2010年09月17日

毛皮を火葬してもらう フレンズ5-6その3

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フィービーは、ママから、おばあちゃんの持ち物だった(家に代々伝わる)家宝のミンクの毛皮を譲り受けます。
動物愛護主義者のフィービーは、毛皮をどう処分するかで悩んでいます。
フィービー: So listen, you know my friend Chris who owns the crematorium? (それで、聞いて。火葬場を持っている[経営している]私の友達のクリスを知ってるでしょ?)
モニカ: Crematorium Chris? Sure! (クレマトリアム・クリスね? もちろん(知ってるわ)!)
フィービー: He said that he would cremate my fur coat for free if I umm, y'know, bring in the next person I know who dies. (彼が言うにはね、私の毛皮のコートをただで火葬にしてくれるんだって、もし、その、ほら、今度、私の知り合いで死ぬ人を紹介したらね。)
(Rachel enters from the bathroom and sees the coat.)
レイチェルはトイレからこちらの部屋に入ってきて、そのコートを見る。
レイチェル: Oh, my God! Oh, my God. Look at these pelts! (まぁ、なんてこと! すごいわ。見てよ、その皮!)
モニカ: Don't get too attached. She's having it cremated. (あんまり執着しすぎちゃだめよ。フィービーはそれを火葬してもらおうとしてるんだから。)
レイチェル: What? Uhh, Phoebe, honey, honey, I know you're quirky, and I get a big kick out of it. We all do, actually. But if you destroy a coat like this, I mean, that is like a crime against nature! Not nature. Fashion! (何ですって? あー、フィービー、ハニー、ハニー、あなたが風変わりな人だってことはわかってるわ。そして私はそれにしびれてるの。私たちは、実際、みんなそうよ[あなたにしびれてるわ]。でも、もしあなたがこんなコートを破壊するのなら、つまり、それは自然に対する犯罪みたいなものよ! [自分で「違うわ」という感じで横を向いて笑って] 自然(に対する犯罪)じゃない。ファッション(に対する犯罪)よ! [ここはすごく怒った声と顔で言う])
フィービー: This is fashion? (Grabs the coat from Rachel.) Okay, so to you, death is fashion? That's really funny. (She puts the coat on and starts to model it.) Here's Phoebe umm, sporting uh, y'know, cutting edge hairy carcass from, y'know, the steel traps of wintry Russia. I mean, you really think this looks good? (Sees herself in the mirror.) 'Cause I do! (これがファッションですって? [レイチェルからコートを掴み取る] いいわ、あなたにとってはそうなのね、死がファッションなのね? それってすっごく面白いわ。[フィービーはコートを着て、それを着たモデルの真似をし始める] こちらは、冬のロシアの鋼鉄製の罠からやって来た[取って来た]、流行の最先端の毛深い死骸を誇らしげに見せているフィービーです。つまり、あなたはこれが素敵に見えるって本当に思うの? [フィービーは鏡に映った自分の姿を見る] (思うわよね)だって私は(実際に)そう思うもの。)

crematorium は crematory とも言いますが「火葬場」。
cremate は「(死体)を火葬にする」という動詞ですね。
Crematorium Chris というあだ名のところで観客が笑っています。
Cre- と Chri- とが似た音の繰り返しになっているので、(「火葬」という死に関する話ですから、ちょっと不謹慎ですが)うまい具合につけたあだ名だねぇ…というところでしょう。

for free は「無料で、ただで」。
owns the crematorium つまり「火葬場を所持している、持っている」ということは、火葬場を経営していて、火葬するのが仕事だ、ということですね。
本来は火葬する場合、料金を取るけれど、それをただでやってくれるの、ということです。
ただし、知り合いで次に死ぬ人を紹介したらね、という条件付きであることを、if 以下で説明しています。
次のお客さんを紹介してくれたら、今回のことはサービスでしてあげるよ、という話なわけですが、さらっと言っているわりには、「次に友人の誰かが死んだら」というヘビーな内容なので、そのブラックさに笑ってしまうわけです。
また、火葬の話が出たことで、毛皮=動物の死体、だと強く認識しているフィービーは、処分する場合は人間の死体と同じように丁寧に葬るべきだと思っていることもわかりますね。

トイレから戻ってきたレイチェルは、ミンクのコートを見て、感動の声を上げています。
pelts! と言うのを聞いて、観客は笑っていますね。
英和辞典では、pelt は「(動物の)生皮、毛皮」という訳語が出ています。
恐らくこれは、「コートの毛皮」というニュアンスではなくて、「生き物の皮」というニュアンスの言葉だから、笑い声が起こっているのだと思います。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pelt [noun] [countable] : the skin of a dead animal, especially with the fur or hair still on it
つまり、「死んだ動物の皮、特に、まだ表面に毛皮や毛がついている状態のもの」。

レイチェルは冗談ぽく、「その”動物の皮”、素敵ね!」と言っているのでしょう。

get attached (to...) は、「(…を)好きになる」「(…に)執着する、こだわる」。

She's having it cremated. という文は、近い未来を表す「現在進行形」と、「have+目的語+過去分詞」という使役動詞 have が使われていますね。
have it cremated の it は the fur coat です。
日本語だと「フィービーはそのコートを火葬にするつもり」みたいな言い方をしますので、She's cremating it. のように表現したくなりますが、そうすると、She、つまり、フィービー自身が火葬という行為を行うように聞こえます。
実際に、「火葬する」という行為を行うのは友人のクリスですから、「毛皮のコートを火葬してもらう」という意味で、「コートが火葬されるという状態を持つ」というニュアンスの have it cremated という使役の形が使われているわけです。
I had my hair cut. 「私は髪の毛を切ってもらった、散髪してもらった」と同じニュアンスですね。

コートを燃やそうとしていると知って、レイチェルは慌ててそれを引き止めようとしています。
「フィービーは風変わりで、私やみんなはそれにしびれちゃうんだけどね」みたいなことを言って褒めた上で、でも、このコートを破壊するなんて、ファッションに対する犯罪よ!と最後には怒っています。
quirky は「風変わりな、奇妙な」。
get a big kick out of... は「…から刺激・快感・スリルを得る、…にしびれる」。
名詞 kick に「刺激・スリル」という意味があるのですね。
LAAD では、
kick [noun] : [singular] (informal) a feeling of excitement you get from doing something enjoyable
つまり、「何か楽しいことをすることで得られる、興奮の感情」。

コートを cremate することを、レイチェルは destroy と表現しています。
レイチェルにとっては、動物の死体という認識はなく、素敵でおしゃれで高価な服、というイメージしかないので、それをあなたは「破壊する」気なの?と言いたいのですね。

こんな素敵な毛皮のコートを破壊するなんて、ファッションに対する犯罪だわ、と言い切ったレイチェルに対して、「あなたにとっては、”死”がファッションなわけ?!」と反論するフィービー。
その後、コートを実際に羽織ってみて、ファッションモデルのような真似をしています。

Here's Phoebe umm, sporting... の文章は長いですが、こういうものは前から順番にイメージしていくべきですね。
まず語彙を説明していくと、
sport は動詞で「…を見せびらかす、誇らしげに・自慢そうに示す」。
cutting edge は「(流行・ファッションなどの)最先端、最前線」。
carcass は「(獣の)死体、死骸」。

前から順番に意味を取っていくと、
こちらはフィービーです(と自分で紹介する感じ)
→(そのフィービーは何をしているところかと言うと)最先端の毛深い死体を見せびらかしています
→(その死体はどこから来たものかと言うと)冬のロシアの鋼の罠から来た、
という感じになるでしょうか。
ファッションショーのナレーションみたいに、その様子を言葉で紹介しているわけですが、嬉しそうに見せびらかしている最先端のその毛皮は、「ロシアの罠で捕らえられた動物の死骸のなれの果て」なんだけどね、と言いたいわけです。
そんなものをファッションだと言ってみせびらかすなんて悪趣味よ!という感じでしょう。

こんなのが素敵に見えるわけ?と怒っていたフィービーですが、鏡に映った、毛皮を着ている自分の姿を見て、'Cause I do! と言うオチが楽しいですね。
この文章は、You really think this looks good? 'Cause I do! ということなので、「あなたはこれが素敵に見えるって本当に思うの? (そう思うわよね。) だって(実際に)私はそう思うもの。」みたいな意味になります。
鏡を見る前と見た後で、コロッと気持ちが変わってしまったことが表れています。

フィービーのセリフがもし、You really think I look good in this? 'Cause I do! だったとしたら、「これを着た私が素敵に見えると思う? (思うわよね。) だって私は(実際に)素敵に見えるもの。」という意味になるでしょう。
ですが、実際のセリフは、I look good in this ではなくて、this looks good のように主語は this なわけですから、this の動詞に当たる look は、'Cause I do. の do が指す動詞とはなり得ません。
I do の do が何か?を考えた場合は、その前の You really think に対して、I do と言っていると考えるのが自然です。
流れとしては、You really think...? Of course, you do. Because I (do) think so. という感じでしょう。

最初に「あなたは本当にそう思うの?」と言った時は、単なる疑問ではなくて、「そんな風に思うなんて信じられないわ」という反語表現だったのですが、鏡に映った自分の姿があまりにも素敵だったので(笑)、「思うの?…って、そりゃ、そう思うわよね。だって(今、鏡を見て)私もそう思うから。」と、あっさり素敵さを認めてしまった感覚です。
動物愛護の精神から毛皮に反対していたフィービーですが、自分の可愛い姿にはそのポリシーをも変えてしまう…という女の子っぽいオチですね。


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posted by Rach at 07:31| Comment(0) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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