をやっていました。

Wikipedia 英語版: Cheers
Cheers は 1980年代から90年代にかけて11シーズン続いたアメリカのシットコム。
私は見たことないのですが、Cheers という名前のバーが舞台になっているようですね。

最初は子供のような笑顔で、ジョーイはその再放送を嬉しそうに見ていたのですが、そのオープニングテーマを聞いている間に、眉毛が下がり、口もヘの字になってきて、だんだん泣きそうな顔になっていきます。
アメリカのドラマを見ているうちに、すっかりホームシックになってしまった、という描写です。
4-23 のネットスクリプトのト書きでは以下のように表現されていました。

... So Joey decides to watch some TV and turns on a rerun of Cheers, with the theme song playing. At first, he's happy, but as the song progresses Joey gets depressed and homesick.
(フィービーが電話を切ったので)ジョーイは何かテレビを見ることに決め、チアーズ(Cheers)の再放送をつける。そこではテーマソングが流れている。最初はジョーイはハッピーだが、その歌が進むにつれて、ジョーイは落ち込み、ホームシックになる。

DVDの英語字幕では、そのテーマソングの歌詞が表示されますが、そこに、
You want to be
Where everybody knows your name
という歌詞が出てきます。
「君は、みんなが君の名前を知っている場所にいたい」という歌詞がホームシックの決定打になってしまった感じです。

ホームシックにかかった時のことを思い出したのか、ジョーイはその歌詞を少しもじって(your name を my name に変えて)、「僕はこんな知らない人ばかりのイギリスにはもういたくない。知っている親しい人たちに囲まれた故郷に早く帰りたい」という意味で、Where everybody knows my name. と言ったのですね。

Where Everybody Knows Your Name というフレーズはかなり有名らしく、以下のウィキペディア英語版も存在します。
Wikipedia 英語版: Theme from Cheers (Where Everybody Knows Your Name)

DVDでは、4-23, 4-24 のように2話に分けられていますが、実際のテレビの本放送では、2つの話はスペシャル版として一気に放映されました。
ですから、スペシャル版の前半でジョーイが Cheers を見てホームシックにかかる様子を見せ、後半でその歌詞を使ったセリフを言わせる、という流れですね。
伏線からオチまでの時間がかなり離れているだけに、元ネタを知っている人なら余計に笑えてしまうところでしょう。

一人感傷に浸っているジョーイは、ロスまでもが怪訝な顔でジョーイの様子を伺っているので、変な雰囲気を作ってしまったことに気付き、ロスらカップルに向かって「愛してるぜ」と言って挨拶に代えます。
その後、「愛してると言っても、アメリカを愛するほどの気持ちじゃない」みたいなことを言っていますね。
ネットスクリプトのト書きの (pointing at everyone.) が実際の映像よりも少し早いタイミングで書いてあるのですが、実際は、I love America と言うあたりで、周りにいる人たちを軽く示しています。
ここにいる君らイギリス人たち、わかったか? 愛してると言ったって、アメリカを愛する気持ちはもっと強いんだ、みたいな感じでしょうか。

全くベストマンの挨拶とは関係ない言葉でスピーチを終えたジョーイは、隣にいるチャンドラーに情けない顔で、「もう帰ろうよ」と言っています。
Could I...? ならば、「俺は今、故郷に帰ることができる? お願いだから俺、今、帰ってもいい?」みたいな許可を求める感じになりますが、ここでは、Could we と主語が we になっているので、「チャンドラーと俺、二人で今すぐ帰れるかな? 今すぐ二人で帰ろうよ、お願いだから」と誘っている感覚になるでしょう。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ

posted by Rach at 12:05| Comment(4) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
仕事が立て込んで間が空いてしまいましたが何とか第4シーズンまで終わりました(汗)。もっとも、私の少林寺拳法の師匠によると「時間が無い」というのは言い訳で「時間はつくるもの」だそうですね。Rachさんが証明しています。

それにしてもロスはいきなり結婚するわフィービーは妊娠するわ、更にモニカとチャンドラーはデキちゃうわという怒涛の展開!いやはや、この調子では次のシーズン5も相当な波乱が予想されますね。益々楽しみです。

しかし、リチャード・ブランソンにセーラ妃とはなんと豪華なゲストなのでしょう。フレンズがいかに英国でも人気だったのかがわかります。日本のドラマに大企業のトップや皇族(それも他国の)が出演するなどありえませんからねぇ。欧米の柔軟性には驚くと同時に羨ましい気もします。
Posted by ET at 2017年03月09日 21:55
ETさんへ
コメントありがとうございます。シーズン4を終了されたとのこと、お疲れ様でした。「時間はつくるもの」、、、いい言葉ですね。私がその言葉を証明できているかどうかはわかりませんが、ETさんにそのように感じていただけているとしたら、とても光栄に思います。少林寺拳法のお師匠さま(強そう!)がおっしゃると、さらに説得力ありますね^^

シーズン4、その中でもシーズン最後の 4-23, 4-24 は本当に怒涛の展開で、取り上げたいシーンとセリフがたくさんあったため、ブログ記事でどこを使うかを選ぶのにあれこれ悩んだものでした。シーズン5 もこの流れが止まることなく、どんどん面白くなっていきますので、どうか引き続き楽しんで下さいね♪

セーラ妃については、
英国のセーラ元妃がゲスト出演 フレンズ4-23その4
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471616.html
で触れることができましたが、リチャード・ブランソン氏のことは記事で書けずじまいでした。
セーラ妃の記事で、「イギリスの土産(みやげ)物のスタンドで、イギリス国旗のユニオン・ジャックがでかでかと書かれた大きなハットを買おうとしたジョーイは、チャンドラーと喧嘩になってしまいます」と書いた、そのスタンドのベンダー(行商人)がブランソン氏でしたよね!

後にこの記事をご覧になる読者の方のために、以下にブログ記事で説明できなかった部分の補足説明をさせていただきたいと思います。説明のきっかけを下さったことに心より感謝です<(_ _)>

リチャード・ブランソン氏は、ヴァージン・レコードやヴァージン・アトランティック航空などで有名な、英国のヴァージン・グループの創始者であり会長。
その人が、イギリス土産のベンダー役をやっている、というそのギャップが実に面白いです。
フレンズ4-24 に出てくる、赤い制服の航空会社がヴァージン・アトランティック航空で、11:52 頃にはそのロゴマークのついた飛行機も映っています。
会長がカメオ出演しているということで、「アメリカからイギリスに行く時にはヴァージン・アトランティックを使った」という設定になっているわけですね。

セーラ妃やリチャード・ブランソン氏のような超大物ゲストが登場するところに、イギリスでの人気のほどが伺えるというもので、その「柔軟性」には確かに羨ましい気持ちになります。
楽しいコメント、ありがとうございました!(^^)
Posted by Rach at 2017年03月10日 18:32
日本だとこのチアーズのシーンは理解されないんですよね。私はチアーズ全シーズンとフレイジャーも見ているので分かりますが、フレンズはもともとチアーズに類似した点が多く、フレンズ初期の監督もチアーズと同じ監督で、ジョーイにアル・パチーノのお尻の代役をしているときに服を脱ぐよう指示する監督役でフレンズシーズン1第6話に登場しています。
Posted by やまさき at 2024年01月11日 03:22
やまさきさんへ
コメントありがとうございます。お返事大変遅くなり、誠に申し訳ありません。

そして、チアーズの情報、ありがとうございます!
このように劇中に出てくる作品については、それを知っているのと知らないのとで、シーンの面白さが全然違ってくるでしょうね。
監督が監督役で登場している、というお話もとても興味深いです。

貴重な情報、ありがとうございました<(_ _)>
Posted by Rach at 2024年02月18日 14:20
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。