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仲間から離れるべきなのは、全ての原因となったこの僕なんだ、というロス。
レイチェルは「そんな…」と否定しようとするのですが、
ロス: No, no, it's okay. Really. There're plenty of people who just see their sisters at Thanksgiving and just see their college roommates at reunions and just see Joey at Burger King. So is, is that better? (いや、いや、いいんだ。ほんとに。妹とは感謝祭で会うだけ、とか、大学のルームメイトとは同窓会で会うだけとか、ジョーイとはバーガーキングで会うだけ、とか、そういう人は大勢いるよ。それならいいだろ?)
レイチェル: No, it's not better. I still don't get to see you. (いいえ、良くないわ。私はやっぱりあなたに会えないもの。)
ロス: Well, what, what would you do, Rach? If you were me, what, what would you do? (それじゃあ、君ならどうするの、レイチェル? もし君が僕なら、君ならどうする?)
レイチェル: Well, for starters, I would've said the right name at my wedding! (そうねぇ、そもそも、私なら結婚式で正しい名前を言ってたでしょうね!)
二人は少し笑い、また寂しそうな顔に戻って
ロス: I can't believe this is happening. (こんなことが起こるなんて信じられないよ。)
レイチェル: I know. (そうね。)
ロス: I am so sorry. (本当にごめんよ。)
レイチェル: I know that too. (それもわかってるわ。)
二人は手を握り合う。
There're plenty of people who just see... について。
ネットスクリプトでは、They're plenty of people who just see their sisters at Thanksgiving... と書いてあり、DVDの英語字幕では、Plenty of people just see their sisters at Thanksgiving... になっていましたが、ここは、There're plenty of people who... 「…する人は大勢いる」が正解だろうと思います。
まずはその people の内容を見てみます。
妹や大学のルームメイトという言葉が出ているのは、「仲間外れになるのは私よ」という話の中で出てきた以下のセリフ、
レイチェル: It's not gonna happen to Ross! [モニカに] He's your brother. [チャンドラーに] He's your old college roommate. (ロスが仲間外れになるわけない! ロスはモニカの兄さんで、ロスはチャンドラーの大学のルームメイトだもの。)
を踏まえてのものですね。
レイチェルがそう言っていると聞いたロスは、「妹だから、大学のルームメイトだからって、何も四六時中一緒にいなきゃいけないわけじゃない、妹や同級生と、こういう機会にしか会えないって人間も、世間には大勢いるんだから…」と説明しているわけです。
just see someone at 〜 の just は「誰かとは、ただ〜で会うだけ」みたいな感覚でしょう。
普段はめったに会うことなくて、家族とは感謝祭で、学生時代の友人とは同窓会で会うくらい、そういう人たちは大勢いるだろ? 僕もそういう人たちと同じことになるだけさ、と言いたいのですね。
そういうしんみりした話をしながらも、3番目のジョーイのくだりは、よくある「3段オチ」のジョークになっています。
家族でも学生時代の友人でもないジョ−イとはどこで会えるかって言うと…そうそう、バーガーキングに行ったら、彼にいつでも会えるしね、みたいな感じ。
この部分も、主語は前の2つと同じ「大勢の人」のままなので、バーガーキングに行けば誰もがジョーイに会える、みたいなニュアンスがあります。
ジョーイに会いたい人は、バーガーキングに行けばいいんだよ、ということですね。
バーガーキングについて、詳しくはこちら。
Wikipedia 日本語版: バーガーキング
たまたま9月3日(金)の日経新聞朝刊に、「バーガーキング 米で身売り合意 ファンドに3370億円で」という記事も載っていました。
その記事にも「バーガーキングは世界に約1万2000店を持つ」という説明がありましたが、日本では首都圏のみで展開されているようですね。
So is that better? は、「今、言った僕の話は、君が想像してたのより良い感じだろ?」みたいなニュアンスだろうと思います。
身を引くのは僕だ、と聞いて、そんな寂しいこと…とレイチェルは思ったかもしれないけど、彼らと会うチャンスはあるんだし、世間にはそういう感じの付き合いをしている人もたくさんいる、だから僕だけが不幸なわけじゃないから心配しないで、全く会えなくなるわけじゃないんだからさ、と言っているわけですね。
同時にそう自分に言い聞かせることで、自分を納得させようとしている感じもあるでしょう。
better という言葉を使ったロスに対して、レイチェルは better じゃない、と言います。
I still don't get to see you. というセリフにはちょっと泣けてしまいますね。
still は「やはり、まだ、いぜんとして」で、状態が前と変わっていないこと、そのままの状態で続いていることを示します。
don't get to see you を無理に直訳すると「あなたに会うという状態にならない」となるでしょうか。
「僕はみんなと1年に1回くらいは会えるから、それなら悪くないだろ?」とロスが言ったことに対して、「みんなはあなたに会えても、やっぱり私はあなたに二度と会えないんだから、そんなのちっとも良くない、「私が」「あなたに」会えないって事実は変わらないし、あなたに会えないんじゃ意味がないのよ」と言いたいのですね。
ロスと会えなくなることで、フレンズたちとも疎遠になる…と心配していたレイチェルをロスは気遣ったわけですが、レイチェルとしては、仲間外れになってしまうかどうかよりも、あなたに会えなくなることが一番つらいことなんだから…ということです。
If you were me, what would you do? は典型的な仮定法過去の文章ですね。
君が僕になる、ということは事実上不可能だけど、「もし君が僕だとしたら、君が僕の立場だったら、君ならどうする?」と、相手の意見を求めている表現です。
普通は、If you were me という条件節なしの、最初の What would you do? だけで、すでに「もし君が僕だったら」という仮定の意味が含まれています。
would にそういう仮定のニュアンスがあるために、I would を使って答えた場合も、それだけで「もし私があなたの立場だったら、私はこうする」という意味になるのですね。
for starters は「手始めに、まず第一に」。
I would've said は、would have+過去分詞、の形で、「過去の事実とは反対の仮定」を表す「仮定法過去完了」ですね。
この場合は「私なら(その時)…しただろうに(でも実際のあなたは違うことをした)」というニュアンスになります。
どうする?と今のこと、これからのことを聞かれたレイチェルが、仮定法過去完了を使って「過去のこと」を語っている、というその「時制のずれ」が、この会話の面白さになっていると思います。
これからどうするかより何より、そもそも結婚式の時に、私なら相手の名前を間違えたりするような、そんなどんくさいことはしなかったわ、みたいに言っているわけですね。
それを聞いたロスはフッと軽く笑い、レイチェルもつられて笑っています。
全ての元凶となった「花嫁の名前の言い間違い」をこんな風にジョークとして言えるのも、親友だからこそ、ですが、真剣な気持ちとしても、「今、どうする?と聞かれても、私にもどうしたらいいかわからない」と思っているので、こんな風にジョークを言うしかなかった、という切ない場面でもある気がします。
こんなことが起こるなんて、こんなことになるなんて信じられない、というロスに、レイチェルは、I know. と返します。
ニュアンスとしては、「そうね、わかってるわ」という感じ。
ロスが今の事態を信じられない、と言っていることに対して、信じられないっていうその気持ちはよくわかるわ、ということです。
自分の決断でこんなことになってしまったことを、ロスはレイチェルに詫びていますね。
I know that too. は、「そのこともわかってる」、つまり、そんな風に謝らなくても、あなたが申し訳なく思ってること、私はよくわかってるからね、ということです。
お互いのことをよくわかっているからこそ却ってつらいし、やりきれない…そういう二人の気持ちがよく表れているシーンですね。
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非公開コメントで、以下のご質問をいただきました。
本で、「PCをノート代わりに調べた単語を書いている」とありましたが、どのようにPCを使っているのでしょうか?
その件について、こちらで回答させていただきます。
昔は、ワード(Microsoft Word)を使っていたのですが、今はもっと軽い「メモ帳」を使っています。
「きれいにまとめたノートを作る」という意図は全くなく、意味を調べた場合に、辞書の語義やネットの情報をコピペしたり、その時に思った自分の考えなどを、ほんとに殴り書きしているような感じの、ラフなものです。
そういう「殴り書きのメモ」を人様に見せられる形の文章にしたものが、今のブログの解説部分になります。ですから、「メモ帳」にメモしている内容は、ブログの解説をもっとラフにしたような感じだと思って下さい。
パソコンにテキストデータの形で記録しておくと、後から簡単に検索もできますから、見た目をきれいに書く必要はあまりないと思っています。
調べて理解した時はいろいろ覚えていても、後ですぐに忘れてしまうことがわかっているので、後で思い出す時に役立つように記録として残しておく、という感じのものですね。
上に書いた部分でわかりにくい点がございましたら、またご質問下さいね。