2010年10月08日

ア・ペイン・イン・ザ… フレンズ5-7その6

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チャンドラーとジョーイの部屋に、ロスが帰ってきます。
ロス: Hey. So I uh, I didn't get that apartment. Some problem with my application. (やあ。それで、その、僕はあのアパートを手に入れることができなかった。申込書に問題があって。)
ジョーイ: You're kidding! (まさか!)
チャンドラー: You're kidding, no! (まさか、うそだろ!)
ロス: Yeah. But, the good news is Phoebe said I could stay at her place for a while. So.... (そうなんだ。でも、良いニュースもあって、自分のところにしばらくいていいってフィービーが言ってくれたんだ。だから…)
ジョーイ: Well, you can't stay with Phoebe, Ross! We're, we're roomies! (そんな、フィービーといっしょにいるなんてだめだよ、ロス。俺たちは、俺たちはルームメートじゃないか!)
ロス: Look, you guys don't need me here taking up your space. (ねぇ、君たちの場所を取っちゃうから、僕はここにいて欲しくないだろ。)
ジョーイ: Well, we got plenty of space! There, there's still some over there (Points to where the window is but sees that there isn't any space there and points towards his door.) by, by that speaker. Please, just stay. (そんな、俺たちはスペースはいっぱいあるさ! そっちに、まだいくらかスペースがあるよ [窓がある場所を指差すが、そこには全くスペースがないのに気付き、自分の(寝室の)ドアの方向を指差す] そのスピーカーの横に。お願いだよ、(何も言わずに)ただここにいてくれよ。)
チャンドラー: Yeah! (そうだよ!)
ロス: Are you guys sure about this? (この話、本当[本気]なの?)
ジョーイ: Definitely. (もちろん。)
チャンドラー: Yes, Ross, you have to stay! (そうだよ、ロス。お前はここにいなくちゃいけないんだ!)
ロス: All right. (わかった。)
ジョーイ: All right! (よし。)
チャンドラー: All right, buddy! (それでいいよ、ロス[友よ]。)
ロス: So I'm a pimp, huh? It's okay! Look, I know sometimes I can be a pain in the ass. But you just have to talk to me. Tell me if something is bothering you, okay? And for my part, I'll really do everything I can to keep my annoying habits, you know, just.... (Does the 'quiet down' maneuver). (それで、僕はポン引きだって? それは(別に)いいんだよ! ねぇ、時々、僕はうっとうしいやつになるってこと、わかってるよ。でも、君らは僕に話してくれなくちゃ。もし何かうっとうしいことがあれば僕に言ってよ、ね? そして、僕としては、できることはほんとに何でもするからさ、僕のうっとうしい癖を、ほら、こうするために… [例の”静かにする・抑える”の動き[しぐさ]をする])
(Chandler and Joey smile, but when Ross turns away look at each other with looks of horror.)
チャンドラーとジョーイは微笑んでいるが、ロスがあちらを向いた時、二人は嫌悪の顔で顔を見合わせる。

application は「申込書」。
「申込書、願書」「申し込み、応募、申請」という意味で、TOEIC 頻出の単語ですね。
チャンドラーがロスについて、アパートの経営者に嘘の悪口を言ったことで、入居を断られてしまったわけですが、チャンドラーたちは寝耳に水のように、「冗談だろ、嘘だろ」と驚いたふりをしています。
ロスはがっくりしながらも、良いニュースもあるんだよ、と言っています。
the good news is (that)... は、「良いニュースは、…ということだ」ですね。

フィービーのところにしばらく世話になる、というロスを必死に引き止める二人。
roomie は、roommate の俗語表現ですね。
ロスが二人の部屋に引っ越して来た最初、ロスは二人を見るなり、"Hey, roomies!" と呼びかけていました。
「ルームメイトくん」みたいに、より親密な表現を使って、ルームメイトになった喜びを表現してい
たわけですが、越してきたばっかりなのに、もうすっかりルームメイトとして一人で盛り上がっちゃってる、みたいな感じも出ていました。

今度は、いったんはロスを追い出そうとしたジョーイがその言葉を使って、「他の人のとこに泊まるなんてだめだよ、(ロスも言ってたように)俺たち、ルーミー(ズ)だろ」と返しているのが面白いなと思いました。
「俺たち、友達だろ」というよりも、「俺たち、ダチだろ」と言う方が、より親密度が増すのと同じ感覚だと思います。
そんな、水くさいこと言うなよ、という感じでしょう。

take up は「(時間・場所)を取る、占める」。
二人のスペースを取っちゃうような僕は必要ないだろ、いない方がいいだろ、とロスが言うので、「場所なんかいっぱいあるさ」とそれを否定しようとするのですが、やはりスペースらしいスペースはなく、結局、スピーカーの横のわずかなスペースを指し、ほら、そこがあるじゃん、と言うしかないジョーイにも笑えます。

Please, just stay. の just は、このように命令形に付いた場合、「ただ、そうしてくれ、何も言わずにとにかくそうしてくれ」というニュアンスが出ますね。

ロスは自分のことを pimp (ポン引き)と言われた話を持ち出します。
a pain in the ass を直訳すると「尻(というより、むしろ、ケツ)の(中の)痛み」ということで、「イライラさせるやつ・こと、とてもいやなやつ・こと」という意味になります。
ass は、上にも書いたように、「尻」というよりも「ケツ」が近い感じで、英語でも卑語扱いになっています。
ですから、a pain in the ass はかなり下品な表現で、同様の意味では、通常は、a pain in the neck のように、neck 「首、頚部(けいぶ)」が使われることが多いです。

英辞郎[第ニ版]の pain in the neck の説明に、興味深いことが書いてありました。

pain in the neck
【用法】neck の代わりにいろいろな卑語が使われるが、アメリカ映画では pain in the ass のパターンが最も多く使われる。ただし、テレビ番組で pain in the ass [butt]が使われることはない。


このように、「テレビ番組で使われることはない」と断言されている pain in the ass が、今回のエピソードでは、ばっちり登場しちゃっていますね。
となると、「テレビ番組で使われることはない」と言い切れないことになるわけですが、私は別に揚げ足取りをしたいわけではなく、そのように説明されているくらい、ass を使ったバージョンは下品である、ということに気付くことが大切だと思うのです。

特にこの場合は、ロスは自分のことをそう呼んでいるわけで、そんな卑語の入った強烈な表現を使うほど、自分は、いけすかないやつになることがある、って自分でもわかってるから…と反省の気持ちを述べていることになるわけです。
a pimp と言われたことについては怒ってないよ、実際に僕は、a pain in the ass になったりすることがあるからね、と言うことで、自分の悪いところをちゃんと自覚してるよ、と言っていることになります。

アルクの「起きてから寝るまで表現550」(私が持っているのは、1991年版。大学生の時に買ったもの)の、p.122 にも、
Reading manuals is a pain in the neck. 「マニュアル読むのってめんどうくさいんだもん。」
という例文が載っていました。
その解説にも、
a pain in the neck は「骨の折れること、めんどうくさいこと」。俗語では、a pain in the ass もよく使う。
と出ています。

ちなみに、この「起きてから寝るまで表現550」の完全改訂版も少し前に発売されましたね。
Amazon.co.jp: 起きてから寝るまで英語表現700
私はこの「起き寝る」シリーズが好きで、上に挙げた(古い方の)「正編」と、「日常生活編」というのを持っています。
どちらも、生き生きした英文が満載で、自分が英語を書く時に、よく参考にしていました。
ですから、このシリーズの改訂版が発売になったと聞いて、「やっぱりね」と思ったりしたものです。
その例文はフレンズのセリフと同様のノリを感じさせるところもありますから、映画やドラマで英語を学びたい人のニーズに合うフレーズ集だと思います。

(フレンズのセリフに戻ります)
bother も annoy も「いらいらさせる、悩ませる」という意味の他動詞ですね。
ですから、それに -ing をつけて形容詞化した bothering や annoying は「うっとうしい」という意味になります。

the 'quiet down' maneuver は、このエピソードの中間あたりでロスがやっていた、「静かにして、抑えて」を手で表現するしぐさ・手の動きのこと。
音をもうちょっと抑えて…と、両手の指で上から押すようなしぐさをするのですが(ここは実際に映像で確認していただきたいところ)、それをする時に、うっとうしそうな顔で目も細めるんですよね(笑)。
口ではっきり「静かにしてくれ」と言われた方がましだな、と思えるくらい、確かに annoying なしぐさなのですが、「僕にうっとうしい癖があったら何でも言ってね、僕はその癖をこうするからさ…」みたいに言いながら、「抑える、控える」という意味で、最高に annoying なこのしぐさをしている、というのが、このセリフのポイントになります。
「何がうっとうしいって、それが一番うっとうしいんだよっ!」とつっこみたいところですね。

親友のロスのために、部屋を提供することを決めた二人ですが、反省を口にしながらも、友人を嫌がらせる癖を自覚していないロスの様子を見て、ぞっとした顔になっているのも納得ですね。
またこれを見続けなくちゃいけないのかよ、という感じでしょう。


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posted by Rach at 11:11| Comment(10) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
グッドモーニング!
Your book & blog is so wonderful!
You did a stellar job!
I7m looking forward to updating of your blog!!
Posted by diary-english at 2010年10月10日 08:24
diary-englishさんへ

Thank you for your compliment. That's so encouraging.
I'll keep it up!
Posted by Rach at 2010年10月11日 08:23
Rachさんこんにちは。この場面は分りやすいほうだと思いましたが、でも最後のRossのセリフのしぐさの意味合いがよくわからず、「僕としては少し静かにしてくれるだけでいいのだが・・。」みたいな感じかなと思っていたのですが(でもセリフをみるとannoyingがあるので・・?)、改めて解説を見てなるほど、と納得しました。いつもありがとうございます。

あと、pain in the ass は僕にとってはなつかしい表現でした。何年か前、何かの会合で急に会計士(CPA=Certified Public Accountant)のアメリカ人が、「CPAというのは自虐的ジョークで Constant Pain in the Assと言われていて、"いつも厄介でめんどくさいやつら"と思われているんだ。」と説明してくれたのが印象的でした。
関係ない話でごめんなさい。
今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by koroyakun at 2010年10月11日 21:39
koroyakunさんへ
コメントありがとうございます。
ロスがまたあのしぐさをしているので、映像だけを見ていると、また「静かにしてくれ」と言っているのかな…と思ってしまいそうですね。でも、セリフをよく見てみると、自分のうっとうしい癖をどうするか、について述べていて、keep my annoying habits down 「うっとうしい癖を抑える」みたいな意味の、down のニュアンスで、そのしぐさを使っていることがわかります。
うっとうしい癖は抑えるように努力するから…と言いながら、早速その癖が出てしまっている、という面白さですね。

また、CPA さんの自虐ネタの略称についての興味深いお話、ありがとうございます。そういう発想は、ノンネイティブにはなかなかすっと出てこないですよね。まさにネイティブならではのトークで、実際に直接ご本人からそれを聞けば、本当に一生忘れない印象的な話になりますね。公認会計士の略が CPA だというのもしっかり覚えられますし(笑)。
そういう貴重な体験話は大歓迎です。ありがとうございます。こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by Rach at 2010年10月13日 12:09
解説いつもありがとう御座います。
And for my part, I'll really do everything I can to keep my annoying habits, you know, just....について
僕としては、僕のうっとうしい癖を保持するためには、できることはほんとに何でもするから、(あなた達への要望は)「静かにしてくれ」だけのことさ。と私は理解しています。
Posted by Fen at 2010年10月14日 20:47
Fenさんへ
コメントありがとうございます。

just... 以下は、その仕草(しぐさ)だけでセリフはない状態なので、その仕草は相手への要望を述べたもの、と解釈されたわけですね?

ただ、そう解釈すると、Fenさんが訳されたように「僕のうっとうしい癖を保持するためには」ということになってしまいますね。その前に、「僕は時々 a pain in the ass になることがある、何かうっとうしいことがあったら言ってね」と、ロスは反省のセリフを述べているので、その癖を保持する、キープするために何でもする、というのは、話の流れとして合わない気がします。「保持する」だと、「その癖をやめずにこれからもずっと続ける」という意味になってしまいますので。

ここは keep my annoying habits 「僕のうっとうしい癖を保持する」ではなくて、keep my annoying habits 〜 の 〜 の部分を、単語や言葉ではなく、仕草で示した、という解釈が、話の流れ的にも自然かな、と私は思いました。

仮に、「僕としては、うっとうしい癖を保持するためには何でもするからさ、君たちはお願いだから、静かにしてくれよな」ということを言いたいのであれば、
I'll really do everything I can to keep my annoying habits. So you just, you know... <quiet down の仕草>, right?
みたいな感じで、2文にはっきり切れ目が出来て、最後に、「こんな風にしてくれるよね? いいよね?」的な right? などが入りそうな感じがします。(あくまで感覚の話ですが)

ですがやはりそういう、セリフの言い方やイントネーションの問題よりも、「僕のうっとうしい癖を保持するために」という意味では、うっとうしい癖をやめないと宣言していることになってしまい、前のセリフと合わなくなってしまうので、やはり、keep my annoying hatibs down という意味で、その仕草を使っていると私は考えました。それをそのように言葉で言ってしまうとごく普通のセリフになってしまうわけですが、そこで、down の意味で、quiet down の仕草という、his annoying habit を使っているのが、このセリフのポイントなのだろうと私は思います。
Posted by Rach at 2010年10月18日 13:25
Rachさんへ

説明有難うございます。

keep my annoying habits 〜なら、複数形の「habits」ならないかと思っています(〜が「quiet down」の仕草と指すのなら、a habit)。

なんでもやるというのはRossとして反省の意味をすこし込んでいるかと思いますので、話の流れに違和感が特に感じていません。また"And for my part"も自己弁護しているのように感じています(特にhabitsを変えるつもりがない)。続いての「You know」がRossが次何を言うか考えているのことですので、その後のJust...はChandlerらへの要望も十分に考えられます(「私は何でもやりますが、一つだけ譲れない。」或いは「私は何でもやりますので、あなた達にも私に1つだけ譲してくれませんか?」)。

Episodeの前にも見えますが、Chandler,Joeyは一番気になっていたのはRossのその「quiet down」の仕草なので。。。。

あくまでの個人の感覚なので、間違ってたら、申し訳ありません。
Posted by Fen at 2010年10月18日 21:06
Fenさんへ
keep my annoying habits +その仕草、で、keep my annoying habits down という意味として使っていると私は解釈しているのですが、それは、ロスは自分にはいろいろないやな癖が(複数)あるだろうから、それを(全部)抑える、という意味で言っていると解釈しました。
ですから、keep down するものとして、habits という複数形になっていると思うのですね。

ロスは、その自分の <quiet down> の仕草が、one of his annoying habits だとは思っていないはずです。いやな癖を抑えるためには何でもするから、と言いながら、そのセリフそのものにその癖が出てしまっている、そのことを自覚していない面白さだと思います。
反省しているような発言をしながら、「そのしぐさが最大の問題」であることに気付いていないロスと、これからも同居が続くと想像して、二人は顔を見合わせてむっとしている、ということだと思いました。

for my part も自己弁護というよりは、「君たちは僕の嫌な部分に気付いたら何でも言ってくれ、そして僕の方は僕の方で、できるだけの努力をするから」と言っている気がします。ロスは同居させてくれることに非常に感謝しているので、いやな癖があれば直す、と謙虚に誓っているのですが、そういうことを言いながら、最悪の癖が早速出てしまっている、という面白さだろうと。

住む場所がないロスにとっては、同居を許してくれたことは本当にありがたいことなので、ここで「1つだけ譲れないことがあるんだけど、お願いだから静かにして欲しい」と頼むのは、ロスの感謝の気持ちに合っていないと思います。今のロスは二人に何かを頼める立場ではない、と思うからです。チャンドラーとジョーイはもちろん、その仕草が嫌いなわけですが、当然、居候状態のロスに「静かにしてくれ」と言われることそのものにも怒りを覚えているはずですし、今はロスも二人に対して、「静かにしてくれ」とはとても言えないでしょう。

上に書いた私の意見も、あくまで「私はこう思う」という意見に過ぎませんので、参考までに聞いていただければ幸いです。
Posted by Rach at 2010年10月22日 12:34
Rachさん

Thanks for your explanation and sorry for late reply.
After reading the scripts again, I realized that my previous understanding was wrong.
Thanks again for correcting me.
Posted by Fen at 2010年10月31日 20:15
Fenさんへ
Thank you for your reply.
I'm so glad I made myself clear.
Posted by Rach at 2010年11月01日 14:27
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