2010年09月15日

henceはアカデミックな単語 フレンズ5-6その2

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は5位、「にほんブログ村」は1位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


エミリーのために、家財道具全てを買い換える決意をしているロスに、
チャンドラー: Okay, but don't you think this is a little extreme? (わかった、でも、これってちょっと行き過ぎだと思わないか?)
ロス: After what I did, can you blame her? (僕があんなことした後だ、彼女を非難できる?)
フィービー: Oh, my God! You got off easy. When my friend Silvie's husband said someone else's name in bed, she cursed him and turned his thingy green. (まあ! あなたは軽い罰で済んだわよ。私の友達のシルヴィーの夫がベッドで誰か他の人の名前を言った時、シルヴィーは夫に呪いをかけて、彼のモノを緑に変えたんだから。)
(Ross suddenly gets up and heads for the bathroom.)
ロスは突然立ち上がり、トイレに向かう。
ジョーイ: (after Ross is gone) What is he doing? What, Emily thinks Ross' furniture has got Rachel cooties? ([ロスが行った後] ロスは一体何やってんだよ? ロスの家具にはレイチェル・シラミがついてるとでも、エミリーは思ってるのか?)
モニカ: Now calm down, Joey. (ねぇ、落ち着いて、ジョーイ。)
ジョーイ: No! Everything's gettin' all messed up, y'know? Emily won't let Ross see Rachel. We're not gonna stop seeing Rachel. Hence Ross stops seeing us! (やだ! 何もかも全部、ぐちゃぐちゃになってるよ、だろ? エミリーはロスとレイチェルを会わせない。俺たちはレイチェルに会うのをやめない。ゆえに、ロスは俺たちに会うのをやめる[俺たちに会わなくなる]、ってことだ。)
フィービー: Oh, I hate this. Everything's changing. (あぁ、こんなのいや。何もかもが変わって行くわ。)
チャンドラー: Yeah I know, we're losing Ross. Joey said "hence." (あぁ、そうだね。俺たちはロスを失うし、ジョーイは hence って言葉を言うし。)

エミリーの言う通り、家財道具を全て新品に買い換えるというロスに、フレンズたちは、それでいいのか?と尋ねています。
extreme は「極端な、過激な、行き過ぎの」。
エミリーの言うことはいくらなんでもちょっと行き過ぎじゃないのか?とチャンドラーは言いたいわけです。

After what I did, can you blame her? について。
after what I did を直訳すると、「僕がしたことの後で」。
結婚式でエミリーの名前をレイチェルと言ってしまった、彼女に対してそんなひどいことをしてしまった後で、というニュアンスですね。
can you blame her? の you は、エミリーのことを行き過ぎだと言っているチャンドラーを指しているとも考えられますが、漠然と「一般の人々」を指しているような気もします。
僕(ロス)がエミリーにとてもひどいことをしてしまった、というのは誰の目にも明らかなので、エミリーがどんなことをしても、誰も彼女を非難できない、非難できる人などいない、という感覚かな、と思います。
また、その「一般の人々を表す you 」にはロス自身も含まれていて、「行き過ぎだと思わないか?」と言われても、僕は彼女を非難することはできないんだ、だってあんなひどいことをしてしまった後だからね、というニュアンスも入っているように思います。

You got off easy. の get off easy は「軽い罰・叱責で済む」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
get off easy : to escape severe punishment for something that you have done wrong
つまり、「自分が悪いことをしてしまったことに対しての厳しい罰を逃れること」。

get off には「刑罰・不幸を免れる」という意味があります。
ここでの easy は副詞で「楽に、容易に」。
easy は形容詞として使われることが多く、副詞としては別に easily という単語が存在しますが、easy の形でも副詞として機能するのですね。

研究社 新英和中辞典には、
easy=【副】(口語) 楽に、気楽に、容易に、ゆっくりと (注:通例口語体の慣用的表現に用い、他は easily を用いる)
Easier [It's easier] said than done. (諺) 言うのはやさしいが行なうのは難しい。
Easy come, easy go. (諺) 得やすいものは失いやすい。


と出ています。
get off easy はまさに、get off easily という意味の「口語体慣用表現」だということです。

thingy は、あえて名前を言わない「もの」というニュアンス。
ここではまさに日本語で言うところの「モノ」、夫の大事な部分(笑)を指していますね。
ベッドで(エッチの最中に、もしくは寝言で)別の女性の名前を言ってしまったために、その部分を緑色に変えられた、という話ですが、ペンキで塗られた、とかではなく、呪いでそんな色に変えられた、というのが何とも怖いです(笑)。
ロスも最初は、そんなバカな…みたいに笑っているのですが、フィービーが冗談だと否定しないので、後で真顔になっているのも笑えます。
ベッドで名前を間違えてそんなことをされちゃった人もいるんだから、ロスは大勢の人のいる結婚式で名前を間違えて、それで済んでるなんて楽だわよ、とフィービーは言いたいのですね。

cootie は「シラミ」。
レイチェルが触ったものを全て処分しろ、だなんて、レイチェルのシラミでもついてるって言いたいのか!とジョーイは怒っています。
モニカになだめられても、ジョーイの怒りは収まりません。
stop seeing Rachel は「レイチェルに会うのをやめる」。
stop doing は「…するのをやめる」で、stop to do は「…するために立ち止まる、立ち止まって…する」であるという違いは、学校文法でもよく登場する事柄ですね。

エミリーのせいで、ロスは俺たちと会わなくなってしまう、何もかもが変わってしまう…と口々に言うフレンズたち。
最後のチャンドラーのオチが面白いですね。
全くだよ、ほんとに何もかも変わっていくよねぇ、ロスとのこともそうだし、ジョーイは hence なんて言葉を使うしさぁ…と言っているわけですが、hence という言葉がジョーイには似つかわしくない単語であることが、そのセリフだけでわかります。

hence は「ゆえに、それゆえに、このゆえに」。
研究社 新英和中辞典には、hence の用法として、
so that, consequently, therefore よりも硬い表現
と出ています。
そのセリフのイメージ通り、かなり硬い表現であることが辞書でも確認できましたね。
セリフからだいたいの言葉のイメージを掴んでおいて、それを辞書でしっかり確認する、という作業が、言葉を定着させるのには大切です。

LAAD では、
hence [Ac] [adverb] (formal) :
1. [senence adverb] used to show that what you are about to say is a result of what you have just said

つまり、「(フォーマル) [文副詞(文全体を修飾する副詞)] 今から言おうとすることが、たった今言ったことの結果である、と示す時に使われる」。

LAAD では、hence という単語に、Ac というマークがついています。
Ac は、the Academic Word List に含まれている単語、という印です。
学生が学問としての読み書きをする場合に必要な、アカデミックな単語だということですね。
アカデミックなこととは縁遠いジョーイが(笑)、hence という言葉を使っているおかしさを、このセリフから感じていただけたら、と思います。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 07:16| Comment(0) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。