2010年08月14日

まるで昨日のことのようだ フレンズ5-3その6

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弟夫婦(フランクとアリス)の代理母として、産んだ三つ子を渡すことになっているフィービーですが、フィービーはそのうちの一人をもらいたい、と思っています。
それが可能かどうかをレイチェルからフランクに尋ねてもらうのですが、もちろん答えはノー。
以下のセリフでは、フィービーがレイチェルにその結果を尋ねています。
レイチェル: (entering) Hi. (To Phoebe) Hi! So uh, Frank and Alice wanted me to tell you that they're still outside making phone calls. ([入ってきて] はーい。[フィービーに] はい! それで、あの、フランクとアリスは、まだ外で電話をかけているところなの。それをあなたに伝えて欲しいって。)
フィービー: Oh. But umm, I mean, did you talk to them about, y'know...? (そう。でも、あの、ほら、二人に話してくれた? ほら…)
レイチェル: Yeah, umm, no, honey. (ええ。あの、ダメだって、ハニー。)
フィービー: Oh. Okay. It was a long shot. Hey, you guys? Can I just have like a second alone with the babies? (あぁ、わかったわ。望みの薄い試みだったもの。ねぇ、みんな? ちょっとだけ、このベイビーたちと一緒にいさせてくれる?)
みんな: Yeah, sure yeah. Yeah. (ああ、もちろん、いいよ。いいよ。)
(They hand her the babies and leave them alone.)
みんなはフィービーに赤ちゃんを手渡し、フィービーと赤ちゃんだけにする。
フィービー: So here you are. Seems like yesterday I was talking to you in that little petri dish. Everyone said labor was the hardest thing I'd ever have to do. But they were wrong. This is. Well, I had the most fun with you guys. I wish I could take you home and see you everyday. Okay, I'll settle for being your favorite aunt. I know Alice's sister has a pool, but you lived in me. Okay, so we're cool. Yeah, we're gonna be great. Little high-fives! (Imitates the high fives.) Ahh! Ahh! Ahh! (One of the babies begins to cry.) Well, if you're gonna cry.... (She starts crying.) (それで、あなたたちは(今)ここにいるのね。あの小さなペトリ皿の中のあなたたちに話しかけたのがまるで昨日のことみたいよ。陣痛が(しなければならないことのうちの)最もつらいことだってみんな言ってた。でもみんな間違ってるわ。これ[あなたたちを手放さなければいけないこと]が一番つらいことよ。そうね、あなたたちと最高に楽しい時を過ごしたわ。できることなら、あなたたちを家に連れ帰って、毎日あなたたちを見ていたいけど。いいわ、あなたたちのお気に入りのおばさんになることでよしとするわ。アリスのお姉さんはプールを持ってるって知ってるけど、でも、あなたたちは私の中に住んでたんだもの。いいわね、それで私たちは(お互い)問題ないわよね。そうよ、私たち最高になるもの。ちっちゃなハイファイブよ! [ハイファイブの真似をする] アー! アー! アー! [赤ちゃんの一人が泣き始める] ねぇ、もしあなたが泣くことになるのなら… [フィービーも泣き始める])

long shot は「成功しそうにない・望みの薄い企て・試み」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
long shot : [noun] [countable] (informal) someone or something with very little chance of success
つまり、「成功のチャンスが非常に少ない[ほとんどない]誰か、または何か」。

フレンズ3-14その15 でも、I know it's a long shot, but, by any chance 「望み薄だと思うけど、ひょっとして」という表現が登場していました。

子供の一人をもらうことはできない、と悟ったフィービーは、フレンズたちに席を外してもらって、3人の赤ちゃんに語りかけます。
フィービーは with the babies と言っていますが、これが本当の自分の赤ちゃんなら、with my babies と言うような気がするのですね。
それを考えると何だか切ないです。

Seems like yesterday... は「…したのはまるで昨日のことのようだ」。
アルク「起きてから寝るまで表現550 日常生活編」 の p.200 「つぶやき表現 応用編・親と子」でも、
It seems like just yesterday we were taking baths together! 「ちょっと前まで一緒にお風呂に入っていたじゃないか。」
という例文が出ています。
そこの解説でも、
It seems like... は「まるで…のようだ」。直訳すると「一緒にお風呂に入っていたのがついきのうのようだ」。
と説明されています。
ですから、(It) seems like (just) yesterday... という表現は、それなりによく使われる表現だと考えて良いでしょう。
日本語でも「…したのはまるで昨日のようだ」とやはり「昨日」という言葉を使うので、その感覚は同じですね。

ペトリ皿の中のあなたたち、というのは、フレンズ4-12 で、ペトリ皿に載っていた弟夫婦の受精卵に話しかけた時のことを言っています。
しんみりしたシーンの中に、「ペトリ皿って…」みたいにクスッと笑ってしまう要素も少し取り入れている感覚でしょう。

Everyone said labor was the hardest thing I'd ever have to do. But they were wrong. This is. について。
This is. の this は、「出産した後、こうして3人を弟夫婦に渡さないといけないこと」を指していて、This is the hardest thing... だと言っていることになります。
みんなは、世間の人は、出産・陣痛の痛み・苦しみが一番つらいって言うけど、それは間違いよ。本当につらいのは、今、私がしなければならないこと、産んだばかりの赤ちゃんを手放すってことよ、という意味ですね。

I wish I could take you home and see you everyday. は典型的な「仮定法過去」の文章ですね。
「…できたらいいのに(現実にはできない)」という、「現在の事実に反対の仮定」を表します。
文法事項を学ぶ時に、仮定法でつまずく人も多いですが、このセリフを言った時のフィービーの気持ちを考えると、仮定法のニュアンスがよく理解できるような気がします。
「できることなら連れ帰って、あなたたちを毎日見ていたい、でもそれはできないのよ」ということですね。
いくら私が望んでも現実はそれを許してくれないの、ということです。

I'll settle for being your favorite aunt. の、settle for は、「(不満足ながら、不満足なこと)を受け入れる、…でよしとする」という感覚。
LAAD では、
settle for something [phrasal verb] : to accept something even though it is not the best, or not what you really want
例) There wasn't any real coffee, so we had to settle for the instant kind.

つまり、「それがベストではない、または本当に欲しいものではないにもかかわらず、その何かを受け入れること」。
例文は、「本物のコーヒーが全くなかったので、我々はインスタントでよしとせねばならなかった」。

あなたたちのママになることはできないから、あなたたちが大好きな伯母さんでいることを受け入れるわ、ということですね。
I'll settle for と will が使われているので、赤ちゃんたちと話をしながら、「よし、私はそうするわ」と決めた感覚が出ている気もします。

I know Alice's sister has a pool, but you lived in me. について。
アリスの姉(もしくは妹)はプールを持っている、と言っています。
アリスの姉妹の話を出したのは、その人もこの子たちのおばさん(伯母さん・叔母さん)に当たるからですね。
そのアリス側のおばさんは(多分お金持ちで?)、家にプールがあったりするから、あなたたちはそのおばさんも好きになるかもしれないけど、でもあなたたちは私の中に「住んでた」んだから、私が負けるわけないわよね、と言いたいのだろうと思います。
子宮の中で育てていた、羊水の中であなたたちは暮らしてた、というイメージから、プールという単語も出てきたのかなと思います。
人工的なプールになんか負けないわよ、「私の水」の中であなたたちは暮らしてたんだからね、という、代理母だからこそ言える発言だと思いました。

赤ちゃんたちと「やったね!」と喜び合う仕草として、ハイファイブよ!と言いながら、3人の赤ちゃん1人ずつに、Ahh! Ahh! Ahh と声をかけるフィービー。
そのうちの1人が、ひっく、ひっく…と泣き出しそうになるので、フィービーも、もらい泣きしそうになっています。

if you're gonna cry.... について。
if 節に be gonna (be going to) という「未来形」が使われていますね。
これについては少し長くなりますので、明日、おまけの記事「フレンズ5-3その7」として投稿する予定です。


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posted by Rach at 11:16| Comment(0) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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