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レイチェルが部屋に帰ってくると、ロスは大きな箱を横に置いてソファに座っています。明らかに落ち込んでいる様子のロスを見て、
レイチェル: What's that? (Points to the box.) (それは何? [その箱を指差して])
ロス: It came in the mail today. It's uh, 72 long-stemmed, red roses. One for each day that I've known and loved Emily, cut up into mulch! (今日、郵便で届いたんだ。72本の長い柄のついた赤いバラだよ。僕がエミリーを知り、愛してきた日につき1本ずつの、(それが)カットされて(植物を覆う)敷きわらになってる!)
レイチェル: Oh, honey, that's awful. (まぁ、ハニー、それはひどいわね。)
ロス: Oh, it's not so bad. Monica's gonna make potpourri! I think I'm gonna go wander out in the rain for a while. (あぁ、そんなに悪くないよ。モニカがポプリを作るだろうからね! 僕はしばらく雨の中をさまようことにするよ。)
レイチェル: But, it's not raining. (でも雨は降ってないわよ。)
ロス: I can't catch a break! (運にも恵まれないのか!)
ロスは箱の中身は、エミリーに贈ったバラだと言っています。
cut up into mulch の cut は過去分詞でしょうね。
mulch という姿に cut up された状態で、ということでしょう。
mulch は、研究社 新英和中辞典では、
mulch=(移植した植物の根または果実を保護する)根おおい, 敷きわら, マルチ
と説明されています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
mulch [noun] [singular, uncountable] decaying leaves that you put on the soil to improve its quality, to protect the roots of plants, and to stop WEEDs from growing
つまり、「土の質を改良するため、植物の根を守るため、そして、雑草が育つのを阻止するために、土壌の上に置く、腐食している[腐りかけている]葉」
土の上にまく葉のように、原形をとどめないほどボロボロになっている、と言いたいのでしょうね。
Wikipedia 英語版: Mulch には、いくつかの写真も載っています。
ひどいわね、と言うレイチェルに、そうでもないよ、だってモニカがこれでポプリを作ってくれるからさ、とロスは言っています。
ロスがそのボロボロになったバラを手に取って見せた時、ポプリみたいに見えたので、何となく予想されたジョークであるとは思いましたが…。
発音は「ポゥ・プ・リー」という感じで、最後のリーにアクセントがあります。
綴りや発音から何となく想像されますが、これはフランス語ですね。
フランス語で、rotten pot という意味だそうです。(「腐った壷」??)
愛の証に贈ったバラをボロボロにして返された傷心のロスは、「雨の中をしばらくさまよって来る」と言うのですが、レイチェルに「外は今、雨は降ってないわよ」と言われてしまいます。
wander out in the rain は上に書いたように、直訳すると「雨の中をさまよう、さまよい歩く」という感じで、日本語に訳してもその意味はよくわかりますね。
何となくイディオムっぽい表現なのですが、辞書にはイディオムとしては載ってはいませんでした。
ネットで検索してみても、フレンズのスクリプトがヒットする割合が多いです。
フレンズのスクリプト以外でもヒットはありますが、「よく使われる表現」だと断言できるほどの多さではありません。
ですから、「よく使われる決まり文句」とも言いがたいレベルの表現だと思います。
日本語の「雨の中をさまよう」もそうですが、その行動には「傷心」のイメージがありますね。
失恋した時など、「雨の中で涙を流し、悲しみも雨と一緒に流してしまう」みたいな感じです。
ロスは実際に雨に打たれようとしたわけでもなく、そういう「雨の中をさまよう傷心の自分」をイメージして、その言葉を使ったのでしょうが、それをレイチェルは「雨、って言うけど、今は雨は降ってないわよ」と素(す)で返してしまった感じだと思いました。
実際に雨が降ってるかどうかはあんまり関係ないんやけどぉ…みたいに突っ込みたくなるような、ちょっと「ぬけた」感じがしますよね。
ロスの I can't catch a break! について。
正直、これはよくわかりません。が、一応の見解を下に書いておきます。
take a break なら、「休憩する、ひと休みする」というニュアンスですね。
また、ブレイクをとる フレンズ3-15その14 では、「別れる、離れる」というようなニュアンスでも使われていました。
今回のセリフでは、そういう take a break ではなく、動詞に catch が使われていますね。
catch の基本的な意味は「つかまえる」で、「何かをこの手につかむ」というニュアンスが感じられます。
英英辞典では、catch a break というフレーズが見当たらなかったのですが、
英辞郎では
catch a break in that=(that 以下)という点でチャンスを得る
例) The team caught a break in that Japan series was at home. 「日本シリーズがホームグラウンドで行われたという点で、そのチームには利するところがあった。」
と出ています。
そのように名詞の break には「運、幸運、チャンス」という意味があるのですね。
LAAD には以下のように出ています。
break [noun] : A CHANCE [countable] (informal) a sudden or unexpected chance to do something, especially to be successful in your job
つまり、「何かをするのに突然の、または予期されないチャンス。特に自分の仕事で成功することにおいての」。
can't catch 「つかめない」というフレーズとの組み合わせを考えても、a break を「幸運、チャンス」と訳すのはしっくり来る気がします。
I can't catch a break! の部分、DVDの日本語は「感傷にも浸れない/失恋に酔うこともできない」と訳されていました。
実際のロスの気持ちは、やっぱりそういうことなのかなぁ、と思います。
「ちょっと雨に打たれてくるよ」と言って、実際に雨で悲しみを洗い流せたらいいのに、実際には雨は降ってない。
雨さえ僕の味方をしてくれない、僕は運にも見放されたのか、という意味で、「僕はチャンスもつかめないのか、運もないのか!」と嘆いているセリフなのかな、と思いました。
また、余談ですが、ゲームの「ファイナルファンタジーXIII」(FF13) のサントラの、Disc-3, Track-1 の音楽の英語版のタイトルが、"Can't Catch a Break" ("Daddy Has to Fight!") というそうです。(日本語版のタイトルは、「父ちゃん奮闘だぁ!」)
Wikipedia 英語版: Music of Final Fantasy XIII
その音楽が流れている箇所のストーリーを知っていれば、"Can't Catch a Break" のニュアンスも(もしかしたら)わかるのかもしれません。
私はアニメにはうるさいですが(笑)、ゲームはさっぱりわかりませんので、私には全然イメージは湧かないのですが…ご参考までに。
ただ、このように音楽のタイトルとして使われていることで、今回のロスのセリフのように、can't catch a break という形(can't との組み合わせ)で使われることが多い、ということがわかる気もします。
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フランス語で、rotten pot という意味だというところまではRacheさんが調べられたとおりです。
ポプリを英語版のWikipediaで見ると
フランス語のpotpourriはナポレオン軍がスペインのBurgosの町を占領していた時に町の郷土料理のolla podrida(オジャ・ポドリーダ)をフランスに持ち帰って広めた、その料理のフランス語訳がpotpourriだというのです。
その料理は豚肉と豆などから作るシチューの一種で、伝統的な製法では、土製のつぼで何時間も煮込んで作るそうです。
ここからは僕自身の推測も入っているのですが
腐ったと形容されるのは熟成するように煮込んだことからきているのでしょう。
花びらのポプリもいろいろなハーブや違う種類の花を混ぜ合わせて熟成して作るのでその類似性から料理の名前が使われたのでしょう。
コメントありがとうございます。
おっしゃるように、「腐った」は「熟成するように煮込んだ」ことからのイメージなのでしょうね。Wikipedia 日本語版にも、「ごった煮料理」という言葉で説明されていました。シチューの熟成と、ポプリの熟成には、確かに同じイメージが感じられますよね。
情報ありがとうございました。
ここの解説の後に出てくるモニカのセリフについて教えてください。
And who knows who she might end up hurting?
なんですが、who she…以下はknowsの目的語になっていて「誰がwho以下の人を知っているか、いや誰も知らない」という反語なのかな? でもここのsheはレイチェルのことですよね?であればその前のwhoは関係代名詞だと思うんですが「彼女が結局傷つくかもしれないところの人」?? 何だか考えているうちにどんどん判らなくなってきました・・・こんな状態でお聞きするのは申し訳ないんですが、教えてください。(とても変な質問になってごめんなさい、でも考えてもうまい言葉が見つかりません・・・)
ご質問ありがとうございます。
「どんな風にわからないか?」をうまく説明するのは難しいことですから、どうかそんなに恐縮なさらないで下さい。それに、やっちんさんが疑問に思われたことがどのあたりか、というのは、やっちんさんのコメントで大変よくわかりましたから、大丈夫!です(^^)
では早速、ご質問のセリフについて。
これは、エミリーとうまく行っていない(エミリーにすっかり嫌われてしまったらしい)ロスを見て、レイチェルが「私は今でもロスが好きだって告白する」とモニカに言った後のやりとりですね。
「そんなことやめなさい」とモニカはレイチェルを説得しようとするのですが、このシーンでは、すぐそばにロスがいたので「告白する」という言葉を使えないため、「レイチェルはスイング・ダンスを習おうとしていて、私(モニカ)はそれを止めようとしている」ということにいるんでしたよね。
ですから、表面上はスイング・ダンスの危険性を説いて、スイング・ダンスを習うことをやめさそうとしているように言うことで、レイチェルが今からやろうとしていること(ロスへの告白)が危険だと言うことを悟らせようとしているセリフになります。
問題のセリフが含まれたモニカのセリフは以下のようになっていました。
モニカ: Well, Rachel wants to take swing dance lessons. Which I think is a really stupid idea. It's dangerous. She's never gonna get what she wants. And who knows who she might (Turns to look at Ross) end up hurting? (レイチェルは、スイング・ダンスのレッスンを受けたいと思ってるのよ。私はそれは本当に愚かな考えだと思うわ。危険よ。レイチェルは自分が欲しいものを手に入れることはないわ。(以下の、問題部分の和訳はここでは省略)
まず、問題のセリフ、And who knows who she might end up hurting? の who knows...? は、「誰が知っているというのか?」→「いや、誰も知らない」という反語、修辞疑問になります。
「誰が知っているというの? そんなの誰にもわからないわ」という流れで、意味としては、Nobody knows... 「誰にもわからない」と同じことですが、それを「誰が知っていると言うの?」と疑問文で表現することで、「そんなの誰にもわかりっこない」ということを強調するニュアンスが出ます。
このセリフは、who が2つ出てくるので紛らわしいですが、Who knows what/when/where/who のように、「何が・いつ・どこで・誰が〜するかは、誰にもわからない」というような knows の後に疑問詞が来る文章の一つの形で、たまたま、主語と同じ who が使われている、ということになります。
end up doing は「結局〜することになる」なので、セリフ全体の意味は、「彼女(レイチェル)が結局、誰を傷つけることになるかもしれないかは誰にもわからないわ」になります。
she might end up hurting someone 「レイチェルは結局(最終的に)誰かを傷つけることになるかもしれない」という誰か(someone)を、疑問詞 who にして前に出し、「レイチェルが結局、傷つけることになるかもしれないのは誰か、ということは、誰にもわからない」ということです。
モニカは、「レイチェルは今、自分の気持ちに任せてロスに告白しようとしているけれど、それでレイチェルの求めるものが手に入るとは限らない。結局、誰かを傷つけてしまって終わり、ということになるかもしれないのよ」と、レイチェルのやろうとしていることが誰のためにもならないことを悟らせようとしていることになるでしょう。
ネットスクリプトのト書きが、who she might (Turns to look at Ross) end up hurting? となっている通り、モニカはこのセリフを言っている時に、後ろのロスを意味ありげに振り返って、セリフが終わった後も、しばらくロスの目をじーっと見ています。
ロスも、「何で、スイング・ダンスのことで、僕の顔をそんなにじっと見てるんだ?」のように、状況がよくわからない、という顔をしていますね。
このモニカの行動を見ていると、「レイチェルが最終的に傷つけることになるかもしれない誰か」というのは、「今、目の前にいる、このロス」がどのような返事をするかで結局、レイチェル自身が傷つくことになるかもしれないということを言っているように私には思えました。
ロスをじーっと見ていることから、「レイチェルが傷つけることになるかもしれない誰かはロス」だと解釈することも可能なのかもしれませんが、「レイチェルが告白して、ロスを困らせる、傷つけることになる」ことを心配しているとしたら、もう少しロスに対して同情した顔を見せると思うのですね。この時のモニカは、ロスを挑むような目つきで見ていますので、「あなた(ロス)の返事次第で、レイチェルが傷つくこともありうる」という気持ちで見ているように思えるわけです。
なので、「一時の勢いで告白して、よりを戻したところで、レイチェルの思うように関係が進まず、結局また辛い別れをしないといけなくなる」というような、「レイチェル自身が傷つく」ことを言っているセリフかなぁ、と私は思うわけですね。
セリフの意味としては、
「レイチェルがロスに告白することで、最終的に傷つけることになるかもしれない人」が誰かは誰にもわからないわ。
と言っていることになります。
「スイング・ダンスは危ない、危険だ。誰かにケガをさせてしまうかもしれない」と言っているように見せて、「ロスへの告白は危険だ。自分自身を(または相手のロスを)最終的に傷つけてしまうかもしれないのよ。結果がどうなるかは誰にもわからないんだから。(だから誰のためにもならないことをするのはやめて)」みたいに言っているのが、ご質問のセリフの意味である、ということでしょうね。
自分で書いていて支離滅裂になってしまったのに、きちんと読み取っていただいてここのニュアンスとてもよく判りました。そっか、ロスがその場にいることではっきりと言えないためにそういうぼかした言い方だったんですね。しかもwhoを見るとまず関係詞かと思ってしまって・・・ モニカの行動だとかまで観ていないというかセリフが気になるとそこにだけフォーカスしてしまってせっかくのシットコム勿体ないですね・・・もう少し表情や仕草にも気を付けて観てみますね♪
ところで・・・ランキングクリックの仕組み最近やっと判りました。クリックはしていたもののこの後どうすればいいの?きっとカウントされていないなぁ・・・って思いながらクリックしてました(汗)これからはしっかりクリック、応援していきますので、これからもよろしくお願いします。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
ロスが大いに関係していることだけれど、すぐそばにロスがいるため、全然別の「スイング・ダンス」に例えて話をしている、、というようなシーンなので、セリフの解釈も余計に難しくなってしまう部分が大いにあったと思います。
質問をいただいた後、ネットスクリプトのト書きを読んで、また、実際にDVDのその画面も確認してみたのですが、やはり「画面を見て、キャラの口調・表情・行動から、セリフのニュアンスが改めてわかる」ということは大いにありますよね♪
それから、ランキングのことを気にかけていただきありがとうございます!
「ランキングクリックの仕組み」は、ご自身がランキングサイトなどに登録しておられない方には、ピンと来ない話ですよね。(Twitter や Facebook の仕組みも、自分が実際に使ってみないとよくわからない、、というのと同じでw)
ざっと説明させていただきますと、ランキングの名前が書いてある長方形(バナーと言います)をクリックしていただくと、ランキングサイトにジャンプして、それが「INポイント」となって、そのINポイントの合計で順位が決定する仕組みになっています。クリックは一日1回有効で、仮に一日に何回押して下さったとしても、それは1回分しかカウントされない仕組みになっています。
ランキングサイトで私のブログの名前をクリックしていただくとそれは「OUTポイント」になるのですが、OUTポイントの数は、「INポイント合計が同数の場合、OUTポイントが多い方が順位が上になる」ということで、ランキングはもっぱら、「INポイント」で決まることになります。
やっちんさんがそのように、クリック、応援をして下さること、本当にありがたく、心より感謝しております。その応援のお気持ちにお応えできるよう、記事もコメントも、全力で頑張りますね! こちらこそこれからもよろしくお願いします!(^^)