2010年08月21日

仮定法を使って本音を述べる フレンズ5-4その3

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[Scene: Monica and Rachel's, Phoebe, Rachel, and Monica are there.]
モニカとレイチェルの部屋。フィービー、レイチェル、モニカがそこにいる。
フィービー: I cannot believe I can't find a selfless good deed. Y'know that really old guy that lives next to me? Well, I snuck over there and, and raked up all the leaves on his front stoop. But he caught me, and force-fed me cider and cookies. Then I felt wonderful. That old jackass! (私利私欲のない善行(の存在)を見つけることができないなんて信じられない。私の隣に住んでる、あのかなり高齢のおじいさんを知ってるでしょ? 私はこっそりおじいさんのところに行って、玄関の前の階段の落ち葉を全部、かき集めてあげたのよ。でもそのおじいさんに(そうしているところを)見つかっちゃって、リンゴジュースとクッキーを無理やりごちそうになっちゃったの。それで私は良い気分になっちゃった。あのくそじじいめ!)
レイチェル: Maybe Joey's right. Maybe all good deeds are selfish. (多分、ジョーイが正しいのよ。多分、善行はすべて利己的なことなんだわ。)
フィービー: I will find a selfless good deed. Because I just gave birth to three children and I will not let them be raised in a world where Joey is right! (私は私利私欲のない善行を見つけるわ。だって私は3人の子供を産み落としたばかりで、ジョーイの考えが正しいような世界でその子たちが育つのを許すわけにはいかないもの。)

ジョーイに、selfless good deed (私利私欲のない・利己的でない善行)などは存在しないと言われ反論したフィービーは、何とかその存在を見つけ出そうとしています。
snuck は、sneak 「こそこそ入る・出る、こっそり近づく」の過去形ですね。
stoop は「玄関口の階段」。発音は「ストゥープ」という感じです。
rake は名詞で「(落ち葉をかき集めるための)レーキ、くま手」なので、それを動詞にすると、「(レーキなどで)(落ち葉など)をかき集める」になります。

catch は「捕らえる、つかまえる」ですが、この場合は「(人が)(何かをしているところを)見つける」という感覚ですね。
日本語でも「二人のデート現場をキャッチ」などと言ったりしますので、その感覚はわかりやすい気がします。
相手に気づかれないようにやっていたつもりがその現場を見られてしまって、「あ! 見つかっちゃった!」となってしまった感じ。

force-feed は、force 「(人)に無理やり…させる」と、feed 「(人)に食物を与える」という意味の通り、「(人)に無理やり・強制的に食べ物を与える」という意味。
この場合は、口を無理やり開けさせて食べ物を突っ込むわけではなく(笑)、結構です、と遠慮しているのに、「まぁそう言わずに食べなさい」と強く勧められて断れなかった、ということですね。
cider は日本語の「サイダー」ではなくて、「リンゴジュース」の意味。
フレンズ3-2その1 でも、cider について解説しています。

jackass は「まぬけ、ばか」みたいな悪口なので、that old jackass は「あの年老いたバカ」→「くそじじい」みたいな悪態をつく表現になります。
せっかく、相手に気づかれないように善行をして、a selfless good deed の存在を証明しようとしたのに、大袈裟に感謝されちゃって気分良くなっちゃったじゃない、あのじいさんのせいで!みたいな気持ちですね。

やっぱりジョーイの言うようにすべての善行は selfish なのよ、とレイチェルに言われ、フィービーは必死に反論します。
I will not let them be raised in a world where Joey is right. は「…という世界で、私が産んだばかりの3人の子供を育たせないわ」みたいなことですね。
raise は「(子供)を育てる」という意味で、be raised in という過去分詞として使われる場合は、「…で育つ」という感覚になります。
be born and raised in... 「…で生まれ育つ、生まれも育ちも…である」は決まり文句ですね。
world は「(私たちが生きているこの)世界」を指す場合は、通常、the が付きます。
今回のセリフでは、a world where Joey is right となっていますが、いろいろな世界が存在する中の一つの世界として、「ジョーイの考えが正しいとされる世界」を語っているので、a という不定冠詞がついている、ということになります。


チャンドラー: (entering) Hey, Monica? Can I ask you a cooking question? ([入ってきて] ねぇ、モニカ? 料理の質問していい?)
モニカ: Sure. (いいわ。)
チャンドラー: If you're cooking on the stove, does that mean that your new secret boyfriend is better in bed than Richard? (コンロで料理しているとすると、それはつまり、君の新しい恋人は、(元彼の)リチャードより(ベッドでの)エッチが上手ってこと?)
レイチェル: Chandler! (Pause) Is he? (チャンドラー! [少しの沈黙] そうなの?)
モニカ: Well, y'know I, I think I'm going to respect the privacy of my new, secret boyfriend. (そうねぇ、新しい秘密の恋人のプライバシーは尊重しようと思うの。)
チャンドラー: Why? I mean if this guy was me and it was me who had learned that it was me who was the best you'd ever had, I'd be going like this. (He jumps up onto the table and starts doing his happy dance.) (どうして? だって、もしこの男性が俺だったら、そして、君の今までの最高(のエッチの相手)が俺だってことを知ったら、俺はこんな感じになるよ。[チャンドラーはテーブルの上に飛び乗り、ハッピーダンスを始める])

モニカたちの部屋に入ってきたチャンドラーは、料理の質問をしていい?と言っています。
stove は日本語の「ストーブ、暖房機」という意味もありますが、ここでは「(料理用の)コンロ」という意味ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stove [noun] [countable] : a piece of kitchen equipment on which you cook food in pots and pans, and that contains an OVEN
つまり、「その上で鍋(pot や pan)に入れた食物を調理する台所設備の一つ。その設備にはオーブンが含まれている」。

cook on the stove という、いかにも料理の質問ぽいフレーズを出していますが、does that mean that... 以下では、全く料理とは関係ないエッチの話にすり替わっています(笑)。
料理の質問がある、と言えば、モニカがその質問をちゃんと聞いてくれるとわかっていて、わざとそういう前振りをしたわけです。
この質問を聞かなかったふりはできないだろ、という感じですね。

その質問を聞いて、レイチェルはチャンドラーの太腿をぺしっと叩き、少しの間、沈黙しているのですが、Is he? と言っています。
「チャンドラーが言うように、新しい恋人はリチャードよりもスゴイの?」とレイチェルも興味津々なわけです。

respect the privacy of... はまさに直訳通りの「…のプライバシーを尊重する」。
エッチが上手いとか下手とか、そんな彼のプライバシーに関することはお答えしません、ということですね。

モニカが答えを拒絶した後のチャンドラーのセリフ、if this guy was me and it was me who... について。
これは典型的な「仮定法過去」の文章ですね。
「もしこの男性(モニカの新しい恋人)が俺だとしたら」と、新しいモニカの恋人の立場になって、自分の意見を述べているのです。
「モニカの新しい恋人」というのはチャンドラー自身なわけですが、それはまだ二人だけの秘密で、他のフレンズたちはそのことに気づいていません。
だから、「現実にはそうじゃないけど、もし俺がその新しい恋人だったとしたら」という「現在の事実に反対の仮定」を表す仮定法過去を使っているわけです。
それは同時にモニカに対して、「俺の本音はこうだよ」と説明していることにもなりますね。
「俺がもし彼だったら知りたい」→「モニカの恋人本人として、今それを知りたいなぁ。みんなの前ではっきり言ってくれないかなぁ?」と言っていることになります。
(if) it was me who had learned that it was me who was the best you'd ever had というのは、it was me who というフレーズが2回も出てくる長い文章ですが、聞こえた順番に前からイメージしていくとわかりやすいかな、と思います。
「…を知ったのが俺なら」→「(何を知ったかと言うと)…は俺であること」→「(何が俺であるかと言うと)モニカが今まで持った中の最高であること」という流れになります。
君のこれまでで最高のエッチの相手だって知ったら、俺はこんな風に喜んじゃうよ、と、チャンドラーはいつもの喜びのダンスを踊っていますね。
フレンズ5-3その5 で、喜びのあまりそれを踊ろうとして、モニカに Don't do the dance. と言われたあのダンスです。
モニカは見たくない、という顔で目をそむけた後、いつまでも踊っているチャンドラーをあきれたように見上げているのも面白いですね。


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posted by Rach at 08:16| Comment(4) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、初めまして。
私が、Rachさんのブログを拝見させていただいのは、村上憲郎さんのシンプル英語勉強法についてネット検索をしていてRachさんのブロブを読まさせていただきました。
TOEICのスコアアップもすごいですが、書籍出版もされてご活躍されていますね。
村上式勉強方法でRachさんの感想をお聞きしたいのですが、
「単語は眺める」と書籍で書かれいますが、これはただ眺めるだけでしょうか?意味もわからず眺めていても頭には入らないと思います。Rachさんが思う、眺め方を教えていただけますか。
私のボキャブラリー数が少ないために眺める事が難しいのでしょうか?

ランキングクリックさせていただきま〜す。
Posted by suess at 2010年08月21日 11:58
suessさんへ
初めまして。数々のお褒めのお言葉、ありがとうございます。そう言っていただけるととても嬉しいです。

「単語は眺める」という村上さんのお言葉は、p.64 に書かれていますね。村上さんがおっしゃっておられるように、「単語の丸暗記」ではなくて、「その単語に何回も出会う」ということがやはり大切なのだと思います。
もちろん、意味もわからず眺めていてもそれは「アルファベットという記号の羅列」でしかありませんから、どういう意味かをわかっていないといけないと思うのですが、とにかく、数個の単語を一度で完璧に記憶しようとせず、何回も何回も「目に触れさせる」という行為が必要だ、ということですよね。
最初はピンとこない綴りであっても、だんだんそれが目になじんできて、初対面の言葉ではなくなってくる、その文字に慣れてくると、その意味と実際の使用例を例文などで何度も確認することで、その言葉が自分のものとなってくる、という感覚なのでしょう。

私もドラマで英語表現を学ぶ時に、それを単語帳や単語カードにして「丸暗記する」という作業はやっていません。エピソードを進んでいく中で、頻出表現であれば「何回も出会う」ことになる、そうして自然にその使い方やニュアンスになじんでいく、という感じなのですね。「記憶しよう」と気負い過ぎずに、いやでも覚えてしまうくらいに何回も眺めよ、というのが村上さんのメッセージだと私は思います。

また、ランキングクリックもありがとうございます。とても励みになります。これからも頑張ります。
Posted by Rach at 2010年08月23日 10:05
Rachさん,
お返事有難うございます。

何度も同じ単語に出会って覚える、一つの単語でも複数意味がありますから、本当に出会えないと覚えられませんね。

早く、文章から単語の意味が推測出来て、単語が頭に入るようにといつもいつも焦って思っています。どうしても覚えることに時間はかかりますね。

これからも応援させていただきます。
今日もこれからランキングクリックさせていただきま〜す。

p.s
Rachさんのスマートな文章に憧れます。
Posted by suess at 2010年08月23日 18:41
suessさんへ
こちらこそお返事ありがとうございます。
おっしゃるように「一つの単語でも複数意味があります」よね。だからこそ余計に、日本語訳の丸暗記ではなく、実際の文脈の中で覚えないといけない、ということなんだろうと思います。

やはり覚えるのには時間がかかります。短時間で覚えるとそれだけ忘れるのも早い気がしますしね。単語に限らず、学習というのは全て、ある程度の時間をかけないとモノにならないと思っていますので、「短期間で、すぐに」というキャッチフレーズのものは一切信用しないようにしています。

また、「スマートな文章」と言っていただけてとっても嬉しいです。ありがとうございます。それからランキングクリックの件もありがとうございます。とても励みになります。これからも頑張りますのでよろしくお願いいたします。
Posted by Rach at 2010年08月26日 08:40
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