2010年09月29日

so thatのいろんな形 フレンズ5-7その2

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ジョーイ: Hey, you can stay with us! We'll take care of ya! (なぁ、ロスは俺たちのところにいろよ! 俺たちがお前の世話をしてやるよ!)
チャンドラー: Oh, yeah! Absolutely! Anything you need, man! But you have to promise me you will let us know the second you are feeling better so that we can make fun of your hair! (あぁ、そうだよ! もちろん! お前が必要なものは何でもな! でも、俺に約束してくれ、お前の気分がましになる瞬間を俺に知らせるって。俺たちがお前の髪型を笑えるようにね!)
ジョーイ: Yeah. (ああ。)
ロス: You got it. ([恥ずかしそうに自分のボサボサの髪の毛に触って] 了解。)
ジョーイ: Okay. (よし。)
ロス: Thanks, you guys, I really appreciate this. All right, I'm gonna get packing again. Man, I've been moving around so much lately I'm beginning to feel like a nomad. (ありがと、二人とも、このことは本当に感謝してるよ。よし、また荷造りをするよ。あぁ、ここ最近ずっと、あちこちとすごく動き回っていたから、自分がノーマッド(放浪者)みたいな気分になってくるよ。)
(Joey starts giggling.)
ジョーイはクスクス笑い始める。
ロス: What? (何?)
チャンドラー: He thought you said gonad. (ジョーイは、ロスがゴーナッド(生殖腺、生殖器官)と言ったと思ったんだよ。)
(Joey busts out laughing.)
ジョーイはどっと笑う。

ロスが部屋を追い出されたと聞いて、俺たちの部屋に来ればいい、と誘う二人。
you have to promise me... のセリフ中の so that we can は、「俺たちが…できるように」という目的を表す副詞節ですね。
日本語では、「…できるように〜する」という語順が自然なので、上のセリフも、「お前の髪(型)を笑えるように、気分が良くなったら教えてくれ」と訳すことも可能ですが、こういう長い文章の場合は、とにかく聞こえた順番に前からイメージしていく方がすんなり理解できます。
前から順番に訳すと、「お前は俺に約束しなければならない」→「俺たちに知らせるって」→「気分が良くなる瞬間を」→「お前の髪型を笑うことができるように」という感じになりますね。
このように目的を表すフレーズが最後に存在することで、「気分が良くなったらすぐに教えてよ。だってそうしたら、お前のその変な髪型を思い存分からかうことができるだろ?」と最後にオチが来るセリフになるわけです。
「気分が少しはましになったらそう言ってくれよな」と、ロスのことを親身になって心配しているかのように言っておきながら、実は「あんまり落ち込んでるとその髪型をからかうこともできないしさ」とジョークとして落としているのが、いかにもチャンドラーらしいな、と思いました。

I've been moving around so much lately I'm beginning to feel like a nomad. は、so 〜 (that)...「非常に〜なので…」の構文ですね。
DVDの英語字幕では、I've been moving around so much that I feel like a nomad. のように that が書いてありますが、実際の音声では、ネットスクリプト通り、that がない形になっています。
so 〜 (that)... の構文で、that が省略された形になっている、ということですね。

さきほど、so that S can の形をご紹介しましたが、その後すぐに so 〜 (that)... が出てきたので、その二つの so that の違いを学ぶのに良い例だな、と思います。
that が省略されているけれども、so 〜 (that)... の構文だと気付くことも大切ですね。

nomad は「遊牧民、放浪者」。
gonad は英和辞典では「生殖腺、性腺」という訳語で載っています。
「ノウマッド」と「ゴウナッド」という音が似ているので、ジョーイはそれを聞き間違えて笑ってるんだ、ということです。

gonad について、もう少し専門的、医学的見地から意味を説明すると、
LAAD では、
gonad [noun] [countable] : BIOLOGY the male or female sex organ in which the sperm or eggs are produced
つまり、「(生物学) 精子や卵子が作られる、男性または女性の生殖器官」。

Macmillan Dictionary では、
gonad [noun] [countable] : (medical) a sex organ that makes cells used in producing babies. In men this sex organ is called a testicle, and in women it is called an ovary.
つまり、「(医学的(医学用語)) 赤ん坊を作り出す時に使われる細胞を作る生殖器官。男性においては、この生殖器官は睾丸(testicle)と呼ばれ、女性では卵巣(ovary)と呼ばれる」。

何だか保健の授業みたいになってきましたが(笑)、語義を見てもわかるように、生物学的、医学的用語、という感じですね。
ジョーイがそういう専門的な言葉と聞き間違える…というのは、やや無理がある感じもするのですが…。
前回の記事 フレンズ5-7その1 で解説したように、エピソードの冒頭シーンで、ジョーイは、「ナショナル・ジオグラフィック」という自然科学系の雑誌を読んでいました。
それは実は、nomad を gonad に聞き間違える、という今回のオチに繋げるための伏線だったのかな、と思ったりします。

その雑誌のブタの乳首の写真を見てジョーイは喜んでいましたが、そこにブタの生殖関連の記事が載っていて、gonad という言葉が登場していた、それで、ロスの nomad という言葉を聞いて、よく似た発音の gonad を連想し、またいやらしいクスクス笑いをした…という流れなのかなぁ、と。

脚本を書いた側の視点を想像してみると、nomad と gonad というダジャレのオチを思いついたはいいけれど、いきなり gonad という、恐らく普段の会話ではあまり登場しない単語をジョーイが思い付くのは不自然なので、その流れが自然になるように、冒頭でブタの knobs (= nipples) の話を持ってきた…ということかな、と思いました。


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posted by Rach at 07:26| Comment(3) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつもありがとうございます!楽しく拝読しております。

みなさーん タダでこんな素晴らしい勉強ができるんですから、ちゃんとクリックしましょうね!

明日以降、素晴らしい内容のブログを楽しみにしています。
Posted by マーくん at 2010年09月29日 13:56
Rachさん、こんばんは。僕もマーくんに全面的に賛成です。毎回勉強になります。
いつも深い解説・・・と申し上げておりますが、今回も、脚本側の視点で逆にgonadー>normadー>knob という形でシナリオ作ったのでは、という推理にはなるほど、と敬服です。たぶんそうですよね。若干リスキー表現ながらも面白い状況を組み立てることに注力したのでしょうね。

ところで、いつも字幕をなるべく出さずにDVD見て分ろうとしているのですが、今回のチャンドラーのセリフ、But you have to promise me you will let us know the second you are feeling better so that we can make fun of your hair!
というのは言葉としては何とか分ったのですが、何回聞いても意味はとれませんでした。(特にsecondが瞬間とは読めなかったので。)
英語は難しいですね。

Posted by koroyakun at 2010年09月30日 20:32
マーくんさんへ
温かいコメント、ありがとうございます。また、ランキングクリックの声かけ(!)も、ありがとうございます。
ブログの閉鎖なども視野に入れた「ブログ5周年」の記事からもう3ヶ月半も経つのですが、今でもこんなに多くの方にクリックしていただけていること、本当に嬉しく、心から感謝しています。

読者の皆さんが、思わずクリックせずにはいられないような(?)、すごい記事を書けるように、これから、もっと頑張っていきたいと思っています。
応援して下さる方がいて下さると思えると、もっともっと頑張ろうと思えます。
私らしい形で、私らしいブログが続けていけたら幸せです。
どうかこれからもよろしくお願いいたします。


koroyakunさんへ
いつも拙ブログを高く評価して下さり、ありがとうございます。

実際に脚本家の方がどう脚本を組み立てたか、という部分は、脚本家ご本人に聞いてみないとわからないことではありますが、そんな風に推理してみるのも楽しいかな、と思ったのですね。私は日本のお笑いも好きなもので、ついついそういう「オチへ向けての組み立て方」みたいなものを気にしてしまう傾向にあるようです。

そのチャンドラーの、But you have to promise me... のセリフは、音としてはかなり長いですよね。the second の意味もそうですが、こういう長いセリフを聞いたまま頭の中でイメージし理解できるようになることが、英語を英語のまま理解する、ということなのだろうと思います。

ドラマのセリフは、話者が考え考えしゃべっていたり、もしくは興奮してまくし立てたり、など、結構、切れ目のわかりにくい、長いセリフも多いですよね。最初から構成がきっちりした書き言葉ではない話し言葉としての英語は、やはりこういうドラマなどの生きた会話から学ぶべきだ、と、こういうセリフを見るたびにしみじみ思います。
Posted by Rach at 2010年10月01日 08:48
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